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後は御前の性格とその眼かな。
[鋭い目元に朱が走る。
録画されているのが何だとは言わずともわかるだろう。
此方へ向けられた言葉はわからないが、罵倒の類だろうと男は声を上げて笑った]
Jade、鞭の回数を増やされたい?
俺の機嫌は取っておいたほうが利巧だ。
でもま、素直に従ったとしてもそれはそれでつまらないけどね。
[一番良いのは言いなりになって男の興味を削ぐ事だろう。
彼に何処まで耐えられるかは知らないが]
あ、ホリィ。
此処までの録画をみたいんだ。応接の映写機持ってきて。
[命令に頷くと、投げられた薄絹を抱えて召使は音も無く部屋を去る。
後には男と青年が残された]
気持ち悪そうだね、それ。
でも拭う許可はやらないよ。
[双子が持ってきたタオルも桶も、壁際に立つ男の足もとに置いてある。
太腿に流れる白濁はつい先刻中にたっぷりと吐き出したものだろう。伝う様子を褐色を細めて眺める]
これから御前には服と絨毯を汚したお仕置きをしなくちゃならないからね。
自分のしたことをちゃんと思い出しながら反省するんだよ?
[間も無く髪の短い召使は木の枝を加工した簡易鞭を手に戻ってくる。彼の選んだ其れは皮の鞭よりも痛みの少ないもの。
茨も何もついていない仕置き用の鞭に、男は肩を竦めたが取り替えてくるようには命じなかった。
木製の鞭を手に青年へと歩み寄る。軽く振るうと手元でパシンと良い音が鳴った]
![]() | 【人】 修道女 ツェツィーリヤ[そろそろ限界といった様子の少女のところへと戻ると、汚物用のブリキのタライをとって、尻の下へと設置する。] (17) 2010/04/09(Fri) 01時半頃 |
![]() | 【人】 若者 テッド[口が悪いのは工場や炭鉱での仕事のせいもあるが、男の育ちが悪いわけではない。父親の背を見て育ち、妹を 大切に思っていた。だからこそ、――― ここにいる。] (18) 2010/04/09(Fri) 01時半頃 |
![]() | 【人】 良家の息子 ルーカス― 客席 ― (19) 2010/04/09(Fri) 01時半頃 |
[瞳はともかく性格。
本当にこの男は、自分を踏み躙るその為だけに買ったのだろう。
鞭、の言葉に苛立ちは幾らか潜めたけれど、それでも視線は外さない。睨んだまま]
『機嫌なんか───』
[取ったところで変わるまい。けれど。
翡翠のきぬは持っていかれて、自分を隠すものは何もない。
苛立ちを伴った表情は、男の『映写機』という単語に眉を寄せた。
この部屋から出られることはないだろうし、
彼の足下に置かれたタオルや水桶が許されるのも今は難しそうで。
気持ち悪そう、と告げられた白はまだ肌の上に残ったまま。
確かに気持ち悪いけれど、それを唯一拭えそうだったナフキンも
翡翠の絹と一緒に持っていかれてしまった]
……ッ
[仕置き。気分のいい言葉ではない。
もう一人の召使が持ってきた鞭が、ごく簡単な鞭だったことだけが
今の自分にとっては唯一の救いのように思えた]
![]() | 【人】 長老の孫 マーゴ[ひくつく窄まりを擽られ、腹がひくりと動くと同時に栓が引き抜かれ (20) 2010/04/09(Fri) 02時頃 |
…… ……、
物わかりが良い わけじゃないさ。
[首を横に振って、グロリアをじっと見詰めた。
貴方次第と言う言葉が、鮮明に聴こえた気がした。
イアンは、口を開きかけて止まる。随分と間があってから、カラカラになった喉から、通りの良くハッキリとしゃべるイアンにしては、早口で低く掠れた声が発せられる。]
──俺次第。
与えられる 一度きりの機会が
今から待っている?
