65 In Vitro Veritas
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[探してた?
首を横にこてりと傾けた]
ええと、やっぱりどこかで会ったことあるのかな…?
ごめん、夢の中なのに忘れちゃってて。
…?
うん、古本屋、だけ、ど…?
[何を言っているのだろう。そりゃあ、夢の中の登場人物が唐突に謎の発言をするとかよくあることだけど。
でもそれは大抵、起きてから気づくもので、夢の中では何故か受け入れていることも多いのに。
……そもそも、夢の中でこんなに意識がはっきりしているのは、よく考えたらおかしい、ような……]
[ドナルドが振り返った先を、一歩前に出てドナルドの横から覗き込むようにして見てみる。
そこには――]
ひっ――!!!
[折り重なる二つの死体。
片方は自分だ。髪型と服装でわかる。もう、片方は……]
ね、く?
[さっきまで一緒に手をつないで歩いた相手。
階段の先に進むのを拒んだ相手。
その死体がそこにあった。
なんで、なんで、どうして?
頭の中のぼんやりした霧が、突然晴れたような気がした]
自分が死んだことや今までの出来事を全部思い出して硬直している。
[赤毛のオリジナル。探していた?私たちは死んでるのに、こっちが見えていることにぞわりと鳥肌が立ち。
そうして、遺体を目の当たりにして硬直するベネディクトの姿]
ベネディクト……
大丈夫?
[全てを思い出しているとも思わず、その肩に手を置いて顔を覗き込む。
大丈夫?覚えてないよね?
その表情はとても不安そうで、身を案じるようにしか見えないだろうが――]
─ 少し前の当直室 ─
ちょ……俺も行きます!
[独りにだけはなりたくない。
その一心で、岩瀬の後を追って当直室の壁を抜けると、そこには───]
…………!!
[その光景には、声を出す事ができなかったが。
すぐ傍らに見えたのは、自分───いや、自分のクローンであるニック。]
おいっ!!
お前、何してやがんだ!!
[ニックを岩瀬のクローンから引き剥がそうと手を伸ばす。
が、当然のように擦り抜ける。]
ン、俺だって、俺。
[記憶力の悪い己が覚えているのに、散花が自分を忘れているなど考えがたい。首を捻った。]
へ、夢ン中……ァ?
そりゃァ、俺も一瞬考えたが……、
[訝しげな表情は益々深まるばかり。]
オイ、大丈夫かよ、ンなモン見るから――!
[死体を見て悲鳴を上げる彼に駆け寄ろうと。]
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