49 海の見える坂道
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[もしかしてあのこっぱずかしい話を
聞かれていたのだろうか、と片手で顔を覆うと溜息]
まぁいいか。ミッシェルの秘密も聞かせて貰ったし。
[ほとんど聞き取れないような小声で、ぶつぶつと呟いた]
そうか、偶然同じところ……だったのか?
薬は持ってきたんだけどな。あの爺さん……。
まぁ、ランタンは借りれた。返せるとも、思う。
[かちゃりと海のランタンを鳴らして、
微かな自嘲に、少しだけ唇を歪めた]
あ、本当か!?
[しかし、ペンダントの話を聞けば、表情を一転。
満潮のように喜色の満ちた表情で箱を受け取る]
これ……。綺麗だな。
なんつーか、海の蒼さと
水面の反射みたいに、光の網が絡まって……。
[取り出したペンダントを目の前まで掲げると、感嘆の唸り。
微かな金属音を立てながら自らの首に掛けて、指で摘んだ]
ありがとう。大事にする。
[駆け寄ってきたミッシェルと、ペンダントを交互に見つめて
やがて、心底嬉しそうな笑みをじんわりと浮かべた]
良かった、気に入ってもらえて。
職人冥利に尽きるってものよ。
[サイラスの笑みに吊られて笑顔になる]
あ、それと、一昨日はゴメン。
昨日お店行ったら薬が出てたからビックリしたわ。
そういうところ全然気づかなくて、無神経だったよね。
って言うか……私って、こういう無神経な奴だけど。
それでも本当に良いの?
[サイラスの顔を見ながら首を傾げる]
酒癖もお世辞にも良いとは言えないし、
もしかしたらサイラスの事嫉妬させちゃうかもよ?
引き返すなら今がチャンスだよ?
本当に気に入った。ずっと付けてるわ。
風呂に入るときも、海に潜るときも、寝るときも。
[ちらりと歯を剥いて、
喜びの余韻から快活な笑みへと表情を変えると]
ああ、急にバス券が手紙に入ってて。って何で謝るんだ。
あー……。いんや、俺はまだまだ適当だと思うし。
日頃の行いがこういう所で跳ね返ってくるだけ。
[無神経じゃねえよ、と穏やかに手を振る。
やがて続く言葉には、群青の双眸が真剣さを増して]
前も言ったけど、俺はミッシェル一筋だから。
無神経っつーか、そんなことないだろ。
俺は、変な壁が無くて、近くに感じて、可愛いと思う
あっけらかんとしたそのままのミッシェルが好きだ。
酒癖が悪かったら俺も飲む。この前介抱さんきゅ。
嫉妬……はちょっと困るから何とか惚れさせる。
此処を引き返すのを、俺はチャンスとは言わない。
[聞かれたことには、逐一真剣な面持ちで答えていく]
そこまで気に入ってくれたなら本望だわ。
珍しい石が手に入ったから使ってみたの。
ま、黒蝶貝のお礼も込めてね。
[サイラスの喜びように腰に手を当てながら胸を張り]
私も同じ、家に手紙が届いて、バスのチケットが入ってたの。
で、乗ってきたってワケ。
日ごろの行いとかは……ま、不真面目よね。
でも、頑張ってる人に鞭打つような事言ったのは
悪いと思ったの。
[サイラスの言葉にかぁっと頬を赤く染めて]
ありがと、私の答えはね……。
[サイラスの目の前まで歩み寄り背伸びをする]
……これが答えって事で……。
私ってわざと空気読まないからね、
ヴェスパタインの事で悩んでるネルにも意地悪しちゃった。
ま、不真面目云々は、私も似たようなものだし。
似た者同士かもね、私たち。
って言うか、一緒に酔っぱらうって……。
私を止めるのがサイラスの役目でしょ。
十分サイラスもカッコイイと思うけどね。
容姿じゃなくて、性格的なとこでさ。
……さ、ランタン回収行こっか?
[ぎゅっとサイラスの服の端を掴んで
上気した顔のままにっこりと笑顔を浮かべる**]
[胸を張るミッシェルに、おー、とペンダントを掲げ]
そっか、ミッシェルの所にも同じ手紙がなぁ……。
まあ、そのお陰でこれ受け取れたし。
[頬を赤く染めるミッシェルを眺めれば
徐々に自分の頬も紅潮してきた気がして、小さく呻く]
答えは……?
[頬をかすめるような感触。やがて鼓動が一度大きく波打つ]
なんか、すげえ嬉しいんだけど……。
勘違いじゃねえよな?
[頬に指で触れながら、一度ミッシェルの瞳を覗き込んで]
どうかな、あんまりあれもこれも気を遣ってるとしんどいし。
ただ、ネルに意地悪したと思うなら、謝るか?
そーだな。不真面目なのは、どっちが上だろうなぁ。
[込み上げてきた幸福感に破顔一笑]
俺が止めるのか? そこは交代でいいんじゃねぇの。
あと、容姿も褒めていいんですよー? ぐぐ、礼を言うべきか。
……よし、行こうぜ。ランタン回収。
[端を掴まれた服をちらりと横目で見て
可笑しそうに笑顔を浮かべて、おもむろに手を伸ばし繋いだ]
んで、いつ好きって言ってくれるのか、聞いてもいいのか。
俺は結構言いましたよ?
[ランタンのある場所に向かいながら、
傍らの愛しい人に、そんなことを囁いたり**]
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[ヨーラの言えから自宅へ戻る道すがら。 今更ながらにこみ上げるものは気恥ずかしさと。 しまいこんでいた想いは伝えていないけれど、 大事な気持ちは届いたのだろうと思う。
そして、自宅でくつろいでいる鳩を見つけ、 その足の手紙を見る。
サイモンからのそれは、少し遠い所までランタンを取りに言ってほしいとのこと。
そして、以前、最初にランタン集めに声をかけた「紙飛行機着陸地点」。 彼が、色々と手をまわしてくれていたことも今更ながらに知る]
…そっか。そうなんだ。
(75) 2011/04/20(Wed) 06時半頃
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[ただランタンを並べるだけじゃ、 きっと他の人に迷惑がかかってしまうから。 だから、自分達がやりたいようにできるよう、 話をしてくれていたらしい。
なら、後はランタンを並べて、その時間までに火をともせばいいだけ。 その手紙に、嬉しそうに翠を細める]
ありがとう。感謝するよ。 ヴェスは幸せだね。とても愛されてる。
(76) 2011/04/20(Wed) 06時半頃
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さて…
[また自宅でタイプライターをカタカタ打つ。 その内容は、もう目の前に迫った彼の誕生日。 また、鳩に結わえつけてウェーズリーへと飛ばす。 そしてウェーズリーが、更に他の面々にそれと同じ内容を鳩や犬や…その他動物を使って知らせるのだ。 どの動物になるかはお楽しみ。
「既に坂道にランタンを並べることができる。 だから、もしできたらランタン並べをお願いできますか」
と。 今日は自分も並べることを手伝うだろう。 そして、明日は示された所にランタンを取りに行く準備*]
(77) 2011/04/20(Wed) 06時半頃
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本屋 ベネットは、メモを貼った。
2011/04/20(Wed) 06時半頃
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[空の下、結局、毎日は何も変わらない。
手にした薄いガラスの、翠色のランタン。
自分の瞳の色と思っていたそれは、 陽に透けると薄い藍にも見えて。 はじめて知ったのかもしれない。
あぁ、こんな小さな所にも変わらない中の、 大事な変化が見えるのかと*]
(78) 2011/04/20(Wed) 07時頃
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