18 'Cause I miss you. 〜未来からの贈り物〜
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― 深夜・集会所キッチン―
ミッシェル? どうしたの、もう真夜中――あ、ひょっとして、うるさかった?
[ 声をかけられて、アーモンドクリームをタルト生地に流し込む手を止めた。 恥ずかしさに頬が熱くなる。自宅ならともかく、何故人の多いここでタルトなど作り始めたのかと]
んー…銀の皿は、フィリングは全部生の林檎を煮て作るの。これは林檎が足りなくて砂糖漬けを混ぜてるから…… それに、お母さんみたいな味、私に出せっこないわよ。
[ 呟いて、お皿を出すというミッシェルに頷いた。片足を引き摺る様子へ、物を運ばせていいものかと少し、思う。]
あとはオーブンで30分。 ここの火加減がわからないから、生だったり黒焦げだったり、きっとするわ。期待しないでね。
(7) 2010/07/03(Sat) 13時頃
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水商売 タバサは、メモを貼った。
2010/07/03(Sat) 13時半頃
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[ キッチンを片付けながら、ミッシェルと他愛無い会話をぽつぽつと交わしただろうか。 やがてナツメグと林檎の香ばしい香りが漂う頃、台拭きを絞ってかけると、気遣わし気な表情で窓の方へ視線をやった。]
遅いわね…… あの子、森へ逃げたわ。ガストンが猟銃を持って追いかけていったの。ヨーランダも一緒に―――あ。
[ ふと浮かんだ、最悪の想像に表情が凍る。]
ガストンが人狼だったら 危ない?
(8) 2010/07/03(Sat) 13時半頃
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(どうしよう、考えてなかった。 ガストンが狼なら、ヨーランダも、あの子――テッドも)
[ 窓に顔を寄せて、欠けた月に照らされる深い森を窺う。 もし森番が一人で戻るようなことがあれば、疑いを寄せないはずがない、だから手は出さないはず。そう自分に言い聞かせた。]
(9) 2010/07/03(Sat) 14時頃
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[ 森から戻って来る二つの人影を見れば小さく息を吐いた。 逃がすと言った言葉が本当なのか、わからずに胸を押さえる。]
――夜も遅いし、寝ましょうか…?
[ 粗熱を取ったタルトを型から外して皿に載せ、ミッシェルがそこにいるなら声をかけてキッチンを出る。 集会所に入って来る二人とは顔を合わせただろうか。数分後には、二階へと上り、廊下の一つの扉を開いて中へと滑り込んだ。]
―回想・了―*
(10) 2010/07/03(Sat) 14時頃
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水商売 タバサは、メモを貼った。
2010/07/03(Sat) 14時半頃
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―朝・ヘクターの部屋ー
[ 物音に目を覚ます。サイドテーブルを探って髪留めを取りながら、粗末な寝台の上で体を起こした。]
…な、に。
[ 赤毛を結わえながら茫と座り、しばらく。 自分がどこで寝ているのかを思い出したのと、錆びた鉄のような匂いに気付いたのが同時だった。]
――?
[ 毛布を落とす。腰の帯布を解くだけで着たままだった服の皺を気にする余裕もなく、立ち上がった。 軋む扉を開き、廊下へ顔を出す。]
(18) 2010/07/03(Sat) 21時半頃
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水商売 タバサは、メモを貼った。
2010/07/03(Sat) 21時半頃
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ヤニク?
[ 廊下に出ると、次々と扉を開け放っていくヤニクがいた。 常ならざる様子へ、嗅いだ匂いの正体に思い当たる。]
――っうそ……
[ 集会所の中、だというのに。たくさんの人が一つの屋根の下にいる中で、まさかと。 だが一つの扉を開いたヤニクの表情が変わるのを見れば、認めずにはいられなかった。 新しい死者が出た――]
(20) 2010/07/03(Sat) 22時頃
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[ ヤニクの咆哮。 竦むよりも強く、”誰”なのか確認しなければと歩き出す。部屋の主は知らなかった。恐らくは空き部屋のベッドを借りたのだろう人。 廊下を伝い、部屋の入り口へ。]
ひ、ァ
[ テラテラと散るあか、眸に映る無残なアイリスの姿に、悲鳴も出ないまま室内を見つめて、その場にへたり込んだ。 人は次々と集まって来ただろうか。]
(24) 2010/07/03(Sat) 22時頃
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[ 近づく人の気配に、身を震わせる。]
…ド、
[ 隠れていない片頬を見上げて、言葉を聞く。 扉を閉めようとするドナルドに曖昧に頷いた。]
アイリス、なの…?
