人狼議事


182 【身内】白粉花の村

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そうですか。

[扉へと向けられた手につまらなさそうに肩を竦め、机の葡萄をもう一粒。
柔らかなその実を喉へと通しながら、震えるその手とその声に、底知れぬ充足感が胸に広がる。
決して此方には向けられないその顔に浮かんでいるであろう表情を思い浮かべながら、漸く何時ものようにクスリと笑みを零した]

それはまた随分ですね、結構いい物を買って来たんですよ。
…林檎はもう駄目でしょうけど。

[哀願めいた声に、まさか同情心など煽られるわけも無く。立ち上がると、そのままだったナイフを軽く拭いてしまい、黒ずんだ林檎を紙皿ごとゴミ箱へと放る。

――それにしても。
"こう"までされて、まだ自分に返答を返すのか、と。何とも律儀で素直な彼に、少なからず感心を覚えながら、盛り上がったシーツに視線を向けた。
嗚呼、きっと彼は今、死を願う程に絶望しているに違いない。そしてそれでも死ぬ勇気すら持てぬ自分に…嫌悪でもしているのだろうか]


…何時になったら、"同じ目に"合わせてくれるんでしょうね。

[シーツに潜る彼に顔を近付け、態とらしく呟いてやりながら。いつぞや、彼に言われた恨み言を思い出させるかのように。
そうしてそっと身体をなぞるようにシーツ越しに触れてやれば、彼はどんな反応を返しただろうか]


【人】 奏者 セシル

[落ち着く気配のない呼吸を無理やり押さえつけて収めようとしながら、寄せた耳が疑問の声>>10を拾う。
そこに滲む感情は、余り聞いたことのない類のもので。何を考えているかなんて、察してやることはできない。
そしてそれは、きっと弟も同じなのだろうと。子供の割に妙に冷えた体温を感じながら思った。]

は…、……殺そうと、
…してたんじゃないのか。

[それともただ、いつものように痛めつけたいだけだったか、と。
煩い呼吸の間を縫って口にした言葉は、霞んだ思考の中に、はっきりと落ちていく。

――そうだとしたら、おまえにしては上出来だ。
こんなに心を掻き乱されるのは久しくて、酸素を巡らせようと早鐘を打つ心臓の上を、ぎゅっと抑えて握り込む。]

満足、…したなら。それでいい。
……もう、それでいいだろ、

[これ以上会話を続けていたら、今度こそ戻れなくなってしまうと。亀裂の入りかけていた自尊心が、もう傷付けられないようにと。
思考はそればかりでいっぱいになって、震える手に力を入れて、身を引く為に目の前の身体を押す。
けれどその腕が伸び切るより前、背に回った弟の腕に、伏せていた瞳を開いた。]

(14) 2014/07/03(Thu) 20時頃

【人】 奏者 セシル

[白衣を握りこまれるのをシャツ越しに感じて、離れかけた身体を留める。
思わず見下ろしたその顔の、無機質な蛍光灯を反射させる瞳が濡れていることに、そこで初めて気付いた。

こうして、ただ純粋に弟に縋られるのは、一体いつぶりだっただろうか。
重なって見えるのは、誰にも手を伸ばすことなく、独りで立つ幼い弟の姿で。
それを知りながら見て見ぬふりをしていたいつかの自分が、滲む思考を支配するように浮かび上がる。]

(…子供をあやすのは、苦手なんだ)

[伸ばされかけた腕を振り払って、そうしてから掴み上げて、無理やりに引き上げたのは、他でもない自分だったけれど。
背に回る腕を同じように拒絶することは、今の自分にはできなかった。]

………どうして、ほしいんだよ、おまえは。

[懇願するような色を含んで、震える声を絞り出す。
目に映るのが、今の弟なのか、いつかの幼い子供なのか、それすらも区別がつかないまま。
一歩踏み出すと、成長の遅いその手を取って、再び自らの首へ導いた。

