70 領土を守る果て
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―どんみら5―
[戦争を境に、この国ではある生物が確認されるようになった。それはとある病気が原因だった病原体の突然変異だと言われているが、宇宙からやってきた生命体だとも言われる。最初は恐れた人々も愛くるしいその姿に次第に仲良くなり共存の道を歩む。発見された生命体はアンゼルバイヤモンスター、略してサイモンと呼ばれその国では10歳を迎えるとサイモンと共に旅にでることが許される]
ママー、おりーもサイモン欲しいー
[10歳になってからね、と母親は幼女の頭をなでる。この母親はまだ知らない……この幼女が世界一のサイモンマスターになるということを]
俺は食べれないって言ってんだろ。
どこをどうしたらそんな結論が出るんだ。
[怪訝そうな顔をして煙草に火を付けようとするも、3歳児の前で吸ってはいけないと煙草をしまった。
ピッパの方に視線を向けて溜息をつきながら]
君はどんな育て方をしているんだ。
[親の顔が見てみたいと思ったが、親は目の前にいる彼女だった。]
うわっ!!
突然なんだ。危ないだろ。
[椅子に座っている為、抱き着かれたのは首回りかもしれない。]
そうか。まぁ君が楽しそうならそれで良い。
結婚する相手もいないから。
バッタが食べれるだと?
[この親子はバッタを食べるのかと驚愕をした。]
自由教育過ぎる。
大体人が増えたり減ったりするのがどうかと…
寛大なんだな。
よ、よろしく。
ー22才ー
いつになったら奥さんと別れてくれるの?イアン・・・
[今度は未来から来たという別のコリーンが出て来たようだ。]
イアン?さぁな。
あの人じゃないか?
[カフェにいた別の男性を指し示し、18歳のコリーンに教えた。]
[次々に現れるコリーンにもはや開いた口が塞がらなかった。]
俺は疲れてるのか?
それとも憑かれてるのか?
[母親であろうピッパを見て]
君は随分とすごい子を生んだんだな。
[と感心の目を向けた。]
では君はバッタを食べたいとでも?
[だが彼女の思いも虚しく、...は彼女がバッタを食べようとしているのかと思いこんだ。]
ということは全部一緒の人物なのか。
いや、こんなことがあっていいのかわからないがこれは…
[25歳のコリーンに驚くこともなく、会話をするピッパに目を奪われる。これが母ということなのか。]
俺か?俺はこれでも驚いている。
ただ、無碍にするわけにもいなかいだろう。
[もし3歳のコリーンがまだいるのなら頭を撫でているだろう**]
[3歳のコリーンはイアンに抱きついてキャッキャ喜んでいる。]
[3歳のコリーンはまだ抱きついているようだ。
ひとまず幼い子に罪はない。
ピッパの言葉に動揺を隠せない。]
いや、興味は一切なかったんだがこれはな。
彼女がこんなに出てきたら驚くのも無理はないだろう。
[当然のごとく話をするピッパに唖然とし、言葉にならない。
この母は強すぎた。俺にはなにも理解が出来ない。そもそもしようと思っていないからどうでも良いけど。]
真っ直ぐでもなんでもない。
ただここで俺が冷たくあしらったら泣くかもしれなだろう。
[ごまかす様に明後日の方向を見ていた。コリーンには抱きつかれたまま、「真っ直ぐでいい人」という単語には返事はしなかった。]
[3歳のコリーンはイアンによじ登る。各自、コリーンは好き勝手しているようだ。25のコリーンはイアンをじっとみつめる。25のコリーンというのは年齢ではなく人数のほうだ]
…。
[よじ登られくびねっこ掴んでピッパに渡そうと思ったが、それでは完全に猫である。]
…なに?
[25歳のコリーンの視線に気が付けば、眉間に皺を寄せて睨みつけた。]
[睨みつけられたので25歳のコリーンはイアンに向かってウインクした。3歳のコリーンはじたばたする。残り、24人のコリーンはイアンを見つめる]
アホか。
なぜ貴様なんぞにウインクをされなければならない。
[...は呆れたように25歳のコリーンを見た。他のコリーンは現実逃避で見えていない。]
あら、目があえばウインクするのがこの国のマナーじゃない
[と、25歳のコリーンが言う。3歳のコリーンはイアンに膝に乗ろうとがんばる]
俺はそんな決まりは知らない。
国を間違えているのではないか?
[はぁ?と言った表情で25歳のコリーンを見つめ、3歳のコリーンはため息をついてピッパの方に行けとあしらった。]
[木陰でうとうとと伸びをして辺りを見回す]
ふわぁあん。
なんか、嫌な夢見たな…。
[目を擦りつつ、足を寄り添ううさぎに目をやる]
もっふもふめ!
ぎゅって、して
[イアンのまとわりつきながらすがるように見つめる。]
[3歳のコリーンは幼い子の特有の無邪気な顔をしてお願いをしてきた。
ここで甘やかしたらどうなることかわからない。]
いやだ。
[俺は一言だけコリーンに向かって、冷たい言葉を投げかけ頬杖をついて視線を逸らした。]
じゃあキスして
[ん、と目をつぶって待機する3歳児]
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