人狼議事


151 雪に沈む村

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視点:


【人】 お針子 ジリヤ

えぇ、そうよ。

[樹と一緒に過ごす。
クシャミの言葉に頷いて、木々を見上げる彼の横顔に視線を据えた。
彼が零した疑問を聞けば、少しだけ口元を綻ばせて>>3]

……そうかもしれないわね。
春を夢見て、長い冬を微睡んで過ごす。
それはきっと、動物も植物も変わらないのかもしれないわ。

[どことなく暈した回答は、クシャミが正しい答えを求めているように聞こえなかったから。
真実をただ無造作に与えられるより、想像の余地を残した方が、胸をときめかせてくれる事もある。
その気持ちを、共有する気分を味わいたかった]

(25) MissLied 2013/12/02(Mon) 02時頃

【人】 お針子 ジリヤ

あら、心配して下さるの?

[風邪の心配をしてくれたクシャミに、悪戯っぽく笑って気取った返事を返す。
優しい彼の懸念に、心が温まるのを感じた。
本当にこの子はいい子だわ、と彼を見つめる瞳に温かい色が混じる]

でも大丈夫よ、木に還っている間は私にはそういった心配はないの。
……中には、本当に風邪をひいちゃう子もいるみたいだけれど。

[若々しく、幹も枝もほっそりとした幼木とか。
以前、旅人からそんなドリュアスの話を聞いた事があったのだ。
思い出しては、クスクスと声を立てて笑った]

(26) MissLied 2013/12/02(Mon) 02時頃

【人】 お針子 ジリヤ

そう、貴方はチャールズと過ごすのね。
それは心強いでしょうねぇ。

[やがて戻った問いへの返事>>4には、しみじみとそんな呟きを。
やっぱり、チャールズはクシャミの事をきちんと気に掛けていた。
物腰の穏やかな、心優しい神父を思い浮かべ、安堵に表情を和らげる。

クシャミが視線を動かせば、ドリュアスの視線もそれを追うように時計塔へ。
しばし、彼の過ごすであろう冬に想いを馳せて、時計塔に視線を留めた。
心ゆくまでそうしてから振り返ると、クシャミの足元がふらふらしているのが目に入る。
少しだけ目を瞠って、それから静かに微笑んだ]

(27) MissLied 2013/12/02(Mon) 02時頃

【人】 お針子 ジリヤ

貴方は、どうやら早く時計塔に戻ったほうが良さそうね。
辿り着く前に、変なところで寝入っては駄目よ?

[まるで子供に言い聞かせるように柔らかく告げて、そっと手を伸ばす。
許すなら、彼の頭をそっと撫でようと]

チャールズと一緒なら、きっと優しい夢が見られるわ。
……貴方が良い冬を過ごせますように。

[魔力の篭らない、代わりに祈りをのせた言葉を紡いだ。
視線を移せば、見覚えのある雑貨屋の看板が、半ば張り付いた雪に隠されるようにあるのを見つける。
少し寄っていこうかしら、と思案しながら再びクシャミに視線を戻した]

(28) MissLied 2013/12/02(Mon) 02時頃

【人】 お針子 ジリヤ

私は雑貨屋に寄っていくから、ここでお別れね。
――また春に。

[短い挨拶を送って、微笑みかける。
一年後、短い春が訪れた時に、彼が満たされた幸福そうな顔をしている事を願った**]

(29) MissLied 2013/12/02(Mon) 02時頃

【人】 お針子 ジリヤ

[雪化粧した村を散策して、どれくらいの時間が過ぎただろうか。
いつしか、太陽は地平線近くへと傾き、空は暗く沈みはじめていた]

あらまぁ、もうそんな時間なのねぇ……。

[吐き出す息は白く濁り、寒さもいや増してくる。
村はずれの道端でぼんやりと足を止め、色を変えてゆく空を眺めた。
こうしてずっと佇んでいると、舞い降りる雪が積もって、雪像になってしまいそうだ。
そこまでは行かずとも、きっともう既に髪に絡む白い花に雪が被さり、その輪郭をぼかしているのに違いない]

