202 月刊少女忍崎くん
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[今回の文化祭で駿が一番楽しみにしていたもの。
それは文芸部が発行している部誌、"珠玉"。]
[中学で陸上部に入ったのに、特に理由はない。
なんとなく惹かれた。そんなものだったと思う。
だが、走れば走るほど陸上というものが
自分の一部となり、切り離せなくなった。]
[駿が専門としている長距離には
スピードで魅せ
一瞬で決着がつく短距離のような華やかさはない。
自分の心音を、前を後ろを隣を走るランナーの
息遣いを感じ取り、地を蹴る。
他者のいい流れを封じて自分の身体を風にのせ、前に。
一番、前に。その繰り返しだ。
それが苦しくて、でも楽しかった。]
『お前も、好きだなー。』
[と同じ陸上部員の奴にも言われたくらい
ただただ、日々走った。
長距離と短距離、種目は違えど同じように
たんたんと練習をこなす忍崎も
きっと陸上に対する気持ちは同じだと思っていた。]
[だから高校生になってしばらくして
ようやく入部ができるようになった頃。]
もう入部届け書いただろ?出しに行こう。
[と声をかけに行った忍崎に断られた時は驚いた。]
陸上、嫌いになったのか?
[とショックを受けつつも
食い下がる自分を仕事部屋であるマンションに連行し
少女漫画家であることを話してくれた時も、驚いた。
そして驚く駿の手に、締め切りが近いと
有無を言わさないようにカッターを握らされた時も。
当然NOと言えずに動かした自身の手がトーンというらしい
シールのようなものを綺麗に切り取った時も。
驚きの連続の末、忍崎の手伝いをするようになった。]
[そうして陸上部の練習がない時には
手伝いでなくとも、たびたび上り込むようになっていた駿が
彼の部屋でふと見つけたのが"珠玉"である。
その日も何故か白銀に追いかけられていて
ストレスを部活で発散させようと放課後が待ち遠しかった。
だが、生憎の天気模様で部活が休みになったので
なんとはなしに忍崎の部屋に寄ったのだった。
はやくこんな色の下で走りたい。
そう思って綺麗な空色の表紙に手をのばし、
家主の断りなくぱらり、と開いた事はよく覚えている。]
[ぱらぱらとめくった駿の目にその作品が止まったのは
難解な漢字や表現が紙面を踊る他の作品とは趣向が異なり
ひらがなが多い童話だったから。ただそれだけであった。
が読み進めるうちに、駿でも理解できる簡素な表現であるのに
どこかじんわりと暖かく描かれる情景。
感情豊かに生き生きと動く登場人物たち。
ちょっぴり切なくてちょっぴり不思議でとても優しい物語。
そんな"星"を集める子どもたちの話に夢中になった。
読み終える頃には感じていたストレスも
走り終えた後の様にどこかに吹き飛んでいたのである。]
[作者の名前はすぐに確認し、覚えた。
"早乙女スピカ"先生。
名前と作風からしておそらく女性だろうか。
忍崎にも作品を読んで聞かせてこの素晴らしさを伝えたが、
何故か女子に怖いと大評判の真顔で
何やら唸っていたように駿には見えた。]
[忍崎やその他クラスメイトなどから
聞いた"珠玉"の入手方法は非常に難易度が高かった。
基本的に、1年に1回の文化祭での
定期発行を除けば、発行は不定期。
作者たちのやる気次第、部誌が発行できるほどの作品が
集まり次第に発行するのだという。
発行部数もページ数や
前回の配布状況に左右されるらしくまちまち。
配布場所――これが一番厄介で、
図書室の本棚の間や美術室の隅。
人目につかないところに
『ご自由に』という張り紙だけ貼られて置いてあるのだという。]
何でこんな手に入れにくいんだ?
読んでほしくて書いてるんじゃないのか?
[とあまりの難易度に思わず呟いた駿に]
『自分の書いた物語を読んでほしい。
でも感想は怖いし恥ずかしい!
って複雑な作家心なんじゃないか。』
[なんて言ったのは誰だったか。
作家とは顕示欲が強い生き物だと思っていたので目から鱗。
なるほど、と納得して日々"珠玉"入手を試みたが
未だ自力で手に入れることはできていないのである。]
[何故か、毎号手に入れている忍崎のおかげで
"早乙女スピカ"先生の作品はすべて
読むことはできているのが幸いである。
それにしてもどうして毎号手にできているのだろう。
日々ネタ探しの為に学校の至る所に
出没したりしているからだろうか。
忍崎に直接聞いても、
何やら慌てた様子を見せて教えてはくれなかった。
彼の文芸部に対する態度は度々首を傾げるものもあったが
忍崎のおかげで"早乙女"先生と出会え、
心穏やかな時間を貰えているのである。
些細なことは気にしないことにしている。]
[そして本日、文化祭。
1年でこの日だけはどこで
何部発行しているか判明している"珠玉"。
それを手に入れようと密かに気合を入れていたのだが
運動部である駿に与えられたお化け屋敷の出番は多かった。
もちろん文化祭の主役、
文化部の忙しさを見ればNOと言えるわけがない。
朝一番からお化け役をこなしていたが
正直いつ売り切れになるかと気もそぞろだったのである。
気になりつつも、代役をしてもらってる身で
まさか自分の用事を済ませることもできない。
今現在も未だ部誌は手にできておらず。
――その結果、つい色々配慮を欠いてしまった伝言>>2:*3になってしまったのは、そう。しょうがないのだ。*]
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―回想:一年前 坂の上 第二七頃公園―
[息も切れ切れ、なんとか公園にたどり着いて、 まどかはそこからの景色を見下ろした。]
[遠く遠景に薄い霧が立つ上からの街並みを、 先程よりも強く朝焼けが染めている。 街を流れる大きな河に、朝日がきらきらと反射していた]
[目の前に広がる光景に、まどかはゆっくりと瞬きをして 切れ気味の息を静かに吐いた。 まどかの目にも、朝焼けがきらきらと反射した]
(57) 2014/11/15(Sat) 21時半頃
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[被写体はばっちりだ。まどかは首に下げたカメラを構えて ファインダーを覗く。…もう少しだけ、構図が物足りない。 おそらく視点の高さだろう。自分の身長には難儀しっぱなしだ。
幸い、立ち位置がそれほど変わらないところに 小さな段差があった。 まどかはそれに登って、再びファインダーを覗く。 次こそは満足の行く構図になった。]
(58) 2014/11/15(Sat) 21時半頃
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(ん…よしっ 完璧…!)