――おまえの望むことなら、なんだって叶えてやりたい、と。
湿った呼気とともに至近距離で落とした先の復唱が、弟に届くかは理解らないけれど。]

(15) 2014/07/03(Thu) 20時半頃

[体を這う手の感触に、シーツ越しだというのにぞわりと皮膚が粟立つ。咄嗟に嘔吐きそうになる胃を、喉を押さえて、耐える様に強く目を瞑った。
は、と。短い息を何度も吐き出して、込み上げてくるものをやり過ごす。いっそ吐いてしまおうかとも思うが……少なくとも彼の前でだけは、もう惨めな姿を晒したくはなかった]

さ、わるな、

[彼の問いには答えずに、何度も繰り返した言葉を再び口にする。……それが果たされた事は一度も無いと、分かっているのに。

随分遅れて振り払おうと動いたその手には、どうにも力が入らなくて。彼の手に辿り着く前にシーツにぱたりと落ちた。
握り締めた右手は、例の如く傷が開いて血が滲んでいる]

さわら、ないでくれ。
――もう、嫌だ。

[この言葉も、いつだか彼に向けて言った気がするけれど。あの時とはもう随分と違ってきてしまっていた。

シーツの下、顔を覆って。涙と、汗と。その下にある歪んだ顔につくづく嫌気が差す。
……嗚呼、こんな事なら]


治らなくて良かった、のに、

[呆然と落とした言葉は、彼にどう届くのだろうか。
――そんな事、ディーンにとってはどうでも良い事だったけれど]


それじゃあ、わたしもパフェにしようかなぁ……。

[甘いものには目がないんだよねぇ、と頬を掻きながら問いに答える。少女をちらり、と見下ろして見ると以前のように怯えた様子はなくて病状が良くなっているのか、と心から嬉しく思う。]

わぁぁ、なにこれっ……すごい、すごい!

[転院前の病院にはなかったサンプルが飾られたショーケースをキラキラとした目で食い入るように見つめると子供のようにはしゃいで。]

朝顔ちゃんは何か頼む?
一緒に注文するよー?

[食堂へ入るとまわりを見渡してから少女に問う。食堂行く予定だったようだし何か注文するのだろうと考えたのだが、彼女はどうするだろうか。]


メモを貼った。


[触れた手から伝わる小刻みな呼吸。短く浅い息を吐き、何かに耐えるように小さく震えるその身体に、まるで子供をあやすように触れながら。
嗚呼、何と惨めで傷ましい事か。屈辱に震え、恐怖に怯え、嫌悪に嘔吐きながらも、尚。この手を振り払う事すらも出来ないだなんて]

何が嫌なんですか。
あんなに焦がれていた物を手に入れて、命の危険も取り払われたのに。

[いつか聞いたものと同じ言葉。
己のの行く先に絶望し、か細く吐かれたあの言葉と同じ言葉を、あの時とはまた違う心境で吐くと言うのか。
その顔はもう、動くではないか。
その命はもう、病に侵されてはいないではないか。
ならば何故、その言葉を吐くと言うのだろう]

……………、

[ピクリ、と。呆然と吐かれた続く一言に、触れる手が止まる。
――そして目を見開き、嗤う。あれ程までに焦がれていた物を、自ら拒絶するだなんて。

そうして呟かれた声に微かな嗚咽の響きを見れば、深く被られたシーツを剥ぎ取りその顔を掴み取る。
身体を乗り出し手に力を込め、余程の抵抗が無い限りは汗と涙で濡れて歪むその顔を、無理やり此方に向けただろう]



…なら、今度こそ。
その皮を剥いであげましょうか。

[僅かに高揚したような呟きは、彼にどう届いただろうか。
すぐにまた"――冗談ですよ"と呟いたとしても、彼にその言葉が届いたかどうか。

――医者は気付いているのだろうか。
自分が今、恍惚としてそれでいて――まるで慈しむように、その泣き顔を見下ろしていることを]


――う、あ……!

