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― ヴェス別荘(ジェレミー邸) ―
[真っ白な車に乗せるときも、翡翠の衣装は破れたドレスのままだった。
車内で男は彼に一切触れず、窓の外を眺めている。
やがて見えてくるのは高い壁、壁、壁。
何処か別の国の建物を彷彿とさせる屋敷には
所々にヴェスパタインの趣味が見え隠れしている。
車は石造りの門を越えて館の玄関前へと到着する。
芳しい花々が咲き乱れる少し小さな前庭には二羽ニワトリが居た]
Jade
今日たったいまから正式に御前の名前だ。
其れ以外の名も身分も忘れるんだね。
[到着と共に現れた二人の召使がドアを開ける。
男は地に立つなり青年へそう宣言した]
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― →ヴェス別荘(ジェレミー邸) ―
[カボチャも馬車もそこにはない。用意されていたのは白い車。
最悪のセンス、表情はそんな風に告げる。久しぶりの日は、少し眩しくて目を細めた。
遠くなるその場所を振り返る事はない。
ただ、気に入りのディスターシャが遠くなっていくことだけは少し後ろ髪を引かれた。
けれども今となってはそれを取りに戻るも許されない身分なのだろう。
窓の外を見る事はなく、ただ車が長い時間をかけて辿り着いた場所は、
自分の知っている場所とは違ったし、見覚えのある風景でもなかった]
…『買ったというなら、好きに呼べばいいだろう』
[返事をするかどうかは当然別だ。
返事は是でも拒否でもない]
勿論だよ?
好きにする為に買ったんだしね。
そうだね、Jade
先ずはその身を洗ってあげようか。
酒臭いよ。
[男は瞳を細めて哂う。
着込んでいた黒いジャケットを召使に渡し
会場で着ていたのと変わらぬ姿になって]
こっちだ。
[有無を言わせず手を引いた。
あとには二人の召使が続く。双子のように顔だちがそっくりだ。
少し進んだところで、玄関の扉が重い音を立てて閉まった]
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『…下らんことを』
[酒臭いと言われたところで、何かしようがあっただろうか。
酒を無理やり飲ませたのだって目の前の男だというのに]
『ッ、一人で歩けるといったはずだ…!』
[まだ酩酊は残っているけれど、それとこれは別だから。
手を引かれれば振りほどこうとするけれど、叶うのだろうか。
後ろからつかず離れずついてくる足音が二つ。
幾らか気味が悪い]
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ひとりで歩く?
まだわかってないんだな。
御前はもう御前の意思で歩くことすら許されないんだよ。
[腕を引く手は、振りほどこうとした彼の手首をつぶれるほど強く握った]
俺の命令だけが御前の全てになる。
俺の機嫌を損ねたら、御前の身体は少しずつ削られていく。
どこから切り刻んで欲しい? 指か、それとも耳か。
――…それが嫌なら精々気をつけるんだね。
逆らうのは利巧じゃないよ、Jade。
[話しかける内容は薄ら寒いもの。男の口調は至って本気だ。
やがて到着した浴室は、少し風変わりなものだった。
広さは三、四人が充分寛げるほどだが、膝ほどまでしか深さが無い。
其処に既にたっぷりと用意されている液体は琥珀色に輝いて、粘り気を帯びていた。
浴室からは甘いにおいが立ち込めている]
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───ぃ…ッ
[強くかかる力に、表情が歪む。
告げられる言葉が最終宣告に近いことだということも解っている。
だから、口を噤んだ。硬翠の視線だけは、決して屈することはなかったけれど。
小さな舌打ちと共に、引きずられるように連れて行かれた場所は
酷く甘い匂いがしていた]
───عسل(蜂蜜?)
