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『僕様、あさたんの手作りがいいなァ。』
[背中に届く甘えた声。]
……薬草、取ってくる。
[無視して、外出する。
薬草摘みはここに来てからの日課に*なったいた*]
メモを貼った。
メモを貼った。
あはは、虚言を、よう言うわ。
[
哀しむどころか愉しんでいるように思える。
ふっと神妙な面持ちになり、]
亀吉、知ってるか?
人間はな、虚言ばかり言うてたら、
死んだ後閻魔さんに舌抜かれるらしいで?
[昔、人から聞いた事のある、そんな迷信を一つ。
己は信じてはいないが、諫言とばかりに言い含め。
煙を肺腑の奥へ吸い込む。]
メモを貼った。
――……そんな力なんて無くとも
その妖しさで、充分わかるやろう。
[此方に見せる亀吉の微笑は、
瞼の裏に鮮やかに、焼きついているのと大差ない。
肩を竦める亀吉に肩眉を上げて見せ、]
へえ。
僕はこんなに優しいのに?
[此方をつつく烏の雛に、気を悪くする事もなく
離れていけば、もの寂しそうにそちらを見やり。]
その眸で見透かしてみたら?
せっかく、見えるようになったのやしな。
[首を傾げる亀吉に、ふっと殊勝な笑みを向けた。]
[その雫の根源を、探すかのように空を見上げ
次いで、共に向かうという亀吉へ
ゆるりと視線を巡らせ首を傾ぐ。]
――……別に、ええけど。
僕ご老体やから、ゆっくりな。
[特に拒む理由もない。
されど一つばかり、注文をつけたのは
何となく、少しでも長くこの雨に
触れていたいと思ったからで。**]
メモを貼った。
メモを貼った。
メモを貼った。
メモを貼った。
メモを貼った。
メモを貼った。
メモを貼った。
メモを貼った。
―下界―
[井戸水を桶に汲み、柄杓をからからと鳴らしながら小道を行く。
村の中に数多ある祠を祀る日々。
一日ですべてはまわれないから、数日に分けて。それを繰り返せば、毎日何かの神と向き合うことにはなるのか。
晴れた空を見上げる。]
――はしけやし、
わぎへのかたよ
くもゐたちくも
[こうして仰ぎみていれば、たまこに、高天原の神たちにいずれ見えることもあるだろうか、と。
戯れに古歌を口ずさむ。]
[道の神の祠には米と小豆を供え、機織りの神の祠には水と花を置く。
花は、いずれこのように、美しい布を織れますように、と里の子供たちが摘んできたものだった。]
メモを貼った。
メモを貼った。
――兄妹二人旅、後――
[毎日が驚きの連続であったと思う。
雨に打たれれば寒さに震え、日に差されれば暑さで茹だる。
人の身は不便なことも多かれど、
それもまた新鮮で、興味深く。
――何より兄に、こんな表情があったとは。]
(……ようございました、お兄さま。
お兄さまは、立派に「ひと」と生きられましょう)
[兄の抱き続けた、浮世離れしたような、
妖しい雰囲気が柔らかくなったような気がして。
闇夜に縛り付けていたのは己も同じかと、苦笑したり。
そんな折だったろうか。
これからどうするか、問われたのは。
メモを貼った。
何処へ、参りましょうね
……この頃まれびとの訪れがあった、
そんな里の噂を聞きましたけれど
[それが事実であれば、天上での知己に会えるのでは?
言えば、兄はどんな顔をしたろうか。
どのように、答えたろうか。
何にせよ、いつものように微笑んで。
ひどく穏やかに廻る日々を、噛み締めて]
[あてのない旅の途中か、目的ある移動の最中か。
兄は、鳥の雛が巣から落ちているのを見たのだそうで]
……志乃には、見えなかったけれど……
それより、嫌な風の音。一雨来るのではないかしら。
[早く巣に戻してあげるか、助けてあげないと。
そう言って、眩しげに空を見上げ。手分けしようと。
木など上れぬ自分は、雨を凌ぐ道具を取りに、
一旦兄と別れたのだったか]
【人】 子守り 日向―ウト邸― (46) 2013/08/16(Fri) 20時半頃 |
【人】 子守り 日向〔華月邸へ帰ると、少し居心地が悪そうにして甚六が立っていた。〕 (48) 2013/08/16(Fri) 20時半頃 |
[麓の村まで下りて、傘を手に戻ったのは、
ぽつぽつと雨粒が落ち始めた頃。
懐かしいような、声を聞いた。
(華月さま?)
[思わず声を上げ、顔を覗かせそうになるも、
それはできぬと己が両足を戒めて立ち。
心から気遣いの言葉をかける兄を認めれば。
ホッと、胸を撫で下ろすだろうか]
――……ようございました、お兄さま
[吐息だけで囁くと、そっと道の傍に傘を置いて。
自分が来たことも、村へ戻ったろうことも、
おそらくこれで伝わるだろうと、そう思っている]
[
……志乃さんは、一緒やないのか?