[止められた手に、ああやっと帰る気になったのかなんて、見当違いの事を考えて。だから身を守る様に纏ったシーツが剥がされれば、抵抗の間も無く彼の眼前に晒される。

無理矢理顔を向けられて、険しく顔を顰めた。拭う間の無かった涙がぼろぼろと流れ、彼の手を伝う。

きもちわるい。
触るな、と。もう一度震える喉で繰り返して。今にも迫上ってきそうな内容物を遮る様に必死に喉を押さえて、嗚咽めいた悲鳴をあげた。
何度無駄な事を繰り返すのかと、自分でも思うけれど、言葉を重ねる以外に出来る事なんて無い。全てが全て彼に支配されている様な気すらして、惨めで堪らなかった]

……いや、だ。

[喉に当てていた手を、彼の腕に持っていく。
どうにか服を掴んで、引き剥がす様に力を入れるけれど、恐らく意味は無かっただろう。常でも抗えない力の差に、憔悴しきった今抗えるとも思えない]


もう……痛いのは、いやだ。

[懇願する様に言葉を落とせば、ひ、と。喉が鳴った。
高揚した彼の声音と、いつもとは違うその表情が、酷く恐ろしい。これなら未だ、あの胡散臭い笑顔の方がマシだ。

溢れる涙も、引き攣る喉も自分の力ではどうにも出来ない。彼が居る手前落ち着く事も出来なければ、ただただ泣きじゃくるだけになる。
――今はもう、情けないと思う余裕すら無くなっていて。込み上げる嫌悪感と恐怖に飲まれる様に震えていた]


[己の喉を抑える様に、ボロボロと零れる涙に。そしてそれが指の間を伝う感触にす、と目を細め。
嫌だ、触るなと力無く繰り返す彼はまるで、追い詰められた鼠のようではないか。
此方の行動一つ一つに翻弄されるその様は、実に愉快で堪らない]

…痛いのは嫌いですか。

[袖へと添えられた手を取ると、するりと触れた後にシーツへと落とし。ついに泣きじゃくり出した彼を見下ろし、小さく笑う]


[――最初は、ただの興味だった。
己を見せる事を嫌う自分と、己を見せる事の出来ない病を嫌悪する彼と。
この仮初めの不完全な笑顔を羨む彼は、それは何とも惨めで滑稽で、そして何よりも自分の優越感を煽ってくれたから。

彼の退院を知った時。胸に渦巻いたのは紛れもない"嫉妬"。
自分へと漏らした、か細いあの絶望の声はどれほど甘美に自分の心を擽っただろうか。
それなのに彼はその絶望を無きものにしようと、胸に希望を抱いているだなんて。

存外素直な彼の事だ、きっとその冷たく氷った顔が溶ければ、躊躇いも無く己の内を晒すのだろう――晒してしまうのだろう。
それが、その素直さが。歪んだ自分には何とも妬ましく、そして許し難かった。
素直に内面を吐露したとしても、きっと何も失わないであろう彼に――そう、羨望に似た思いを抱いていた事は、終ぞ認める事は無かったけれど]


[しかし、まさか。先程まで見下していた相手を妬むだなんて。そんな事を、自分のプライドは許さない。
――ならば、いっそ。
彼が苦難の末にようやく得た、その希望を塗り潰してやれば良いと。笑みを浮かべる度に、自分に与えられた恐怖と痛みを思い出させてやれば良いと。
そうして彼が自ら切り裂いた傷を、この手で更に深く抉ってやったと言うのに。

思い出せば良い。笑う度に、泣く度に。焦がれてやまなかったその表情を浮かべる度に。
恐怖で、痛みで、絶望で。
この自分に縛られてその生を終えれば良い。

――縛られているのはむしろ自分の方なのだと、最後までそれに気付く事はなく]

