人狼議事


75 サプリカント王国の双子

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―自室―

 ……そうですね。
 その方が安心です。

部屋の奥へ進む様子、椅子にかけるのかと思えば、
 そう訝しむでもなく。

 それが、命取り。

 伸びる手は花弁に向かうものだとばかり。
 木槌に触れる様子は、身体の影になって見えず。]


 ――……っ!!?

振りかぶるのにとっさに反応出来なかった。
 そも、体格に反して争い事に慣れてるでもない。

 頭蓋に、衝撃。
 鈍い音は、耳の奥深くから鳴る気がした。]

 っ ぅ。
 シメオン、 ――……っ!

[当たり所が良かったか、ぐらりと歪む視界。
 がくりと膝をついた。

 低く、呻く。
 焦点合わぬ眼、それでも続く言葉と笑みに、
 睨むよう、咎めるように金に向けて。

 相手が愉悦を感じている等知らぬこと。]


[その木槌奪いとろうとするけれど、
 歪んだ視界では狙いすらつけられない。]

 ……っ  ぐ ぅ

[手は宙を切り、二度三度と打ち付けられる衝撃に
 身体は地面へ倒れこむ。
 がり、と床に爪立てて起き上がろうとするけれど。
 到底叶わず仰向けにされれば、
 眼の前映るのは刃の長い、鋏。]

 な に、 …… っ、
 あ゛……――!!

[焼けつくような痛み。目を限界にまで見開いた。
 叫びに近い声が上がろうとするも、喉を裂かれ阻まれて。

 刃が食い込む度、痛みにびくりと痙攣する。
 動く腕、縛ろうと裂かれる、王女のストール。
 無残になるのを横目で見るも防ぐこともできなくて。]


木槌を、指を。
 取り上げられれば朦朧とした頭、
 何を意図しているかもわからずに。]

 ――……、  〜〜っっ!!!!!??

[けれど、台となる身体と指に奔る衝撃。
 次いで、まるでそこにも心臓ができたかのような、
 どくどくと大きく脈打つ痛み。]

(指、を、――……)

[潰されては。
 もう、似合いの花飾り作ることも、できない。
 化粧を美しく施す事も。

 そこまで脳裏に過ぎれば、背に奔るのはもう恐怖に近い。]


 ……―― っゃ、 め ……!!

[制止の声など、まともに紡げやしない。
 ごぶ、と喉から、口から血を吐いていけば
 声帯はその機能を失っていく。

 指を潰される度痛みと苦痛に晒され、
 全身どくどくと脈打ち、痙攣し。

 目端を濡らすのは、痛みに自然浮かんだ涙。

 全ての指があらぬ方向に曲がるその時には、
 既に意識は霞がかった霧の、遠く、とおく向こう。]


[シメオンの、名を呼ぶ声、、あげる叫び
 それは、ふつりと途切れた意識には届かずに。

 床に伏し、薄く開いた奥のオリーブは生気なく。

 ただ、弱く打つ心臓がひとつ、抗議するようにどくり、と。**]


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―仮取調室―

[バタバタと男が駆け込んできて、目の前に座っている男へ耳打ちをする。
耳打ちされた男は、驚いたように目を丸くして、こちらを見てため息をついた]

 『先の事件と関わりがあるかどうかはわかりませんが―
  シルヴァーナ王女の世話係であるブローリンさんが襲われたそうです』

[告げられた新たな事件に、眉を寄せる]

 ブローリン…ハンスさんは、無事なんですか?

 『辛うじて一命を取り留められたそうですが、相当重症だそうです』

 そうですか…いえ、生きておられただけでも、よかった。

[ベネディクトを見つけたときのことを思い出す。
いや、正しくは彼の傍に倒れていた使用人の様子を。
命取り留めたといっても…大事でなければいいが、とため息をついた]



 で。
 その犯人もボクだとでも?

 『いえ、グレーアムさんには犯行不可能なことは、
  我々…警察が証人です。この件で疑うことはありません。
  それに、先ほどあなたとの監視役の証言で、
  ファトマさん殺害実行犯でないことも…確認されました』

 つまり。
 女王陛下殺害の嫌疑のみ、ボクに残っていると。

 『そうです』

 そう。
 それじゃあ、陛下を殺害したのと、
 ベネディクトさんを殺害したのと、あの人…
 ハンスさんを襲ったのは別の人だっていうわけですか。

 『それも、わかりません』



 でもあなたは…いや、警察は現にボクを陛下殺害の犯人として
 こうして疑っているわけでしょう?

 『ですから、それはあくまで可能性の話であって』

 まったく、あなたとは話にならないな。
 まあ、いい。ボクがここに居る限り、
 今後何が起きてもボクの潔白はあなた方が証明してくれるわけだから。

[まったく、興醒めだ。
あわよくば国王の座をと思っていたが、それどころではない。
このままでは一族のいいお笑い種だ。

空を見て、いい日になりそうだと言った瞬間が、恐ろしく遠くに思えた]

 なんて厄日だ―……。

[ふてくされたように椅子に背を預け、舌打ちを一つ**]


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