147 書架の鳥籠
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……私、きれいなんかじゃない。
だって……私は呪われているし、……誰も好きになれないから、
誰にも好いてもらえないの……。
[カトリーナさんのように、何かをおいしく食べられない私が、どうして彼女のようになれるのでしょう。]
[一途な激しさ、それを私は美しいと思いました。
だからこそ、愛は重いのでしょうか。
水の精も、彼女のように一途な思いを持ったから、重い荷物を背負うことを受け入れたのでしょう。
『魂は重い荷物』……私には、二度と背負えないもの。]
そうけ?
[執着心の強さは、体型が示していた]
[空腹な訳でもないのに、菓子を摘まむ彼女]
きれいだべ。
[ああ、レティーシャはきっと気づいていないのだ]
[自分の中にあるきもちに]
自分が醜いっちゅうのを認める強さはきれいだべ。
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―サロンから書架の迷宮へ―
[そうして、グロリアを誘うのは書架の森へ。 深く薄暗い路を、彼女の速さに合わせて進む]
さあ、こちらだ。
[代り映えのない書架の角を曲がり]
こちらの方だよ。
[ランタンの薄明かり。迷うことなく]
ほら、魔法のようについてしまう。
[見慣れた平積みの本の山。 堆く積もれた背に綴られる数多。 東洋西洋医学に薬学魔術に練金。 いくつか男の好む、見知らぬ風景。 見知らぬ花々。幻想的な本もそこにあり]
(168) 2013/10/08(Tue) 00時半頃
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[彼女はゆるりとサロンを見渡す]
[ピッパがいた]
[呼んでくれたのは、届いている]
[昨晩、自分が眠った後、彼女が来てくれようとした事は、知らない]
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[書架に入る前、ホリーと交わす言葉]
ここに来て、君の話が難しいな。
[泣きそうなホリーへと眉を下げて。 頷き走り出す前、言葉ひとつ託す]
頼んだよ。
[彼のこころを救ってくれないか。 ――そんな、途方も無いわがままを]
(173) 2013/10/08(Tue) 00時半頃
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[浮気調査と咳払い>>170 軽く目を見開くのは男の方]
…くっ、 くくく。 ハッハッハッハ。
[浮気をしたのは妻だと言うのに。 なんだか無性におかしくて。 声をあげて笑ったのなんて久しぶりのこと]
まあ、 男の甲斐性というものさ。
[浮気なのか愛へなのか。 そんな一言を残してグロリアを書架へと誘った]
(174) 2013/10/08(Tue) 00時半頃
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ルーカスは、グロリアに話の続きを促した。
2013/10/08(Tue) 00時半頃
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―書架の中―
ふふ、もっと誉め称えてもよいのだよ。
[感嘆の声に男は得意げ冗談めかす。 祈り篭められる言葉には ゆるやかに受け止める瞬きの後]
ああ、みつかったさ。
[男はそういって笑った]
[男の願いは不治の病を――] [――奇跡でもおこらねば] [書より術は知り得ても。 技術の進歩を待つ時間は途方もなく]
[叶わぬ願いより他、みつけたものは]
(180) 2013/10/08(Tue) 01時頃
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うむ。 しかし そんなに褒めても本しか出ないのだ。
[褒め言葉にこそばゆそう。 平積みからまずは一冊手渡して。 告げられる言葉と笑みに目を細める]
…、
[本を預け空いた手はグロリアの頬へ。 届けたものの手触りを手甲がなぞり確かめる]
よかった…
[男の顔にも伝い移る満面]
(183) 2013/10/08(Tue) 01時頃
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……。
きれいなんかじゃないわ……。
[カトリーナの言葉に、私は静かに反論しました。
強く何かありません。私は逃げたのですから。
そうしてまた私は、オズワルドの後ろにそっと寄ったのです。]
[書見台の側にいるオズワルドに、私は必死に声をかけます。
必死……そうね、もう死んでいるんですから。]
オズ……私はここ……
そんな人形なんて、こなごなに砕いて……!
ルーカスは、グロリアこそが守られているのだと、信じるから重ねる数々の言葉>>162
2013/10/08(Tue) 01時頃
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[重ねられ、伝えられるまこと。 むむむ。と、横にまっすぐ結ばれる口。 ひとつ、困った感じに眉を下げて]
嬉しく想うのだよ。
[観念したようふっと笑みが漏れた]
さて、本を探さねばな。
[降りた男の手はもう触れず。 時折病状を尋ねながら、似た文献を探す時。 静かに静かにページを捲る音だけが続くだろうか]
[鐘の鳴り響くその時まで――*]
(186) 2013/10/08(Tue) 01時半頃
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ルーカスは、ホリーに話の続きを促した。
2013/10/08(Tue) 01時半頃
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