…………、

["泣かないでくださいよ"、なんて。
そんな優しい言葉を、精々態とらしく、さも心配しているかのように、かけてやるべきなのかもしれないけれど。
尚も震えるその頭を、不気味なくらいに優しい手つきで抱き寄せて。あやすように髪を梳いてやれば、彼は一体どんな反応を返しただろうか。
――しかし、その口から出た言葉は]



………もっと泣けばいい。

[ポツリ。零した言葉は、果たして彼へと届いただろうか。過去に一度だけ零したものと同じ"本音"を、彼は一体どう受け取っただろう。

そうして今宵もまた、その傷へと手を伸ばすのだろうか。癒えかけたのならば、また抉ってやろう、決して忘れる事のないように。
お気に入りの玩具に傷を付け、自分のものだと誇示するような。そんな子供じみた事をしている自覚すらも持たずに。

その瞳にこの姿を写しているその間だけは。その間だけは、ざわつくこの胸の内が何とも穏やかなものになってくれるから。
――例えその瞳が、恐怖に怯え、嫌悪に染まり、昏く冷たく青ざめていようとも]


[ショーケースを食い入るように見つめる姿に、大人でもこんなふうに喜ぶんだな。なんて新しい発見をしたような気持ちになる。

実際目の前の少女は、見た目だけでは『大人』とは言い難い姿だったけれど、朝顔の目には自分よりは大人に見えるから。]

ねっ。おいしそーなのいっぱいだよね。
キラキラのおねーちゃんもパフェにするの?
あさがお、さっきイチゴのやつたべたんだよ。

[ショーケースに陳列された、苺パフェのサンプルを指差す。
こうやって話してその味を思い出せば、もう一度食べたくなってしまったけれど、苺パフェばっかり食べて他のが試せないのも勿体無い気がして。]

んとね、あさがおはプリンにするー。

[つい、と視線を動かせばパフェの隣、可愛らしいガラスのお皿に盛られたプリンのサンプル。
果物や生クリームで飾られたそれは、パフェとはまた違った魅力があって、目が自然と惹きつけられる。]


[食堂の入り口から中を覗き込めば、
カウンターには優しそうなおばちゃんの姿。
あの人は、さっきディーンと来た時にもいた人だ。そう思うと余計に嬉しくなってしまう。]

いっしょにちゅーもんしにいこっ!

[何を頼むのかは決まった。
宝石箱のような、可愛らしいプリンアラモードの姿を思い浮かべれば、はしゃいだ声をあげ、レティーシャの手を引っ張るように歩いていく。

もちろん、彼女がもうちょっとショーケースを見ていたいようならば、足を止めるけれども。
このまま注文しても平気なようならば、カウンターにむけて元気良く注文を行うだろう。
お手伝いは大好きなのだから。]


メモを貼った。


あぁ、つまらない…

[結局クシャミは誰かに言いふらす事も無く、ナスステーションで「ディーンの部屋が騒々しい、何かあったんじゃないか」という旨を伝えただけで終わらせていた。別に言いふらしたいわけでもなかったし、間も無くナースがディーンの部屋に行く頃だろう]

………はぁ

[小さくため息を吐くとヤニクとディーンの二人が密着しているのを思い出す。自分が前にも似たような事をされた事、それはディーンは誰でもするのか、と考えると恥ずかしがっていたのも、引きずっているのも、そこから少し良い人だなんて信用したのも全てこっちの独りよがりと思い知らされたようで]

なんだかなぁ…
ディンさんのバーカ


[恐らくもう会う事はないのかな、と思うと寂しく、少しだけ泣きそうになったがそれも自分だけがそう思ってるのだと思うとどうでも良くなった。病気が治ると聞いてからあまり笑う事が無くなり、寿命と引き換えに笑顔を失った、そんな気もした
その足は何も納得出来ないまま食堂へと向かっていた。所謂やけ食いでもしようと思ったわけなのだが、そこで見慣れた二人()を見付ける。二人は何か注文するのに夢中になっているようで、後ろから近付いても自分の存在に気付かないくらいだった
後ろからこっそり、と言うわけでもないが食堂のおばちゃんの前に立つと自分も、と注文し始めた]

ショートケーキとパフェ、ティラミス、チョコブラウニー、あとは板チョコあればそれも。えーっと…チョコケーキもお願いできる?

