73 ─深夜、薔薇の木の下で。
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[眼鏡がないとはいえ、髪と眸の色で容易に相手を特定できた。 扉越し、湯で隠れて居るとはいえ、どこまで見えてしまったか。
赤いミミズ腫れは内出血し、 青紫色に変わり、 少しずつ消えていく前の、
身体を這う、縄の痕――――…]
新年を迎える頃には消えていることでしょう。大丈夫ですよ。
ああ…ジェフくんの看病、お疲れさまです。
[泣いた後のような声に。思い当たることは唯1つ。彼の兄の名前を出した]
(226) 2011/12/28(Wed) 23時頃
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…え?
看病、て……
[訳が、わからなかった。 兄の身に何が起きたのかも知らなくて、動揺した表情で先輩を見返す。]
兄貴、どっか悪いんですか?
(227) 2011/12/28(Wed) 23時頃
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―食堂―
……ん。誰かいるんスかね。
[モリスが食堂に戻ってみると人の気配がして。
サンドイッチを持ったまま、おや、と首を傾げる。]
(228) 2011/12/28(Wed) 23時頃
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考えてるよ!!
[叫びは悲鳴に似る。]
傷つけたくないんだ、あァそうさ、でも隠してることが多すぎるんだ!!
[直接なんてきっと言えない。話せば決意は揺らいでしまう。 けれど、場所を変えようと言う薔薇から、逃げ出すほどに、クズにはなれなかった。唇を噛み締めながら頷いて。
横たえたオスカーは意識の外。 彼の持つ火口箱も、また。]
(229) 2011/12/28(Wed) 23時頃
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――うん
[なんて答えようかな、と少しだけ考えて。簡単に頷くだけにした。どうなるかもわからない、先を見て臆病になっている自分が、フィリップが、捨てたくないというのは、捨てられたくないの裏返しで]
追い出したくなったら追い出せばいいし、さ
[誰かの元から逃げ出したくなることは今までにもあった。サイラスの元からも逃げ出したい。けれど、逃げたら終わり。それで、終わり。捕まえたいと思ってくれるなら、それはきっと嬉しいから。そうなればいい、と祈り]
よし 今から俺は、あんたのものだ
[手を離す。どうする?と促すように、怯えるように顔を覗きこむ]
(230) 2011/12/28(Wed) 23時半頃
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そう。考えてるんだ?知らなかった。 君の秘密をしって嫌われるのと、 このままただ忘れてほしいのと、ドッチが無責任?
[とりあえず場所を変えよう。 いくらなんでもこんなところにいれば皆冷えてしまうだろう]
この子…オスカーも暖かいところに連れて行ってあげないとね。 君も、この子達も風邪を引かせたくないでしょう?
[オスカーに肩を貸して運ぶくらいは二人でできよう。どこの部屋でもいいから、暖かいところに、と。]
僕たちは自分らの部屋でいいんじゃないかな。 エリアス、相当意識が沈んじゃってるから。 そう長くはなせるとも思わないけど。
(231) 2011/12/28(Wed) 23時半頃
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奏者 セシルは、メモを貼った。
2011/12/28(Wed) 23時半頃
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…自分のケツは自分でふきなよ。 僕に悪役押し付けるのはいいけど。 だからといって、君のエゴまで僕に尻拭いさせないで。
[セレストへ、少し据わった眼を向ける。 彼のその言い方が、妙に卑怯に見えたから]
(232) 2011/12/28(Wed) 23時半頃
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[物音がした。開けようとした袋菓子を置いてそっちを見ると、嫌な奴がいた]
ああ。 [こいつか。まずい飯がますます不味くなる。 顔を見るのも不愉快だ。ふん。 俺は手早く食べ物をまとめて、立ち去ろうとした]
(233) 2011/12/28(Wed) 23時半頃
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[首を僅かに傾げる]
…知らなかったんですか…?
[では何の為の?]
……医務室に居ますよ。 もしかしたら、もう目覚めているかも知れませんが。
[だから。今見た事を忘れてくれ。早く立ち去ってくれ…]
(234) 2011/12/28(Wed) 23時半頃
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[頷く姿をブランケットの端、掴みながらじっと見る。 捨てる、追い出す。渡された選択肢は 次いだ言葉に結ばれて。
それまで、掴まれていてあった、暖かさが離れた。 だから、宣言と一緒覗き込まれて。 なれない、自分で選択し、行うことを考えた。]
……………あったかい……
[ブランケットの端を掴んでいた手を おずと、カルヴィンの背に回して引き寄せる。 離れていて冷えた分、取り戻すように抱きしめ小さく呟いた。 ブランケットに包まれた肩口に、水滴を吸わせながら。]
(235) 2011/12/28(Wed) 23時半頃
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う……
[朦朧としている少年は、 傍らでの騒ぎに口を挟む余裕は無く。 未だ火口箱は手放してないなれど、 今更火を放つことは無理だろう。 屋内へ運ばれるのであれば、 もうそれに抵抗は出来ない。
ただ漠然と、頭上での口論が耳に入るだけ]
(236) 2011/12/28(Wed) 23時半頃
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そう、ですか。
早く良くなって、って…伝えといて下さい。
[今の自分は穢らわしくて、兄に合わせる顔が無くて。 しょんぼりとしたまま身支度を整え、出て行った。
こんな気分なのに、育ち盛りの身体は無駄に空腹を訴える。 温かいものでも食べたら、芯まで冷たい身体も暖かくなるだろうか。
カルヴィンがなにか作ろうとして、卵が無いねと言っていたような、 そんな日常があまりに遠くなってしまったように思いながら、食堂のドアを開けた。]
(237) 2011/12/28(Wed) 23時半頃
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大丈夫?大人気ないことして悪かったね。 でも、薔薇を燃やしちゃ駄目だよ。 君だって、自分に火をつけられるのは嫌だろう?