あんたを
抱いていいの か。
[歩みを止めて振り返ったグロリアと、枷をはずされたイアンの距離が縮まる。鉄球を付けない男の歩みは歩幅が大きい。急がなくとも、すぐに追いついた。]
![]() | 【人】 修道女 ツェツィーリヤ[少女が汚した白い尻を拭き清める指はあくまでも優しく。 (21) 2010/04/09(Fri) 02時頃 |
反省の素振りがないね。
[くくっと喉で笑い、男は手にした鞭を青年の汚れた腹に向けた。
先端でついと白濁を掬うと、唇へ押し付ける。
木の冷たい質感は先刻の熱さを微塵も感じさせないが
べたつく彼の身には行為の名残がそのまま残っている]
何発目で皮膚が裂けるかな。
おっと……その前に自分がしたことを思い出してもらわないとね。
[最中よりも愉しげに微笑むと、見計らったように召使が隣室から大きな映写機を運んでくる。絹のカーテンの上へ重ねるように深紅の天鵞絨が下りた。たちまちにサンルームの布に覆われた内側は薄暗くなってしまう。
扉側の壁、カメラの嵌め込まれた其処をスクリーン代わりに先刻の映像が映し出される。
壁に大きく写る青年は唇を噛み、男の前に屈みこんでいた]
…ッ
[腹の上を木がなぞるのは、少しだけくすぐったかった。
そのせいで、また小さく体が震えて男の名残がまた一筋、肌の上に白を描いた。
白いそれが絨毯に沁み込むには幾らか時間がかかるようだったが、
その代わりとばかりに唇におしつけられたそれに眉が寄る]
『冗談じゃ──』
[ない。言おうとした言葉を遮るように室内が暗くなる。
映し出されるのは今いる部屋と同じ光景。
けれど、自分と男がしていることは大分違っていた。
思わず、顔をそむける]
[開いた口に木製の鞭は突き刺さる。
とはいえ、喉奥まで咥えさせる気はなかったが。
舌の上に己の放った体液を擦りつけ、鞭は再び男の手をパシリと叩く]
だから冗談じゃないってば。
大抵同じ場所何十回と叩けば腫れるだけじゃなくて皮膚が裂けるよ。
[経験者は語るといった風。
顔を背けた青年の頬へ、男は鞭を振るった]
[差し出された手を何処か信じられないような心地で取る。イアンの厚い手のひらが、ほっそりとした婦人の指を包み込む。イアンの手は、その身体と同じく体温が上昇したまま。内側から熱を発していた。
扇子で隠されていた貌がすぐ側にあり、握った彼女の、陶器で出来ているかのごとくの指先にはひとの体温があった。]
何を しても?
[飲み込むものが無いカラカラの喉で、こみ上げる熱を嚥下しようとする。
まだ、物理的には彼女に手が届く(と言うよりも手を握っている)事に実感が持てないまま、微笑んだままの彼女の肢体が震えた事に気付く。
吸い寄せられるように腰を引寄せ、色付いた鎖骨にイアンは額を擦り寄せた。男がおんなを抱きしめる。それは男の身分が買われたばかりの奴隷である事を知らなければ──な光景。]
抱かせて ください。
抱かせてくれ。
俺が 此処に来てから。
ソレだけを考えるようになって行った事を
あんたは──知っているはず だぜ。
[首を横に振り、グロリアの耳元に、感じている心の痛みごと熱情を捧げるように、掠れ声のまま囁いた。成熟した曲線を描く黒いドレスの腰に回した腕、強くつよく抱きしめた。]
───ッッ
[口の中へと割り込んでくる有機質。
舌の上に載せられた白。美味くもなんともない。
その不快感に眉が寄る。
妙に説得力を持ったその言葉すら腹立たしい。
けれど]
!
[背けることは許さないとばかりに振われた鞭が、頬に赤い筋を残す。
血は出てはいないけれど、それでもそのうち回数が重なれば
赤い涙が流れることは簡単に想像できた]
― 現在軸・客席 ―
っ…ぁ、……
[舞台の上には、道化の部屋でモニタ越しに見たものが並ぶ。
今はそこに”品物”が並べられて。
1度目の舞台とはまた趣向の違う、宴が始まっていた。
その中でも、視線は一点に留まる。
丸くなった漆黒は、私を助けて欲しいと願ってくれた彼を見詰めていた。]
…ひ、どい…… こんな…
[呟くと同時に、重さに耐え切れなくなった雫が漆黒から零れ落ちる。
主人は空いた手で私の髪を撫でて。
それが酷く不快で、燻り始めていた怒りを思い出させる。
顔は固定されたまま、視線だけを主人の方へと向けた。]
[頬を打つ小気味良い音が響く。
スクリーンからは水音が立てられ始めていた。
自ら男の前に跪いて男根を舐めしゃぶる様子が映し出されている]
目を逸らす事は許さないよ。
自分のした事だろう?
ちゃんと見てないともっと強く打つよ。
[そうして次の一打は彼の背へ向けて撓らせる。
傷一つ無い其処に紅いラインを描こうと]
![]() | 【人】 長老の孫 マーゴ[指で優しく清められていくと同時に、内側を指先で探られて (22) 2010/04/09(Fri) 02時半頃 |
…ひと でなし……!
彼 が、ねがって くれたと言っても
それも どうせ貴方がそうするよう、し むけた、くせに
[抗議の声。
それは舞台の上から主人へ向けて一度投げた言葉でもある。
だが今この時は問いかけではなく、言い切る形で相手に投げた。
痛みは大分麻痺して来たが、無意識に舌は接触を避ける。
それでも、カチと偶に金と歯がぶつかって。
口の中にまた鉄錆の味が増した。**]
メモを貼った。
──っ、…は…
[頬の次は背中。痛みに、体が仰け反る。
映るのは自分のひどい姿。聞こえてくるのは耳を塞ぎたくなるような水音。
ぺたりと坐りこんだ絨毯の上、軽く体を支えようと前に手をついた。
そうでもしないと、自分の手は視界も耳も塞いでしまいそうで。
唇を噛んで、ただ、その映像を見るしかなかった]
メモを貼った。
[壁には喉奥に男を突き立てられる青年の姿。
映像から聞こえるくぐもった悲鳴と、仰け反るようにして吐き出した吐息が混じる。
男は崩れるように座り込んだ彼の背を続けて二度強く打ちつけた]
俯くのは無しだよ。
顔をあげて、最後まで見ててくれないと駄目じゃないか。
[尻を向けろと命じられるまま、膝をつく青年の姿。
絨毯を爪が引っ掻いている様子を見つけて、男はまたピシャリと鞭を振るう]
ああ、爪まで立てたのかい?
