198 かるらさんのうなじ争奪村
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[こんな想いは拒まれても仕方がない。
身を離そうとしたが、落ちてくる唇の感触に、強張っていた力が抜けていく。
自分の存在意義が彼の中にもあるのだと、その言葉に喜びを感じた。]
――陸。
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[>>2:443>>2:444翔と]
そうだね、ありだ。 お互いに居心地のいい場所だったら。 それが恋愛感情でも友達関係でもいいと思うよ。
…「好き」がわからないから、欠陥とかないと思うけどね。 人間、好き嫌いなくて生きていけるわけないしさ。 無くした訳でも、ないんだし?
[伸ばされた手は拒否しない]
俺のことを好きになったら?別に、いいよ。
(1) 2014/10/09(Thu) 06時頃
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……痛い、よ。
[強く抱き締めてくれるから。
逃がしてくれそうにはないから。
ばくばくと煩い鼓動が落ち着くまで。
小さくなった鬼灯が落ちるまで。
姿も温もりも消えてしまうまで。]
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[俯いた彼の髪に手をのばす。 ここは夢なんだと思えば、案外なんでもできるものだ
友情であれば喜んで受け入れよう。 恋愛の意味ではどうだろう。
玲にずっと片思いのような感情を持っていた。 だから、すぐにはいどうぞと受け入れられる訳でもないだろう。
でも、忘れる方法があるなら、とその身体すこし引き寄せた
会わなければいけない人はまだ居たのに 鬼灯が一つ消えたことはまだ知らない。*]
(2) 2014/10/09(Thu) 06時半頃
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[告白の前に唇同士を触れ合わせるのが怖かったのに。
陸のキスが唇にまで至らなかったことに気付く。
拭いされたはずの寂しさが、過った。
忘れたくないと、思えたのに。**]
―朝―
[電子音を掻き鳴らす目覚まし時計を黙らせ、シーツを頭から被り直す。
休みの日なんだから、もう少し寝ていたい。
微睡んで居ると、横腹に衝撃。]
う゛
「起きろー」「起きて遊べー!」
[甥と姪が乗っかって跳ねているのだ。勘弁してくれ。]
……わかった、わかった!兄ちゃん、起きる……から
[一度身を起こす。朝からロリータ色の強い服を着た甥と姪をベッドから下ろし、再び枕に頭を沈めた。]
「あー、ニコ兄ちゃん、また寝るー」
……寝てないって。大丈夫。
「兄ちゃん、金魚に朝ごはんやっていい?」
…………え?
[――金魚?
頭を仰け反らせ、甥の方を見る。
小さな水槽の中に、赤い金魚が6匹泳いでいた。]
[甥と姪を追い出して着替え始める。
どうして、覚えて居る?
忘れて良かった。
忘れたくないと、思った。
忘れて――…]
……ん?
[足元から猫の鳴き声?>>*0]
……気のせい、か。
[水槽の金魚は餌を求めて活発に動いている。
視線を天井に移し、シャツを脱いだところで寝転んだ。]
こら、部屋から出ろって言―――っ!?
[舐められた?>>*1]
ぎゃあ"
[可愛らしくもない悲鳴を上げてベッドから離れる。
その拍子に小獣が床に落ちた。>>*2]
な…… なん……
[壁に背を預け、逃げ腰。]
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[翔とその後、どのようなやりとりをしたか。 知っているのは周りを飛ぶ鬼灯の蛍火だけ。 光が薄いのは月明かりのせいではない]
…俺、会わないとといけない奴がいてさ。 ここが夢の中なら、醒める前に。
[手をそっと彼から離す。 忘れられるだろうか。15年越しの片思い。 でも、翔へ詫びの気持ちは嘘じゃない。 だから、彼が望んでくれるなら、できる限りは応えたいと思う]
もし夢から醒めても忘れないように。
[綺麗な栗色の髪に口付け一つ]
(14) 2014/10/09(Thu) 11時頃
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[避けるという選択肢はなかった。出来なかったともいう。
腕の中を見下ろし、まじまじと見詰めた。]
………あぁ、そうか。君は カミちゃん。
うん……多分、元気だよ。
そう、僕の家で、僕の部屋。
親戚以外じゃ君が初めてだ。
[抱き直して、頭を撫でた。]
……おはよ。
君のことも忘れてしまうかと思っていたけど、その心配はなかったようだね。
はいはい。プリティダンディーなカミちゃん。
[猫を撫でる感覚で良いのだろうか。
辿々しい手付きでよしよしと応える。]
お祭りは――半分楽しかったよ。
準備とか、プロデュースとかって……
あぁ、……ごめん、ごめん。
僕達の為の、夏祭りだったんだね。あの、不思議な場所は。
[ひとしきり撫でた後、着替えの為にカミちゃんをベッドに置いた。
真っ白なシャツを選んで袖を通す。
ズボンは膝丈のカーゴパンツ。]
……カミちゃんの せいじゃないよ。
全部、僕が足りなかっただけ。
例えば――…友と、ちゃんと話して居なかった――とか、ね。
[赦してあげていなかった。
本を受け取って、あげていなかった。
気に病ましたままかもしれない。]
………出掛けよう、か。 おいで。
エキストラ、も?
