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メモを貼った。
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−医務室−
[セレストと、話している途中だったはずだ。
それが。急に薔薇の香りが濃くなったように感じた。
なんだろう、と思って瞬きを繰り返す]
…あれ。
[おかしいと、気付いたのは何故だったか。
ただ、きっと自分の体も眠ってしまったんだと
漠然とそんなことを意識が捕らえた]
[部屋に戻ろうと歩き始める。
廊下の先に、友人の金を見つけて、一度首をかしげ]
ジェフ?
[声をかけたが返事はあったか。
新たに意識を失っている一人がいるのはわからず。
もう一人は、薔薇の会話のおかげで棘が移ったことを知ったのだが]
…。
[ぺた、と。
自分の頬に触れる。
触感はある。なのに、何だか違う]
…変なの。
[医務室に並ぶ眠る体の数々。
自分もそこに増えるのかな、とは思えど
しかし既に窮屈な姿勢とはいえ医務室にいるわけだから
恐らくこのままなのだろうとぼんやり感じた]
―廊下―
[足は地に付いているはずなのに、ふわふわと。
何処をどう歩いたのか、たどり着いたのは結局自室の前。
同室の後輩は何処に居るのだろう、まさか医務室に来ていたなんて知らずその扉に触れる。……さわれる。]
私の、本心……か。
[部屋には入れずに、頭を抱えた。
愛する弟の為のというもので本心を隠してきたのかもしれないと、抉られた疵からじくじくと滲む血が溢れていた。]
ベネット?
[声が聞こえたら、顔を上げて表情を繕う。
これぐらいのプライドはまだ捨てきれない。]
……ジェフ変な顔してる。
棘の位置が変わったから、もう一人こっちに来てると思うよ。モリスかな。
医務室を開けたら、いるかもね。
[繕われた表情は、余りに彼の雰囲気にそぐわない。
それを変だといって、医務室の扉前まで行く]
……他に誰か来てるかもね。
一定時間ごとに、誰かこちらに来るようだから。
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……。うるさいな。
[下手な顔しかもう、作れなくなっているのかもしれない。
それでも、いつも通り振舞おうとして。やめた。]
棘の?位置?
話がよくわからないんだが。
[話が見えなくて首を傾げる。
前髪が落ちると、少しだけ幼く見えるだろうか。あまり似合ってない気がしていつもは流してしまっているが。]
一定時間ごと、って。
寮内に残っている全員が寝てしまったらどうなるんだ。
まさか二度と目覚めないなんて、無いだろうな。
…
[ふに、と自分の眠る体の頬をつまむ。
これは駄目らしい。
それから、ふと思い付く。
ここに自分が見えている人がないのなら。
誰も、同じ"空間"にいないのなら]
……怒られるかな。
[眠る金色の、その短い髪を撫で。
閉じられた灰色の瞳に
酷く柔らかで微かな口づけを落とす]
[確かに寮内なのに、いつもと雰囲気の違うそこを歩いて結局たどり着いたのは医務室。
自分の体と対面してしまうかもしれないなんて、思いつつ。]
居たら、話を聞いてどうにかなるものか。
しかも何故モリスだと、わかるんだ。
……すまない、私は何も知らない。
俺には、薔薇の精と棘を宿した人の声が聞こえるんだ。
さっきまではモリスの声だったけど。
今はもう別の人の声がするから。
[それが誰とは言えず]
オスカーもこちらに来ていたからね。
全員眠ってしまったら?
薔薇が満足して解放してくれる…と思うけど、どうかな。
少なくとも、この原因を作り出した薔薇の精は、俺たちを殺したりとか、そういうのが目的じゃないみたいだしさ。
綺麗に咲きたいだけなんだよ、きっと。
[医務室のドアを、開ける]
はは、知らなくていいよ。
俺だって、棘が中に入ってなければ知らないままだった。
棘は、俺の身体が嫌いだったみたいで入ってすぐ落ちたけど。
[扉の向こうには、ジェフェリーの同室者であるヴェスパタインの姿が見えて]
……ん、ジェフに後は任せた。
お邪魔虫は退散するからさ。
[そういってくるりと背を向ける]
?
[意味が解らない、と顔には浮かんでいただろう。]
綺麗に咲きたいから、俺たちを眠らせたのか?
冬なのに?
[ベネットの言う話がまるでわからない。
しかし、聞いても答えてくれなさそうな雰囲気に苦い顔をして。]
お邪魔虫、って何……
ヴェス!