[甘い匂いは独特だったから、自然と言葉が零れる。
体を洗うと言っていなかったか。なのにこの状態は何なのかとばかり。
訝しむような視線を濃い金色の髪の男へと向けた]
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[黙ってしまった青年を
男は一度さも愉しげに細めた瞳で見遣った。
そうして連れてきた場所で、此方へ向いた視線に頷いてみせる。
呟いた言葉が単語のみであれば、男とて世界中に”お使い”に出ている身。
一切わからないわけではない]
少し混ぜ物はあるけどね。
[そう言って、彼の無残なドレスに手をかけた。
自分で脱ぐといっても
御前に自由は無いと、同じ言葉を繰り返すだけだ]
御前たち、洗ってあげて。
綺麗に舐め取るんだよ。
[一糸纏わぬ姿まで剥くと、男は青年を浴槽に放り込んだ。
影のように控えていた双子の召使に命令を出す。
彼等は自ら衣服を取り去った。成人前だろう髪の長い召使にも短い召使にも、胸元の膨らみは無い。そしておかしなことに股間にも性別を主張するものは存在しなかった]
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[風呂に落とした青年のもとへ、忠実な召使たちは擦り寄っていった。
ねっとりとした液体は彼等のしなやかで傷一つ無い腕にも細い脚にも絡み付いている。
男はといえば、そんな光景を衣服も乱さず
入り口に立ちはだかったまま見ていた]
[混ぜ物。
その一言で、思う。食べ物に対してなんてもったいない事を。
生まれてこのかた空腹に泣いたことなんて一度か二度あったかないかだが
かといって飽食を好むわけではなかったから。
白いきぬは奪われて、今度こそ隠すものなんて何もなかった]
───な
[飛沫があがることはない。たぷんと、緩やかな波が上がっただけ。
派手に転んで塗れる事はなかったけれど、浴槽に満たされた蜂蜜に
しゃがみ込むように体勢を整えた少年は胸元まで浸かることになる。
男に指示を受けた召使たちに視線をやって、表情は驚きに染まる]
ああ、口に含んで不味いものは入って居ないよ。
混じってるのは少し良い気分になるクスリだけさ。
[此方まで重みのある液体が飛ぶことは無い。
男は広い浴槽の中、琥珀が塗された彼の肌を
瞳を細めてじっとりと見つめている。
双子の召使は男の命令通りJadeの身体に蜜を塗すために両脇から擦り寄って、その肌についた琥珀をざらりと舌で舐め取っていく]
この子たちは少し変わっているだろう?
お下がりなんだけど、気に入ってね。
珍しく壊さずに使ってるんだ。
『…クスリ?』
[持ち上げた両の手はとっくに蕩けた琥珀に塗れて、
両脇から近づいてくる姿に、幾らか訝しんでいれば
肌の上の蜜をなめ始める姿に不快感もあらわに]
『何を──』
[突き飛ばすのは簡単だった。
けれど、流石に二人一度につきとばせるほど器用ではない]
そうそう、その子たちにキズをつけたら
御前の同じ場所から皮膚を抉るよ。
[此処ではJadeよりも彼等のほうが価値があると言う風な台詞。
突き飛ばそうとする彼を見て男は先に忠告をひとつ。
召使たちは甘い香りと蜜に混じる薬でとろりと表情を蕩かせながら、彼の口元へも浴槽にたまる蜂蜜を掬って塗りつけていく]
…ッ!
[突き飛ばそうとした手が、力を失う。
傷をつけられること自体には男だから抵抗はないはずだけれど。
肌に塗りつけては舐め上げられ、口に運ばれる蜂蜜は甘くごく僅かに苦く。
酒精が抜けきっていない体が、暖められた蜂蜜の熱と
徐々に沁み込んでくる薬品の効果のせいで少しずつ重たく感じられた。
肌の上をなぞる舌の動きに、表情が酷く歪んだ]
[息を荒げた召使が、犬のように尻尾のない尻を振りながら
琥珀色を塗りつけては舐めている。彼等は幾ら昂っても処理する箇所を持たない。溜まる快楽は苦痛のようで、何時しか二人は青年に縋りつくようにして、それでも命令を守って行動している。
男は彼の表情の変化に気付き、二人を止めた]
――…効いて来たかな?
本当はクスリを使う心算じゃなかったんだけど
ま、いきなり流血沙汰よりは
一度くらい愉しませてあげようと思ってね。
[靴もそのまま浴槽へ近づき、身を屈めて視線を合わせる。
それから琥珀に埋もれた彼の下半身へと目線を下げた。
反応がおきたかどうか、確かめる為に]
[蕩けた琥珀が肌の上に幾度も塗りこめられていけば、
そのうちに彼等が蜂蜜を舐めているのか、それとも自分の肌を
舐めているのか、その境目すら曖昧になってよく解らなくなる。
それこそ自分と蜂蜜と彼等の境すら曖昧になったかのようだった。
擦りよせられる肌も、縋りつくような舌も指先も、何もかもが
今の彼には歪んだ何かに感じられる]
…『冗談、じゃ…な、ぃ』…っ
[噎せ返るような甘い匂いの中、呻く声はごく僅かに熱を孕む。
尋ねる様な声にふるりと首を横に振った。
合わさる肌の合間から落ちる蜂蜜の滴が、音も立てずに沈むのが
酷く幻想的で、それ故に非現実的すぎて思考が幾らかぼんやりとしていた]
[塗り込めた蜜に混じる薬は確実に彼等を侵しているようだった。
一糸纏わぬ青年に絡む対の人形。
二人は両側からJadeに擦り寄ったまま、出口の無い快楽を抱えながらも動きを止めている。
何処か倒錯的なものを感じながら、男は唇を歪めた]
そう、残念ながら冗談じゃない。
俺は至って本気でね。
No5じゃ勃たなかったようだけれど、薬が入ればどうかな?
