60 ─昨夜、薔薇の木の下で。
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>>207
[医務室からの去り際、ヤニクがヴェスの寝台に向かうのが見える。 そして、その身体を拭き始めるのを見る。 その甲斐甲斐しい行動、草木の世話も同じようにしているのだろう。 人のしないことを率先してする、という行動で、褒められること、を求める者はいる。 だけど、それだったら、どこか、そういった驕りが見え隠れするものだ。
だけど、ヤニクは、本当にそこに何も求めていない気がして…。]
――………
[でも、ヤニクが仕事をはじめたので何も言わず、医務室から出て行く。]
(248) 2011/08/08(Mon) 09時半頃
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[そのとき廊下を見れば、もうノックスの姿は見えなかったけれど…さっきの会話から屋上にいくのだろうな、とゆっくりそっちに足を向ける。]
ノックス先輩…。
[屋上にあがれば、>>210>>212 青空に傘。その中に小柄な身体は隠れて…。]
隣、いいですか?
[カメラを肩にかけ、そう声をかけた。]
(249) 2011/08/08(Mon) 09時半頃
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― 屋上 ―
空、綺麗っすね。 先輩の目の色に似てる。
ヤニク先輩の目は水の色だけど…。
[不審な目で見られただろうか。 だけど、気にしないふうに。]
さっき、ヤニク先輩がノックス先輩のこと、心配したのは、本当に、心配だったからですよ、と思って。 でも、いつも病人扱いされるのはたまらないのはわかります。 っていうか、ノックス先輩がイライラした気持ちがわかったから。
大丈夫ですか?
[横からじっとその顔を見て…。]
(250) 2011/08/08(Mon) 10時頃
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俺、年下の子供扱いで、 ヤニク先輩からまともに相手してもらえないんで、ちょっとせつない時があるんですよね。
なんか、さっきのノックス先輩見てたら、 ちょっとこう、共感したっていうか…。
[それから視線を外して、自分も空を見る。]
まぁ、ええと、ヤニク先輩、 ああいう人だけど、悪い人じゃないから。 悪いいいじゃないな、そこらへん判別できないけど、
こうなんだろう。
[結局、自分で言い出したことに、自分でわからなくなった風で。]
(252) 2011/08/08(Mon) 10時頃
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記者 イアンは、メモを貼った。
2011/08/08(Mon) 10時頃
イアンは、膝を抱えて、ノックスと並んでいる。**
2011/08/08(Mon) 10時頃
[幾度もしゃくりあげるように泣いて零す涙は、
いったい何度重ねた夜の分なのだろう。
誰かの温もりに縋りたくても、縋ることが出来なかった。
大人に話せば、いらぬ騒ぎを呼んでしまう。
上級生たちも手引きした彼も罪に問われ、それはきっと自分の身に仕返しとして返ってくる。
かと言って、友人たちに話すことも出来なかった。
きっと軽蔑されてしまう。
男に無理矢理犯されて、はしたなく喘ぎ乱れる淫乱なのだと自覚してしまったから。
蔑まれ、輪の中からはじき出されるのが怖くて、何も言えなくて。
それでもこの人ならきっと…と思い詰めて打ち明けた保険医にすら、
屈辱的な診療中に、無防備な君が悪いのだと叱られて…
言えぬまま、癒えぬまま、
ただ心の奥で化膿した傷口から目を逸らして、
忘れたことにすることで生きてきたのだから。
やっと表面に見えたそれは、あまりにも深くて酷く痛んだ。]
「…エヴァンス先輩!」
[二人の様子にかけられた悲痛な声は、長い銀髪を揺らしたヨーランディス。]
「ダメです、先輩は僕のなの!
先輩を僕から取らないで!!!