[覗いた医務室に見えた姿、寝たままの自分とヴェスパタイン。
中に足を踏み入れて、近づいた。]
お邪魔虫って、その通りの言葉。
[医務室を後にして、今度こそ自室の方へと向う。
ふわりふわりと足取りは軽く。
辿りつくと、オスカーたちの姿が見えたか。
開けられた窓から心地よい空気が入ってくる]
ただいま。
[そう言って、ベッドに腰掛けた**]
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―医務室―
[酷いタイミングもあったものだ。
何も口付けた瞬間に現れなくても、と
そんなことを思うのだけど
今は正直それどころではない]
……!
[慌てて、反射的に体が逃げようとして
派手にすっ転んだ。
こんな体でも、痛いものは痛いらしい。
けれど、その脇を抜けていく足に気がついて]
[モリスを抱えたサイラスの姿。
やがて、眠った自分にされる口づけ]
…サイラス
[微かにこぼれた声は苦い。
抱き締めて、触れることもできない今をいくらか恨んだ。
床に伏せたまま、起き上がるまで
いくらかの時間を必要とした。
色々ありすぎて、ジェフをまっすぐ見ることも
今は出来ずにいる**]
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― 自室 ―
……雪……
[部屋に戻れば、開かれた窓。
その先の光景に呟いた。
眠る他者の姿は既に見ている。
だからこれは夢なのだろう、と
なんとなく分かってはいるけれど。
僅か、薔薇の香りが薄いくらいで
部屋の構造も、外の景色も、
そして同室者の二人も。
現実となんら変わらないことに
一種の感動を覚えていた]
……ねえ、ノックスせんぱい。
せんぱいは、ベネットせんぱいが、
好き……なんですよ、ね?
それに、ベネットせんぱいも……
[窓から雪に手を伸ばしていた少年は、
不意に言葉を紡ぎ始める]
僕、二人の邪魔ですよ、ね。
お部屋……変えてもらったほうが、いいんでしょうか。
[その目にあるのは不満や寂しさではなく、
そうあるべきだという意思。
傍に人がいてなお孤独なよりも、
離れたほうが楽だと知っているから**]
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―自室―
部屋を変わった方が良いとか、ないよー!
[オスカーの問いかけに照れて、しかし、その直後の提案に声をあげた。]
オスカーも、俺にとって大事な同室者だよ?
[叶うなら、いつもするように、ぎゅっとその身を抱き寄せて。
例えば、べネットは、もう直ぐ卒業して去ってしまう。
そうなれば、結局他の誰かと同室になるのだ。
そして、オスカーに知られて何よりも恐れたのは、彼との今までの関係が壊れること。
べネットへの想いを認めて、受け取って貰えた時に、他の誰かとの関係が失われる覚悟は、したはずなのに……。
当たり前と、そんな顔をするオスカーとは裏腹、ノックスは悲しそうな顔をした。]
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──医務室──
[見かけた姿は今何をしていた。
まるで、あの童話のような姿。眠って居るのが自分でなければヴェスパタインは完璧に王子様だったろう。]
何故。私はヴェスに、……酷い事しか、しなかったのに。
[崩れた姿に慌てて歩み寄る。
サイラスとセレストが同じ部屋に居るのに気がつかなかったが、ヴェスの姿が二人あることに気づけば弟の、思いがけない姿もばっちりと見てしまう。
ぎりり。痛んだのはどちらへの感情か。
している方もされている方もつらい。
どうしてこうなったのか、良くわからないが。こんな顔を二人にさせてしまったのは自分が居たからだろう。]
[自分に素直になれ、プライドを捨ててでも手に入れたいのは何だ。]
……部屋に、戻らないか。
[動けない姿に手を伸ばし、その肩ぽんと置く。
逃れられなかったら、触れられた事にほっとして少しだけ表情は緩んだ。**]
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……大事?