[背負ったオスカーに、あやすように言葉を投げる。 建物の中に入れば、医務室へ彼を寝かせておくつもり。 きっと、他のベッドで眠っているルームメイトに心を痛めるだろうけれど、薔薇はそこまで気にしない]
(238) 2011/12/28(Wed) 23時半頃
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へー。『上流階級の方』でもそんなモンお召しになるんスねぇ。
[モリスは入るなりにロバートの持っていた袋菓子を見てポツリと嫌味を零す。]
(239) 2011/12/28(Wed) 23時半頃
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[薔薇の言葉は鋭く刺さる。うつむいて、小さく自嘲気味に嗤った。 オスカーを支えるのは、一人でも間に合うと薔薇の手を断り、屋内に運ぶ。通りがかりの部屋のソファに座らせて。]
……エリアスは、戻ってくるの。
[長くは無理という言葉に、不安になって問いかけた。
二人で居慣れたはずの自室が寒い。]
(240) 2011/12/28(Wed) 23時半頃
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セレストは、一人で運ぶと言う意見はエリアスに却下されたかもしれない
2011/12/28(Wed) 23時半頃
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…うん、あったかい
[ほっとした。あそこまで言って、結局手を離されたまま、独り残されることも考えていた。きっとばれてないと思うけれど怖くて、怖くて仕方なくて。判断を投げてしまった分、決められなかった分、より臆病なのは少年の方だった。 手を伸ばして、そっとフィリップの背に回した。抱きしめるなんてことはできないから、服の裾をほんの少し握って、そこでやっと肩の力を抜いた]
あ…りが、 と
[聞こえないように、ほとんど声にならないくらいの大きさで言ったけれど、近くにいたから聞こえてしまっただろう。聞いてほしかったのか強がりたかったのか、わからないまま、心からの感謝を]
(241) 2011/12/28(Wed) 23時半頃
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[─自室─]
……。忘れろ、といいながら…何を言ってるんだ? 戻ってきても関係ないんじゃないの?
[セレストの問いに、薔薇は答えない。 単純に、わからないから。 もし今エリアスの中から自分が消えれば、 この体は暫く眠ることになるだろうから]
今、代わるよ。少しまってね。
[実際、意識しないと代われない位には弱っているエリアスの意識を、少し強引に呼び戻す。 一瞬意識を失ったようにくらりとそこにくず折れて。 眼を覚ますころにはいつものエリアス]
……セレス……?
[呟きは小さい。けれど、やっと会えた、というように、彼に手を伸ばす]
(242) 2011/12/29(Thu) 00時頃
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……くっ…
[瞬間的に頬が赤くなる。強い怒り、それより強い恥だ。こいつにこんなこと言われるなんて、許しがたい。俺は件の袋菓子をサッと後ろに隠し、唇を噛んだ]
黙れ。貴様には関係なかろう。 使用人の女がいない。調理など自分でできるわけないんだ。 出来合いのものを食べるしかないだろう。 それより貴様はそれをどこで手に入れた、教えろ。
[顎をしゃくって、モリスの持っているサンドイッチを示した。そこへ、人が入ってくる気配がして俺は少しほっとして表を上げた]
(243) 2011/12/29(Thu) 00時頃
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エリアスは、オスカーはまぁ一人でも二人でも運べそうに小さいから気にしない。
2011/12/29(Thu) 00時頃
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は…?
ちょっと、サイラスくんっ!?
