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何故でしょうカ。
こう死んでみると、生きている人達ガ、とても輝いて見えマス。
[何処か寂しげでもある視線を注ぎ続けるだろう]
メモを貼った。
[さらりと答えられた「死」に、男は一つ頷いた。けれど怪物の名前が聞ければ]
ああ、あの継ぎ接ぎの、ですか。
生前はお世話になりました。
何度かお会いしましたね。
またこうして会うとは思いもしませんでした。
[あの時、手のひらに埋まった左手を、あの青黒い肌を傷付けようとした手に僅か視線を落とす。]
殺していただいても、構わなかったです。
愛を体現して頂けるのなら。
そしたら変態と罵っていたでしょうね。
ああ、女性でないのが残念。
[大真面目に頷く。静かな声のなか、少しだけ面白がるような響きを織り交ぜて。]
[視線につられるよう、自分が傷付けた女性を見る。
感情を見せない瞳でその女性をじっと眺めてから]
きっと、まだ、可能性がありますからね。
生きて帰れる可能性が。
帰れるなら帰って欲しいものです。
……俺たち、どうなるんでしょうね。
この世界で朽ちていくんでしょうか。
[死体も幽霊も。]
それとも、ハロウィンのお化けみたいになるんでしょうか。
現実で仮想のお化けのように扱われて。
そっちの方が面白そう。
[今度こそ、笑わせられるかもしれない。くだらない思い付きに微かに目を細めながら]
貴方も帰りたかった口、です?
他人を殺して、お菓子を奪って。
[丁寧に答える道化師に、これまでの無礼に対し非常に申し訳無さを感じつつ]
いや、あの時は本当に失礼シマシタ。
そうですネ……こうして何度も出会うのも何かの縁を感じマス。
それは貴方に限ラズ……。
[側に居るのかも知れないゾーイや、モニカの方を見やる。
この世界に来る前、お菓子をあげた子供達。特に色々と話した訳でも無いのに、何かと今は関わりを持っている。
縁とは本当に不思議なものだ、と実感]
いや、無理デス無理。
[“愛を体現”と言う言葉を聞いた瞬間、すかさずそれを否定し手を振る]
それを実現してしまったら、それこそ私が変態になってしまいマス。
そもそも……。
私が本気で愛を答えようと想う人は、ただ一人デス。
[故郷に残してしまった――大事な人]
生きて欲しいデスネ……死んでしまった今、特にその気持ちが強いデス。
死者に捉われ過ぎず生きていって欲しい、よくそんな言葉を聞きましたが、実際にその立場になると分かるものデスヨ。
[この先の事を問われ、一つの未練を漏らす]
出来れば、夢であって欲しいデス。
でも、それが無理だとしても、別れを告げタイ。これ以上私に捉われないで欲しいカラ。
[自分の死を知ったら、あの人は悲しみに暮れる日々を送るだろう。
でも、生きていると信じながら延々と待ち続けるのも酷な話。だとするなら、ちゃんとけじめをつけて新しい一歩を踏み出してくれれば、と願う]
それが終った後に、お化けになって色々な人を吃驚させるのも面白そうなのデスガ……。
何か私の性に合わない気がしマス。
[帰りたかったクチかと問われれば]
帰りたかった、と言うのはありマス。
されど、他人を傷つけ殺してでも、と言うのは流石ニ……。
でも、実際に他人を殺してお菓子を奪って帰れたのでショウカ。
どうやってやれば元の世界に帰れるノカ、本当に帰れるのかスラ……。
[ふと思い出すは、あの黒のドレスを着た女性がお菓子を渡した事を思い出しつつ]
そもそも、何故彼女が私達にこの世界に連れてきて、こんな事をさせたかったのでデショウカ。
何を見たかっタ?見せたかっタ?
[多分この世界の何処か、はたまたこの世界と言う箱庭の外から眺めているのだろうか。
そんな事をしている彼女の思惑を考えてみる――が、分からない]
[謝る異国の男に僅か首を捻り、それから振った]
謝ることなど、ないでしょう?
