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芙蓉に3人が投票した。
たまこに1人が投票した。
鬼丞に4人が投票した。
鬼丞は村人の手により処刑された。教会の鐘が厳かに鳴り響き、法の執行を宣告した。
時は来た。村人達は集まり、互いの姿を確認する。
亀吉が無残な姿で発見された。
亀吉は首無騎士のようだ。鬼丞は首無騎士のようだ。
現在の生存者は、トリ、芙蓉、余四朗、たまこ、丁助、おもんの6名。
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[>>3:*85男の言葉は、やはり沙耶には解らない。
沙耶の生きてきた意味、死ぬ価値を否定されたということは解る。
>>3:*86他の者を護る為に沙耶を祓うという、それも解る。
沙耶だって自分の身だけでなく、芙蓉を護る為に戦ったから。
それは解っても、やはり理解出来ない事は多い]
にんげんは、なにをたべて、いきている。
にんげんだって、いのちを、たべるだろう。
さやと、なにがちがう。
[沙耶にとって、人間と動物の違いは言葉が通じるか否か程度。
約束があったから喰わずにいただけ。
仮に村が滅びずとも遠からぬ未来、満足に魚が貰えぬようになったら人を喰らう様になったかもしれぬ。
だから、男の懸念、信念は間違っていない。
けれどそれは、沙耶にとっては理解できぬ心情。
更に沙耶には何より理解出来ないことがある]
…なんでさやが、
おきるまで、まった。
[沙耶は、獲物を痺れさせて一息に仕留めるが多かった。
それは命を食すに、苦しませぬ為の知恵。
男がしたことは、沙耶にとっては己の命を弄ぶ為にしか思えない仕打ちだった]
…あやかしなら、くるしめても、よいか。
くるしめるが、よいか。
…にんげんは、どこまで、
ひどい、ことが…でき、る…
[命の尽き際、途切れる息だけでなく。
人間への理解に苦しむ言の葉を、吐き出した*]
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[影鬼憑依、と称するそれは、正確には憑依ではなく、同化解放、とでもいうべきもの。
かつての暴走の際に生じたもの──『人と妖の狭間にある影の鬼』。
そこから、鬼として顕現した力を切り離し、形を与えたのが小鬼の二藍。
式であって式でなく、けれど、式以上に強い繋がりを持つ、いわば半身の如き存在を身の内に戻す事で、普段は封じている星の力、その全てを用いるための呪]
……?
[微か、届いた呟き>>*1の意は知れず。
見えた表情ともあわせ、不思議そうにひとつ、瞬いたのは束の間のこと]
[太鼓の音が響き、地割れが広がるのがわかる。
そうでなくとも長くは持たぬのは重々承知の荒業、時間はかけられぬから──と。
両手に構え、横薙ぎに振るった一閃は、擦り抜ける動きを捉えきる事はできず]
……ちっ……!
[やっぱり動きは向こうが早いか、と。
思いながら身を翻そうとするものの──背後を取られるを阻むには至らない。*]
[妖の背後に回った鬼丞は、白刃をその背に向ける。
刃鍛える刀鍛冶は、刀の扱いにも長け、居合いの一撃なれば侍にも劣らぬとの自負はあったが...]
ぬう...!
[気合いと呪を込め、袈裟懸けに振り抜いた風の刃はしかし、妖の身に届くには浅い。
先に受けた毒の痺れが回ったか、それとも、いよいよ血が足りなくなっていたせいか...それを判ずる暇もなく、鋭い爪が、鬼丞の喉を裂いた]
ぐふっ...!!
[溢れる血潮が身体を濡らす、ひゅるりと、両手に凝った風が散り]
あ、あ...
[首を摘み持ち上げられながら、女の声に顔を顰めながらも、血濡れた唇を笑みの形にようよう歪めた]
...しま、い...だ、...
