88 吸血鬼の城 殲滅篇
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[感傷も言い訳も要らない。
唯一の望みに、
錬金術師の、治療師の誇りも、
人の心も魂までも賭け《ベットし》たのだから。]
[深い水底に落ちるように、消耗しきった心は眠りにつく。
次に目覚めるのは、死者のために用意された地下聖堂。]
―― 地下聖堂 ――
[目覚める為の力は未だ足りない。
否、目覚めるに足るだけの贄は確かにあった。
けれど、この魔性が現世に戻る要素が欠けていた]
―――……
[城の何処かで命の灯火が消えた気配を感じ取れば
女は微かに柳眉を寄せた]
[鏡は討伐隊と吸血鬼たちの様子を映し出す。
それを見る者が居る居ないに拘らず、気紛れに――**]
―地下聖堂―
[……はっと目を見開く。
見知らぬ天井、濃密な花の香。]
ここは……
[ゆっくりと身を起こし、辺りを見回す。
見慣れぬ、部屋だった。]
[そこで、最後の記憶を思い出した。
見下ろす自分の身体には、傷も汚れもなかった。
焼け焦げ血に汚れ、ボロボロになっていた筈のローブさえ、この城に足を踏み入れる前と同じに戻っていた。
両の手のひらをじっと見つめる。
薬品の滲みのついた指先も、記憶のとおりだった。
ポーチから小さな刃を取り出し、指のはらをつつくと、ぷくりと血の滴が盛り上がった――ように見えた。
だが。]
[痛いのか痛くないのか分からない。
このかすかな指先のうずきは、痛み――なのだろうか。
傷ついた指をしゃぶると、ほんのりと潮の味を感じた――ような気がした。]
[事態を悟ったのは、ラルフの姿を認めた時だった。
吸血鬼であるアヴァロン伯、行方不明と聞かされたエリアスはともかく、死者となったことが疑いないラルフが生前と同じ姿でそこにいるのを見れば。]
ああ……――
それでは、やはり、
[叶わなかったのか。
笑みの形に強張った、わななく唇で呟いて、眼鏡を外す。
俯き右手で顔を覆って、長い間そうしていた。**]
[地下聖堂に増えた気配。
向けられる視線。
紡がれた言葉。
女は新たな犠牲者へと眼差しを向けた]
また、一人……
[顔を覆うレオナルドの様子をゆると窺うが
声掛けるは憚られそのままくちを噤んだ**]
―回想:地下聖堂―
[エリアスの姿を見れば、ふと視線を落とす。]
そうですか、貴方も……。
[寂しげな笑顔を浮かべながら、新たなる客人に軽く会釈を。
二人の言葉を聞けば、物憂げに視線を彷徨わせた。]
こうして、ここに居るからには……。
僕も、神の御元に招かざる立場という事なのでしょうね。
[疑いがあったとはいえ、無抵抗の女性を手にかけ。
そうして、追われる身となって生を終えた。
最後に相対したのは愛する主を失い復讐鬼となった男であったが。
不思議と、その男の生き様を羨ましくも思うのだった。]
[死にたくなかった…という言葉を聞けば
切なげに目を細める。
だが、アヴァロン伯の言葉には、僅かに顔を青ざめさせた。]
闇に属する者としての生とは……。
[それはつまり。
自分達が対峙してきた、吸血鬼と同等の存在になるという事。
心の中で、恐怖と反発とがせめぎ合う。
だが、鏡に映る友人――ドナルドの姿を目にすれば……。]
…………新たなる、生……?