俺は、生きて帰りたかったから攻撃した。
貴方はそれに反撃した。
それでいいでしょ。
[男は無愛想に答える。こんなグロテスクな世界で罪の意識に縛られる事が無意味だと言うように。
愛する人の話、死んだ後の話、それら聞きながら。]
別れを告げたい先のは、その「ただ一人」ですか。
でも、俺には少し、不思議ですね。
そんなに愛する人がいても殺す事に必死にならなかった貴方が。
[まあなんとなく、は分かります。と男は頷く。]
全ての元凶はあの黒い服の女、ですね。
お菓子を集めろ、と言ったきり。
でもそこに小さな可能性でもあれば縋りたいですからね。
[思案するよう、右の人差し指を唇の前に立てて]
何しろ、ほとんど情報がありませんでした。
あの女の目的も、何もかも、知らされないまま。
――殺し合ったんですねぇ。
[しみじみと零して]
馬鹿みたいだな
[眉を寄せながら呟いた言葉は、他人に向けたよりも自嘲の言葉に近い]
[この狂った世界では罪悪感は無用、と言う事なのかと感じつつも、己の心も殺したくない気持ちが高まる]
ある意味、弱肉強食の世界ですね、ここハ。
この世界だけではなく元の世界でも同じなのかも知れまセン。
ただ、恐怖がそれをより強く引き立てただけ――そんな感じなのでしょうカ。
[不思議がられてる事に思わず苦笑してしてしまう。ある意味図星を突かれた様な気がするのもあって]
ハハハ……ある意味矛盾?葛藤ですかね。
愛する人の為に他の人を殺してでも自分は生きなくてはならないのに、人を殺めるのに抵抗がアル。
かと言って、他の人の為に自分の命を差し出すにも抵抗があって、結局は人を殺めて自分の為に生きてイク……。
結局は自分のエゴであり、それを認めようとしないのかも知れまセン。
と、言っても……まだ私の中では答えは決まって無いのデスガ。
[愛する人の事を思い、今まで出会った人達の事を思い、殺めてしまったローズマリーの事を思い――ポツリと呟いた]
自分を貫いて生きていく強さを持ってる貴方が、少し羨ましいデス。
私も可能性に縋りたかっタ。
この殺し合いが横行する世界に、別の方法で脱出出来る方法がある可能性ヲ。
人間なのダカラ、話し合って考えながらこの世界から出る方法を考えてみたかったのデス。
[遠くで見える
はぁ……こんな時に浮かれてて如何するんデスカ……全ク。
これだから、奥さんにも……。
[関係無い事なので、ぼそぼそと独り言を漏らすまでに留める]
目的……殺し合い……。
彼女はそれを求めたかったのでしょうか。一番腑に落ちる所はソコだと思いマス。
そして、私達は彼女の駒にされた、のでショウカ。
[眉間に皺を寄せて、不快感の色を出してしまう]
――私達は駒ではありまセン。
へクターのやり取りはとても残念そうに見えて仕方が無い。
[「ただ、恐怖がそれを―」その言葉に頷く。眼下の広場で蠢く異形たちに視線を向けながら話に興じるのは、やはり奇妙。]
そうかもしれません。
現実で行われている行為が、
至って原始的に再現されているのかもしれません。
……俺は、エゴイストなだけですよ
[呟きに反応するよう、視線を落として答える。続く言葉は更に小さい]
――俺は、貴方や、モニカさんが
羨ましい。
[肩のり骸骨との愉快な一幕は、右手で目元を覆ったせいで見えなかった。]
[相手の声色が少し強張れば、視界の覆いを外して]
ああ。
その声や顔の方が、どこか、
聞き覚えがあるような気がします。
[ゆると細められた目元で観察するよう見下ろす。
青黒い怪物のときに受けた視線でも思い出したのか、右手の指は僅か反応させて]
では。
どうにかして、あの女に一泡噴かせてやりましょう。
良いように利用されて?