[それは、鬼丞の最期の意地と、この声が届くであろう余四朗への、警告でもあった*]
[>>*4男の言葉に、沙耶は思う。
人が人を喰らわぬと、何故言い切れる。
他に喰うものが無ければ、人とて人を喰らおうに。
けれど、それを声にするだけの力ももう無い。
ただ。
人は臆病だというその言葉は、何故だかすとんと沙耶の中に入った]
…そう、か。
[ずっと沙耶は解らなかった。
きっと最期まで、沙耶は解らない。
けれど、沙耶だって命尽きるは恐ろしい。
人は、その恐怖の幅が広いのだろう]
[だからこの男は沙耶を──妖を、祓わねばいけないのだ、と。
それは解ったが、やはり勝手だという気持ちは変わらず>>*5男が沙耶の目覚めを待った理由を聞く。
その言い分を聞いても、沙耶には何故男が話を聞きたかったかは解らない。
けれど、男にとっても沙耶を理解出来なかっただろうとは解ったから]
…あぁ。
かって、だ。
[>>*6男の言葉を、微か笑みを浮かべて肯定した後。
一思いにすると聞いて、目を伏せる。
ここまで交わしてきた言葉、一つ一つ思い返して]
………いいのこす、ことはない。
おまえには、なにも。
──のこさない。
[問いかけに拒絶を返し、身動ぎすら出来なかった身に力振り絞り跳ね起きる。
唐突なその動きに、男はどれほど反応できただろうか]
[男は言った。
沙耶が何の為に生きてきたかは沙耶が考えるものだと。
ならば、沙耶にとってはやはり、他者の血肉になるのが生きた意味。
自分が喰らい、血肉にしてきたもの達に己の血肉を分け与えるが、沙耶にとっては最後の務め]
さやの、すべては。
うみに、やる。
[男をにらみつけたまま、岩場から波間へ向かって身を翻した**]
[ひゅう、と鬼丞の喉が鳴る。それを最期に余四朗の傍にあった風も散って消えた]
さ...あ...
[誰と話しているのかという、芙蓉の問いに鬼丞は答えず、険しい眼差しを妙に静かに見返した。
この女怪は、先刻余四朗が対峙していた妖を援護していた。
だから、「さや」という妖を余四朗が倒した事を、教える気は無い]
...俺を...喰う、なら...急ぎ、な...
よこどり、される、ぜ...
[代わりに、この妖に対しても警告を口にする。
死にかけた煌星の持ち主は、妖達にとって、格好の餌だ。退魔師との戦いで消耗している芙蓉を押しのけ横取りを計る妖がいても可笑しくはなかった*]
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[妖の内なる想い>>*8は知る由ないまま。
大振りの一閃からの立て直しの隙、それを突いた一撃が肩口に突き立つ]
……ぐっ……!
[爪に穿たれる感触に、ざわり、ざわめくのは記憶の闇と、内なる黒。
それが動き出すより先、爪は引き抜かれる。
諸々の衝撃でふらつく身体を支えたのは、未だ力損なわぬ紫の影]
……は?
[そこに投げられた問いかけに、上がったのはとぼけた声]
……呪が、解かれん限りは、誰も出る事はできん。
解く事ができるんは、頭領だけのはずやけど……。
[自然消滅する場合もあるのは知っているが。
それをなすための条件を口にするのは、僅か、躊躇う。
自分だけならさらりと告げてもいいけれど。
弟弟子の事を思えば、躊躇いが先行して。**]
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[血が抜けると同時に、受けた毒も抜けていくらしく、皮肉な事に、おかげで鬼丞は未だ、意識を保っていた。
樹怪が己を喰らう気が無かったと言うのは意外ではあったが]
は...楽しみ、ねえ...
[判らぬではない。と、思ってしまうのは鬼丞が妖に心寄っているせいか。
めんどうと、口では言いながら、妖を祓う時、より強い相手をと、求める性分。
それはただ生きようとするならば、選ぶ筈無い道だった]
出たい、のか...?
[白いままの髪は、樹怪が妖気を失っていることを示すのだろうか。ぼんやりとそう重い、無意識のうち、ゆるりと動いた手がその髪に触れた]
なぜ...?
[なんのために、と鬼丞は問う。亀吉と同じ理由で、そのための近道は教えるつもりはなかったけれど**]
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[樹怪は髪に触れる手を避けず、触れた手から鬼丞は、この妖が最早大きな力を使うのは無理な状態であるのだろうと悟る。
だから結界を抜ける方法を問い「さや」を助けたいと言うのは、恐らく本当に逃がしたい、という意味なのだろう。
余四朗とさやの様子はもう、鬼丞には窺い知れず、そも「さや」が生き延びる程の力を残しているかも知らなかったが]
けほ...
