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![]() | 【人】 魚屋 ワンダ[切れて、赤い筋だらけにされた耳を見やる。 (59) 2014/08/16(Sat) 23時頃 |
『19XX年8月X日
穏やかな朝である。窓の外を見やれば、陽光が木々の合間から零れる。その硝子を開けば、朝の冷たい風がチェスナット・ブラウンをなびかせる。
大きく息を吸い、吐き出す。都会では味わう事の出来ない爽やかな空気が肺を満たした。
廊下の向こうで足音が聞こえる。
それは地獄からの使者の音だっただろうか。
私は髪を整え、シャツの襟を正して。ついでに香水も付けて。
瞬きを繰り返した。
ああ。私の物語が、』
―――――……ん、はぁい。今行きますって。
[執筆の手を止めて、振り返る。
表情一つ変える事のない彼等を見渡し、静かに立ち上がる。
両手を前に差しだして、抵抗の意思がないことを示す。
彼等は私を犬でも連れていくかのような粗雑な扱いで拘束し。
そのまま、連れていく。*]
-湖-
綺麗な湖ですね♪ああ、これで霧が無ければ、もっと素敵なのでしょうけれどねー
[霧で白む視界のなか、自分の陽気な声だけが辺りに響く。行方不明者が多く出るという村。その噂の根源の湖。
その桟橋の先、”私”の居場所が据えられていた。視線だけを彼等に向けて、首を傾げる。]
あれに登れば良いって事?
[彼等は頷く。自分は淡々と歩き。その場所に立つ。
湖の底は暗く、濁っていて。何処までも何処までも、沈めていきそうだ。
彼等の一人が尋ねた。―――――……怖くはないのか?と。]
怖い?いや、そりゃ怖いよ。
じゃあ怖がったら、貴方たちは私を解放してくれるんですか?
無理でしょ。なら最後まで”愉しむまで”ですよ。
[自分の命ですら駒の一つにしか考えていないような軽快な口調に。誰かが呟いた。
化け物。]
―――――……くっく、貴方たちと何が違うんですか?
正義の名のもとに、罪ない人を殺すのも厭わない貴方たちの方が……私から見たらよっぽど化け物ですよ。
[台に立つ。縄の輪の部分に、自分の首を掛ける。
自分は目を凝らして山の向こうを見ようとしたが――――――……あの雪山は見えなかった。
”私”の故郷は。やはり、還る事が出来ないようだ。
けれども、”私”はそれでも構わない。それが”私”の終わり方なのだから。
_____に、血肉の味を教える事が出来れば、良いのだ。]
生きる為に、ほんの少しだけ狩りをするだけですよ。
人間だって牛や豚を殺すでしょう?それと同じだ。
………ああ、だから。同様に。
貴方たちが私を殺す事は、当然なんじゃないんですかね?
それが生きるための手段なのですから。
ええ―――……殺める事は何も、悪くないですよ。
だから、
![]() | 【人】 魚屋 ワンダ
(68) 2014/08/17(Sun) 00時頃 |
もっと、殺せ。
[下卑た微笑みを浮かべて。自ら台を蹴り上げた。
もう、遠吠えは、
鳴けない*]
![]() | 【人】 魚屋 ワンダ[ぎ、と微かに奥歯を噛んだようだった。 (69) 2014/08/17(Sun) 00時頃 |
メモを貼った。
![]() | 【人】 魚屋 ワンダ[ ぎい。と、椅子を軋ませて立ちあがる。 (70) 2014/08/17(Sun) 00時頃 |
![]() | 【人】 魚屋 ワンダ[黙って手紙の向きを直し、 (75) 2014/08/17(Sun) 00時半頃 |
![]() | 【人】 魚屋 ワンダ
(76) 2014/08/17(Sun) 00時半頃 |
![]() |
![]() | 【人】 魚屋 ワンダ[名前までを読み終えると、 (78) 2014/08/17(Sun) 00時半頃 |
メモを貼った。
―――――………くぅん。
[湖のどこかで小さな遠吠えがした。弱く、それでいてどこか頼りなげな、儚い鳴き声。
声が、自分の喉から発せられていると気が付いたのは、湖の畔に映る”私”の姿を見たときだ。
チェスナット・ブラウンの体毛に覆われた大きな狼。
それが――――…”私”の本来の姿だった。]
……………くっく、そう、……戻ったんだね?
