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―村長宅―
[見張りの立つ玄関を、また無言で通り抜ける。
結社員も、幽霊も。お互い目を合わせる事も無かった]
[部屋に入り、また横たわるホリーの枕元の側へ座り込む。
この村じゃ彼女の病気への満足な処置がしきれないのか。彼女の顔色は優れない。
苦しげな彼女の額にかかる髪を掬おうと、透けた指を伸ばす。
その指に、髪が絡むことはやはり無かった。]
[部屋にはホリーの苦しげな息遣いが静かに聞こえるだけ。
…ふと部屋の向こうから、結社員の声がした。
「搬送はまだ」とか、「占い師が来るまで待て」とか、「この村の占い師が死んだのに」…とか。
何やら慌ただしそうなその話の中に、聞き覚えのある老婆の名前が聞こえた気がした。]
…………………
[希薄な幽霊はその話を聞きながら無言のまま、彼女の横たわるベッドの傍らに頭を置くようにして、目を閉じた。
…きっとこの身体では、眠ることも要らないのだろうけど。]
―牧場―
………………っ!!!!
[飛び起きた。
どうやら眠ってしまったようだった。]
………あ、れ………?
……なんで……。
[立ち上がって辺りを見回す。
自分の家にどうやら戻っていたようだったが。
誰も自分のことに気付かない様子に眉を下げた。]
……………。
[首を傾げたまま、霧になった自分の手を見る。]
メモを貼った。
……え、へへ……。
…じごく……におちる…とか…
おもってた……かもぅ………。
[それとも、ここが地獄なのだろうか。
何も接触ができない、この世界が。]
………しんだんだなぁ…。
[せめてもの、と――――――。
痛くない方法で殺してくれたのは救いだったかもしれない。
ふと視線を感じて、そちらに顔を向ける。]
メモを貼った。
![]() | 【人】 ろくでなし リー可能性は0じゃないとは思うけど〜 (49) 2014/08/19(Tue) 00時頃 |
[1匹の馬がなぜかこちらをじっと見ていた。
ちなみに、少女はこの馬のことを『うま』と呼んでいる。
『うま ごはん』とはこの馬にご飯、という意味だ。]
……………な、んで……
……みえてない……よね…?
[動物に不思議な力があることは聞いたことがあった。
けれど、具体的にどうなのか、などは分からない。
けれど、うまの瞳は明らかにこちらを向いている。]
…………そっか……
……かえったんだ……やっぱり…
[溢れる涙を拭いながら、そう呟いた。]
![]() | 【人】 ろくでなし リー[どうもの返事に、ははと笑った。] (51) 2014/08/19(Tue) 00時頃 |
[馬の嘶きが高らかに響く。
それと同時、牧場にいる動物たちの声が耳に届いた。]
………うん………。
ありがとう……。
[風が駆け抜ける。
それに声をのせて。
満面の笑みを浮かべた。
それから振り返って見たのは、あの集会所。
心配になって――――その姿は霧に溶けていく。**]
![]() | 【人】 ろくでなし リー― 今朝・ワンダの部屋の前 ― (52) 2014/08/19(Tue) 01時頃 |
![]() | 【人】 ろくでなし リー
(53) 2014/08/19(Tue) 01時頃 |
メモを貼った。
![]() | 【人】 ろくでなし リーワンダか〜 なるほどね〜 (56) 2014/08/19(Tue) 11時半頃 |
![]() | 【人】 ろくでなし リー…オスカーはさぁ (57) 2014/08/19(Tue) 11時半頃 |
![]() | 【人】 ろくでなし リー
(58) 2014/08/19(Tue) 11時半頃 |
![]() | 【人】 ろくでなし リーハナは〜 (59) 2014/08/19(Tue) 12時半頃 |
![]() | 【人】 ろくでなし リーそうだな〜 (65) 2014/08/19(Tue) 21時頃 |
![]() | 【人】 ろくでなし リー
(66) 2014/08/19(Tue) 21時頃 |
![]() | 【人】 ろくでなし リー酒ねぇ (69) 2014/08/19(Tue) 21時頃 |
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―村 湖のほとり―
……………?
[集会所に行こうと思って走り出したはずだった。
けれど、現れたのは湖のほとりだった。]
……………?
[首を傾げつつ、辺りを見渡せば1人の老婆の姿が見えた。
昔、馬の折り紙を教えてくれた優しい人。]
…………、……!
[声をかけようとして、その言葉を飲み込む。
聞こえるはずがないのだ、自分の声は。
老婆は生きているのだろうから。]
………………。
[その姿が湖に映っていないなどと気付かず。
老婆の背中をじっと見つめる。]
おばあちゃん………ありがと……。
[届かなくてもそれでいい。
小さく感謝を伝えると、また走ろうとその姿は霧に消えた。]
メモを貼った。
メモを貼った。
──回想:昨夜の部屋──
[椅子を進めても座らない少年の立つ姿を、
黙ってみやって、中へ入るようにと促す。
夜も更けて、鉄格子の向こうに見える窓は、
すっかり黒々としていた。]
……、中には入りな。
[そう言って、立ち尽くしたような、
少年の後ろのドアを閉めた。
ぱたん。と、軽い音だけが廊下に残る。]
───。
[外に声が漏れなくなった部屋で女が窓を背中に子どもに見向く。そうして、少年はあちこちとつっかえながら、話をはじめた。]
[やさしい人が好きだ。と、
子どもが言う。
──掃除夫の青年を、同じにやさしい人と、
そう評した言葉を思う。]
……
[優しい人が、人間が好きだから、
自分もやさしくしたい、、
守りたいのだと、そう少年は話を続けた。]
[黙り、その言葉を聞く女の前で、
あの日。と、不意に話は過去へと飛んだ。]
────。
[先を促すような言葉はないまま、
ただ、黙って常の表情を変えず、
けれど目を子どもから離さずにいる。]
[説明しづらそうに、言葉はぽつりぽつりと繋げられる。
──魚屋の女の表情が変わったのは、
気がついたら、と、子どもが言ったとき]
……
[──ああ。と、思った。]
[最初に感じたのは、落胆だった。物悲しさのような胸に
すうっと冷たい水が沁みる感覚。
ついで、悪戯心でなされたと、そう聞こえた言葉に
──とまれなかったのかと、腹立ちのようなものと共にそう思った。
やさしい人が好きだと、
そういうのなら。
自分なら、できないからと、
酷く単純な理由で、
──掃除夫の青年を、子どもが食べるようなことはないのではと、
そんな風にも、思っていたからだ。]
[ラルフを殺すことができないのなら。
目の前にいる子どもは、
狼ではないのじゃあないかと、
──そう、信じることはできないかと、思っていたからだ。]
……
[リーの忠告を思い出す。
イアンが挑発めいて、自分で狼を見つけられるのか、と
そう言った言葉がついでよぎっていった。
自分は結局、情のようなものや、
村で生きる自分の常識や、
ごく狭いものの見方でしか、
きっと、判断ができていないのだろう。]
[これまでは、その狭い視野で、
生きることに不都合もなかった。
好きな相手を殺す感覚なんてものはわからない。
魚屋の女にとっての好きな相手は、
一緒に、時間を重ねていきたい人間だ。]
……………
[ただ漁師、と。少年が口にするのに、
ぴくりと瞼が引きつった。]
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