[間近まで顔を寄せれば、熱い吐息がかかる。
その変化に満足そうに、低く甘いバリトンが浴室に反響した。
その間にも体温を帯びて蕩けた蜜は彼の肌をゆっくりと流れていく。
男は肌色の違う彼の胸元に指を伸ばし、くいと軽い刺激を与え乍掬い取った]
[皮膚から直接吸収され、そして口で直接摂取させられた薬は
ゆっくりと、それこそ蜜の滴るほどの緩やかさで神経を染めていく。
持て余した熱がそうさせるのだろう、人形達の肌は酷く熱を持っていて
だから余計に頭の中がぼうっとしていた]
『何、す──』
[極僅か傍で覗きこむ視線に、睨みあげる硬翠は蜜のような彩を帯びる。
浴室に響く声は、酩酊する意識の中で更に反響して谺する。
伸ばされた指、掬いあげられる琥珀。
極僅かに、けれど確かに喉が小さく震えた]
ああ……あんなに鋭い眼をしていたのに。
[何処か物足りなさそうに
それで居て愉しそうに、男は彼を覗き込んで哂う。
声こそ上がらなかったが、胸元への軽い刺激に反応した彼を見遣り]
効いてきたね。
それじゃあ、入浴タイムは終わりだ。
着替えをあげるよ。
気に入ってくれるといいけど?
[身に力の入らぬ様子の人形達に命令を下す。
二人はふらつく足で浴槽から上がり、ねっとりと身体中に蜜を纏ったまま奥へ消えた。
暫く後、何事も無かったように衣服を着込んだ双子は現れ
男に黒い皮製のベルトを手渡す。紐の下着に似たそれは、本来男根を覆うはずの前布が無く、尻にあたる部分には細身のバイブが取り付けられていた]
『うる、さい』
[頭がぼうっとする。
睨む色は消えてはいなかったけれど、蜜に似た彩が添えられたせいもあって
幾らか鋭さはなりを潜めてもいた]
『着替え…?』
[今度は何を着せようというのだろうか。
そもそも、これでは体を洗うどころか余計に汚れてしまっている。
かといって裸で歩きまわる趣味はない。
仕方なくそのまま待つことにしたが、その間にも蜜は神経を侵す。
奥へと消えていった二人がしばらくして現れて、
男に何かを手渡すのを見た。けれどそれがなんなのかまではわからなかった]
そう、これを着けてあげよう。
立てるかい?
[たっぷりと蜜に塗れた青年の腕を掴み浴槽から引き上げる。
下着とは名ばかりの機具を手に、男は指示を出した]
壁に手をついて
足を広げて俺に背を向けてご覧。
[ゆっくりと流れ落ちる蜜を拭うことは許さない。
出来ないようなら双子に押し付けさせてでも、その体制をとらせる気でいた]
[腕を掴まれ、引き上げられる。
肌の上を流れる蜜が、まとわりついて酷く気持ちが悪い]
…ッ!?
[出された指示に苛立ちを通り越して滲むのは怒り。
冗談じゃない、と拒否するよりも、双子たちの行動のほうが早かった。
さっきまであんなにしどけなかった二人とは思えないような
男への忠実さを持って姿勢はあっという間に固定されてしまたt。
自分自身が意識やら姿勢をあまり保てていないというのもあったかもしれないが]
『離せ、冗談にもほどがある!』
[声を荒げたところで、双子たちの校則はちっとも緩みはしなかったのだけど]
[双子は見た目彼とほぼ変わらぬ年頃。
二人がかりで押さえつければ、彼に薬が回ってなくとも
逃がさずに置くことくらいは出来る。
ましてこの状態で彼が逃げられる可能性はゼロだった]
冗談じゃないって言っただろう。
俺は全部本気だよ。
[彼の背後から声をかけ、先ず細身のバイブの先端を
蜜のぬめりを帯びた秘所へ、幾度か緩く押し当てて]
さて、入るかな?
[くつくつと哂う甘い音と共に力を込めていく。
潤滑油のかわりに、あの蜜に混じる薬が直接粘膜から吸収されていくのが、彼にまだ理解できるだけの理性があるだろうか]
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[押さえつける力は存外に容赦なかった。
幾ら本調子ではない頭でも、今自分がとらされている姿勢が
どれだけ屈辱的かということぐらい把握できる]
『本気なら尚更──ッ』
[質が悪い。けれど言葉が喉の震えに消える。
何かが押しあてられる感覚。拒否を示すように首を横に振る]
『嫌、だ…ッ』
[はっきりと言葉で拒否を告げているにもかかわらず、
その行為が止められることはなく、逆に押し込まれる圧迫感に
喉からごく微かに悲鳴じみた響きが零れた。
琥珀に融けた薬が、神経に火をつけるのは時間の問題か]
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嫌だ止めろはもっと言うといい。
聞き入れてはあげないけどね。
……逆に燃えるよ。
[悲鳴のような音を聞きながら奥まで深く埋めてしまうと、
バイブの固定された布の長い部分を股の間から前へ通し、腰のベルトに固定する。其処についた穴に細い鍵を差込み、くるりと回して留めた]
ああ、サイズは合ったみたいだね。
似合うよ、Jade?