(90) MissLied 2013/12/04(Wed) 01時頃

【人】 お針子 ジリヤ

でも、本当に綺麗だわ。
……きっとそろそろ見納めでしょうから、きちんと堪能しておかないと。

[薄闇の中に舞う雪片は、白い色が際立っていつも以上に目を惹きつけられる。
疎らに並ぶ住宅の奥に、雪との対比のように森が黒いシルエットとなっているのがなおさら心に響いた。
ジリヤには風景を描く才はないけれど、画家がキャンバスの上に留め置きたくなる風景とは、きっとこんな景色だろう。
時の流れとともに移り変わってゆく景色を惜しむよう、じっくりと風景に見入る。
風邪を引かないように気をつけて、なんて言い聞かせたりしている癖に、美しい風景の事となるとすぐこれだ。
冷えると分かりきっているはずなのに、根を生やしたように動けなくなってしまう。
我ながら、聞き分けのない子供のようねとクスリと笑った]

……こんなだからきっと、雪に埋もれて凍えてしまったのよねぇ。

[ぽつり、と呟くのは“かつて”の話]

(91) MissLied 2013/12/04(Wed) 01時頃

【人】 お針子 ジリヤ

[冬の間際に生まれた蜘蛛が、雪景色の美しさに心を絡め取られてしまった。
ひらひらと舞う雪に。白く染まりゆく無垢な世界に。
精緻な砂糖細工のよう、繊細で儚い風景を一目見たきり、虜になってしまったのだ。

――ずっとこの景色を眺めていたい。

初めて見たその景色に焦がれるあまり、蜘蛛は巣を張ることも忘れ、ずっと木の枝の上に佇み続ける。
晴れの日も、曇りの日も、どれほど寒さに晒されようと、一切気にとめなかった。
……やがて、再び白い欠片が世界を覆い、自身もその中に埋没して行こうとも]

(92) MissLied 2013/12/04(Wed) 01時頃

【人】 お針子 ジリヤ

[愚かな蜘蛛を哀れに思った樹の精が、春になって村の中に根を下ろし、芽吹いたばかりのサンザシに、微かに残った蜘蛛の魂の欠片をあずけた。
かれこれ、155年ほど昔の事だろうか。

愚かな蜘蛛の記憶と心を引き継いだサンザシは、いつしか自我を持ち、美しいものに焦がれながら人里に住まう、風変わりなドリュアスとなる]

……やっぱり、冬の美しさは格別だわ。
でも、百花繚乱の春も素敵。

[今でも、雪景色にはどうしようもないほどに心惹かれる。
けれど、美しいものはそれだけでない事も知った。

移りゆく季節の中には、それぞれに掛け替えのない一瞬がある。
春には春の、秋には秋の、瞼の裏に焼き付くような美しさが存在しているのだ]

(93) MissLied 2013/12/04(Wed) 01時頃

【人】 お針子 ジリヤ

[それに、美しいものは風景ばかりではない。

心を込めて丁寧に淹れたお茶の、白いカップを彩る鮮やかな緋色。
熟練の料理人の手によって作られる、美術品のような料理の数々。
厳格な職人が打ち上げた剣には、使い手の癖まで考慮した配慮と機能美が同居する。
多少出来は歪でも、暖かな気持ちが篭ったチャームはそれだけで掛け替えのない代物だ。
蒼穹を悠々と横切るドラゴンの飛翔は力強く、なのにどこか繊細で。
朽ちかけた墓石にも、ジリヤの知ることのない密やかな物語があるのだろう。

……そう、それから人の心の中にも美しさが住まう事を知った。
ささやかな恋心を育む少女の姿は、微笑ましくも尊いものだ。
他者を想い成される神父の暖かな心遣いは、心を温める暖炉の炎や、乾いた土を潤す慈雨のよう。
意外と心配性の青年の背に生えた一対の翼には、密やかな影と、それを乗り越えた力強さがあるように思う。
互いを思い合う少年達の友情だって、時にハラハラするけれど、心に清々しい一陣の風を運んできてくれる]

(94) MissLied 2013/12/04(Wed) 01時頃

【人】 お針子 ジリヤ

私は本当に、この村にいられて幸せだわ。

[誰にともなく呟いて、そっと口元を綻ばせる。
数え切れないほど沢山の美しさが日々を彩り、華を添えてくれる。
決してこの地から離れることのできない身である事に、不満を感じる余裕すらないほどに。
眠りが訪れ、そうして春を迎えたら、きっとまた数々の美しいものが心を躍らせてくれるだろう。

――その時まで、冬のこの儚い寂しさを大切に温めていよう。
    ひと時のその寂しさが、春の祝福をよりふくらませてくれるのだから。

目を伏せて、密やかにそう思った**]

(95) MissLied 2013/12/04(Wed) 01時頃

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