挙げ句死んで終わりだなんて――ねぇ?
[だが別段、良い策があるわけでもない。
ただ子供が悪戯の提案をするように。思い付いたまま放るように。]
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[気づけば観戦しようとした、男2人の戦いは場所を移したよう。
ざわざわと地を埋め、蠢く異形たちと
相応の能力を振りかざし戦う人間。
その様を数メートル上から眺めつつ]
こうしてみたら、見た目だけが
違うように見えてきますねぇ。
俺もお菓子を持ってないお化けを、人ではなかったお化けを殺しましたが。
さて、違いはなんだったんでしょう。
生きているという点では、何も変わらない?
[ぽん、と投げ出した言葉は誰に答えを求めるでもない。]
もっとも、牛豚と人間の違いのようなものなんでしょうね。
殺すだの、食べるだの。
[右手を見つめる。
この手は何に対して振るって来ただろう]
どこででも、血みどろ。
[広場に押し寄せてくるであろう、数多く存在するお菓子を持たぬお化け達が、皆を襲っているのを見て、自分では如何しようも出来ない無力感に苛まれながら]
私が生きてタラ……スティーブンを武器に薙ぎ払う事が出来たのデスガ……。
[もっとも彼はそれを嫌がるのだろう、とは思うのだが、それが最善の方法かも、と思ってしまった故に口を滑らせてしまったのがある。
と、ネイサンに視線を戻すと]
そうデスネ、この原始的な世界では人間の本性が出てしまう、そんな気がシマス。
[今まで出会った人の中で、何名か本性を丸出しした人が居た。
そういうのを見え、穢らわしくあり、美しくもあり――そう思う自分は異端なのか、とふと思ってしまう]
それだからコソ、強く輝くのかも知れまセン。そう言った意味では、貴方も輝いていマシタ。
[ネイサンの様子をたまたまだったのか、何時の間に見ていたのかは分からないが、右手の反応を見逃さなかった]
貴方、何か思い出したのデスカ?
そう言えば、こうやって会った覚えがありマス。それを思い出したのでしょうカ。
[目を細めて様子を伺うと、お菓子を持たないお化け達の方へ視線を戻す。
ネイサンからでは此方の表情をどう見えるのだろうか]
あぁ、思い出したついでに、彼女にも思い出させるのも悪くはありまセンネ。
もしかして、想像だけで彼女に一矢報えるのかも知れませんヨ。
[身も蓋も無い言い様。だけど、この狂った世界ではそれすらも叶いそうな錯覚に陥りそうでもある]
想いだけで、人は殺せるものなんでショウカ。
そうなった場合――……。
[この先は言ってはいけない気がして口を紡いでしまう]
メモを貼った。
[スティ−ブンが誰を指すのか分からず、きっとどこかにそう言う名前の棍棒か何かがあるんだろうと一人納得した。]
本性さらけだしてくれた方が、
よほど信用出来る気もします。
[ぽつ、と零すが。
次に聞こえた言葉に、男は大きく目を開いた。
「貴方も輝いていマシタ。」
男は相手を見ない。口を数度、開いて閉じた。数秒の間が開いて絞り出された声は少し掠れた―]
――ありがとう、ございます。
[
いえ、忘れてはいません。
ただお化けの姿と、今の貴方じゃあかなり印象が違っているので。
先ほどの、怒りが滲んだ声を聞いて
ようやく継ぎ接ぎと貴方がイコールで結ばれましたよ。
[まあ俺も似たようなものなんでしょう、ね?