[抱き寄せられ、少年は目を丸くする。
不思議そうな表情でノックスを見上げた。
自身はまだ特定の誰かに
特別な感情を抱いたことは無い。
だから自分の経験と、ノックスの言葉と。
どちらが正しいのかは判断出来ず]
……なら、ぼくは。
せんぱいたちと、一緒に。
いたい、です。
[自分の素直な気持ちを口にすることにした**]
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―医務室―
…理由がなかったら、しちゃいけないわけ。
[視線を合わせないまま、小さく呟く。
いつもだったら、笑って軽く冗談だと
それで済ませられただろうに。
肩に置かれた手には逆らわなかったけれど
眠っている体を一度だけ振り替えると
自分の体へと一歩ちかづいて]
…────、
[自分の唇に、口づけを。
感触なんて何もないけれど。
それから、ジェフを無言のまま先導するように歩き出す。
行き先は告げられた場所]
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[部屋についたのはどのタイミングか。
話の内容が掴めず、二人が抱き合ってるのを目撃]
……えと。お邪魔?
[ベッドに座ったのはいつも通り。
嫉妬心がむくりとしても、表情には出さない]
おかえり、先輩。
もー、聞いてくださいよ。
オスカーったら、部屋別にしたほうがいい?
なんていうんだよ。
[オスカーが一緒にいたいと言えば、
あたりまえじゃないかとぎゅむぎゅむした辺りで
ベネットが帰ってきたので。
ぷぅっとしながら振り返り言の葉をつむぐ。
ベネットの表情は、常と変わらずに見えたので、
そのまま勢いよく続く言葉。]
でも、一緒がいいって、当たり前だよね。
[と、ベネットを呼びながら響くノック音。
声からすると元会長だろうか……どうしよう?と
ベネットに尋ねる間に扉が開いたけれど。]
あ、レオ先輩は、まだ起きてる人なんだね。
なんか変な感じ……――。
[こちらに気がつかずにいく様子に、苦笑いを浮かべた。
多分、その背後で、少し薔薇の声が騒がしく、ノックスは僅かに困った風な顔をした。]
オスカーが部屋を?
えと。なんでそうなるの。
ひょっとして邪魔だと思ったなら、違うから。
オスカーがいてくれないと、困る。
それにさ、俺がいなくなったら誰が来るのかわからないの、やだし。
[オスカーに向かって声を掛ける。
少し間をおいて]
オスカーですらちょっと妬けるのに、他の人ならもっとやだよ。
[そう言う表情は笑いつつも少しだけぎこちない。
不意に声がして扉が開く。
レオナルドが立っていて何事かとそちらを見た]
レオナルドがまた出ていくと肩を竦めた
[あれ、なんだか信用されてないような言葉
聴いた気がする……と、ちょっと考える間。]
別に、浮気したりはしないけどなー。
[そしてぶつぶつちょっと言ってみたりするけれど。]
モリスからサイラスに棘移ったみたい?
でも、なんだかサイラスの様子が……。
[変だよなぁと、つぶやく内容はそのうちかわり]
後、どのくらい必要なのかな。
薔薇ちゃん……―――。
[今までより僅かに心配の色が濃くなるのは、
モリスの懺悔の言葉を知っているから。]
浮気とかじゃなくて、俺が嫌なんだよ。
[ただの独占欲で嫉妬だと、わかっているのに。
目の前の好きな人は誰にでも抱きついてしまうから]
あと、どれくらいだろうね。でも、サイラスへの棘は、よくない方に作用してるみたいだから、少し不安だな。
[聞こえる声に眉を寄せた]
どっちかっていうと、ベネット先輩の方が心配だなぁ。
だって美人だしー。
オスカーも可愛いから、気をつけるんだよー。
[ベネットの小さな嫉妬心を知って、へらっと幸せそうに笑うものの、その後、眉はへにょっと八の字を書く。]
もうひとつ咲かせたい蕾があるんだっけ。
ジェフ先輩がこれ以上じめじめしないうちに、
どうにかなることを祈るよ。
[嫌いだと、今も減らず口を叩く。が、ジェフも心配ではないわけでない。その付属として、友人のヴェスパタインの姿も、ちらつくけれど。]
もー……、ミルウォーキ兄弟のもてっぷりも
困ったもんだよねー……。
[ついでに、サイラスの方にもモリスだけでなく、カルヴィンも想いを寄せていたような節を思い出して、大げさにため息を吐いた。]
――医務室――
……ヴェスがしたいのなら、構わないが。
それは反応しないだろう。
[眠ったままの身体、意識は今ここにある。
肩に置いた手は避けられないまでも、いつもの顔は見られない。当然といえば当然か。
歩き出せば後を追う。
途中、ソファの上のヴェスに触れてみるが指は通り過ぎた。
ぎゅっと拳を握って歩き出した。]
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