[自身の持つ道徳心は拭いきれず。
かといって、新たなる生を受けた仲間を否定する事も出来ず。
どうしていいかわからず、ただ呆然と鏡を眺めるのだった。]
―現在:地下聖堂―
…………あぁ、貴方まで……。
[レオナルドの姿を見れば、悲しげに目を伏せる。
右手で顔を覆って俯く様を見れば、視線を外し。
かける言葉も見つからず、深く、息を吐くのだった。]
他の皆は、無事なのでしょうか…。
誰か一人でも、無事で居てくれれば……。
[一縷の望みをもって、再び大鏡へと目を向けるのだった。**]
[聖堂に収められたるは吸血鬼の灰。
朽ちることなき其れは女が蘇るに必要なモノ。
どちらか選べぬ様子のラルフを見遣り
少しだけ困ったような笑みを浮かべる]
闇に生きるか
このまま朽ち果てるか
選ぶのは貴方自身
――…けれど時間は限られる
余り時間が経ち過ぎては蘇る術は失われるかと
[エリアスを一度見詰め
女は自らの力が届いたか否か確かめるような素振りをみせ
ゆら、と立ち上がる。
ふと誰かに呼ばれたような気がして
聖堂の中央で仄暗い天井を見上げた**]
[額に暖かさを感じ、そっと目を閉じた。
アヴァロン伯の言葉を耳にする。
心地よい響きに包まれて、意識が混濁していく。
魔女と疑われ。
異端審問という名の拷問。
言葉も届かず。
赦しを請うても聞き入れられずに。
幾つもの忘れ難き記憶が浮かんでは消えて。
最後に浮かんだのは救済の言葉をくれた女の顔だった。]
―――…。
[目を開けるとそこには女性の顔があった。
何やら様子を窺っているようだが、よく分からない。
どこか懐かしい気がする。
女性が立ち上がるとそれに釣られるように視線を動かし、他にも人がいた事に気づいた。
――知らない人。
知らない場所。
知らない人。
それでも不安もなく、ぼんやりと辺りを見回している**]
朽ち果てる……。
[女の言葉を、声を落として呟く。
やがて崩れ落ちるであろう自らの肉体を思えば、生への執着が芽生えもするが。
持って生まれた敬虔な心との間でせめぎ合う。]
僕は…………。
[救いを求めるかのように、かつての仲間の姿を求め視線を彷徨わせる。
だが、そこにあるのは救いではなく――…。
より一層自らを苛む事になるのだった。]
[やがて、アヴァロン伯がエリアスの元に赴くのを見れば。
じっとその表情を窺う。
エリアスの選択を受け入れながらも。
自らは決断を下す事が出来ず、ぼんやりとした表情を幾分羨望の眼差しで見つめていた。**]
[――随分と時間が過ぎてから。
覆った手のひらの下で唇がくっと歪む。]
……そうですよ。
とうに分かっていたことだった。
[ふふ、と自嘲の笑いが口をついて出た。]
[幻聴かと思い始めたその時
今度は確かな呼び声が女の鼓膜を震わす。
女の名を呼ぶのは騎士の声
一つ一つの言の葉がクラリッサの心を揺さぶる]
――…同じ世界で生きて呉れる ?
本当に、…… ?
[途惑いながらも今は遠くある騎士の声に応え
込み上がる何かを堪えるように柳眉を寄せる]
[帰還を促す声が胸に響く。
騎士の流した血が城を伝い地下に眠る灰へと集まってゆく。
聖堂の棺に収まる灰が元の形を取り戻し始める]
ヒュー、私の騎士……
[秘めやかに騎士の名を呼ぶ。
彼の思い籠もる呼びかけとその血をもって
蘇るための要素は満たされる。
語りつくせぬ想いを抱いたまま女は一度目を伏せた]
[術は効力を発揮したらしい。
深紅の双眸がエリアスと交われば緩やかに笑む]
エリアス、覚えていて
これがあなたの大切な名前
これからは私があなたの親になろうと思うのだけど
――…あなたは其れを許して呉れる ?
[頼りなさを自覚していたから
控えめにエリアスの心を確かめる言葉を向けた]
人として死ぬも
魔として新たな生を歩むも――…
それは貴方がたの心次第
[ラルフとレオナルドの二人に
凛とした声を響かせ女は時が満ちるのを待つ]
この世に神などいない。
あるのは世界を動かす冷徹な機構だけだ。
また、そうでなくてはならない!
[唇から洩れ出した低い笑いは、徐々に感情の制御を失った狂的な哄笑へと変わる。]
貴方の仲間……
修道士さまに聞かせたい台詞ね
彼なら如何こたえるのかしら
[学者然とした彼の言葉に
ゆうるりと口を開く]
エリアス…私の名前。
[呟けばそれはしっくりと馴染み。]
貴女が私の親…?
[問われてアヴァロン伯をじっと見つめ。
やがて頷いた。
彼女を見ていると安心する。
彼女に委ねれば間違いなんてない、何故かそう確信して。
嬉しそうに笑みを浮かべた。]
[エリアスの笑みと返事に安堵の吐息が零れる。
ほっとしたような嬉しそうな
そんな笑みを頷くエリアスに向けた]
好かった
私の名はクラリッサというの
よろしくね、エリアス
[現世へと呼び戻そうとする騎士が紡いだ名を
守りたいと思う存在に告げて
女はこれから歩むべき未来を模索する]
[レオナルドの言葉を聞けば、切なげに目を細め、深く息を吐く。
彼がそう思うのも無理は無い。
正義の為にと果敢に戦った挙げ句がこの有様なのだ。
ともすれば、自身も折れそうになる心を懸命に支えながら。
それでも何かに縋り付きたいと、じっと時折鏡に映る未だ懸命に戦う仲間の姿を見つめていた。**]
クラリッサ様。
[確かめるように呟き。]
よろしくお願いいたします。
[深々と頭を下げた。
クラリッサは親になるという。
なら、娘の自分は何をしたらいいのだろうか。
疑問は浮かぶが、きっとこれから分かってくるのだろう**]
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