20 Junky in the Paradise
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……なんでてめぇが殺されるのを許容すんだよ。
[そんなんだったらアノ人を殺すなよ。 怒りは頭に血を上らせる。笑い声は、オーディオから溢れる数多の声に融合して、まるで何人も声を上げて笑っているよう。余りの不愉快さに片手を当てて頭を振る。アノ人が死んでいるのに笑うなんて。]
殺してほしいなら殺してやるよ。 [続く問いには鼻で笑って。]
生憎後追い願望は無いんでね。一目惚れした女が不憫にも死んだら、自己満足でも仇をとりたい、ね。
[無防備に首を晒した女に手を伸ばす。もう一度首を絞めてやろうと。 もう今は震えは小さくなっている手はまっすぐに伸びる。]
(109) 2010/07/12(Mon) 01時頃
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[酩酊した者たちは、理屈の通らぬ殺意を互いに向け始める。
サイモンやホリー、そして自分の命もこうして奪われたのだろうか]
――いい気味。
[早く誰かこちらにこないかしらと、女は昏い笑みを浮かべ客人らを眺めている**]
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覚悟はいらねぇよ。全ては一瞬で、全ては過去だ。
[喉に届いた指が、続く言葉をせき止めたとは知らずに返答をして。 伸ばされた腕は、傷のない右腕に爪を立ててくる。 つう、と小さく声を漏らし目を細めた。
その時にピンと伸ばして喉笛を抑えていたはずの力が緩んで 行動を許してしまった。 どん、と前方に衝撃を感じ、次いで背中にも鈍い衝撃と鋭い痛み。 目を見開いて、今度はけして小さくない、声が漏れる。]
…っ!!! あ゛、いてぇ
[それでも一度は緩めてしまった手に、もう片方を添え、再び力を込めた。 体を回転させ、女の背にガラスの破片を刺そうと力を込める]
(114) 2010/07/12(Mon) 01時半頃
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[名前を聞かれても答える事はしなかった。 ただ眉をひそめただけ。それすら背中の傷跡のせいかもしれなかったけれど。 上から圧し掛かりつつも、首を緩める事はせず、絞め続ける。]
……なあ、知ってた?ヤってる最中に首しめんの、気持ちいいんだって。 [行動から連想されることを口にして。軽く力を緩める。簡単には殺さないと、意思表示をして。 笑みを浮かべて、血を、ガラス片を振り回す女に 息をのんで辛うじて避けようとしたけれど
ざく、と肉を貫く音が軽く響いた。]
(117) 2010/07/12(Mon) 02時頃
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[ひぅ、と息をのんで。 それから首筋が熱くなる。それが首だけでなく、鎖骨辺りまで垂れてきて漸く。首から血を流しているのだと気が付いた。 気づ付いた方の腕で血を流す箇所に触れ― 頭は首筋を流れる大きな血脈の名前を探そうとする。
その間にも残る腕は首を絞める力を再び入れる。 もう一度、どこかを裂かれて、漸く相手の持つガラスを払おうと怪我を抑えてた腕を動かした。]
げ、ほ。
[体を動かして抑えるのに楽な体制へと、馬乗りへと変わろうとする]
(118) 2010/07/12(Mon) 02時頃
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風来坊 ヴェラは、メモを貼った。
2010/07/12(Mon) 02時頃
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[ガラスはどれほど深く裂いたのか。失血はどれほどの量なのか。 抑えようとする左手をすり抜けて、ぽたりぽたり、止まることなく落ちていく。赤い水が白い肌へ吸い込まれるように落ちていく。
せっかく体勢を変えたのに、失血は意識を朦朧とさせる。 目の色に感情が籠っているのかどうか、自分が今何を思っているのかどうか。全て判らずに、ただ義務のように、震えだした右腕を叱咤して、自らの血でぬめる女の首を絞めようとする。
