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― 少し前:オスカーと
僕は天才のほうだろ。どこからどう見ても。
[これだけは譲れなかった。
身を離す弟の姿には、ん、と顔を覗き込んで。]
父さんたちは、うん、元気にしてる。
僕は、いまは一緒には住んでないんだけどさ。
おふく……母さんは、園芸に凝っててね。
こないだ、山のような薬草茶が送られてきて、閉口したばかりだよ。ああ、あれ、持ってくればよかった。劇的な美味しくなさだった。
[あえて、家族を昔の通りの呼び名で呼んだ。]
[遊んでと言われた
いいよ。オセロに将棋、チェス。……何にする?
こういうとこになら、借りられるやつがあるでしょ。
[どれも、自分が得意だった遊び。
昔みたいに、勝負を挑むような表情をしてみせた。]
ね。……オスカー。
[不意に名前を呼んでみたくなった。
用だったわけではないので、問い返されれば、しばらく返答に困って。]
…僕が勝ったらさ。さっきの鼠、さわらせてくれる?
[わりと大人気ないことを言ってみた。]
メモを貼った。
[まるで、オスカーの前では十年前のラルフを演じるように。
あえて子供っぽい言い回しを使ったり、沢山喋ったり。
本当はこちらも、聞きたいことならあった。
夢でもいいから会いたい、と思ったことも数知れない。
――僕のこと、恨んでるか?
その一言が、どうしても口に出せなかった。
名前を呼んだときも、続く言葉が出なくて。
肯定されたら、と思うと、続きは声にならなかったのだ。
眼前の、何も変わらぬように見える弟を前に、眉を下げた。**]
―深夜―
[寝る前は楽しかった。
結局ゴミ捨てのジャンケンは1(1:オスカーの勝ち 2:負け)だったけれど、勝敗なんてどうでもいいのだ。
目の前にいる兄は10年経った姿でも、生きていた頃を思い出せた。
27歳になった兄を見れて、わいわい騒げるだけでも嬉しかった。
幸せを実感することが生きている時にはなかったからこそ、そんな時間が幸せだと思った。]
……やだな、
楽しすぎて怖いって思っちゃうのは。
[また『夢のような』体に戻り、消える事。
楽しい気分であの世へ行けたらと考えていたというのに
いざ楽しくなってしまうと、それが嫌だなんて贅沢だ。
こっそり抜けだした廊下、昨晩と同じく輝く月灯りの下で、まだ実体を保っている掌を透かして。
少年の泣きそうな顔は月だけが知っている。
今夜も何かに怯えて、しばらく寝付けなかった**]
メモを貼った。
メモを貼った。
―夜のはなし―
[まだ天才だと言い張る
そっか、よかった。
お酒飲み過ぎて肝臓壊してないかちょっと心配だった。
僕が成人したらやるって言って全然飲ませてくれなかったっけ。
[だからかわりに大好きなつまみばかり食べていたのを思い出す。……生きていたら今頃父と夜な夜な飲み交わしていたのかもと遠い目をして。
母の新たな趣味を聞けば、けらけらと軽く笑った。
きっとそんなものを持ち込まれたら、まずいと知っていても飲んだはず。]
一緒じゃないって事は、兄ちゃんは今一人暮らし?
どうせ自堕落な生活送ってるんだろ。
[今の職業を聞けば、なるほど兄ちゃんすぎると心の底から納得しただろう。]
ちょっと、それ全部兄ちゃんの得意分野じゃんか。
しかも僕ブランクあるんだよ?フェアじゃない!
……麻雀とか。だめ?あ、だめだ人がいない。
[ゲーム等で鍛えられた渋い遊びだけはまだ勝ち目がある気がして、無茶ぶった。
けれどここにあるとは思えなかったし、まあ、冗談。]
ここに移動する前に遊べたらよかったのにな。
どっちが先に、僕らの基地に辿り着けるかの勝負。
[ラルフが外での遊びに付き合ってくれた時、
いい場所見っけと、勝手に兄弟の秘密基地認定した場所があった。10年越しではこれも無茶、だからやっぱり冗談だけど。]
……ああでも、兄ちゃんと喋ってるだけでも、僕は楽しい。
ずっと話したかったんだ、兄ちゃんと。
[あれこれ並べた後へらりと笑い、結局そんなことを言う。]
[
特別だと言ってくれた、この時まで取っておいてくれた、名前。
今ではその特別がどれだけ嬉しく喜ばしい事か、湧き上がる気持ちが教えてくれる。
他者としても弟としても、やっと呼んでくれた。
楽しげに笑みを浮かべたまま、じいと次を待ってやったのだけれど、続いた言葉はなんとも簡単に叶えられるお願い。]
勝ちの景品がわりがそれだけ?