[ 声は掠れる。潰れた喉のためだけでなく、現実の恐怖を前にして。]
(28) 2010/07/03(Sat) 22時半頃
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[ 壁を蹴る音>>29に、また体が震えた。 ヤニクの怒鳴り声へは、ただ憎しみに彩られた顔を見返して]
あの子が。 …どうして?
[ 階下へと駆け去るヤニクの足音を聞きながら、床に手をついて立ち上がった。 また誰かが襲われるということは文献で見てわかっていたはずなのに、誰かが死ぬという現実を理解していなかったのだと思い知る。
そして間近で聞こえたドナルドの呟きに、瞬いた。 思い浮かんだ顔を探して、周囲を見回す。]
――ヘクター…
(33) 2010/07/03(Sat) 23時半頃
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―回想・深夜―
そう?じゃあ、明日ね。 焼きたてよりも次の日の方が味が馴染んでおいしいのよ。
[ ミッシェルの言葉>>13に頷いた。一階で寝ている人の多さに、呆れたように肩を竦めて。]
ガストンのことは…そうね、きっと考え過ぎ。疑ってたなんて聞いたら怒るかしら…
[ 笑みともつかない微妙な表情を浮かべ、まだ起きているというミッシェルに手を振って階段を上がる。
集会所の二階を訪れるのは初めてだった。幾つかある扉を前に、困った、と腕を組む。大半は空き部屋のはずだったが、どれが使って良い部屋なのかわからない。 手近な一つを開いて、中のカビと埃の臭いに首を竦めた。]
……私も下で寝ようかしら…
(43) 2010/07/04(Sun) 00時半頃
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[ 人の居るところで寝たくはなくて、もう一つ別の扉を開く。次に漂って来たのは微かなジンの香り。]
…空き部屋ね。間違いないわ。
[ 置いてある荷物はきっぱりと無視して、寝台に潜り込んだ。 硬いベッドで寝ることは嫌いだったが、慣れてはいる。髪留めを外すと毛布をたぐった。]
――おやすみなさい。
[ 深夜。 争う音はあっただろうか。深い眠りの中にある彼女は気付くことはなく。 頬に落とされた優しい口づけにも、微かに身動いで吐息を漏らすだけだった。
薄い残り香と、手についた甘い林檎の香りに包まれて眠る。――一番の好物だよ――という誰かの声が、夢を見ない彼女の意識に浮かび、また消えただろう。]
―回想・了ー
(44) 2010/07/04(Sun) 00時半頃
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水商売 タバサは、メモを貼った。
2010/07/04(Sun) 01時頃
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[ 血に彩られた部屋の中、アイリスに毛布をかけてやる男を見る。 臭気に顰めそうになる頬を、努めて無表情に保っているつもりで]
ヘクター、昨日……一日に一人は、”占う”ことが出来ると、言ったわね。
聞いてもいい?
[ 狼が誰なのか。 入り口に座るアイリスの笑顔を思い出す。自分を見る時の恐れを含んだ眸の色。決して親しかったわけではない。 けれど確かにこの屋根の下、数日をともに過ごした少女の死。]
狼を、見つけた…?
(48) 2010/07/04(Sun) 01時半頃
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そう…
[ 白い小石の軽さ。 ヘクターの顔を見て、頷いた。]
ええ、だけど……
[ 苦く笑う。]
村の皆は埋葬を手伝ってくれたりはしない、わよね。 …どうしようか。
[ 教会に頼めば、安置くらいはしてくれるだろう。死者にまで冷たく当たることはあるまい。 家族のないアイリスを葬るなら……自分でも信じられないくらい冷静に考える。何かを考えていれば、濃い血の香りも忘れていられる気がした。]
(51) 2010/07/04(Sun) 01時半頃
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…ペラジー? そういえば、いないわね。……パコも。
こんな騒ぎなのに出て来ないなんて…?
[ ドナルドの言葉に、胸の奥がざわめいた。 心配、よりもそれは疑惑に似て思考に染みを作る。
ミッシェルと、支えるヨーランダに視線をやる。青ざめた顔――そう、恐ろしくても、集まらずにはいられないはず。]
(53) 2010/07/04(Sun) 01時半頃
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―回想・昨夜―
今日はいろいろとあったしね。寝ればきっと少しは落ち着くよ
ん?どうかした?
