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………もぅ、15年だよ。
僕は遅すぎると言った。
遅すぎるから―――前に、進まなきゃ ならないんだ。
赦して、赦されて。………忘れて。
[強張っている指を広げようと、1本1本伸ばしていく。]
未来の為に。 幸せの、ために。
期待通りの答えを欲しがって、どうする?
……置いてきたのは、友じゃないか。
[怒気のような、突き放すような物言いに、
息を詰まらせる。]
それを、僕のせいに ……しないで。
ふ、と短く息を吐き。落ち着こうと。
色々試せば晴れるかも知れない、けど。
[何をしても。何をされても。
それはどうかなと首を振り。
頬を摘まむ指を止めようと手首に触れ、すぐに離した。]
可愛くない、の、1択でしょう……
……ダメだね、色々平行線だ。
[カタンと席を立つと少し深呼吸]
俺はお前にどこで本を返せばいいんだろう。
ここで返しても忘れたら返したことにならないし?
目が醒めてから返せても、忘れてほしいっていうお前のご期待には添えないわけでさ。
ごめんよ、ちょっと席外させて。疲れた*
……今っ、返してよ。
その事実さえあれば、もう、本――なんて。
[船の甲板で少し風にあたる。
「璞のせいにしないで」
………
[玲、と小さくつぶやく。
夢の記憶があればきっとまた会える。
昔の確執ももう消えたのだと覚えていられる。
けれどあの時肌が触れた感触も
こんなに会いたい気持ちも亡くなってしまうのだと思えば
ひどく怖くて…少しだけ小さく嗚咽が漏れた。
手のしびれも足の痛みも、ますます顕著になる。
現実が近づいているのかとまた、思う*]
俺って…サイテー……
メモを貼った。
あの子は! 大事な方の花を欲しがった!
だから、君は赤い恋心を――渡した。
君の一番は……僕じゃ、ない。僕への、心残りじゃあない。
だから、僕との事なんて――― そんなやったことなんて、忘れて…… 君は、君の幸せを―――…
[掴めば、良いんだ。
この場から離れようとする背に言葉を向けるのは、焦りのせいでもある。]
僕は―――…忘れて、しまうのに。
君を遠ざける僕に、……戻るのに。
[1人残された部屋で、真実を呟く。]
[ボゥ――――――…
汽笛が鳴る。
忘れてなんて、言わなければ良かったのか。
早く本を受け取って、終わりにすれば良かったのか。
卓上に肘を置く。組んだ指の上に額を乗せて、強く目を瞑った。]
………友。とも、話を 聞いて。
[意を決して立ち上がる。]
……?
[その身がぐらりと揺れた。
椅子に寄りかかって身を支える。
ぐらり。揺れているのはシャンデリアも同じ。
ぱちと火花が散り、一瞬で部屋は真暗になった。]
い!!!
[急な停電。灯りは全て消えた。
祭りの時のように、周囲を照らすものは何もない。
そぅ、何もない、闇のなか。]
[波に船体が揺れる。
揺れて、曽井は支えを無くして床に転がった。]
うっ あ
[額に浮かぶ冷や汗。
焼き付いて離れないのは15年前に見た――…。
此処は夢の中だからか。
本の中から呻き声まで聴こえてくるかのように。]
![]() | 【人】 匿名軍団 ゴロウ[蛇口をひねると、想像以上に冷たい水が出て、その音も光も夜の中でもきらきら。 (129) 2014/10/12(Sun) 09時頃 |
![]() | 【人】 匿名軍団 ゴロウ[綺麗綺麗に洗い終われば、蛇口をきゅきゅっと閉めて] (130) 2014/10/12(Sun) 09時頃 |
![]() | 【人】 匿名軍団 ゴロウ 陸が昔辛かった思いとか、もうそれで苦しまくてもいいじゃない。 (131) 2014/10/12(Sun) 09時頃 |
![]() | 【人】 匿名軍団 ゴロウ[いいたいこと。 (132) 2014/10/12(Sun) 09時頃 |
[夏祭りの会場では、鬼灯のあかりがあった。
お化けであっても、愛嬌のある姿ばかりで気持ち悪くはなかった。
けれど。]
………っ
[胸に膝を寄せて小さくなる。
両耳を塞いで、何も聴こえない、何も。
怖くて怖くて、助けて――…。]
[深呼吸を繰り返す。
大丈夫。今回だって、大丈夫……。
いつもそうやって、収めてきたじゃないか。]
…………、………は、ぁ…。
[鼻筋を通り、落ちる汗の粒。
現実世界ではない夢の中、復旧するのは暫く後の、こと。*]
メモを貼った。
[甲板に出て、暫く物思いにふけり中。
ニコの言葉
…忘れろって、ここに来る前のことは勘定外なら
今更忘れられるかよ。
[盛大に溜息ついた時、船が大きく揺れた
床に投げ出されて思わず呻く]
いってぇ……
ニコ?
[彼は大丈夫だろうか、
暗くなった船の中、壁伝いに先程の部屋に。
さっきの今で躊躇しない訳ではなかったのだけど]
ニコ
[扉は重い。片手がしびれで上手く開けられない
声だけは届くだろうか
自分が害されることがないとしっている夢の中。
けれど彼のトラウマは知らない]
![]() | 【人】 匿名軍団 ゴロウ 知っててもらうとか覚えてもらう、とかで安心か。 (143) 2014/10/12(Sun) 10時半頃 |
[そう、ここは夢の中。
だから、何に怯えて何から耳を塞ごうとしているのか、友にも分かるだろう。
下足室で見たのは、僅かの時間。僅かの1ページ。
けれど、その1ページが、1シーンが現実感を伴い、苛む。
聴こえるのは何の音だろう。
罪人の悲鳴か、懇願か、それとも――…]
……っ
[耳を塞いで居ても、名前を呼ぶ声だけは鮮明で。
だからこそ首を振る。唇を噛む。
早く――悪夢が過ぎ去るのを、待つ。]
ニコ
[船内の様子が変わる。覚えがあると思ったら。
あの本の、一部だ。自分は面白がって見ていた…
というより現実味のない「絵」として見ていたから
怖さは、彼ほどでなくて。
あの年齢で手に入れられる本の描写ということもあって。
きっとこれは彼の記憶なのだろうか
扉は拒否されているように開けられない。
彼のトラウマの程度を知らない自分は
この悪夢が過ぎ去るまでどうすればいいのか
わからない。
まるで「忘れるな」と突きつけられているようにも
感じてしまって*]
![]() | 【人】 匿名軍団 ゴロウ
(148) 2014/10/12(Sun) 12時頃 |
![]() | 【人】 匿名軍団 ゴロウ[感傷に浸ることは、今後は、命取りになるかもしれないと教わった。] (149) 2014/10/12(Sun) 12時頃 |
![]() |
[耳から下ろして両肩を抱く。
声はするのに、遠いまま。
助けて――…。そんなこと、言えない。
大丈夫だと、言って欲しい? ―――分からない。望めない。
あやすように触れて欲しい? ――分からない。望めない。]
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