人狼議事


147 書架の鳥籠

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メモを貼った。


[――――ぽちゃん]


[虚空に響く、魂のおと]


[ひかり]


[夫に愛されない理由をただ体型のせいにして逃げ、
努力を怠って魔女の館に逃げ、
そして罪を背負う重さから逃げた愚かな田舎娘]


[人形にすらなれない]


[彼女だったひかりは、ただ虚空に浮かぶ]

[あんなに弾力に富んでいた肌に触れる事もできない、曖昧な輪郭のまま]


……。


私は、遠くにオズワルドの声を聞きました。
私の名前を呼んでくれています。
ここにいるわオズワルド、私は何度も言おうとしたけど、口を塞がれていたのでへんな音になるばかり。
シメオンは泣いています。
もう、彼のことを天使みたいとは思えませんでした。


彼は私を力づくで思い通りにしようとした悪魔だからです。


……。


大丈夫って、何が大丈夫なのかしら……。


あなたなんて大嫌いよ、シメオン。


そうして、私は体と魂を引き離されてしまいましたとさ。
……今日はここまで。

[私はそう言うと、息をはきました。
変ね、体は無いのに体があるみたいに振る舞えるなんて。

黒い獣の気配を感じます。何かを追い払うかのように、ぐるぐるしているみたい。
だから私はこうしてサロンでみんなを眺めていられるのでしょう。]


[ひかりは別のひかりに近づく]

[瞬き]

[人形が、増えたのはつまり]

れてぃーしゃ?


[ 私はオズワルドの後ろで、彼が人形に手を伸ばすのを見ていました。]

私はここよ、……オズ。

[どうせ聞こえないもの、好きな呼び方で呼んでも良いでしょう?]

ごめんなさい、お話し出来なくて……ごめんなさい。
ねえ、こっち見てよ、オズ……。

[何かを決心するようなオズの顔を見て、私は泣きたくなりました。
ほら、もうすぐあなたの嫌いな私の泣き顔が出てしまうわ。
いつもみたいに、帽子をかぶせて誤魔化して。
そうして去ろうとするあなたの後を、私は追いかけるから。]


[ルーカスとオズワルドの取る、あのポーズ。
私も混ぜて、……こんどこそ、きちんと腕を上げてみせるから、ねえ……。]


[シメオンのつく嘘、グロリアの主張すること。
私はあまり関心が湧きませんでした。
それより、オズワルドに私の方を見てほしくて、彼の横でずっとおひげを見上げていました。

そこでようやく、私は私の名を呼ぶそれに気づいたのです。]

……私が見えるの?

あなたは……カトリーナさん……?


[オズ、と悲痛な呼びかけ。
こんな切ない声色を出させる想いを、彼女はよく知っていた。
ただ、それを覗き見たようで少し――居心地が悪い]

みえる、より、わかる、だ
あんたは……にんぎょうに、なっちまっただなぁ。


あんな、人形!
あれは私じゃない!

[どこか何時もの通りに、おっとりと響くその声に、私は取り乱すように叫びました。]

人形なんか嫌いよ!大嫌い!
私は、人形になんてなりたくなかったのに!!


もっときれいな、誰かに好いてもらえる私になりたかったのに!!


あっ

[強いおと]
[ひかりが よわまる]

す、すまねえなぁ……。
そうけ、あんたは、おらみてえにこうなりたかった訳じゃねえんだなぁ……。

[手、らしきもの]
[伸ばしたひかりは頭を撫でるように]


……れてぃーしゃは、きれいだべ?
誰かに、でね、好いて貰いてえ人が、おるんよな?
好きな人がいる女は、それだけで、きれいなんだべ?

[ひとつひとつ言い聞かせるように]
[恋する女はきれいだと言ってくれた夫とはもう二度と会えないけれど]


[カトリーナの声が小さくなりました。まるで明滅する星のひかり。]


……ごめんなさい、八つ当たりしちゃった……。

[うつむいた私の頭を撫でるように動いたひかりは
……それでも、何かに阻まれるように、ふれあうことはできませんでした。]


カトリーナさんだって、こんな姿になりたい訳じゃなかったのに……。

[そう、彼女は愛している人がいるのです。
私には知ることの出来なかった、恋愛というものを知っている人なのです。]

……ごめんなさい、カトリーナさん……。
ごめんなさい……。


[近くにいるのに触れられない]
[ふ、と揺らめくひかりは溜息のように]

やんだ、気にすんでねえ
あん人が出て行った時のおらなんかもっと酷かったでな


あのひとが、出て行ったときの……?

[彼女の言葉に、もっと聞きたいと持ってしまうのは浅ましいことでしょうか。
でも、もう私は何にも背負っていませんし、
カトリーナはいつものように、おっとりと優しいので]

……髪の毛、こう、逆立ってしまうような?

[私は自分の髪の毛を握って、上にひっぱってみました。伝わるでしょうか?]


はは、そうだべなぁ
そんな風に、見えたんかもしんね

[真似をして、サンディブロンドを持ち上げる]

……村の、

[それ程昔の出来事ではなかったのに、遠い昔の話をするように、声色は穏やか]

女の家を全部、叩いて回っただ。
あん人を好いた女が隠してるんじゃねえかと思って。

[ドアが開いたなら、勝手に上り込んで家探しした]
[全ての家を回っても、夫はいなかった]


[私はカトリーナの話に、目を丸くしました。]

私……カトリーナさんが、そんな……
とても見えなかったわ……。

[いつも、お菓子をつまんでいたから。
食べて食べて食べて。
私はどちらかというと1人になりたがりで
サロンにいた彼女とは、きちんと話せていなかったことにようやく気づきました。]


[甘いものを食べても食べても心がすいているの]


……私、きれいなんかじゃない。
だって……私は呪われているし、……誰も好きになれないから、
誰にも好いてもらえないの……。

[カトリーナさんのように、何かをおいしく食べられない私が、どうして彼女のようになれるのでしょう。]


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