47 Gambit on board
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……グレイヴ、師団、長。
[運ばれる男の姿。その傷だらけの姿に言葉は短く、途切れる。
意識を失っているようで、動かぬ男を見た。
戦っていたもう片割れの氷使いのことなども、脳裏に過ぎらせながら。]
[ラルフが話しを咀嚼するのには、小さく首を傾げて微笑む返す]
大体そんなところですね。
僭越ながら付けくわえさせて頂くのならば、「軍が規律にしたがって動くことなど当然」という下地が士官学校で教え込まれた私にはありますので、「命令を遂行する」ことは空気のようなものなのです。
[ディーンに説教されるようなことをするのも、理解してやっているから性質が悪いともいえる。]
だから、私は彼の描く軍人像が、「命令を遂行する」の段階で止まっていることが彼の、ひいては13師団の兵たちの命を危険に晒すと考えています。
[ヘクターの治療をしながら、そう付けくわえた]
広げた毛布を掛けて貰ったなら、頭を下げる。
基本的に、
信用出来るか否か、と、
キリシマ個人の好き嫌い、は、別解である。
毛布を歯で挟み、顔の方に引き上げると、
なんとかして下に敷いた。
身体はともかく、生身のままの頭の方は、流石に痛い。
…………なるほど。
[帝国への害、譲らぬ言葉と説明に
ひとつ、頷いて。
ツェルベリとのやり取りから、か
毀れた言葉に、緩く、首をかしげて]
……怒られたく、なかったですか?
…例えば、笑って欲しかった……とか?ですか……?
[大概の子がする反応とは違う反応。
けれど、マイナーな反応なれど、
この反応ならば、見覚えがあった。
見覚え、というよりも……己の記憶にも。]
お嫌でなければ……暫く、撫でさせてくださいね。
[緩く、目を細めて。]
――!
[ 止めたはずの刃を手で受け止められ、反射的に、蹴りを避けようと、半身を引いた。
しかし、攻撃は止まり、ヴェスパタインが息を吐くのを見るとこちらも肩の力を抜き]
……まったく、生きた心地がしませんねえ。
老人の心臓を勞ってくださいよ。
手は、怪我はしていませんか。
[彼の手を取り、刃を受けた掌を診ながら苦笑いを浮かべる。]
そうですね。ヴェスパタイン殿下は、ヴェスパタイン殿下です。
貴方は昔から優しいお方ですが……頑固で、やんちゃで、無茶ばかりなさる
[怪我のようすは然程ではなかったが、大袈裟に溜息をついてみせた。]
[ランドルフ皇子から何かを感じとって同意したい気持ちになった。
ちなみに、勿論だが救護室の会話は聴こえていない。]
[ 縁側で茶をすすりながら
その内心を零す二人をのほほんと見たいと
のんびり鳶色は何か受信して思った]
[ならば無意識に心の声を澄ましていたので聴こえたに違いない!
と、その感じとった何かに何か納得したようにこくりと頷いた。]
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>>14
あなたが描き、望んだようにことが運んでいるのは、偶然だとでも?
[するり、交わす言葉に、 そのようなことは有り得ないと突き付けて。 尚、投げられた問いに眉根を寄せた]
……選帝とは、我々が、弱者の剣であり盾であるからこそ、その民の総意を示すもの。我々が選帝権を持つことに、確かに意味はあるのです。
15師団がすべて解体されるべきとは思いません。 改革を為せばよいことです、無論、今あるすべての師団長がそのままの地位にあれるかどうかは、審議されるべきことでしょう。
年若い者たちには時間が必要な者もいます、だが師団長という地位は国を、命を預かるもの。成長を待つなどという甘いことは言えません。指揮を知らぬただの飾りであれば、それは確かに師団長という地位にあってはならないでしょう。
[ブランフェルシーはそれを聞けばまた、違うというだろうか。 しかし各々支えあう前に、支えるべきものが存在する。それが士官の立場と言うものだ]
(15) 2011/03/31(Thu) 00時半頃
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[生憎心に余裕が無いので心の声は聞こえなかった!