[整えた息を静かに吐いて。 シャッターボタンに伸びる指に力を入れた]
(59) 2014/11/15(Sat) 21時半頃
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[坂の上、高台になった公園からは、 橋のかかった川と町並みが見えていた。
よしっ、と鷹野まどかが、ファインダーを覗いたその瞬間、
その切り取られた風景に、 さっと、人影が重なった。
シャッターを切る指を止める間もなく、 ごっっ と 一陣、風が過ぎ去る。]
(60) 2014/11/15(Sat) 21時半頃
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ぅえっ?!?!
[ファインダーの奥が一瞬、少し暗くなる。 風が過ぎ去るその瞬間。 かしゃ、と軽い音が上がってシャッターが切られた]
(ななな なにいまの?!)
[何か大きな影だった気がするが、 影の動きが風のように早かったうえに ファインダー越しの視界はあまりに限られている。
それが何なのかわからないまま、 まどかは画面を操作して先程の写真の具合を確認した]
(61) 2014/11/15(Sat) 21時半頃
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[フレームに映りこんだのは、横顔だった。
朝日へ向かって駆け出すひたむきな。
微かに息を切らしながらも、 前を見据えた真剣な眼差しで、
首裏に湿布を貼った男子の横顔だった。]
(62) 2014/11/15(Sat) 21時半頃
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[鳥の羽ばたきが頭上を登っていく。広い肩が上下して、 走っていた足が緩やかに止まる。]
……だめだったか……
[憂いを帯びた横顔が、朝の清涼な空気の中、青空を見上げた。 追っても捕まらない青い鳥を名残惜しむように朝日に目を眇め、 長身の青年は、緩く息を吐いた。]
(63) 2014/11/15(Sat) 21時半頃
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(なん…だこれ…っ!?!?)
[やたらと大きい影だとは思ったが、 まさか人影だとは思っていなかった。 奇跡的にもそれなりにピントの合った写真>>62に、 まどかは目を疑った]
(64) 2014/11/15(Sat) 21時半頃
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[デジカメの画面の中。
首裏に湿布、という満身創痍そうな見た目の中でも どちらかと言えば庶民性が感じられるその男子の横顔は]
[まっすぐと前を見据え。 ほかで見たこともないほど、真剣な顔をして。
朝日に照らされて、輝いていた]
(65) 2014/11/15(Sat) 21時半頃
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……… 、
[彼のひたむきさは、
たとえ一瞬の出来事の中でも。 手の平に収まる小さな画面の中でも。
しっかりと強く強く映し出されて]
[まどかの胸を大きく打つ]
(66) 2014/11/15(Sat) 21時半頃
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…………… 、
[まるで、今撮ろうとしていた筈の 街を区切る大きな河が朝日を反射するように。
画面を見つめるまどかの目が、きらきらと輝いた]
(67) 2014/11/15(Sat) 21時半頃
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[画面から、顔を上げた。 まどかからそう離れていない位置。
朝日を見上げて、青空にも近い長身が緩く息を吐く。 画面の中の彼がそこに居た>>63]
(68) 2014/11/15(Sat) 21時半頃
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[風のごとく、フレーム内に飛び込んだ青年は、 そのまま暫く空を見上げていたが、 そのうちに、なにかを諦めたのだろう。
湿布の貼られた首後ろを押さえて、黒いジョギングウェアを来たその男は、視線を地上へと降ろした。 カメラを構えていた手も緩やかに体の横へと下ろす。]
───?
[と、首をめぐらせた先、 踏み台の上で少女が、 一眼レフをもって立ち尽くしていた。]
(69) 2014/11/15(Sat) 21時半頃
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[踏み台にのって漸く首を曲げずに話せるくらいの、 小柄な背丈にはややも大きく見えるカメラが目に止まる。]
……それ
[視線をカメラに固定したままで、 男の手がもちあがった。 無愛想な声と共に、指が、カメラの目をさす。]
(70) 2014/11/15(Sat) 21時半頃
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[こちらに気付いたのか彼の首が、 澄んだ朝の空からこちらに向く。]
ぅ、ぅえっ?
[思わずびく、と肩を小さく跳ねさせる。 彼の目線を追って自分のカメラを見て、 数秒だけの沈黙が流れた]
(71) 2014/11/15(Sat) 21時半頃
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(……………あっ!?!? そそそそうだ! わたし無断で撮っちゃったってことだよね!!?)
[彼もそれに気付いたのだろう。 もう一度カメラを指差すその目を見る。 無愛想な声を上げて歩み寄ってくる彼の長身と、 その真顔にまどかは思わずたじろいだ]
(ひっ… でかいっ こ、こわい!! こ、これ絶対!! 絶対怒ってる…!!)
[当然だとも思う。 勝手に撮られていい気分をする人はそう多くないだろう。 まどかは慌てたように、頭を下げて]
(72) 2014/11/15(Sat) 21時半頃
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