毎晩薔薇の木にお願いして、いつか叶うって信じてて、
やっと願いがかなったんだもん。」
[その姿は薔薇の毒を、薔薇の呪いを、自ら望んで受け入れて、
長い銀髪の毛先は、燃え上がる恋心に赤く染まった荊棘の蔦。
頭にも胸元にも艶やかに花を咲かせて、
まるで…薔薇の精にでもなってしまったかのよう。]
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― 屋上 ― >>253>>254 [大丈夫じゃない、と膝を抱える先輩。項垂れた頭、風が吹いて金髪の先が揺れている。 それから、何か言いよどんで、
ふと、出る……ヤニクへの告白に、目を見開いた。]
(300) 2011/08/08(Mon) 21時半頃
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>>256>>257 ――……
[それから、語られる想いを、ただ黙ってきいている。 何か言葉を紡ごうとするけれど、そのたびに飲み込んで…。]
ライバル?
[出てきたその言葉には瞬いた。 それは、まだ15歳の少年にとっては、そこまで思い至ってないことで。 改めて考えて下唇を噛んだ。]
あの人が顔色変えないのは、みんなにだし…。 病人なのはあまり関係ないかなって思いました。
[さっき、ヴェスの清拭をしていたヤニクを見て思う。 薔薇の枝を注いだであろう、その指。
きっと、彼の指は、求めればその優しさを注いでくれるだろう。 そんな、博愛の、指。]
(301) 2011/08/08(Mon) 21時半頃
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>>258 [それから、ライバルではないといいつつ、邪魔をする、期待は捨てられないと俯いて言ったノックスの横顔をしばらく見つめていた。]
――……
[ただ、やっぱりなんといっていいのかわからなくて…。 言葉失っていれば、ノックスは立ち上がって行ってしまう。]
(302) 2011/08/08(Mon) 21時半頃
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[そして、一人、屋上に残されて、 また青い空……。
空に向けてシャッターを切った。]
――……
[憧れは、いろんな側面をもっている。 憧れは、決して、綺麗だけのものじゃない。
そんなことを思いながら。]
(303) 2011/08/08(Mon) 21時半頃
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イアンは、そして、自らも立ち上がり、屋上を後にする。**
2011/08/08(Mon) 21時半頃
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― 廊下 ― >>261 [しばらく屋上でぼんやりしてから、 とぼとぼ階段を降りていく。
そして、その先、さっき話したばかりの人物をまた発見するのだ。]
ノックス先輩?!
(304) 2011/08/08(Mon) 22時頃
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イアンは、ノックスの元に駆け寄った。
2011/08/08(Mon) 22時頃
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先輩……具合悪い? ああ、無理しないで……。
[廊下の壁に凭れるようにして歩くノックスに驚いて、咄嗟にその背中を支えた。 さっきとは違い、息も荒く、熱もあるようだ。]
大丈夫ですか? ああ、どうしたら?
[病弱といっても、何の病気だかも知りはしない。 ただ、必死に手は貸そうとしていた。]
(305) 2011/08/08(Mon) 22時頃
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記者 イアンは、メモを貼った。
2011/08/08(Mon) 22時頃
記者 イアンは、メモを貼った。
2011/08/08(Mon) 22時頃
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>>306
[その眸が潤んだのも、具合が悪いせいだと思っている。 部屋へ、というと、瞬いて…。]
保健室のほうがいいんじゃ? ヤニク先輩も……。
[いるかも…と、その言葉は最後は消え入りそうに言う。 ちょっとだけ、ほんのすこし、 病弱だということで構ってもらえてるんじゃないかと思ったノックスをうらやましがった。]
ええと、じゃ、行きますよ。
[ノックスの部屋に向かおうとする。 いろいろ焦ったせいか、薔薇の香が強くなったのには気がつけない。]
(307) 2011/08/08(Mon) 22時半頃
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― ノックスの自室へ ―
[ノックスの返事に頷いて、移動する。 痩身だけど、それなりに鍛えている身体は、その身体をしっかり支えただろう。
部屋に入ると、横に…といわれたので、ベッドへと連れていこうとする。]
(313) 2011/08/08(Mon) 23時頃
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