第一皇子の言葉ならなんとなく耳には入っている気がする。]
……、救うべき兵を死なせることは、救護をする第7師団にとって最大の屈辱。
第7師団の者なら誰しも最初にたたきこまれる言葉ですが
言ってる自分たちはよく過労になってますね。
[番号など関係ない、というヨーランダに、
配属してすぐにオリエンテーションで嫌というほど聞かされた言葉を呟き苦笑する。]
ええ、同じです。
救護というと白衣の天使などと夢見る者もいるようですが、
その実激務と血や傷に耐えうるだけの気の強さがないとやっていけない。
[肩をすくめた]
若者 テッドは、メモを貼った。
2011/03/31(Thu) 00時半頃
そうか。…ならば無理強いはしないが。
[首を振る様子に差し出した毛布を引っ込める。
体調だけは壊すなよ、と一言付け足して
己は手近な椅子を引っ張ってきて、其処へと腰掛けた。
イアンが頭を撫で続ける様子には、苦笑のまま毛布を抱える。
…こうも見ていると、互い年相応だとも思えるのだが。]
――そも、本来は年相応で在るべきなんだろうが。
[誰に言うでも無く、ぽつりと零す。
続く言葉に一度瞬いて、背凭れへと身体を預けながら首を傾ぐ。
疑問では無く、感嘆の意味を含めた其れ。]
…考えて末の結論だろう、辞する決意を止めはしないが――
国の害になる事を避けようと思考する者が、真に害になるとは思い難いな。
[というのは俺の主観か。と小さく苦笑を滲ませて。
…此処で害か否か聊か悩ましいと思う当人が居るというのに、完全否定とは何を定義してのものか。と言葉に含めたものとは判るかどうか。]
[心の声は聞こえたかもしれないが、言わないのではなく、言えないのだとヨーランダとの話しから悟って貰えただろうかと思って見る。歯ァくいしばれェ!の世界で生きて来たのよ!]
|
……どの道時代は変わる。 我々もまた変わらねばならない。それは確かなこと。
[紅茶を所望されたとしても、席を立つことは無く]
故に、剣を持って道を定める。 そのような手段を取ることはもう終わりにしていただきたい。
[己の前には一度に口にされなかったそれ]
招かれる混乱は、退いては民にあだなすこととなるでしょう。 護るべきものを、害してなんとするのです。
[揃う指先が触れる白百合――その下にある金の懐中時計]
(16) 2011/03/31(Thu) 00時半頃
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笑って……。
どうでしょう。
ボクなんかを施設の外に連れ出そうなんてする人でしたから。
望みは出来れば叶えたかったです。
できないですけど。
[制御の利かない異常体質。
人体に対してはそれほど影響を与えるものではなかったが、誰も、何も不用意に近づくものはなかった。
頭を撫でられた記憶も無い。]
嫌、ではないです。
でもなんなんですか?
[目を細めるイアンに、撫でられたまま不思議そうに。]
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>>15 ――…ほう、じゃ、君は自分が誰かを襲撃したと確信しているのかね?
[実際、すべてが偶然であった。 サイラスとベネットとは確かに最初、話はしたが、そののち、通信機はすぐに壊れ、あとは、彼らが為していく血の改革を追ってみていただけだ。]
まぁ、でも、今述べた考えを両殿下に通報すれば反逆罪はとれるだろうな。 ラミケシュ殿もこの話は聴いておるかもしれん。
[そんな人事のように…。]
選帝権を今の15師団が持つことに意味があるといいながら、改革は後回しか? 結局はそれもぬるま湯だ。
審議するのはどこのどいつだ?
年若い者に国の大事を押し付けて、ただ、のうのうと大国の富のみを貪る連中か?
[ナユタのことを思い出す。 そして、人を改造するかのような機関の存在も。]
(17) 2011/03/31(Thu) 00時半頃
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[男には、二つの”あの日”の記憶がある。
一つは、エステラ共和国がノルデン帝国に屈した、あの日。
共和国の首都は国内各地から逃げてきた国民で騒然としていた。
ノルデン帝国軍は首都の目前まで迫り、士官生の前線配備を控えながら、
士官学校でも指折りの実力と評されていた男は、その時を待ち望んでいた。
―しかし。
大統領が、国軍に撤退令を出した―。
実質的屈服を意味するその知らせが届いてうろたえた。
しかし、それ以上に愕然としたのはその瞬間の周囲の様子。
あの時の人々の表情を男は今でも忘れられない。
言葉なく、ただ立ちすくむしかできず。
人々から湧き上がるのは虚しさで覆われた悔しさや、怒り、不安。
結局、国のためには何も出来なかった悔しさで、手が、足が震えた。
もっと、強くなっていれば―と思っても、もう遅い。
不甲斐なさに、崩れ落ちた]
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>>16 どの道変わるか。やはり君も人任せか?
[また、新しく煙草を咥え…。]
剣を持って道を定めることを否定するならば、 君はどうやって、その先を進むのかね?
実際、話し合いをみても、和平を唱えながらも、軍縮は困るといった意見が出ていた。 本当に勝手なものだ。
あそこで、軍縮厭わず、軍備で浮いた金を国力増強に費やすなどと言った意見を誰か言っただろうか。 和平だけれども、力も必要とみんな口をそろえていたような気がするが?