[首から妖の手が離れれば、鬼丞はひとつ咳き込んで、喉に溜まった血を吐き出し、低く笑った]
ほん...に、変わった...妖だな...
[ひゅうるりと、ほとんど力を失って、ただのそよ風のようになった風が、ゆるく辺りを巡る。
ふたつの闇星は、どうしていたか]
妖が...ここを抜けるにゃ...妖でなくなるしか、なかろうよ...
[そうして、告げたのは、そんな言葉**]
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【人】 半の目 丁助う、ァ…。 (2) 2015/02/14(Sat) 19時頃 |
[投げられた問いにぼかした答えを返しつつ、視線はぐるりと周囲を廻る。
鳩羽色の小鳥との同調は辛うじて繋がっているが、そちらに意識を向ける余裕はなかった。
また、全力持って当たらねばならぬ、と判じたが故に煌星宿した風の戦いにも意識は向けておらず。
視界に入った様子に、ありゃ、と小さく声を上げたが──それよりも]
……丁助?
[目に入った様子、時折ぶれて見える姿>>*21に、小さく名を紡ぐ。
ぽつりと零れたその声は、すぐ傍の妖に届いたか。
届いたとしても、それに構ってはいられなかった]
……なに、へたばっとるん。
[小さく小さく、紡ぐ言葉は、鳩羽色の小鳥の弱々しい囀りと重なるもの]
気ぃ、確り持て……自分の内の闇に呑まれんな。
そのまま、震えとったら、お前自身が闇星に喰われる、で……。
[そうなったらどうなるか。
それは、自身が少年の時分に体験した事だから]
……俺の二の轍は、踏まんでいいんや。
だから……気、確り、持て。
[掠れた声に籠もるのは、切なる願い。
普段は飄々とした態度に紛らす、本音の一端。*]
メモを貼った。
[とぼけた声が上がったのは、単純に驚いたからで他意はない。
むしろ、とっさにはったりを使うには、いささか余裕に欠けていた]
……頭領からの指令は、この地の妖の気配を消して。
村がこうなった原因調べてこい、てもんやった。
[そこを誤魔化す必然性はないから、淡々とした口調で告げる。
低く唸った後、何やら思案巡らせる様子に、駆け引きを持ちかけるべきか否かの思考を巡らせた時。
鳩羽を介し、惑い帯びた声>>*23が届いた]
……阿呆、泣き言言うな。
御師さんに見られたら、どつかれるじゃ済まんぞ、そのザマは。
[向ける言葉は、ほんの少し厳しさを帯びる]
……気ぃ、鎮めぃ。
お前には、お前の力だからできる事がある……御師さんにも、そう、言われとらんか?
[具体的にどうしろ、というのは自分にも出せないが。
動く事ができる丁助だからできる事は、どこかにあるはずだから、と呼びかけた後]
……ああ。
俺の、可愛いかわいい、弟分や。
[知り合いか、という問いかけ>>*26に、はきとこう返した後。
続いた言葉に、青年にしては珍しい、険しい視線を妖へと向けた]
……喰わせん。
闇星にも、他の何にも。
星に飲まれて、鬼に転化するような阿呆は、俺一人で十分や。
[紡ぐ声は掠れてはいたけれど、籠もる響きはいつになく真摯なもの。
ついさっき知り合ったばかりの相手ではあるけれど。
自分にとっては、弟妹は何としても守らねばならぬと位置づけられている。
それが、記憶から消えた遠い過去──何も守れなかった事への悔恨に基づくとまでは、知る術ないけれど。*]
メモを貼った。
[闇星の一つ、若い男の声が>>*18鬼丞の耳に届いた。ひどく狼狽えた声と揺れる闇の気配は、彼が妖との命の遣り取りに慣れぬ事を思い知らせる]
(だから、闇は鬱陶しいってんだ...)
[呑まれまいとして足掻いた挙げ句、自滅した退魔師も見たことがある。何が鬱陶しいと言って、傍でそれを祓おうとする己の星を抑える苦労ほど鬱陶しい物はなかった]
面倒かけんじゃねえよ...祓っちまうぞ。
[亀吉が言葉に重ねるように、風の力を借り、鬼丞は無理矢理に丁助に向かって声を張る]
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