3 ビー玉坂〜卒業式の前に視るその場所は…
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― 中庭 ―
うわっ、うわわわ。
[がっくんがっくんと揺れるとおさげがゆれて 眼鏡がずれて視界がぼやけた。]
泣いて? ゆ、赦すー??
ちょ、ちょちょちょ、ちょっと待ってよーー。
[慌てて眼鏡の位置を戻しながら必死で制止しよう 人の温もりのある身体でキャロライナの肩をこちらも掴もうと]
ほ、ほんと どうしちゃったのー? 言ってる意味、わかんないよ…。
(@37) 2010/03/05(Fri) 19時頃
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― 中庭 ―
っ〜〜、なに ぼけっとみてんのよ、セシル!!
[がっくんがっくんされながら必死で薄紫を向けた。]
(@38) 2010/03/05(Fri) 19時頃
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[わけが解らなくって、セシルの方へとキャロライナが向かうなら キャロルの肩を掴んでいた手を離して]
っ、…
[じわりと浮かぶ涙を堪えて その場から逃げだすように
―――― 全力で駆けだした。 ]
(@39) 2010/03/05(Fri) 19時頃
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文芸部 ケイトは、正面玄関まで全力疾走した 少女の体力は―――*末吉*
2010/03/05(Fri) 19時半頃
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― 正面玄関→職員室 ―
…はぁ、
[肩で一度深く息をしてから上履きに履き替えて すぐに職員室に向かう。]
喧嘩、誰か… せんせに 止めて もらわなきゃ…。
(@40) 2010/03/05(Fri) 19時半頃
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― 職員室 ―
[ガラッと勢い良く職員室の扉を開けば、 まだ薄らと瞳には涙が浮かんだままだった。 おさげを揺らし肩で息をしながら]
せんせ! 中庭で…キャロルとセシルが―――。
[喧嘩を止めてと、職員室の中に視線を向けた。]
(@41) 2010/03/05(Fri) 19時半頃
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― 職員室 ―
[はぁ、ともう一度深く息を吐いて 唾を飲み込んで乾いた喉を潤す。]
あ、 チャールズ「せんせ」。
はい、…その だからっ、…誰か止めて
え? あ、あたし ?
[「せんせ」の優しい言葉に、眉を下げて こくりと頷いてから足を運ぶ。
グロリアの姿もそこにあれば中庭のことを 薄紫をまだ揺らしながら再度、伝える。]
(@42) 2010/03/05(Fri) 20時頃
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文芸部 ケイトは、チャールズがすごい笑顔を向けてくれば、ちょっとどぎまぎ。
2010/03/05(Fri) 20時頃
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― 職員室 ―
や!?
[変な声が出た。]
優しいだなんて、違いますよ。 ちがいます。
[かなしげにふると首を振って]
だって卒業前に喧嘩なんて…見たくないし それにあたしも関係してるっぽいのに 意味解らなくって、…あたしは逃げてきちゃったし…
あたし、優しくなんて…ないです。
(@43) 2010/03/05(Fri) 20時頃
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― 職員室 ―
あたしも…そう、思います。
[何かあたしの知らない理由で怒っていた。 あたしのことが関係してるっぽいけど ちっとも解らなくて、困った顔になる。
グロリアの方へ薄紫を弱々しく向けてから]
おねがいします。
[ぺこりと頭を下げれば肩からおさげが落ちた。]
(@44) 2010/03/05(Fri) 20時頃
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頼りだなんて、
[とんでもないとまた首を振って]
あたし、「せんせ」に御世話になりっぱなしです。
大学受験の時も、二次指導も面倒を見て戴いて… ほんとうに先生がいなかったら今のあたしはいません。
…?
[お手伝いと言われれば、薄紫を瞬かせて]
何ですか?
(@45) 2010/03/05(Fri) 20時頃
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[グロリアせんせに心配しなくていいと言われれば 眉を下げてほっとした顔を見せた。]
謝恩会用の座布団の枚数を数えるお手伝いですね。
はい!大丈夫です。 この時期ですから部活ももうないし、お手伝いします。
[早く家に帰るのはそんなに好きじゃなかったから いつも放課後ギリギリまで何かと理由をつけて どうせ残っているつもりではあった。]
それじゃあ、放課後にー
…えっと、どこに行けばいいですか?
(@46) 2010/03/05(Fri) 20時半頃
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用具室? 北棟にあるってしか知らないです。
はい、それじゃあ放課後に! チャールズ「せんせ」、ありがとうございました。
[ぺこりと一礼してから職員室を後にして教室に戻る。 それから生徒らしく普段通りの日常を送り続けただろう。]
(@47) 2010/03/05(Fri) 20時半頃
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そして?