[しょんぼりと俯くサイラスに声をかけても、彼は背を向けたままシャワールームを出て行ってしまった]
……行かないんですか? それはそれは………
ジェフくんが、悲しみますでしょうに。
(244) 2011/12/29(Thu) 00時頃
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まぁ、自分で料理を作れそうには見えねーっスね。 気づかないでしつれーいたしましたっと。
[余り悪びれずにロバートに謝ると、手に持ったサンドイッチを見る。]
そりゃ、そこらへんにあったモンでオレが作っただけっスけど。 オレん家は下に妹弟もいるんで作る事は多いんスよ。
(245) 2011/12/29(Thu) 00時頃
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[シャワー室から出る時に背中にかけられた声が痛かったけれど、 それでもやっぱり、こんな時に兄には逢いたくなくて。]
…ぁ。
[もう一人逢いたくなかった人に、また鉢合わせてしまった。 さっき涙でグシャグシャでひどい顔だったのも見られてしまったし。
モリスに挨拶も出来ぬまま、食堂の奥へ行き、有り合わせのシチューの鍋を温める。]
(246) 2011/12/29(Thu) 00時頃
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[鮮やかなほうが、挟まれて、もぞもぞと肩によじ登る。
それ以外に、背側、上着が引かれる感触に気づく。 鮮やかなほうを抱きしめていた手もカルヴィンに回して そっと、自分より下の位置にある頭を抱いた。]
…………ううん……
[かすかに聞こえた言葉に、 肩口に顔を埋めたまま緩く振る。 カルヴィンの内心を知るすべなく ただ、妄執に染まっていない新たな選択を提示してくれた 暖かさをフィリップは抱きしめた。
鐘楼の下、一騒ぎあったことも気づかないまま。 しばらく抱きしめた後、くしゃみひとつこぼした]
(247) 2011/12/29(Thu) 00時頃
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お、サイラ……
[ロバートと話をしてる最中にサイラスが入ってきたが奥に入ってしまう。]
なんだよ、せっかくサンドイッチ作ったのに……
[つれない様子のサイラスにモリスは口を尖らせる。]
(248) 2011/12/29(Thu) 00時頃
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当然だ。料理など、使用人の仕事さ。 俺たちがその仕事まで奪ってやることはないだろ。
[存外、殊勝に謝る様子で気分が良くなる。わかったならそれでいい。後ろ手の菓子袋を奴の死角にそっと置いたて、俺は立ち上がり、右手を奴に向かって差し出した]
ふん。ではお前が作ったのか。御苦労だったな。 寄こせ。
[料理ができる者がいて助かった。早くしろ、と俺は伸ばした手指をひらひらと振った]
(249) 2011/12/29(Thu) 00時頃
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――回想・音楽室――
…………
[目覚めたくないと願うかと問われた言葉>>179に返すのは沈黙。 レオナルドの瞳を見つめて、惑うように揺れる赤茶の瞳。 睫毛が震え、唇が戦慄くも、決して言葉が紡ぎだすことができない。 無言であることが、肯定であると聡そうな相手には伝わってしまうか]
僕の、音を……?僕の、音は……
[誰にも聞かせたくないと、言いそうになるのを辛うじて飲み込む。 痛みをこらえるように唇を引き結び、目線を伏せる]
…………分かりました。
[暫しの迷いの後、薄く唇を開いて、小さく頷いた]
(250) 2011/12/29(Thu) 00時頃
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[問いかけ>>180に返す言葉は無く、緩く首を振るのみ]
――――……ッ!
[最初の一音から紡ぎだされる旋律は非常に不安定なもの。 泣きそうに瞳を歪め、自分の音がどこまでも自分以外とは相容れないことを思い知る。
無理だ。やっぱり、無理なんだ。自分の音は……―――― 諦め、折れそうになる心。それでも、伴奏が止まらない。 困惑したように視線を向ければ、笑みを向けられる。
安心感など覚えるほどの余裕はあるわけもなく。 その笑みに込められた感情が、侮蔑などの負の感情には見えなかったから、手を止めることはなく、自らの音にまた集中する]
(251) 2011/12/29(Thu) 00時頃
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― 医務室 ―
……けほっ。
[一度気絶しかけたからか 外気の冷たさで頭が冷えたからか。 多少は落ち着きを取り戻した少年は、 医務室で所在無げにしていた。 あの二人の後を追う気にも、 再び中庭に出る気にもなれず。 ベネットが眠るベッドの端に腰掛けて、 眠るその貌を見つめていた]
(252) 2011/12/29(Thu) 00時頃
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──自室──
関係ないわけないよ。助けたいんだ。
[自分の側に居なくても、幸せならそれでいい。繰り返す別れの中で自分に言い聞かせた言葉はいつしかこびり付き固まってしまった。]
帰らなかったら、許さない。
[言葉を紡いだ時にはもう、エリアスの身体は崩れ落ちる。 慌てて手を出して支え。ゆっくりと開く瞳を、泣きそうな顔で見守る。]
……エリー。ごめんね。
[伸ばされた手をはらわなければいけないのに。今だけ、今だけ抱きしめることは赦されるだろうか。 伸ばされた手をとり、頬にあてる。長いこと離れていた気がして、虚勢はいまにも壊れそう。]
(253) 2011/12/29(Thu) 00時頃
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…………おにいちゃん。
[反応の無い相手の髪に指を絡ませる。 少年にはかつて兄がいた。 似ているというわけではないけれど、 年齢的には近かったので、 半ば無意識に零れ落ちた言葉。
兄が自殺したのはちょうどこの年頃だった]
(254) 2011/12/29(Thu) 00時頃
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ちょっ、何でそんな話になってんスか。
[サイラスの分に作ったサンドイッチを寄越せといった様子のロバートに、思わず皿を引っ込めて。]
人に物を頼む態度ってモンが無いんスか、君には。
(255) 2011/12/29(Thu) 00時頃
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