[フランに返しつつ、名前を呼ばれると首を傾げる]
わっ。
もう、どうしたの?フランったら。
[抱きしめられると、驚きはしたが、拒むようなことはせず、優しく抱き返す]
じゃあ、今度こそ寝るね。
[そう言って、少女は階段に足をかける。その先にある無慈悲な運命など知らぬまま]
水商売 タバサは、メモを貼った。
2010/07/04(Sun) 02時半頃
―早朝・集会所―
[まだ日も上らぬ薄明の頃。何時ものようにゆっくりと目を開け]
――…え?
[目の前に広がる赤いに目を見張る。]
なに…これ…
[恐る恐る視線を自分の体へと落とすと、そこにあったのは透けた自分の体と、無残にも臓物を晒して倒れた、自分"だった"体]
――あ…あ、ぁああ…
[フラッシュバックする景色。ドナルドの声。闇の中で光る片方の瞳。]
っ!?私、私…!!
[何があったのか分からぬまま、ただ恐ろしさに震えた]
―未来へ続く、螺旋階段―
[ヨーランダに背を押され、少年は闇の世界に足を踏み入れた。
数日前、案内人と共に下った階段。
今度はそれを、上がろうとしている。]
下るのは楽だけど、上がるのは大変だなぁ。
[闇に浮かぶ螺旋階段を上がりながら、自嘲気味に笑う。
本当はもっと、両親と一緒に居たかった。
愛し合う二人の姿を、この瞳に焼き付けたかった。]
……父さん、母さん。僕は、信じてる。
僕が体験できなかったこと、過去の僕が体験できるって。
大好きだよ、父さん、母さん。
あぁ、最後に言えば良かったなぁ。
[―――僕を生んでくれて、ありがとうって。
下を見下ろすも、一歩下の階段は闇に紛れて見えない。]
くそぅ、上りにくいなぁ。
真っ直ぐ上ってるつもりなのに、どうも……
[違和感。
下る時に、感じなかったもの。
少年はまだ、重要なことに気付いていなかった。*]
[何があったのか。何も思い出せぬまま、ただ部屋の隅で怯え、震える。]
『――嘘、だろウ……?』
[聞こえて来た声に顔を上げると、そこには自分であったモノと対峙するヤニクの姿]
ヤニクさん…私――っ、
[声を掛けようと、するが、ヤニクの咆哮に体を竦ませて]
ヤニクさん。約束、守れなくてごめんね。
["また明日"なんでもない約束。気をつけるまでもなく、叶うと信じていた。簡単な、残酷な約束。]
本当にごめんね。……ありがとう。
[咆哮を上げるヤニクを抱きしめようとするが、体が透けてしまい、それでもヤニクの体を抱きしめるようにして傍に寄り添う]
[視界が揺れる。
父に、母に揺さぶられた時とは違う揺れ。
手すりのない階段、身を支えることなどできない。]
何だよ、これ……。
[少年は忘れていた。
母に払った対価が、最後の魔力だったこと。
自身の魔力、全て使い果たしてしまったこと。そして……]
っわ、ぅわっ、
わああぁぁぁ――!!
[知らなかった。
時の螺旋は、魔力を有する者しか先を許さないこと。
階段を踏み外した少年は、床に落ちた林檎の如く、闇へと落ちていった。]
『うるせえぞ! 何だってんだ!』
――っ!?
[ドナルドの声が聞こえると、昨夜見た。闇ノ中に光る隻眼がフラッシュバックして、その場にへたり込み]
や…怖い…いや、助けて…
助けてヤニクさん。あの人が、あの人が…!
[頭を抱えたまま、何度も助けて。助けて。と呟いて、ただ何も出来ずに恐怖が去るのを待つ**]
―過去・狭間―
いた……っくねぇ、
[ぶつけた感触はあった。
けれど、何故か痛みを感じない。
倒れた体を起こし、再び足を踏み出す。
そこに、時の螺旋があると思って。]
………?
