94 眠る村
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言わないわ。
[ケヴィンの言葉に肩を揺らし、 隣のローズマリーへ向ける視線は穏やかで]
今日は私を呪いなさいな。 きっと、面白い物が見えるわ。
(175) 2012/06/17(Sun) 22時半頃
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――…ティモシーお爺さん。
[力ない祖父の言葉に。 少女はこの場に来て、初めて困ったような表情を見せた]
私、私は…。
[逡巡するような、間。長い長い、間]
……ふふふ。はは、あはは。
(181) 2012/06/17(Sun) 23時頃
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そうね、"あなたのハナ"は。 知恵遅れで、それでも愛嬌のあるハナは、人なんて殺さないわね。
[悲しげに笑う。 そう思わせてあげるのが、祖父にとっての心の安寧となるならば]
[頬を打つ音が響く]
私は、誰かしら。ふふふ…。
あなたの知らない、誰か、かしら。
(184) 2012/06/17(Sun) 23時頃
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…そう。そうね、それが私の望み。
[痛む頬を感じつつも、なおも少女は諦めたように笑う]
マリー姉さん。 どうか、どうか、大切な人とお幸せにね。
私に祈られても、嬉しくないかも、しれないけれど。
(186) 2012/06/17(Sun) 23時半頃
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ハナは、静かに肩を揺らし、ローズマリーを背伸びして抱きしめた。
2012/06/17(Sun) 23時半頃
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ケヴィンさん。
もうひとつ、お願いがあるの。
(190) 2012/06/17(Sun) 23時半頃
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私の部屋の寝台の下に、木箱があるわ。 その中に日記帳があるの。 それが、私が内緒にしていた"面白い"もの。
それを。
読まずに燃やして灰にしてほしいの。
(193) 2012/06/17(Sun) 23時半頃
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…おねがい、ね。
(194) 2012/06/17(Sun) 23時半頃
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ねえ、やめましょうよ、ほら。
あなたたちが大切だったハナは、もういない。
私はただの、頭の狂った人殺し。
…ティモシーお爺さん。 あなたの思い出の中に、きっと可愛い孫娘がいるわ。
(197) 2012/06/17(Sun) 23時半頃
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[事実、ハナという人間はただ、一人の人間である。 二重人格というたぐいでも、憑依のたぐいでも"ない"が。
それも日記を燃やしてしまえば、だれも知らぬ事実となる。
そして、それが彼女の望み]
(199) 2012/06/17(Sun) 23時半頃
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ハナは、ローズマリーをあやすように撫でて。
2012/06/17(Sun) 23時半頃
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さようなら。
[と、終わりを確信したかのように呟いて、目を閉じた**]
(200) 2012/06/17(Sun) 23時半頃
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