なんて緩く問うた。
街頭から見下ろした相手の表情を探るようにみて。]
想像だけ、ですか。
出来れば手酷く潰してやりたいので、
直に会いたいものです。
[途切れた言葉の先、窺うように首を傾げ]
[本性を出した方が信用出来ると聞いて軽い笑いが孕んだ声が漏れる。嘲笑の意味か、はたまた自嘲?それとも別の意味なのだろうか]
ははっ。
そうデスネ。本性には嘘が混ざってないカラ、信じやすいのだと思いマス。
それを出さずに奇麗事だけで生きているのはどうも好きになれませんヨ。
[何処か遠くを見ながらも口元は笑みを作ってる]
でも、何となくデスガ、私と貴方は何処かしら似ている部分はあるかも知れまセン。
だとすると、何か貴方からも感じ取れる部分はありまセンカ?
[振り返り、ネイサンを見やる。
彼が死ぬ間際言った言葉――あの言葉が如何しても気になった。何か自分が言っている様な気がして。
だとすると、自分もまた笑えてないのか、もしそうだとすると自分は笑い方を忘れたのか、と自問自答。
否、ある意味その回答を求めているのかも知れない]
[今の印象とフランケンの時の印象と違うと言われて、どうしたら良いのか、と対応に困りながら苦笑する]
いや、それを言われましテモ……。
まぁ……今は心が落ち着いているからなのだと、思いマス。
[今の貴方の様に、と加えて]
ある意味、私の怒りがフランケンとして出ていたのかも知れませんネ。
[この世界の何処かに居るのであろう、黒いドレスを着た女性を探す様に辺りを見回す。
勿論そんな事をしても見つかる訳でも無い。
――でも探さないと気が済まない気持ちもある]
直に会えば叩き潰してやろう、と言う気持ちが出てくるのかも知れまセン。
えぇ、やはり顔を見れば殴り倒したいと思いマス。
多分怒りが溢れ出ると思いマスヨ。
――――――――――――――。
――――――――――――――。
[段々と声の調子が低くなる。口調は穏やかで別段殺気立っている事も無いだろうが、普段の調子とは違うものだろう。
そして最後の言葉は恐らく母国語だろうか。そこの国に行った事があるならば、話している内容は分かるのかも知れない]
おお、やってるやってる。
…全く、こう横から見ていると、命がけながら、なかなか滑稽なもんだな。
[俺はややあって先ほどすれ違った連中に少し遅れて広場に辿りついていて。手には孤児院で拾った月の砂の残り滓をさらさらと]
…しかし、あのミイラ、死んだな… またお仲間が増えるぜ…ってとこか?
[感慨なさげに軽口を叩いた]
――蟲毒。
[そうポツリと漏らす。異国で聞いた事がある毒薬。呪術のために人為的に作られる特別な生物でもある、と言うのを書物で書いてあったのを思い出す]
そうデス、これは蟲毒を作り出す為に用意したのでは無いでしょうカ。
[昔読んだ事のある本の内容を、何とか記憶から引き出して]
確か、アレは……毒を持った生き物を一つの箱の中に入れて、食い合わせて……生き残った生物の毒を使ったり、人を呪う時に使うと聞きマシタ。
[これ以上予測出来ない範疇にあるのだが、この状況を考えれば一番腑に落ちる事も有り]
まさか、それを作る為ニ?そんな馬鹿ナ……。
[受け入れがたい事実に頭を抱え、其れを否定する様に首を大きく横に振って]
―回想・孤児院にて―
[ふるふると首を横に振る
既に彼が到着した時には自分は死んでいた
それなのに彼は手当をしてくれたのだ]
やっぱりやさしーお兄さんだ。
ありがとう、サイラスさん。
[分かりましタ、と許可が出る
手を差し伸べられれば、その手を握った
そして、サイラスと共に孤児院を出て行く]
[走ってはいるが子供の足
なかなか追いつく事はできないだろう]
ごめんね。サイラスさん。
早く広場にいかなきゃ……
[パタパタと駆けていく
気が焦るせいか、走っている途中に
ヤニクとすれ違った
……モニカさんっ!!
[繋いでいない方の手をぎゅっと握りしめる
力になれなくても、干渉できなくても
せめて見守りたかったから]
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