[元々、兎や狐を食むだけの、気の弱くて大人しい狼だった”私は”。
あの男と交わり、――――……化け物と化してしまったのだ。零れる声は相変わらず、あの男のままで。
”私”は恐ろしくも、可笑しくもあった。
草を踏み分けて、村内を歩く。
音は無く。踏んだ小枝は、砕け散る事もなかった。]
………………。
[さて。何処へ行こうか。誰か”私”を見とめるものは居るだろうか。]
[風に混じり、ふと聞こえる懐かしい声。]
――――……謝る必要はないさ。
[どこかに向けてひとつ呟き、目を細めた。]
勿論苦しくはあったけどねー。
首の骨が折れたんじゃないかな?
でも絞まるときって凄い気持ち良いんだねー
試しに、今度してみるかい?………ってしちゃダメだよ。
君には生きて欲しいんだから。あはは
[嗤うように吠え、気狂い狼は闊歩する。]
![]() | 【人】 魚屋 ワンダ[もう、話はできない。その言葉に、 (85) 2014/08/17(Sun) 01時頃 |
![]() | 【人】 魚屋 ワンダ
(86) 2014/08/17(Sun) 01時頃 |
![]() | 【人】 魚屋 ワンダ[そう見えたことをそう思ったことを口に出す。 (87) 2014/08/17(Sun) 01時頃 |
![]() | 【人】 魚屋 ワンダ自分で、…考えて、 (88) 2014/08/17(Sun) 01時頃 |
![]() | 【人】 魚屋 ワンダ[リーが名前を名乗るのに、顔をあげてそちらを見やる。] (102) 2014/08/17(Sun) 02時頃 |
![]() | 【人】 魚屋 ワンダ[ただの紙に文字を書くだけなら、そうも長い時間はかからない。] (103) 2014/08/17(Sun) 02時頃 |
![]() | 【人】 魚屋 ワンダ
(104) 2014/08/17(Sun) 02時頃 |
![]() | 【人】 魚屋 ワンダ…… (111) 2014/08/17(Sun) 02時半頃 |
―早朝 個室―
[赤い湖の上に、転がった遺体]
[その傍でそれを見下ろしているのは幽霊は、
湖の霧のように霞み、今にも消えそうな希薄さだ]
[そっと血の湖の上に霞んだ足を踏み入れる。
波打つことも泡立つことも無かった。指で掬ってみようとしても、霧のように白い指が赤く染まることは無く]
……………………ぜんぶ、たべてくれてよかったのに。
[床に溜まった血も。残った体も。
舌で何度も舐めとられて。歯で何度も咀嚼されて。
そうしてきれいに消えてしまってよかったと、
静かな声で呟いた。そこには落胆の色も憎しみの色も無かった]
[血の匂いが拡がる静かな部屋に、
リーと、続いてヴェスパタインが入ってくる。]
[リーが思っているように、幽霊は床掃除はしてはいなかった。
一応きれいにしたいとは思って、先程自分の血を触ってみたものの無理だったのがわかったから。
何もできない幽霊は、
ただ自分のベッドの端に座るように佇んでいただけだ。]
[幽霊はそちらをちらりと伺って、
また自分の作り出した赤い湖へと視線を戻す。
かつての伏目は、薄霧のように薄く透明で、ただでさえ薄い色の身体の中で一番希薄だった。
まるで目はもういらないと、捨てたように。]
[ばかだなぁ、と呟かれた言葉
[誰に宛てられたものだかわからないが、幽霊は口を開く]
…そう? お互い様だと思う。
[ぼそりと返す返事は霧が吸収してしまったんじゃ、と思う程に静かで。リーに届くわけも無く]
[喰われた自分の身体を見て、
ひどくうろたえた様なヴェスパタインへ]
……………いい面。 ざまあみろ。
[届くわけも無いと踏んで、幽霊は悪態を吐いた]
[徐々に集まってくる人の群れ。
結社員を退かして入ってきたワンダの姿が、
俯きがちな視界へ入る。
黙ったまま、ベッドの端に腰掛けるように
佇んでいた幽霊はわずかに頭を上げた。]
[誰に宛てたものだかわからないが、またばかと言われているな、
とぼんやりと思った。
自分に向けてだというなら、もう随分前から言われなくてもわかってる。いちいち言わないで、黙ってて欲しかった。]
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