口では、ローレンスを推しておきながら、 だ。
(18) 2011/03/31(Thu) 00時半頃
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[キリシマが頭を下げる様子に、一度だけぱちりと瞬いて。
然し、何処か安堵した様に薄く笑みを零す。
信用できるか否かと、個人の好き嫌いが別解とまでは知るに及ばないが
強く拒絶をされている訳ではなさそうだとは、何となく察しがついて。
もし毛布を動かす事も難しいようならば、手を貸す心算でいたが
何とか整えた様子を見ると、そのまま手を引いた。]
――だ、そうだよ。…エンライ師団長殿。
[鉄格子より向こうから届く声に、
ランドルフ皇子、GJ。と内心無礼な物言いで親指立てながら
其れを悟られぬ様に、翠をナユタへ向けた。
…常は言えぬ立場だとしても、此処は戦場では無い。
一度ぐらい、本音を零したところで罰は当たらぬだろうに。と
先に聴こえて来たゲイルの言葉には微か思うところもあったが。
当人にとって、事は其処まで簡単なのではないのだろうと結論付ける事にした。
――若さかな、と一人ごちるのは自分を見返っては少々切なかったが。]
ええ、七が一番命に厳しいのは、理解していますよ。
世話になっている身としても、それを貫いていただきたいですね。
……貴女も、一応怪我人でここに叩き込まれているわけですし。
過労とまではいかなくても、気をつけてください。
[それから、白衣の天使なんて言葉が聞こえれば。]
天使、ですか。確かに、度々迷惑を掛ける身としては、それでも治療してくれる貴女がたが天使のように思えることもありますが。その分、激務お察しします。
私は鬼か悪魔なら言われた記憶はありますね。
[にこり、笑う笑顔はとても綺麗だろう。]
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……まあ、本当言うなら、 『一軍の将が掲げるは国家の理想なるべし』 、と言う事らしいけどな。
[異能を封じる結界の部屋へと連れて行かれる背中に、 聞かせるでもない呟きの音は緩い。
やがて救護兵も現れて、ヘクターも運ばれて行った。
ラミケシュとベネットを振り返る。 ベネットもかなり消耗している様子だから、 手荒な真似はないと――思うのだが。
そこかしこから噴き出していた人工の雨は、 元栓の方が締められたのか、止み始めている]
(19) 2011/03/31(Thu) 00時半頃
|
……。
害になりますよ。
ボクは、戦場以外では――時には戦場でも害になるんです。
でも、それだけじゃない。
ボクは13師団の皆も守れとも頼まれたから。
そちらは師団長で無いほうが守れる。
ボクの能力だと味方が居ると戦えないから一人の方がいい。
……―――。
[サイラスに答えていた時に、第一皇子の声が聞こえてくる。]
[二つめは、このノルデンの帝都下の牢獄の扉が開いた、あの日。
チンピラ同士の喧嘩の挙句、相手を殺してしまってから続いた、
冷たくて暗い世界に、明かりが射した日。
この国の為に尽力することが、かつての母国の民の為になる。
恩師に諭され、愚かだった自分を省みて、泣いた。
その後、事情を知った上で皇帝から直接特赦が発令され、
久方ぶりに浴びた日の光のまぶしさは、眸の奥に焼きついたままだ]
前ワット師団長が…………そう、だったんですね。
[エンライが口にするあの人。
彼を師団長にと、推したワット。
望みを叶えたかった、と口にする。
感謝、しているのだろうとはわかる
何か、言いたい感もあるがやはり言葉はうまく扱えず]
[出来ないですけど、と口にする様子
少し、治療はされれど痛む肩をこらえて
撫でる手に力を込めわしゃわしゃとその髪を乱す]
……頭を、撫でる、という行動で、
落ち着くんです。
[嫌ではないと、言われれば、
良かったと目を細めて。
尋ねられた質問、至極真面目に言葉を返した。]
[ガーランド師団長も苦労するな、と何処か女の友情めいたものを心の隅に芽生えさせつつ。お互い頑固だなあ、と思っているうち、皇子が言ってしまった心の声にあーあ、と苦笑した。]
[ツェルベリとエンライの言葉には口を差し挟まず
ただ、ランドルフ皇子の声が聞こえれば
目を瞬かせて。]
|
まぁ、でも、その気持ちもわかるのは、自分自身もそう言った師団長の一人であるからだ。 国を守って戦う連中を見ている。 民も守らねばならんと同時に、
その連中の意義も守りたい。
[そして、また吸い込んで吐く。]
まぁ、いい。 もう、図らずとも、混乱は十分に生み出せている。 きっと両殿下も、深く、考えてくださるだろう。
(20) 2011/03/31(Thu) 01時頃
|
……また『死ぬ気か』と怒るのかな。
一人で戦うと言うと怒られた気がする。
………。
兵器でなくて人で居ろと言う。
敵を害虫呼びして怒る……のはブランフェルシー師団長か。
………迷ったら戦えなくなるのに。
[溜息が零れる。]
イワノフは、庭園方面が静かになった気がした。
2011/03/31(Thu) 01時頃
― 救護室 ―
―――………………。
………――………っ。
[男の指先がぴくりと動いた。
目を閉じたまま眉を寄せ、苦しげな表情を浮かべる]
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