8 DOREI品評会
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落としたら、お仕置き。
[くすっと笑みを零し、翡翠に刃が入る。
この屋敷で彼の国を思い出させるモノ。
まるい穴を開け終えると、男はぱさりと青年に放って寄越した]
はい、完成。
着てみてよ。
尻尾出無いようなら、もう少し広げてあげる。
[口元を歪ませ、蛇のような笑みを見せる。
ナイフは男の手からトレイへと戻された]
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…――――。
[守るべき、守りたいもの。 そのひとつを、守るために 俺はここにいる。
それだけは確かだった。 本当だったらこの場に居たのは、妹。 彼女を守るために、俺がここに居るのだから。]
…は
[乾いた息を 床に落とした。 ジャラリとまた 両手を繋ぐ鉄の鎖を 見た。]
(209) 2010/04/12(Mon) 00時半頃
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さて、No.4の彼の分は、命令を受けていませんから。 彼用の男装ではサイズが違いますか。
ええと……。
[許可が得られたなら、青年用の衣装も何着か用意されるだろう。 未だに女装用のドレスが混入しているのは、冗談としか思えないが。]
(210) 2010/04/12(Mon) 00時半頃
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若者 テッドは、小僧 カルヴィンが着替え中は見ないように視線を外す。
2010/04/12(Mon) 00時半頃
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あ、はい左様でございますか。
[イヤホンから聞こえた声に、No.4にも服を与えるように、と使用人に命じた。]
(211) 2010/04/12(Mon) 00時半頃
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…、……っ
[見上げた主人の口の端が、緩やかに上がる。
それは、願いが叶ったという証。
その時はただ嬉しくて。
彼をあの場所から解放出来る事が、ただただ嬉しくて。]
―――…は、…。
[くしゃ、と顔が崩れて安堵のため息が漏れた。
それは主人に初めて見せた表情。
気の抜けたような、笑顔のような。
じわ、と涙がこみ上げてきて、それを拭う。
艶やかな黒髪が、さらさらと揺れた。]
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[道化の声に一瞬だけ、目を下げ、其処から涙が伝う。 しかしそれも一時だけのこと。 まだ、機会はある、と思うから。生き残るために――…]
…お願いします、命令を下さいませ、お願いします――…
[四つんばいのまま頭を下げる。 それは生き残るためなら何でもしようと言う決意]
(212) 2010/04/12(Mon) 00時半頃
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……僕に兄が居たら、こんな感じだったのかな。 そうすれば、そもそも僕は男のように 育てられる必要さえなかったんだけど。
[指摘されると羞恥を思い出して、くるりと背を向けた。 選ぶ衣装は皮肉なことに、また男装。 来る時と同じような――けれどそのまま喪服にもなりそうな、黒ので揃えたブラウスと夜会用コート。羽飾りのついた帽子。上質の天鵞絨は、少女が最も好む素材。 斯くして、足枷さえ除けば小さな紳士に見える姿が、使用人の手を借りて舞台上に。 本気でこれからビジネスの場に赴こうとしている風情に見えた。]
せめて、忘れるまでは。 無事を祈ってるよ、お互いに。……テッド。
(213) 2010/04/12(Mon) 00時半頃
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[言われなくても、そんなこと解っている。
でも。けれどそんな事よりも]
───、ぁ
[喉が微かな音を立てる。
それは、吐息に混じって消えてしまうほど小さな音。
投げてよこされた翡翠を、受け取るというよりは、受け止める。
受け止めた指先は]
…、……っ
[震えて、歪んだ視界で見えなくなった]
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[衣服が用意されれば、ドレスが視界に嫌でも入って眉間に皺が寄った。嫌でも思い出すのは――あの異国の男の事。]
何の冗談だ。
[両手が塞がったままなので手伝いを要求しつつ、身体を簡単に拭いた後、来た時と似たような服を着た。 こつ、と革靴を履き終えれば 後は――― 買われた身は、小部屋に向かうだけ。
ライトが眩しい舞台を眺める事もせずに 歩いていく。]
(214) 2010/04/12(Mon) 00時半頃
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若者 テッドは、話し掛けられても、返事はせずに ―――無言で去りゆく。**
2010/04/12(Mon) 00時半頃
おや。
[男は青年の様子に一度瞬いて。
声も出さず、彼がどうするか
暫く見守る事にした]
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お礼を言われる程ではないわよ。
"God Bless You"……と言うべきか否か、いささか悩むけれども。
(215) 2010/04/12(Mon) 00時半頃
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若者 テッドは、メモを貼った。
2010/04/12(Mon) 00時半頃
若者 テッドは、メモを貼った。
2010/04/12(Mon) 00時半頃
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[ともすれば、少年にしか見えない漆黒のスーツ姿で、テッドと対峙する。 もう、彼に跨がってあられもない声をあげていた少女とは、似ても似つかぬ。けれど。 ここに連れて来られた当初に比べ、確実にその顔つきに、眼差しに、男を知り情欲を秘めた女の艶が見え隠れして、妖しい魅力となる。――男とも女とも、性別不祥の影。]
じゃあ。もうこの先会わない方が、お互い幸せかな。 同じ客に買われたのなら、笑ってしまうけれどね。
[金の瞳を、眩しそうに一度仰ぎ見て。少女は運命の待ち受ける舞台袖へと踏み出す。 非現実的なゆったりとした歩みにあわせて、長い黒の羽飾りが揺れた。]
(216) 2010/04/12(Mon) 00時半頃
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小僧 カルヴィンは、子守り パティに、大丈夫、と言う代わりに不器用なウィンクを一つ残した。
2010/04/12(Mon) 00時半頃
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