別にいいけど……モフがまた遊びに来てくれたら。
[相変わらず動物に避けられがちらしい兄が微笑ましく、にんまり笑って答えた。
さて、その勝敗はどんな遊びで決着付けるのか。]
―朝のはなし―
…………ねむ、ぅ……。
[半身を起こし、寝癖で跳ねた黒髪を掻く。
結局どれだけ眠れたやら、しばしばする目を軽く擦って
ついでに大あくびも零して、もう見るからに寝不足だ。
怖くて寝付けないついでに、何か言いたげだった
本当にいつ『落ちた』のかわからないほど寝た記憶がなかった。
もっとちゃんと寝なきゃとも自分でわかっていつつ。
頭が寝たまま布団の上をぼんやり眺めていれば、
おはようと言わんばかりに、白い鼠が歩み寄ってきた**]
メモを貼った。
―昨夜 大部屋 戻って来た後―
ん……? なんじゃ、全く。
[なんでもないと曖昧に笑うラルフ
[そうして深夜まで、何事も無く過ごす
少しだけ二人に遠慮しながら、それでも三人で雑魚寝する新鮮さに楽しそうにしていたことだろう
布団のふかふかさには戸惑ったりもしたけれど]
……
[そして小さな頃のように笑い
寝ぼけていた、覚えているわけが無い。
思いながらも、その後中々眠りにつけずにいた*]
―翌朝―
ぁ……
なんで、無い……そんな筈、は
[気付いたのは翌朝、布団から起き上がった時だった**]
―――村 道―――
…ふふ、今まで連れ出して貰ってばかりだったけど。
今度は私が亀君を連れ出すんだね。
[隣村への道を歩きながら、楽しそうに笑う。
ザックから一方的に言い渡された手伝いの話。
亀吉に伝えたら、それなら一緒に行くと言う。
置き土産に落とし穴を掘って来たと聞いたなら、今どきひっかかるひといるのかなぁと意地悪く言ってみたりしただろう。
ちなみに胸の子犬は亀吉に向けてずっと、主人に近づくなオーラを放っている。
時々、さり気なく、前足によるてしてし攻撃を繰り出しながら。]
――――あ。団野さん?
[ふと、前方を歩くたまこに気付き声をかけた。]
もしかして、団野さんも頼まれましたか?隣村のお手伝い。
実は私もなんです。
差支えなかったら、一緒に行きませんか?
メモを貼った。
メモを貼った。
[自分の荷物――ぱんぱんに膨れたスポーツバッグを持ち、
道を行く途中。]
あっ、あなた…ゆりさん、だっけ。
ん、そうそう、あたしもお祭りの手伝い頼まれたの。
隣村まで一緒にいきましょ!
[声をかけられ、振り返る。
続き、そこで認めた女性の名を記憶の中から掘り出した。
どこかで彼女がそう呼ばれていたのを耳にしていた故に、ゆりの名と顔は承知済み。]
[勢い良く頷き返してから、
ついでに亀吉にの方へも視線を向けて――]
あららら、まあ……、
[亀吉への犬の前足てしてし攻撃、
面白そうにその光景を見守るうち、]
あっ、バス、きた。
乗ろ、乗ろ!!
[すぐ先のバス停に、バスが停車する。
隣も経由する路線のバスのはずだ。*]
―村道―
[村道を行く。
この辺りまでは来たことがあるが、結局村から出た事はない。
時折ステップを踏むようにして先の方まで歩いては、周囲を見渡したりした。]
連れ出される側になるのもいいな
何があるのか、分からないから面白い
[童、子供の好奇心は不安などを上回ってしまうものだ。
犬のてしてしには、3回に1回くらいのペースでひょいと持ち上げて報復活動を欠かさない。]
【人】 聖歌隊員 レティーシャおまつり? へー。 (16) 2012/08/14(Tue) 19時半頃 |
【人】 聖歌隊員 レティーシャこんにちはー (20) 2012/08/14(Tue) 19時半頃 |
メモを貼った。
また戻ってきたの。
兄ちゃんに追っかけられるぞ。
[大きな白鼠を両手で優しく包んで抱える。
勝ち負けはやはりどうでもよく、触りたがっていたなら触らせたってへるもんはなしと
まだラルフが部屋にいれば、ん。と掴んだまま差し出してみる。
寝癖と物凄い眠そうな顔だった。]
お祭り、もうそろそろらしいね。
手伝いが増えたおかげで間に合いそうだって、昨日女の人が言ってたよ。
[ラストスパート?と首を傾げながら、
あまりの眠さに手伝いに行くのは少し億劫で。
くぁ、とあくびをもう1つ、髪をわしわし。]
―宿泊所のどこか―
……無い、無い
[狐が起きたのは二人より随分早くのことだった
大部屋の中などしらみ潰しに探したに決まっている、朝食も手伝いも放棄して宿泊所中を探す。
頑張って声をかけた隣村の人間達も、知らないというばかりで]
……着替えた時にはあった筈じゃのに。
[あれから外には出なかった、だからこの建物の中にある筈だ
涙声で呟き、まさか誰かが持って行ってしまったのかと不安が過ぎる]