これじゃ汚れ落としても使えないじゃないか。
[青年の背には紅い筋が四つ、格子模様のように浮かぶ]
― 回想軸・道化の部屋 ―
[褒める言葉と、細められた冷えた灰青。
そのアンバランスさにふるりと身が震える。]
―――きゃ、…!
[男は私の訴えを聞くと右足の枷の錘を抱え、椅子の肘掛の部分へとそれを乗せた。
そこまで長くは無い鎖。
地に足がついたままで居る事が出来ず、椅子の上に片足を上げる形になる。
じゃら、と咄嗟に鎖を鳴らしながら羽織った着長で露になりそうな肌を隠した。
そして勿論、それ程の長さがないなら。
暴れれば錘が床に落ちてしまうのは明白で。
それが何を意味するのかを悟れば、暴れる気は起きない。]
[悔しさと恥ずかしさから目を逸らすようにして、地についていたもう片方の足も椅子の上へ乗せると、言われたままに脚を開いた。
着長の黒もやがて退いて。
その先に見えた白い肌には、黒い茂みが見て取れるだろう。]
…ん、ぅ?!
[口には大きなカプセルのようなものが押し込まれて。
舐めろと言われても、舌が痛んで巧くいかない。
長い間隔を空けて稀にカチリと鳴る音を、男は咎めたか否か。]
ふ…、……?
[やがて男はその場へと跪く。]
ひ――――〜〜…ぁ、ッ!
[顔が開かれた脚の付け根へと寄って、そこで漸く男が
何故跪いたのかを察したのだった。**]
『…ちゃん、と、見ている』
[痛い。それだけはいま素直に訴えられる言葉。
馬に乗る時には自分も同じように鞭を振るった事があるけれど、
ここまで痛いものだったなんて、と思う。
俯くことさえも許されず、ただ痛みに耐えるしかない。
また一つ、背中に走るのは痛み。
爪を立てた、と言われて、そう言えば何度か爪で糸を切ったのを
今更のように思いだした。
自分の酷いあられもない姿を映し出す映像は、まだ続いている]
メモを貼った。
メモを貼った。
……中々イイ顔して映ってるね。
見える? 俺のがナカに入ってく瞬間。
[男は打つ手を止め、自身がつけた紅い筋を先端でなぞる。
触れれば恐らく熱を持っているだろうが、木製の鞭では体温まではわからない。
壁に映っている青年は息も吐き出せぬ有様で、
自らが勃たせた男根をずぶずぶと飲み込んでいた]
ああ、ほら其処も
爪立てた所為で糸が出てきてるじゃないか。
[パシンと乾いた音。
五つ目のラインは背筋に沿って真っ直ぐに]
っ───ぁ
[背中が熱い。
その熱を持った場所を嬲るみたいになぞる木肌の冷たさが
微かに肌を泡立たせて表情をゆがませる。
壁に映る光景は、まるで出来の悪いアダルトビデオだった。
でも、壁面に映っている自分は、もっと最悪だと思った。
また一つ、振われて背中に傷がつく。
痛みに上がりかけた声を飲みこんで、ただ前を見据える]
よく見ておくといい。
アレはおまえ自身なんだからね?
[くく、と低く哂うと男は青年の隣へしゃがみ、顔を覗き込む。
声を呑んだ彼の顔は真っ直ぐ前を向いていて
其処では既に蕩けた表情の彼が涙を浮かべながら嬌声を上げていた]
それで、ねえ。
服を汚しただけじゃなくて、随分ボロボロにしてくれたみたいじゃないか。
ちゃんと反省してるかい?
[鞭の先で顎を持ち上げるようになぞる]
……ッ
[傍らに気配がとどまるのを感じた。けれど、あくまで視線は壁面へと向ける。
男のほうを見たくなかったのと、見ればまた視線をそむけるなと言われそうだった。
水音も、とても自分のものだなんて思いたくない自分の声も、
総てが壁面へと映し出されていた。
どこか冷めた視線で自分の酷い姿を眺めながら、
顎を持ち上げる些細な力には逆らわない]
『…自分に傷をつけるのも駄目、絨毯も駄目、服を汚すのも駄目。
それなら、俺は何をすればいい』
[反省と言えば、それは反省だろう。
正確には反省と言うよりも、二の轍を踏まないための
確認と言うほうが正しいかもしれないが]
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