64 色取月の神隠し
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……………、
… ……うん。
うん。
[謝っても、許してくれないかも知れない。
そんな恐怖はやっぱり消えることはないけれど。
涙と共に、こく。こくと、小さく頷く
─────やがて、]
〜〜〜〜…!
[目の前の仁右衛門に、しがみ付くように抱きついた。
腕にぎゅうっと力を入れて、着物に顔を押し付ける。
も一度小さく、顔を見せないままで頷いた。
ごめんなさい。と、呟く声は涙に紛れて届かないほど。
仁右衛門にしがみつき、そうして暫く泣いていた。
お団子を大切に抱いたままだったから、
せっかくの草団子が少し潰れてしまったのは、また別のお話**]
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[>>84ぽんと眼前に来る毛玉に一つ息を呑み。]
明之進くん。 僕を…どうするの?
連れて行く、の?
[書物を漁った時にあった、アヤカシ達によるそれ。 連れて行ってしまう、というそれだけの記述。 しかしたまこの言葉や、アヤカシがいる実証が、そんな言葉となった。]
(91) 2011/09/18(Sun) 02時半頃
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あちら? あちらって、何処…。
[>>89今度は頭の中に音となって流れたそれに、うわっと声を漏らした。
あちらがどこかは分らない。しかし、少なくともここではなさそうに感じた。]
たまこ姉ちゃんが…。 たまこ姉ちゃんを…。
[あの状態のたまこ姉さんを置いていけるのか。そんな気持ちが残る。残されたもの―彼女の言葉にあわせ。]
あ、う…。
(94) 2011/09/18(Sun) 02時半頃
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[しかし同時に、この明之進の意思は、恐らくは止まらないと感じた。人型になった>>92その目からは、そう伝わってきた。
しかし、それだけではないのかもしれない。
きっと心のどこかに残っている鎌首を擡げた好奇心が、アヤカシとして、友人として明之進と友達になれた喜びが。
まるで体を浮かせるように流していってしまうようで。拒む意思が、はっきりと浮かび上がらず。]
鈴…たまこ姉ちゃんを―。 せめて、僕が居る時だけでも…。
[ちりんと鳴った、鈴の先は、やはり彼女に。 >>93その力は自分にも分らないが。]
(96) 2011/09/18(Sun) 03時頃
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[鈴の力、それは存外>>93その記憶の消える瞬間をある程度遮蔽するかもしれない。]
神隠し…。 これが、神隠し。
[部屋の中にいるはずなのに、全くそう感じられない空気が流れていることに気付いた。違うどこかに行くと、ほぼ確信めいた。
人の姿になった明之進を直視する。声を出さず、唇が動くそれには、いいよ、と肯定の意思を伝えた。]
(100) 2011/09/18(Sun) 03時頃
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[こうなった以上、その神隠しの瞬間を、目に焼き付けておこうと、食い入るように周囲の景色を見つめた。
途中たまこが目に入れば、少しだけ、表情を曇らせて。それでも彼女にまた会えますようにと願った。
そうしているうちに、>>98さよとは、誰か。 ふと明之進が漏らした人名を、浮かべていた。]**
(101) 2011/09/18(Sun) 03時頃
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門下生 一平太は、メモを貼った。
2011/09/18(Sun) 03時頃
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