―ボスのお屋敷―

きゅうーん。

[全身をがっつり洗われた後、板張りの床の上で休息中。
またびしょ濡れになるのはちょっといやだったけど、汚れたままだとお屋敷に上がれないから仕方なかった。]

くーん。

[人間状態で穴に落ちたから、むき出しだった手足や顔のあちこちに、小さな擦り傷ができている。
人間って不便。毛皮って便利。]

『みんな楽しく遊んでるのかなあ……
コリーン大丈夫かなあ……』

わふ？

[遠くで、何か不思議な声がするような。
伏せた姿勢のまま、顔と耳だけ持ち上げた。

聞いたことのあるような、鳴き声。

そして、ヒューの遠吠え。>>*2>>*3]

『何だろ？何か怖いのが来てるのかな……？

大丈夫だよね？
ボスは留守だけどギリアンもいるし、ダン……はどっか行ってるんだっけ。
でもニールとかジェフとかがちゃんと見張りしてる筈だし、心配要らないよね？』

やる気まんまんのヒューを戦闘要員にカウントしていない不思議。

『……あっ。
さっきトニーを掴まえようとしてたあのぐにゃぐにゃの鳴き声だったらどうしよう！
あれがたくさん襲ってきたらどうしよう！』

きゅーん……。

[怖い考えになってぷるぷるしている。**]

わふん？

[ギリアンの声が聞こえる。
やっぱり、ちゃんと大人たちが森を護ってくれてるみたい。>>*7

でも「ぴんぽんぱんぽーん」ってなんだろう？]

[若い狼たちを安心させるような声の後、怒った遠吠えが聞こえた。>>*8]

『ヒュー……？
また何かしたのかな？』

[自分の落ちた穴が、ヒューの残した不発弾だとは知らない。
助けてくれたジェフも、「誰がこんなものを」って首を捻ってたし。]

くうん。

[小さく鳴いて、前足の傷を舐める。]

『もう痛くないし、しばらくこうしてれば治るよね。
森のことは大丈夫みたいだし、もうちょっと休んでようっと。』

[まだ遊びに出る気分ではないようだ。**]