ばしゃん、冷えた水がぶつかった。その衝撃に歯向かうことなく、女の体から崩れて、脇の床にうずくまる。水は血を薄め、体を冷やすが、それでも傷口は熱い。 水を掛けてきた犯人を、水分を含んで垂れさがる髪の間から朦朧とした目で睨んだ。]
(123) 2010/07/12(Mon) 22時半頃
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て、め。 なにすんだ、こら。
[何か喋ろうとするたびにヒュ、ヒュ、と笛が鳴る。 自らの喉から漏れる音だと気づくまでに時間が掛かった。 体を起こし、なんとか立とうと力を入れると、反応するよう喉から血が吹き出た。 左手でそれを抑えようとしても、血は生命力を連れて流れ出ていく。 さっきまで女の首を絞めていた手で、水を掛けた男の胸倉をつかもうとするが狙いをつけることも、触れたものに力を入れて掴むこともできず。ただ体をなぞって落ちる結果に終わった。 舌打ちをして、ノロノロとその横を通りすぎようと足を踏み出す]
(124) 2010/07/12(Mon) 22時半頃
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風来坊 ヴェラは、メモを貼った。
2010/07/12(Mon) 22時半頃
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[見つけたもの全てに噛みついた男は、今や喉から血を流し、命を流してゆらりゆらりと歩いていく。何がしたいのか、どこに向かうのか自分では理解できず、足の向くままに。
壁際まで来て、頼るように体をもたれさせ掛けると、そのままずるずると床に座った。重い体と頭を壁に預ける。窓を割った時に散らばったのであろうガラスを見つけて、右手で強く握りしめた。これ以上意識が朦朧としないように最後の抵抗。ガラスは皮膚を破り、肉に刺さって、余計に血を奪っていく。 窓の外では噴水の側で二つの人影が揉み合うような動きをしていた。 ぼんやりそれを眺めて――血を失った頭は、それに対する心の動きを何にも感じず。 ただ、ガラスを失った窓から空を見上げて一言呟いた]
ああ、綺麗だなぁ。
(127) 2010/07/12(Mon) 23時半頃
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[目の色に生気はなく、茫洋と宙を、空を見つめるだけ。 後ろの方で崩れる音がした事に気付いているかどうかも定かではない。 首筋の傷跡を抑えていた左手が、重力に負けたようにずるずると下へ落ちた。傷はいまだ血を排出しているけれど、初めのような勢いはなく惰性で流し続けているよう。 力の入らない腕で体を抱きしめるように両腕を回すと、筋肉の動きに反応するように上半身が傾いて、倒れた。]
さむい、な。さむい。 かぜひいたかな。あしたはかいぼうがくのじっしゅうがあるのに。
[指先がひくり、動く。そういえば抱きしめてくれた人は誰だったろうか。暖かかった、人の体温を思い出す。 どんなに体に腕をくっつけても体温は上がらず冷めたまま。温もりを求めるように絨毯に頬を擦り付けると、ガラスの欠片が引っ掻き傷を作った]
(129) 2010/07/12(Mon) 23時半頃
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ホルマリンと、エタノール、トリプシン それから……氷酢酸。アルシャンブルーも……。 透明骨格標本、作らないと。 硬骨を赤く、……染めて。瓶に……。
[意識は漂い、いつかの学友と話す姿が浮かんでは消え いつかの彼女を抱きしめる姿を思い出しては沈めていく。 呼吸は弱く途切れがちで、ヒュウヒュウと耳障りな風の吹く音を残して消えていく。鼓動と同じリズムで流れ出る血は、首元の赤い水たまりをゆっくり広げていった。
ぼやけた視界に移りこむのは、いまだ1人で踊り続ける赤髪の女。 1人で踊るバレエはあちらへヒラリ、こちらへヒラリと残滓を巻き上げ 見る者を誘惑する。 きっと、彼女は――ダンス相手が、スティーブンが好きだったのだろう。 そうは思っても、敵わない恋の舞踏の美しさに最後の笑みが零れた**]
(130) 2010/07/13(Tue) 00時頃
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