[食堂のおばちゃんは少し驚いていたようだが、全ての注文を聞き入れてくれたようだ。これはクシャミにとって有難かった。未だに目が治っていないため白と黒しか認識出来ないのでそれに合わせたデザートにしたのだが、誰かが気に留める事は無いだろう]


あ、お金はやに……

[ヤニク、と言おうとしてからその言葉が止まった
元々医者が嫌いで接していたヤニクに対して元々良い印象なんて無かった。それに加えて先程の事がまた思い出されてとてつもなく勝手な思考だが、まるで“友達を取られた”気がしてその名前を呼ぶ事すら抵抗を覚えた]

……良い、僕が払います
あ、そこの二人分も

[朝顔とレティーシャを指して言うと、ニヘラと笑って好きに頼むように促した]

や、久しぶり。レティもこっちに転院したんだね


【人】 奏者 セシル

[耳に届いた弱々しい肯定>>19は、現状にはそぐわない。けれどそこへ至る過程は、自分も辿ったばかりだから、納得することはできた。
弟が自分と同じ思考を辿ったとは、にわかには考え難かったけれど。

やけに平坦な声音で落とされた言葉はすぐには理解できずに、幾度か目を瞬かせる。]

……あ、

[その拍子に淵から一滴、雫が零れて、慌てて手を上げて拭った。
生理的なものが殆どではあったけれど、僅かに混じる別の要因と、何より弟の前で涙を零すなんて情けない事実が、あまりにも居た堪れずに。
どうかその瞳が他を捉えていればいいと、苦い気持ちで願いながら、先の言葉を咀嚼する。]

僕が、…おまえを?
置いていくって?

[思わず返した言葉は、あまりに白々しい。
躊躇われた腕を知りながら背を向けた、そんな酷い兄だった自覚はある。
自ら導いて首筋に当てられた手に、反射的に身を引きかけるけれど、ただ確かめるだけのようなその動作には眉を寄せて。]

(21) 2014/07/04(Fri) 00時頃

【人】 奏者 セシル

置いていくのは、…おまえのくせに。

[目を伏せて視線を外しながら、小さく呟いた。
ずっと心の支えにしていた目の前の"可哀想な"弟は、それゆえに自分の手には負えずに、先に行ってしまうのだと。
目を逸らし続けてきたその事実を、意図せず責めるように。

子供じみた弟が素直にさえなれば、もっと円滑にいくとばかり思い込んでいたこの関係は、いざそうなってみれば上手くいかない。
――子供なのはどちらだ、と。
悟られたくも、自覚したくもないのに。]

……、…どうすれば、いいんだよ。

[遠いいつかに拒否した手を受け入れるように、縋り付いてくる子供に、縋るように。歪む唇を震わせながら、弟の行動を模倣するように手を伸ばす。

――愛し方なんて、受け入れ方なんて、ろくに知るはずがない。
ずっと目を背けて、切り捨ててきたのだから。

そうしてその細い背を掻き抱くことを弟が許してくれるかさえ、とうてい想像なんてできなかったのだけれど。]

(22) 2014/07/04(Fri) 00時頃

メモを貼った。


[痛いのが好きな奴なんて居るのか、と。
いつもならばそう言ったのだろうけれど。じりじりと焼け付く様に熱い喉は、上手く動いてくれない。息をする事すら苦しいというのに、どうして無駄な悪態など吐けようか。

薄い抵抗を示していた手が取られてびくりと跳ねる。そっと下ろされるそれにすら抗う事が出来ずに、ただ体を震わせた]

[零された言葉の意味になんて気付けないまま、死んだ様に濁った瞳をそちらに向ける。
嗚呼、この期に及んでそんな事を言うのか。絶望を通り越して笑ってしまいそうになる。そう思っても、勿論笑う事なんて出来なかったけれど。