不思議だとは思っていたけど、凄いねぇ。もしかして、名前の通りの神様なのかな。
[好きにやっている言にくすと笑う。
それでも、軽くしてやれればって思うんだと目を細めて答えた。]
ひとつ満たされれば、また不足を訴える。そうやって、高みへと上る人もいれば落ちる人も居る。
足りてしまえば――それは終わりなのかも知れないね。
……って、ちょ、見ないでくれる、かな。
[見ても良いけど色白とか、言わなくても良いじゃないか。]
………ほら、君も、足りない。
そうだね……何処に、行こうかな。
[眺めのよい、高いところにしようか。]
[部屋から出ると、狭い場所に出た。
ロープウェイのはこの中だと知ったのは、ガラス越しに見えた街の風景。
がたんと揺れて動き出す。
落ちてはいけないと、カミちゃんを肩から膝の上に下ろした。]
[気をつけて――
願った声は、きっと届いているはず。]
……
[白い椿。
赤い椿。
忘れることも、秘したままの想いも告げてしまった。
満月はもう見えない。
涙のような細い三日月が、ただ空に在った。]
………あ、ほら、港が見えるよ。
[遠くを指差す。高い場所からでないと見えなかった光景。
はこの中では風の音も聴こえない。
祭り囃子も聴こえない。]
陸、どうしている……かな。
[一人にしないで。
孤独にさせないで。
願ったことは、残した心は。]
[がたん、がたん。
背凭れに背を預け、頬杖をつき外を見やる。
シャボン玉のようなはこの中で。まるで椿の蕾のようだと、己の白い手を、赤いカミちゃんの背に置いた。]
君の赤は焔のようだから、美白が足りなくても綺麗だよ。
[憤怒の焔か浄化の焔か。]
思えば不思議な子だった。ファンクラブがあっても頷ける。
僕たちから花を集めて、どうしようとか……あるのかい?
おや、随分とカミちゃんは友に手厳しいね。
何か気に障る事でもしてたかな。
[肩を竦めた。
楽しんでくれている様子に曽井も嬉しくなる。
山肌では秋の花が咲いていた。
彼岸花ではない、花が。]
玲……か。
[どんな大人になっているのか、想像は難い。
けれど。]
そう、か。まだ、星が好きなんだ。
[陸への伝言が叶うという。
考えてみたものの。
彼が赤い椿を咲かせて渡すというのなら、邪魔になってしまうから。
白い椿を咲かせて渡すというのなら、消えてしまうから。]
………いや、いい。
ありがとう、気を使ってくれて。
[また、いつか。]
[――出逢う事が出来たら。
大人になって、現在進行形で変わったところも好きにになれるか知りたいと思った。
友情の好き、でも。
恋の、好き……でも。]
[山頂駅に到着した。
広場は強い風が吹いているはずだったが、そよと心地好い風が吹く程度。
間もなく陽が、沈もうとしていた。]
白い子が、お人形……
[常なら信じ難い話だったが、不思議な夏祭りを体験したばかりだ。掌の下にはカミちゃん。]
……そっか。
あの子は必死なんだ、ね。
[受け入れた。]
お通夜状態になったとしても、ファンクラブの子達は白い子のお願いが叶えば良いと、思ってると良いな……。
[ほんわりとしていたが、
流石に頭痛を覚えた。]
なん、だって?
綺麗すっかり忘れるかと考えていた、けど……
[恋心だけは、そのままだって?]
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