212 Dark Six
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チャールズは、イワンをただただ睨み付けていた。
2015/01/20(Tue) 19時頃
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ケイ、イチ……?
[>>109哀切に紡がれる声に、戻る声は。 常に優しく、そして冷静に。子供たちの前で己が心掛けていた声音からはかけ離れた、細く掠れた物。]
…………ごめん、なさい。
貴方たちの 良い 親に なれなくて
ごめん、なさい。
[理解など求めはしなかった。 ただ、彼らには与えたかった。彼らがかつて喪った物の分まで、己が喪った物の代わりに。いや、それ以上の物を。
頼り誇れる存在としての姿だけ、覚えていて欲しかった。 いつか男が妻と子の元へ逝く、その日まで。
それも全て、魔眼の前に崩れ去る。]
(120) 2015/01/20(Tue) 20時頃
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[それだけ呟いて力なくへたりこむ男は、>>119少女の声に顔を上げた。]
…………ミツボシ…………。
[その顔には微かな、微笑みすら浮かべて。]
(122) 2015/01/20(Tue) 20時頃
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……貴女は、もう。
何処にも、行きませんか?
[虚ろな瞳から、静かに涙が伝い。 男は、血塗られた指に手を伸ばした。]
(124) 2015/01/20(Tue) 20時頃
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…………、…………!
[>>125だが。 手を取る直前、聴こえた”司祭の単語に。 男の指は、止まる。]
(128) 2015/01/20(Tue) 20時頃
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……………………。
その前に一つだけ、聴いても良いですか?
[>>131血塗られた手の冷たさに、声は幾分か理性を戻して。]
今、ケイイチが。 司祭が裏切り者だった、と、伝えてきました。
貴女は、まさか。 十年前の事件にも、何らかの形で、関わっていたのですか?
[震える声音に、最後の惑いを宿して。]
(133) 2015/01/20(Tue) 20時半頃
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炎…………。
[>>137炎もまた、多くの子供たちの命を奪った。 それ自体は、崩れた建物に吸血鬼が火を放っていたのだろう、と。思われていたのだが。]
……魔眼による虜化を行う、上位個体……。 潜入の、リスク……覚醒のメリット…………?
[司祭の裏切り。 その一言に、不自然な事象がパズルのピースと変わり、組上がっていく。
もたらされていた調査情報が、ノイズだと言うのなら。 足りない戦力。敵陣に乗り込んでまで襲ったのが、子供ばかりの教会。 それが、示すものは。]
(138) 2015/01/20(Tue) 21時頃
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…………あの襲撃は。
[繋いだ手を、握りかえして。]
貴女を目覚めさせる為の、物だったのですね?
[もう片方の手に、拳銃を握り直して。 最後の一発を、ミツボシに向けて撃った。 但し。手を繋ぐ至近距離とは言え、片手での発砲。狙いは胸だったが、大きく上に剃れて、銃弾の向かう先は肩口。]
(139) 2015/01/20(Tue) 21時頃
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[硝煙を上げる拳銃を投げ捨てる。 リロードの暇も、今は惜しい。]
…………ケイイチ!? 貴方は今、何処に居るのです!?
[痛む肩は、反動で筋を痛めたのか。動かす度、激痛が走るが。 >>125最後に聴こえた不穏な言葉に、端末を取り出し呼び掛ける。]
……行くなと言っておいて、申し訳ない、ミツボシ。 だが。私に遺された物は、存外多いようです。
[そして見やるのは、脚から血を流す馬鹿者の方。]
(143) 2015/01/20(Tue) 21時頃
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……………………。
全てが終わったら、十年前の事件を再度調査しましょう。 隠蔽された情報の中に、我々の知る経緯と異なる物があれば、より適した処分も見つかりましょう。 今度こそ、誰にも文句は言わせない。
今は、それよりも。 遺された物を守るのが、先のようだ。
[謝りはしないし、大方この獣は黒に近い灰なのだろう。 だが。端末から聴こえたケイイチの声に、改めて、ミツボシに向けて拳を構える。]
(144) 2015/01/20(Tue) 21時頃
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だが、貴女を生かせば悲劇は再び、他のどこかで引き起こされる。 ならばせめて、私の手で、楽にして差し上げましょう!
[>>145>>147血色の槍に向け、右の拳を奮う。 掛けた加護は残ったまま。だが、発砲の余波残る左腕は弱く下げて。槍の向こう、少女の胴を狙う。]
(149) 2015/01/20(Tue) 21時半頃
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っ、ぐ…………!!!
[>>150胴目掛けて繰り出した拳に、蒼い炎がまとわりつく。 花弁のようにひらひらと、右の腕を灼く気配。]
なら、ば……!
[陽炎に煽られるよう、拳は胴から逸れて。 ならばそのまま、と、右脚を軸に左の脚を蹴る。 回し蹴りの向かう先は、少女の左肋骨。]
(153) 2015/01/20(Tue) 21時半頃
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なっ、しまっ…………!
[>>155槍に防がれるとは考えていた。 だが、四散する槍の動きまでは、予想しきれず。]
…………っ、あ…………!
[>>157脚に全ての槍が向かう中、巨体に弾き飛ばされる。 それでも、3本の刃は脚を掠め、コートに裂け目を作る。 滲む、赤。]
(159) 2015/01/20(Tue) 22時頃
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…………爆弾?
[体勢を立て直し、再び加護を掛けようとして。 >>160囁きに眉根を寄せる。]
……確かに、此処では立ち回りも辛いか。 やむを得ません、その案に乗りましょう。
[とは言え、目の前の彼女が逃がしてくれるかは解らないが。 じり、と。後退に備え、距離を図る。]
(161) 2015/01/20(Tue) 22時頃
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逃がされるのではなく、私が逃げるのですよ。 問題は、ないでしょう?
[ミツボシを見すえながら、戸口へ向け後退する。 左肩を押さえ、脚を僅かに引き摺りながら。]
…………さようなら、ミツボシ。 貴女は私の、自慢の娘だった。
[僅かな感傷を吐き出して。]
(164) 2015/01/20(Tue) 22時半頃
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…………………………。
……やむを得ませんね。
[>>163聴こえた囁きに、溜め息を。 背に刺さる槍の破片に、衝撃を覚悟したが。視線の真意までは察することなく、頷いた。]
(166) 2015/01/20(Tue) 22時半頃
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っ………………!
[反転する視界。甲高い破壊音。 やや手荒な着地と共に、月光をその身に浴びる。
気になるのはケイイチの行方。 狼の着地を確認すれば、教会へ向かう意思を伝え、下ろすよう促しただろうか。*]
(170) 2015/01/20(Tue) 23時頃
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…………さぁ? 戻す利が司祭に無い以上、例え手段があったとしても、応じないでしょうね。 また、貴方の記憶でカードを切る位なら、別の交渉も出来ましょう。より多く、今を生きる者を救う為に。
[>>172謝罪の言葉には応えずに、呟きにぽつりと。 >>176そしてそのまま、夜の道を足早に進む。]
…………ケイイチ。 無事でいれば、良いのですが。
[その瞳は真っ直ぐに。 行く先を。教会への道を、見据えたまま**]
― →教会 ―
(177) 2015/01/21(Wed) 00時半頃
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