[手についた蜜を、男は浴室にあるタオルで拭う。
決して自分では長時間触れも口にもしない]
さあ今日はもう遅い。
部屋に案内しようか。
[男は青年を連れて地下室へと足を進める。
蜜で汚れた床は後から召使が痕跡を残さぬよう拭っていくのだった]
[暗く光の差さない地下に部屋が幾つかある。
どれも鉄製の扉が厳重に入り口を守っていた。
最奥の部屋をあけると、中からは僅かな血のにおいがもれる。
石造りの部屋は独房にも似ていて
天井から吊るされた錠であったり
床にこびりついたどす黒い血の跡であったり
壁に備え付けられた数々の機具が、此処がどのような部屋かをあらわしていた]
今日は長旅で疲れたろう?
ゆっくり休むといいよ。
[言葉はねぎらうように優しく。
男は彼の手を拘束すると天井から吊るされた鎖に繋ぐ。
少しばかり鎖が長いが、完全に座ることは出来ないだろう。
尻に嵌まったバイブのスイッチを押すと
ひらりと手を振って男は彼を置き去りにする。
電池が切れるまでか、朝日が昇るまでか
彼の夜はまだ*始まったばかり*]
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[うずめられたものに対する違和感は酷く。
表情を歪めて、その圧迫感と羞恥に耐えるしかなかった。
頭の中でとりあえず離れていこうとする理性を必死に繋ぎとめ]
『相、変わらず、最悪の、センスだ』
[まるで気紛れに花を愛でるかのような言い草に、
まだ壁に押さえつけられたまま男を睨んだ。
手をぬぐうその姿に、二度とこの男を言うことだけは
信用するまいと固く心に決めた。
元々信用などしていなかったに等しいのだが]
『檻の、間違いじゃないのか』
[床の上に琥珀の足跡を残しながら、連れて行かれるままに向かう。
部屋なんてそんな上等なものを寄越すはずがない。
そんな風にある程度は見越してもいた。
けれど、実際に連れて行かれた場所に流石に言葉を失った]
[続く鉄の扉の最奥の一枚。開かれたその場所は鉄と、血の匂いと。
石造りのその場所は冷えていて、体が自然と小さくなる。
そのせいで、穿たれたものの存在を余計に体に知らしめて
表情の歪みが少しだけ濃くなった]
『休む?』
[こんな状態で、こんな部屋で。
ましてや拘束されて、こんな状況で。
休めるはずがない。ありえない]
──ッ
[拘束された両の手は吊りあげられ、僅かに吊るされる。
酷く不安定な姿勢に加えて、玩具のスイッチ。
ガシャン、と手元で金属が抗議するかのような音が響く。
遠くなっていく背中、取り残されるその場所。
肌の上に残るも押し込められた玩具が蠢いて中に塗り込めるようのも蜜。
ゆっくり燻り続ける熱を持て余すも、声を上げる事はない。
ただ、石造りの壁に沁み込むのは微かな吐息と金属の歌だった*]
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[寝台なんて無い、地下室は奴隷部屋というよりも
拷問部屋といったほうが正しい。
男は部屋に戻り、モニターのスイッチを入れた。
4つに別れた画面に映し出されるのは燻った熱に悶えるJadeの姿。
四方から映し出された彼の痴態に、薄く笑みを浮かべる]
声を出せば少しは楽になるだろうに
それとも嗚呼、若しかして後ろは経験済みだったか
あれでは細すぎて届かないのかな?
[自室で呟いたところで彼には聞こえない。
じわりと浮き出た汗で蜜が流れていく。
臍を伝い、そのまま下へ――茂みを重く濡らす。
彼の中心は流石に反応を示し始めていたか
抑えたような吐息を上げる翡翠の表情を眺めながら
男は部屋で紅茶を愉しんでいる]
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―地下室―
───…ッ……
[モニタリングされているなんてまさか思いはせず。
かと言って、声を上げるわけではない。
神経を支配する熱に抗うように、
首を時折緩く横に振った。喉が震える]
(──苦し、い)
[無理矢理飲み込まされた細い杭は、
馴れない体を、狭い蕾をゆっくりと嬲る。
苦しくて、熱い。体が自分のものではないようで、
それが堪らなく気持ち悪くて仕方がない。
薄く滲んだ汗は蜜を浮かせてゆっくりゆっくりと流す。
性は本当に僅かに反応を見せるにすぎなかった]
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