25 花祭 ― 夢と現の狭間で ―
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私は、僧としては浅ましすぎるのです。
[ゆるりと笑んで]
慎み深いわけでもなく。
仏の道にありながら、色々なものを欲しました。
お前も、その一つ。
欲して、手に入れても、心を動かすことはなく。
父は、私にそれを教えたかったのかも、知れぬ。
花を愛でる心。
口で言っても、心で解せねばわからぬこと。
お前が、いなければ。
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後で洗った方がいーぜ? あんまし良い見栄えっちゃねーし。
[現実味帯びぬは目の前の...も同じ 血みどろの姿を見ても 驚くどころか微笑んで居る]
連れてって。 ちょっと、躯が重いんだ。
[手を差し出したなら 表座敷まで連れ立ってくれたろうか 腹の種は口にしない 刷衛にそうするなと謂われていたから]
(3) 2010/08/09(Mon) 01時半頃
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そんな貌とは どんな貌だ…
[眉尻下げる胡蝶を流し見遣る紫苑色は
困ったような、怒ったような。
糸の絡む指先が更に絡まれば
そっと力をこめ
現世へと眼を向ければ]
…朧様
[主の名を、呼んだ。]
奏者 セシルは、メモを貼った。
2010/08/09(Mon) 02時頃
……人も元は獣であった故か
否、主さまの其れは主さま故でしょう
[苦い笑み]
欲して其の手に入れて
喰われても良いほど、心動かされたなんて
帰って報告は出来ませんね。
このまま私と、
[ちらり盗み見る
現世の交わり
高い嶺の灯火が消え――]
…………?
[否、彼方で明々と燈っているのは
思わず身を乗り出す]
[屋敷に火が灯る]
お前と?
[身を乗り出す様に手は離さず、ただ腕の戒めは解く]
友が、気になりますか。
行きますか?
声は届かぬとも、思いは伝わるかも知れぬ。
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俺も、なんか着心地慣れない。 和服ってすぐ着崩れすんの。 よくこんなで舞えるよな。
[着心地悪そうにする様を見 慣れぬ所為で崩れる白い浴衣を直し まるで二人が 異空間にでもあるかのよう]
ま、そんなとこ。 早く歩いたりしてくれなければ たぶん、大丈夫。
[布団には首を傾げ 連れられるまま座り込む ロビンとの事を知られるとは思いもせずに 座ってまた煙管に口をつけたか]
(13) 2010/08/09(Mon) 02時頃
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…――――いいえ。
[続く言葉は音にならず
首を振った。
手は繋がったまま、見上げて囁く]
往きません。
何処にいても見えるのですから
主さまの傍に居りましょう
さいごまで。
[そうして、冬色は現世を見遣る]
『…隠れて、…隠れて、』
[聴こえる声は現世に近い狭間の場所から。
混乱の屋敷の中で掻き消える程のか細い、幼い声。]
[消えた気配は形を作る。
己の命の果てた地に赤を踏みしめ降りるは黒い獣、鉄色の瞳。
其の肉体に質量があるのなら、たす、という音が聞こえようものを
けれどその体は地に着くや否や人の姿へと転変する。
黒い獣の姿は消えて
床の上に残るのは眠るように伏せる人の姿]
|
[火が放たれたとは知らず 伝えにくる使用人もおらず まだ表座敷は静かであるか それとも己の耳にだけ 声が届いておらぬのか]
なー、イアン。
ロビン殺したの アンタ?
[ぽつりと一片 問う桜]
(14) 2010/08/09(Mon) 02時頃
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[ふわりと浮かび、直ぐ消える影。
燃える色のべべ着た切り揃えられた髪の童。]
[受け取られた黒い笛の上で光が瞬く。
明之進の言葉を肯定するように。
悲鳴。怒号。炎。
人の形は崩れ、光が螺旋を描くように舞う。
邦夜に迫る危険を直接振り払うことは出来ないが。
護りたい。願いそうして主の傍に添う**]
ですか。
[傍にいるという花のその視線の向こうを見る]
すべて燃えたら。
終わるのか。
燃えても、此方には関係なく。
けれど留めているのがこの屋敷なら、すべて燃えればそれが最後なのかもしれません。
[花へ後ろから手を回し、包むように抱いて]
『…隠れて、…隠れて、』
[ふわりと浮かび、また直ぐ消える幼い姿。
その両手には赤と白、二つの花を大事に抱えて。]
[聞こえる喧騒、見える世界が赤く染まっていく
少しずつ少しずつ
其れは勢いを増すのだろう]
……燃えて、尽きて
そうしたら
[背後の温もりに身体を預け、
迦陵頻伽の囀りを聴く]
お別れの時です
主さま
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ターンもステップも、洋服のが楽だぜ? ダンスにゃいーけど 舞にはむかねーのかもな。
[笑いながら 用意された座布団がわりに身を預け]
そっか。 まぁ、誰だっていーんだけどさ。
[煙を吐き出して どこか果敢無く 笑う]
(20) 2010/08/09(Mon) 02時半頃
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[新たに増える姿。
目の端に映し、また花を見る]
別れといえど。
私はこの手をはずすつもりはありません。
そう言ったでしょうに。
[もそり、と起き上がる様は獸の姿に似ていた。
色切子の色彩の下でゆっくり体を起こし
一つ二つと瞬き重ねて立ち上がる。
死んだという実感がない。
蓮の花の匂いはあれど、
それを塗り込めるように灰墨の匂いがしていた]
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勝手な憶測だけどさ ロビンは幸せだったと思うんだ。
法泉、だっけ? ずっと花になるの怖がってた。 でもあの坊さんの花になって 愛したり、愛されたり きっと、そーゆーの知ったんだ。
[己はあげられなかったけど、と…]
月の瀬に、幸せを 得られてたなら 相手が俺でなくても、いいんだ。
[ぽつり、ぽつり 桜の花は散るを望み けれど散らずに咲き誇る]
(23) 2010/08/09(Mon) 02時半頃
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アンタの花主さま?