[ヘクターは音もなく屋上から舞い下りた
その姿は変わりなかったが、表情は全く動かず
その目は終わった事の顛末を見定めるように
瞬きなく見つめる]
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― 3B ―
[教室に戻れば色々聞かれたけど、適当にごまかしたりはぐらかしたりしながら席についた。 ついてから、はー、と大きめの溜息を吐いてポケットの中にあるビー玉を取りだした。
きらきらしててころころしてるビー玉が好き。 いろんな色がケイトの眼鏡に映る。 赤、橙、緑、蒼、濃紺、薄紫、… 色とりどりのそれ。]
…
[無意識に薄茶色のビー玉よ指先で触れて転がす。 とてもこの色は大切な色な気がした。 その理由は、やっぱりわからなかった。]
(@48) 2010/03/05(Fri) 20時半頃
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[ピッパはどんな反応しただろう]
[それからどのくらいたったろう]
………まぶしいな
[ゆらゆらと、闇の中から垣間見えるのは、過去の風景。
光と生命力に溢れる世界]
…ここから見ると、こんなにもまぶしいのか
[傍らにピッパがいれば、そちらにちらりと視線をやって寂しげに笑ってみせた。ケイトの姿をした少女が、破滅の方向へと向かっている姿が見える]
……………。
[何も言わない。ただ、無言で見つめた]
[徐々に、輪郭は闇に犯されていく。
自分のすぐ前の闇を両手で攪拌した]
[暗闇の中に、闇色のスケッチブックが浮かび上がる。
紙面も、そのものも、ただ闇色なそれ]
……………。
[ぺらりと表紙をめくる。
手を離すと、それは何もない虚空にまるで固定されたように浮いた。それだけ確認して、右手にふうっと吐息をかける]
[右手は、自分の息がかかった場所から徐々に黒く闇に染まっていく]
…………ん……ぁ
[闇が身を侵食する痛み。それは、どこか甘美な色彩だった。
熱を帯びない、冷たい吐息を漏らす]
[そうして、変化した手を闇色のスケッチブックに走らせた]
[闇色の紙面に、闇色の手が蠢く。
自分の身を削って描かれていくのは、自分の教室にいるケイトの姿。
机の上でころがるさまざまな色のガラス玉。
ビー玉を彩る、窓辺の光。
教室の喧騒。そのビー玉をつつく、目を伏せた彼女の姿]
………………
[目を細めて、集中して。描こうとしている。
紙面に踊る線の数々は、きっと生者には見ることが出来ない]
[ジェレミーの背後に音もなく立つ]
忘れたモノの代わりに闇に身をまかせるんだ。
冷たさが全てを癒す。
[声は変わらない
ただ響きが冷たいだけ]
[背後から声が聞こえた。
手を動かすことをやめず、目をそらしもせず、背を向けたまま答える]
……ヘクターか。
[一瞬戸惑うのは、聞き覚えのある声に対して纏う冷たさに]
その冷たさで、あんたは何を癒された。
[視界が揺れる。目の前にひらける校舎のヴィジョン。
ぐらりと傾きかけた身体を何とか踏ん張り、鳶色を見開いた。
その光景は懐かしくもあり、どこか違う。]
……ケイト……
[制服の袖に輝く一本の白いライン。
閉ざされた校内で一瞬だけ見た彼女は、今は陽に当たり普通の少女として生きている。]
貴女は、………
[目を伏せた。]
空っぽの中の忘れたモノの穴埋め。
[機械じかけの人形の言葉]
もう探そうと思わないぜ。
[空ろな笑い]
[ヘクターの空ろな笑いが闇に響く。
少し先からその音は闇にくるくると飲み込まれて行くようで]
………そうか。
ヘクターは、本当に死んだんだな。
[こちらも、悲しみの色が見えない口調]
俺は、あいつの熱さが好きだったよ。
こんなことに巻き込んだ幽霊さえ連れ帰るって言ってた熱さが。
[死んだディーンと対面した時みたいに、他人の様に言葉を紡いだ]
ああ、ビー玉を失くして消えた。
[目線先はのケイトの指先]
………あぁ、なるほど。
これは、あいつか。
[ちょうどそのビー玉を紙面に写そうとしていた所だった。それは、光を反射して、まるで自分が光ってるみたいにきらきら輝く]
……ヘクターの意思? 無理矢理?
[ふわり。
身体を浮かし、ケイトから顔を逸らす。
闇の中を一歩一歩、踊るように歩いて
視線を落とした先は中庭か。
懐かしい顔に双眸を揺らす。]
はは、みんな元気だね。
……ほんっと
[呆れたような、笑顔。]
ケイト・グリフィズ。
……――。
[聞こえてくる声。「国語教師」のそれ。
自分をなぞったような、口調。
ケイトからすれば、こちらがなぞったようなものだろう]
彼が、貴女を?
[他のものは、過去のものばかりが見えて、「彼ら」の姿を視界に捉えることはできない。
自分には]
[闇の中で]
……?
[知った声を聞いた気がする。誰だっただろう]
わからないなら、思い出せなくても良いのでしょう。
[もう記憶など必要ないのだから。
聞こえてくる生徒だった彼らの声。同じ闇にいて色の変わるものと変わらぬもの。
自分は、変わったのだろうか。
変わったようで、本心は同じ。
ただ。
色々なものが混ざり合っていた]
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[ころ] [ ころ] [ ころころ] [ 薄茶の ビー玉を指先で転がす ]
[ ビー玉なのに ] [ 温もりを感じられた気がした ]
[ それを不思議だと思わない ][ 思えない ]
(@49) 2010/03/05(Fri) 22時半頃
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[それは過去の自分であり
それは今の自分でもあり
それは理想の自分でもある]
闇が癒すのは、寂しさだけでしょう。
[どこかで聞いた声に、そう返した]
彼が癒されたのは癒されたと思っているだけなのかもしれません。
ですが、癒されたと本人が感じているのなら、それは癒された事になるのでしょうね。
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