けれど傷に手を伸ばされれば、大袈裟なくらい体を震わせて。その傷をつけられた時の事を思い出せば、耐え切れなくなって体をくの字に曲げた]

……ッお、え゛、

[悲鳴をあげて酷く傷ついていた筈の喉を、熱い液体が滑り落ちていく。舌を通るその苦味に先程の行為を思い出して、尚更嘔吐いた]


う、う゛う゛、
っぐ、ぇ……、

[震える手で彼を押しのけ様と手を伸ばす。それは吐瀉物が彼にかからない様に、なんて配慮なわけがなく。
ただ醜く歪んだ顔と、零れ落ちる汚物が見られたくなかっただけだ。

ひとしきり吐いて、無理矢理自分を落ち着かせれば。虚ろな瞳でシーツを汚すそれを見て、そろそろと唇を拭う。浅い呼吸はそのままに、隠す事も出来ないそれをどうするかと、そればかりを考えて]

……は、ぁ。
み、るな、クソ、

ちがう、こ、こんなの、わたしは……。

[こんな筈じゃ無かったのに。
涙に濡れる声でそう言って、また顔を覆う。
こんな事の為に顔を取り戻したわけではない。こんな歪んだ感情をぶつけられる為に、焦がれていたわけじゃあない。

消えない傷を押し付けられて、抗う隙も無いくらい絶望させられて。それで済ませれば良いのに、今尚傍らに居ようとする彼から、どうすれば逃げられるのだろう。
……そればかり考えるのに、結局答えを出す事は出来なかった]


あっ、プリンも美味しそうだね…!
なんだか宝石箱みたいーーひっ⁉︎

[話している途中に自らの名前を呼ばれて、声のする方に視線を向ければ見覚えのある猫耳が視界に入って。同じ病院に転院していたことと、急に目の前に現れたことに驚いて間抜けな声をあげた。…正確には着物の少女と何を注文しようか、なんて話題に夢中でまわりが見えていなかっただけなのだけど。]

え、……うん、実はねぇ。

[言うタイミング逃しちゃって、と頬を掻くと再会出来た喜びから満面の笑みを浮かべて。彼と同じ転院先で再会出来たこと、珍しく会計をツケにしないこと、目は回復しているのかなど、嬉しい気持ちに気になること、彼に話したいことがたくさん頭に浮かぶ。その中でまず一つを選ぶと彼に投げかけた。]



ーーそれにしても、折角の再会なんだだもん、もっと驚いても良かったんだよ?

[転院することを言っていない上での再会だったからもう少し驚くかと思ったのに、と頬を膨らませて見せる。もちろん、本当に怒っているわけではなくて、すぐに悪戯っこのように声を出して笑って再会を喜んで。

彼に促されパフェと葡萄酒、それから着物の少女のプリンというアンバランスな注文をすると、会ってそれほど日の経たない青年に奢ってもらうのはなんだか申し訳なく思って財布を取り出した。]


[向けられる眼差しに、僅かに不服そうにピクリと眉を持ち上げる。
――嗚呼、その瞳は気に食わない。そんな虚ろで濁った瞳は…感情の無い瞳は気に食わない。
恐怖も嫌悪も滲まないそんな瞳なんて。きちんと映してくれなければ――"意味がない"のに]

…どうしました、大丈夫ですか。

[微かな苛立ちのままに、抉った傷へと触れてやれば堪らず嘔吐くその様に、ようやく嗤う。
それでも言葉に載せるのは、さも心配しているような一言――"あぁ、満たされますね"なんて、心の中では思っているけども。
押し退ける手をそっと払いながら、まるで介抱でもするように背中をさすってやれば、その体は果たして震えてくらいはくれただろうか。

ひとしきり吐き終えた彼を見つめ、微かに嘔吐物の散った白衣を脱ぐ。
見るな、見るなと呟きながら顔を覆い、嗚咽を漏らす彼の前に広がる、ツンとした臭いを放つそれ。
そこへ脱いだ白衣をパサリと被せて立ち上がり、彼の涙で濡れた頬へと手を伸ばしながら]

口を濯ぎましょう。立てますか?