殺したいんだ、そっか。 いーんじゃね? 見つかるといいな?
[気でも狂って居るのだろうか けれど、そう念うは本心]
殺して、気が済んだら 教えてよ。
どんな気分だったか。
描きたいから。 俺ならきっと、殺さないから。
[閉鎖空間かなにかだろうか 此処は静かで血の臭いもせず 桜の花の香さえ仄か漂う、穏やかな]
(27) 2010/08/09(Mon) 03時頃
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[起き上がる姿
同じ、人に非ずとされるもの。
冬色で窺うように流し見る]
人が死して 行く先に
獣のゆきみちは、ありやなしや
[握った主の手に少し力込めて
背を靠れさせたまま、吐息ひとつ]
……この先が、赤く染まって見えぬ故
不安が胸を埋めたのです
|
俺の幸せ?
なんだろ、な。 ロビンの傍に居ることが、ずっと幸せだと念ってた。 だから、ロビンが生きろって謂うなら 生きることが、俺の幸せ。
[うっすらと笑う けれど]
でもな。 傍におかしな奴が居んの。 俺に構ったってなんの得もないのに。 優しくすんの。 やめろって謂っても。
[それは研師のことでもあり 消えゆく筈の椿でもあり]
(30) 2010/08/09(Mon) 03時頃
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傍に居るよ、セシル
……ずっと此処に……
[桜の内に微かな微かな気配
傍に人ある今は、聞き取れもしないような声だけど]
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よっぽど好きだったんだな?
でも、イアンがたくさん殺すなら イアンを恨む奴も多いんだろうな。 花主さまを殺した奴を憎む アンタとお揃い。
めぐりめぐって
殺したのは、アンタかもね?
[寂しそうなヘーゼルが 紅い眼の彼を見る]
(31) 2010/08/09(Mon) 03時頃
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[燃えている。焔は闇を塗りつぶすように
紅く、紅く、紅く。
白い鳥は蝶の傍に在りて
主の姿を探す。
絡めた指を、握り締めた。]
…―― 紅い ……
[「隠れて 隠れて」
幼い子供の声が、焔の中で揺らめく。]
|
なぁ。
生きるのは 辛いな。 大切なものを亡くしてまで 生きていくのは辛いな、イアン。
でも、そんな時ほど 甘えていいんだってさ。
それがむつかしいって判ってるけど。 ま、うけうりだけどな。
[刷衛の言葉を借りて謂う 紅い眼から落ちる滴に 伸ばした指先は触れるに叶うか]
やめろ、なんていうなよ。 折角、助けて、くれてるんだからさ。 素直に、手を取ればいい。
(36) 2010/08/09(Mon) 03時頃
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主さま
……どうか、この手
さいごまで繋げて置いてくださいね。
[淋しげな冬の色した瞳を揺らし
背の温もり感じながら、吐息をもう*ひとつ*]
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アンタ、俺にそっくりだ。
[笑んで、告げる 叶うのならその頭 己が膝に乗せようとするか 叶うのならその躯 慈しむように撫ぜるか]
大変だけどさ。 辛いけどさ。 千切れそうだけどさ。
生きよう?
[我が子を愛するように 己自身にそうするように イアンにするさまは まるで母親のようだろう]
(37) 2010/08/09(Mon) 03時半頃
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『隠れて―――かすみ、』
[またふわりと、]
『―――…かすみ、』
[浮かんでは消える童は見つけられぬ姿を呼んで]
『―――…かすみ、』
[呼んで、]
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