[「誰か」があの兄弟という発想は出てこなかった
だって、彼らに拾われるということは正体がバレるのと同じだ]
……っ、く
[情けないことについに涙が出てきた]
あれを無くしたまま村に帰ることに、なるのか
[人間になって、化かすように正体を隠して彼と接していた罰なのだろうか。
一つだけ、たった一つだけ狐の元に形を保ち残っていた大切な人間の思い出だったのに
それはとても苦しい思い出だけれど、それでも]
……いやだ
わたしはこのまま沈みたくない
[せめて、あの万年筆だけは持っていきたかった]
メモを貼った。
メモを貼った。
良かった。
[たまこが勢い良く頷くのを見れば嬉しそうに微笑み返して。
そうして歩いていると丁度良くバスが来た。
促されるままバスに乗り込もうとして、思い出したように足を止める。]
―――…あ。花火、してない。
[再びここを訪れるようになってから、毎年していること。
昨夜は百鬼夜行を見ていた為、宿泊所での花火にも参加していなかった。]
…亀君。
[ぽそり、と告げる。]
私、お手伝い抜け出すかも。
――回 想――
だいじょーぶだよ。
おくすりのんだし、ちょっとしたらすぐよくなるの。
[心配そうな声に明るく応える。
小さな手が額に濡布を乗せるのが解った。
鼻を鳴らして鳴いているのはしらたまだ。
ずっと待ってた久しぶりの楽しいの夜遊び。
どうしても会いたくて、熱があるのに強引に抜け出して。
途中でふらりと倒れてしまったことがあった。]
や、かえらない。
はなびするっていったもん。
かめくんも、もってきてくれるっていったもん。
[今日はもう止めようという声に首を振って。]
…ほんとうに、だいじょーぶだから。
だいじょーぶ。
[そう言ってにっこり笑う。]
ね、……はせんこーはなび、すき?**
――隣村の宿泊所――
[乗客の少ないバスに乗って、隣村へ到着。
案内された先は、夏祭の臨時本部がおかれている宿泊施設。
入口を潜ってから、役員たちへ挨拶の声をかけた。]
たのもー!
[荷物を預け。ジャージの袖を腕まくり。]
……で、お手伝いって。
何すればいいんだろ??
[荷運びなんかを手伝い始めたかもしれない、女子力1。*]
― 朝:宿泊所 ―
[瞼をこすりこすり、目を覚ます。
少しだけ色素の薄い髪は、弟
朝……?
まだ朝じゃないか、もうちょっと寝るよ……。
[「まだ朝」。とても間違った発言をした。
障子越しに伝わる陽光に顔をしかめ、布団を引っかぶろうと。
けれども、鼠を差し出されれば
へえ、昨日のねずみが……!?
[嬉々として手を伸ばした。]
今度はねずみは2(1:逃げなかった 2:やっぱり逃げた)
[どうにも、ねずみはラルフを嫌っているらしい。
白い毛玉は、とと、とオスカーの腕をのぼって逃げた。
ふいっと唇とがらせて、再びごろりと横になる。]
どうにも今日はついてないみたいだ。
……いいよ、僕はもう、一日寝ている。
[世界の終わりのような暗澹たる声で。
ずるずるずる、と、布団に頭からもぐった。]
あ、そういえばやってないな花火
[ゆりに今言われて
百鬼夜行のお祭り騒ぎもあって、すぽーんと飛んでいた。]
お、さっそく脱走計画か
それじゃあ逃走経路確認しないとな
[かかわる気満々であった。]
兄ちゃんなんだその頭。
[
はたから見ればギャグにしか見えないほどキッチリ自分も跳ねてるなんて、気づけない。
手の中に収まっていたモフは、ぎっちり握りしめて拘束していたわけでもなかったが
どうやら本当に兄を好かないのか、それとも野生動物らしくこの少年以外に触れさせないだけなのか、
キッキッ鳴くと鼻をひくつかせながら肩に登ってくる。
ふふふ、ふふ。
モフは触らせてやんないってさ。
けど、拗ねてないで起きようよ折角だしさあ。ねえ。
夢の住民にでもなるつもり?リアルにカムバック兄ちゃん。
[布団をひっぺがそうとぐいぐい。
そのうち、シメオンが泣きそうな顔になっているのを発見すれば
大人しくなって、どうしたのと声をかけるだろう。
[それでも弟の言葉が続けば
ああ、明日なんだっけ。お祭り。
だから、今日は神社のテント設営って聞いている。
さすがに、僕に肉体労働やれってのは、無茶ぶりだよ。
昔以上に、めっきり運動もしなくなったってのに。
[声を低めると、思いっきり顔をしかめて。]
あの、役員のザックってさ。
うんと遠縁の親戚らしいよ。僕もつい最近知ったんだけど。
[だからサボったらバレるってわけ、とのろのろ布団から這いずり出た。]
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