[告げる声は優しく、穏やかに。そしてたっぷりの憂慮の色を乗せて。
絶望に咽ぶその顔へと触れる手には、一欠片の悪意すらも乗せぬままに]


["こんな筈じゃなかった"
小さく聞こえたその声に強まる笑みには、彼はきっと気付かなかったに違いない。
微かに昂る感情に小さく息を吐きながら、医者は顔を覆う彼のを取り、両手でもってその涙で汚れた顔へと触れただろう――彼に振り払う事が出来なければ]

――あぁ、でもやっぱりこっちの方がいいですね。
笑顔よりもずっと、こっちの方が。

[まっすぐに相手の瞳を見つめながら、さも嬉しそうな声でそう言ってやる。
笑顔よりも、泣き顔の方が。きっと感情が分かりやすいと、そう告げた言葉を裏付けるような――甘美な泣き顔。
そうして触れる事が叶っていてもいなくとも、医者はそっと、その頭を抱き寄せただろう。彼はそれを、拒絶したかもしれないけれど。

自分に縛られ、支配され。恐怖と絶望を植え付けられても尚、逃げる事も許されず。
只々、一人咽ぶだけの存在に、底知れぬ愛おしさすらも感じながら。
――自分のこの歪みに歪んだ愛憎の念は、彼には到底理解出来ないものなのだと。そんな事は――とうに知っている]


【人】 奏者 セシル

[目は逸らしたまま、ゆっくりと引いていく手>>27を横目で見送りながら。
怪訝そうにかけられた疑問に、かっと目元を染めた。]

な、…いてない。
……おまえだって、

[今にも泣きそうな顔をしていたじゃないか、と。そう指摘するのは自分の恥まで認めるようで癪だけれど、反射的に言い返す。
不可抗力で熱を持つ顔を、無理やり袖口で押さえながら、けれど目を合わせることはせずに。
これはただの生理的なものだと、口の中で呟いた。
――溜まりに溜まった感傷やら衝動やら、そんな全てを飲み込んで溢れた雫は、さっさと白衣へ染みて消えてしまえば良い。

伸ばした腕が拒絶されなかったことには、自ら仕掛けた上で驚愕したのだけれど。
こうしてただ素直に触れるのは、それこそ一体いつぶりなのだろうと、そんな事を思いながら。むずかる子供のように、自分に似て柔らかい髪に、ゆるりと顔を寄せる。]

(30) 2014/07/04(Fri) 03時半頃

【人】 奏者 セシル

[ぽつりと落とした自分の懸念に、気のせいだ、などと言われたところで。>>28
この子供が――あと数ヶ月も経たないうちに、自分を置いてってしまうと。
自分は誰よりも、知っているはずなのだから。

なかば恨むような心地のまま、腕を掴んできた手には、思わずと身体が震えた。拒絶される前にと、手早く先の答えを紡ぐ。]

……置いていける訳がないだろ。
おまえが居なきゃ、…駄目なんだ。僕は。

[言葉だけを取れば、とうてい弟に掛けるものではない。それでもどうせ理解しているだろうと、こじ開けられた本心を隠しもせずに、言葉に乗せた。
かといってどうすれば良いかなんて、濁された返答から汲み取れはしなかったのだけれど。]

………、

[弟が常のように拒絶したならば、そのまま退がって距離を置く。
もしもめぼしい抵抗がなかったとしたら、回した腕を強く引いて、その肩口に再び顔を埋めるだろう。

どうしても今は、顔を合わせたくはなかった。
すっかり常の調子に戻ってしまった弟が、僅かに憎らしくて仕方がない。自分はまだ、ようやく呼吸が落ちついたばかりだというのに。]

(31) 2014/07/04(Fri) 03時半頃

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