[甚六の術に因って、共に堕ちたと触れがでていた筈だ。
古い神だからとて、己の力に縋ろうとする程に、
守りたい、離れ難い相手であったろう。
その姿が見えない事に、首を傾げ。]
その、雛は。
怪我でもしてるんか?
[亀吉の手の中で蠢く、黒い雛に眼をやって。]
【人】 子守り 日向ようす…? (53) 2013/08/16(Fri) 21時頃 |
【人】 子守り 日向〔甚六と話していると、たまこが視界の端に映り、〕 (55) 2013/08/16(Fri) 21時頃 |
メモを貼った。
――どこかの村――
[村へ戻れば、先ほど傘を貸してくれた宿へ。
髪についた露を払いながら、書くものを、と女将に請うた]
……お兄さまは……怒るかしら。
もう、いつかのように泣かないとは、思うけれど。
[身体は元気、筆を持つ手も確かだが、
白く滲む視界は最早どうにもならない]
【お兄さま、志乃は嘘を吐きました】
[まずはそんな書き出しで、お別れを]
【人】 子守り 日向〔「信じてる」そう言った甚六の言葉を、きっと過去の自分なら、付喪神だからと日々自身を卑下していた自分なら、受け取れなかっただろうが。 (61) 2013/08/16(Fri) 21時半頃 |
【人】 子守り 日向〔「華月の潔白を」甚六からそう言われて思い出す。 (63) 2013/08/16(Fri) 21時半頃 |
【人】 子守り 日向〔わたしも連れて行って…! (64) 2013/08/16(Fri) 21時半頃 |
怪我してへんのやったら、
その辺に捨て置いたらええよ。
烏の雛は、巣立つ前に一度、巣から落ちるものや。
それで翔ぶ練習するのやて。
怪我してるのやったら、差し伸べて、
連れていったらええとは思うけど。
[さて、これは。
一体何処で聞いた智慧だったか。
永く 永く、在り過ぎて最早忘れてしまったけれど。]
――……いつまでも、鶸やと思うてるのは人間だけやな。
[煙を一つ、吐き出して そっとその火を掻き消した。]
メモを貼った。
[気付いたのは何時だったろうか。
もう聴こえないはずの"声"が、未だ、耳に届いていると。
朧に会いに行く、と。>>4:*3
引導を渡すのだ、と。>>4:*2
そう呟く声は、最早あの醜い音に包まれてはいなくて]
……道連れに堕ちたのでしょうか
わたしが、――……祟り神の幾分かを
[実のところは分からない。何がどう天上で変化したのかも。
けれど何にせよ、"声"が聴こえる代わりにか、
瞳は段々ものを映さないようになってきた。
天の神に仇なした、おそらくこれは天罰かと]
後悔などありません。むしろ清々しい程ですわ。
わたしはわたしの思うままに在っただけ。
恨むなら恨めばいい。憎ければ憎めばいい。
その憎しみごと笑い飛ばして、愛しましょう。
[それが最大の反撃だろうと、くすり、笑って]
【人】 子守り 日向…私、置壱様を助けたい (79) 2013/08/16(Fri) 22時頃 |
【人】 子守り 日向〔ふたりが、いい神様になると約束してくれる。 (82) 2013/08/16(Fri) 22時頃 |
[何の神を祀っているのか、分からない祠が一つ。
水で清め、灯明を燈す。
里人にも伝えられることの無かった、無名の神の祠。
供え物を置くよりも先に怖れ気もなく、その扉をかちゃりと開ける。
朽ちるかと思った扉は、存外しっかりとしており小さく軋んだだけだった。
小さな木彫りの神像が、真正面でなく横を向いて安置されていた。]
…これが。
[月神が、巻物に書き残した願い。
扉を再び閉ざすと、香を焚き神酒を供える。
『彼の―の、―――神の安寧――願――』
おそらくは人目に触れないよう――里の人間が見ても分からないように、巻物の隅に書きつけられた擦れ文字。]
[急にこんなことを言い出そうと思ったのは、
華月の姿を目にしたからだろうか。
神として祈りを捧げることはできずとも、
少しは安心させられる知らせを、持っていると思う]
……日向ちゃんは、きっとこの先も無事でしょう
縁の切れる音は、もうありませぬ
雷門さま、明さまの時には、間に合わなかったけれど
この頃下界へいらしたでしょう朧さまも
御身は人になれど、障られてはおりますまい
怨嗟の音は、止みました。
……ようございました。ようございました。
[筆を走らせながら、ぽつり、呟き]
……彼の神の安寧を願う、でよろしいのでしょう。先代様。
[真正面には向けられぬ神像。
――名を残すことのなかったこの祠は、
祟り神のためのもの]
【人】 子守り 日向わ!もう苦しいよぉ! (84) 2013/08/16(Fri) 22時半頃 |
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