階段が、ない……
[焦ったように左右を見回すも、そこは闇。
どれだけ足で探っても、そこは平坦な地。]
どうなってるん、だ、よ……
[やがて、目が慣れたのか。
闇が晴れる。
見覚えのある景色。懐かしいとさえ感じるか。]
今の声は……
[何処からか聞こえてきた女の声。
″テッド君″と呼んでくれた声が響いた。]
つぅか、此処は何処だよ……。
[やがて、前方に頭を抱えて震え上がる女をみつけた。
伏せた顔は分からない。
けれど、この声、聞き覚えがある。]
お前、どうしたんだよ。
[未来の少年は、助けてと呟く女の肩に手を置いた。
少年は知らない。
アイリスが死んだ事、そして此処が何処なのか。
女はどんな目で少年を見ただろうか。*]
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―回想・2階ー
(そんな言い方、ないでしょ)
[ ドナルドの溜息混じりの言葉>>54に、心中で反駁する。口にすれば衝突することはわかっていたし、そのことでまたドナルドへの周囲の目線がきつくなるのも嫌だった。 殺した、と聞かされれば穏やかではいられない。けれどそれが何故なのかは、鈍い頭痛に隠されてはっきりとはわからなかった。]
(78) 2010/07/04(Sun) 11時頃
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[ フランシスカは一階にいると聞き>>63、あぁ、と小さく声を漏らす。 兄を人狼によって失った少女、どれほど気丈でも2階を見に上がって来るのは辛いだろう。まして――前日のフランシスカが見せた涙を思えば。]
……話し合い、しなきゃ。 狼を。
[ 束の間握られた手>>75に、決意を込めた言葉と共にそっと力を入れて握り返した。]
― →一階へ―
(79) 2010/07/04(Sun) 11時頃
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―集会所・一階―
[ ヤニクは戻っていなかっただろう。顔ぶれを一瞥するとキッチンへ。]
ご飯…って気分じゃないけど。
[ 何か口にしなければ、人狼退治どころではない。 相手はアイリスの血肉で満たされているのだから――切り裂かれた腹部と肩口のいろを思い出しそうになって首を振った。]
と言っても、食材もあんまりないわね… パコなら、余り物からでも美味しい料理、作れるんだろうだけど。
[ エプロンはつけないまま、火を熾す。 裏手の井戸で水を汲むついでに顔を洗えば、血霧に霞んだような頭が少しすっきりした。]
(81) 2010/07/04(Sun) 12時頃
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[ 塩味の薄いパンケーキを何枚も焼き、煮潰したヒヨコ豆を少量挟んで折り畳む。 食欲がなくても手に取りやすく、乾いても味の落ちない一口大の軽食-クレスプ-。 水差しに蜂蜜と絞ったレモンを混ぜてテーブルへ運んだ。少し迷って、切り分けたタルトも並べる。]
食べれる人は、無理にでも食べておいた方がいいわよ。
[ 誰も動かなかったとしても、重ねて勧める気はなかった。自分は小さなものを一つだけ口に入れて、レモン水をコップに注ぐ。 やり取りされる会話に耳を傾けながら、座ったのはいつもの椅子ではなく、部屋の隅の床。 ガストンに死者の名を告げられた>>71フランシスカはどんな様子だっただろう。特に声をかけるでもなく、傍らに座ってコップの縁を撫でる。
ヨーランダの言葉>>74を聞けば流石に顔を上げて、その灰色の髪をじっと見つめた。]
(82) 2010/07/04(Sun) 12時頃
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水商売 タバサは、さすらい人 ヤニクへ顔を向けて、日は既に午後になっていたことに気付いた。*
2010/07/04(Sun) 12時半頃
水商売 タバサは、メモを貼った。
2010/07/04(Sun) 12時半頃
水商売 タバサは、メモを貼った。
2010/07/04(Sun) 14時頃
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[ ヨーランダと目が合った>>86。もの言いた気な色はわかっても、意図までははかれず――思うのは、宣言が真実ならあの少年は殺されたのだということ。
彼女には、あの少年が狼ではないという奇妙な確信があった。けれど同じ確信をヨーランダも持っているとは思えず、はっきりと人間だったと繰り返す芯のある口ぶりに胸が苦しくなる。 視線はガストンを探し、問いかけるように瞬いた。
消え入るような小さな礼の言葉には僅かに口の端を緩めて、コップの縁を撫でる。]
(99) 2010/07/04(Sun) 15時半頃
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私は、ヨーランダを信じるわ。
[ 言葉を選びながら、慎重に掠れた声を紡ぐ。]
ヤニクは外から来たから知らないかもしれないけど。酒場は口さがない噂話の宝庫なの…ヨーランダが”誰もいない空間”と話してたっていう話は小さい頃に嫌ってほど聞いたわ。 ヨーランダが霊能者なら、辻褄が合うと思う。
…それに、ヨーランダが狼でアイリスが霊能者なら、あの子。テッドは狼だったって言うのじゃないかしら。 そうすれば、今日処刑される誰かにアイリスを――死なせた、罪を被せて、自分は素知らぬ顔で生き延びられるかもしれないでしょう?
[ 感情に任せて喋れば、また昨日の繰り返し。 自分の言葉が論理的なものかどうか、せめて少しでもそう見えればいいと思いながら、小さく息をついた。]
(102) 2010/07/04(Sun) 15時半頃
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