35 WWV 感染拡大
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ああああッ、クソっ、この……っの野郎、
――は、ッ!
[幾度目か。
振り上げられた切先に一瞬向けた視線は、
それはもう、本能的な恐怖だ。
目敏くその陰を見出した男の表情がぱぁっと輝いた]
……止めッぐっあッああああああ――――!!
[苦痛は終わらないような気さえした。
切り裂かれる灼熱感に寒気が取って代わり、
聞き取れる言葉も曖昧になって行った。
――ひゅぅ
ごり、と肋骨を擦るナイフに声は上がらない。
背筋はかくりと震えるような反応を残した]
――、…………
[黒の両目はもう霞んで役に立たない筈、それでも。
獰猛な獣のように、
今にも敵の喉笛を食い千切らんばかりに、
小さく光る殺意の先端を、
血に狂い切った鮮烈な笑顔を、
確かに捉えたのだ]
[ ―――― 殺してやるッ !!! ]
[ ドスン**]
―現在―
……――
[意識は永遠に闇に呑まれるかと思いきや。
笑い狂う連中を遠目に眺めている自分に気が付いた]
……何だ、こりゃあ
[くしゃりと顔を顰める。
散々自分を甚振り尽くした変態野郎が、
本人の目玉を手に高笑いを上げている。
心の底から気持ち悪い、と思った]
――っ!?
[少年は霧散し、勢いを殺しきれず、その場でたたらを踏む]
今のは…なんだったんだい…
[呆然と呟きつつも、プリシラの声が聞こえると、そちらに振り向き]
あんたに何が分かる。あの子だって一緒に居たいと思ってるに決まってるだろう。
[盲信。疑問が沸く度に押さえつけてきた言葉を呟くと、ここには用はないと。ケイトの研究室を後にした。**]
さー?
しらねェよ。
[幼少期の自分が現れるのが何故かなんて、自分でもわからないことに答えようがなかった。]
………しらねぇよ。しりたくもねェ
[何が分かる。その言葉には、ただそれだけ呟いた**]
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