153 unblest blood
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―グロリアの部屋―
[リビングから廊下に出てまっすぐグロリアの部屋に向かい その足で扉を潜る。]
此処も取り込み中? ちっと失礼するよ。
[軽く首を傾げ、多少周りを気にしつつも寝台の傍まで歩み寄り 上着のポケットにさした花を枕元に捧げた。]
(1) 2013/12/07(Sat) 00時頃
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― 少し前・グロリアの部屋 ―
……アンタはよく分からんのにこんな酔狂をしでかしたのか
[自分の言葉を引用して返された言葉に、不快を隠そうともせず睨みあげた。
嫌がらせ、と言葉が続けば]
ああ、そう
そりゃー効果覿面だよ、どーもありがとうございました
[吐き捨てて。
しかしどうも腑に落ちない。
明らかに周囲の女性たちの目は鋭くなっているし、単なる嫌がらせにしても……]
……捨て身すぎるだろ
[呟いた言葉は恐らく誰の耳にも入らなかっただろうが]
― 少し先・??? ―
[ぼんやりと。
意識が覚醒する。痛覚も何もない。
此処は一体何処だろう。胡乱に視線を動かした先にあったのは、かつて自分だった物]
……ああ、死んだのか
[死後の世界など信じた事はなかったが、いざその身になってみると驚くほど腑に落ちた。
自分がどうやって死んだのか。そこにある『自分だった物』がどんな状態なのか。
思い出せず、上手く見えないのは死んだばかりで何かが安定していないのか、それとも永劫このままなのか。
既に重力の影響を受けない筈のその身体は、鉛のように重かった。
二度とこの島から逃がさない、とでも言っているように]
[先にこちらへ来ている筈の淑女の姿は、ない]
……?
[違和感を覚えて首を傾げた。
グロリアがいない事実に、ではなく、自分の精神、心の在りように]
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[祈るように目を伏せる。 神に祈るような事はしないけれど グロリアの為にのみ手向ける思いの、間。 そ、と顔を上げて]
――取り込んでないならいい。
[ジリヤの声>>4にゆると返す。 グロリアの寝台から視線はずし ジリヤ、サミュエル、クラリッサ、フィリップと 順に柘榴石のような眸を向けた。 クラリッサの応え>>5には再びそちらに顔を向け]
そ、か。 ――ああ、弔いに、感謝する。
[思い出したように彼女に礼の言葉を送る。]
(7) 2013/12/07(Sat) 00時半頃
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……ああ、そうか
[抜けている。
ダンピールをダンピールたらしめる能力と、衝動が。
恐らく、それらは現世に置いてきた身体にあるのだろう。
あの衝動が、あの能力が血の中にあるのなら。
血の流れぬ身体にそれらがないのは道理だ]
……死後なんてモンがあるなら
俺は間違いなく地獄行きだと思ってたけど――
[なるほど、これは確かに――どうしようもない地獄だ**]
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[サミュエルが悪趣味と称した行為はもちろん見てはいない。 気付けばフィリップに詰め寄り掴みかかるサミュエルの姿>>8に 微かに驚いたように目を瞠った。]
なんだ。 サミーも、か。
[ふと漏れるのはそんな言葉で]
俺も、さ、考えてみたんだけど。 やっぱフィリップ、お前さんが怪しいと思うんだわ。
[柘榴石をフィリップへと戻しぽつと告げる。]
(11) 2013/12/07(Sat) 00時半頃
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[響いた宣告>>9に細くなる双眸。]
怪しい、とかじゃなく、言い切るのか。
[仇討ちを言っていたクラリッサが動いていなかったということは 彼女にそれを知るだけの何かは齎されていなかったのだろうと思う。 フィリップが確証えられるような言葉を言ったとは考え難い。]
(15) 2013/12/07(Sat) 01時頃
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…………。
[ジリヤ>>14をじっと見詰める。]
男に“mommy”はどうかと思うぞ。
[母親を意味する幼児語と思い首を傾いだ。 クラリッサがサミュエルに近づくは知れるが 何を囁いたかまではこちらには届かない。]
(17) 2013/12/07(Sat) 01時頃
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確証あるなら、サミー、お前さんがやるか? 得物が必要なら貸す。
[腰に帯びた対の一つ。 ダガーの鞘を手にし柄の方をサミュエルに向ける。]
やる気がねぇなら、俺がやるけど? グロリア嬢の仇、なんだろ。
[仇討ちに固執はしない。 けれど手を貸す意志をクラリッサに告げた事もあり 仇という言葉を前よりも意識する。]
(23) 2013/12/07(Sat) 01時半頃
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[硝子の割れる音が室内に響く。]
――…は。
[ジリヤの手元に凶器と化したボトルだったものを見て]
あるなら、これは必要ないか。
[小声で話すクラリッサとサミュエルに視線戻した。]
早いとこケリつけようぜ。 死刑宣告しといて勿体ぶるのは悪趣味だ。
(25) 2013/12/07(Sat) 01時半頃
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[おしおきと称された行為>>27に片眉をあげる。 その間にも、呪詛が向けられるかもしれないのに。 そう考えて、海に還る話が過ぎり――]
…………。
[あれは冗談などではなかったのかもしれない、と そんな事を考えていた。 そうして聞こえた、続く声>>28]
死にたがりめ。
[ぼそりとジリヤに言葉を向けて唇を結ぶ。]
(30) 2013/12/07(Sat) 01時半頃
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[ダガーの柄を取ったサミュエルの言葉>>31にしかと頷く。]
ああ。 では任せるよ。
[サミュエルの手はフィリップを捉えたまま。 獲物を横取りするような野暮は好まぬから 口をはさむにとどめていたが 子供を大人が囲むような状況に些か居心地の悪さを覚えるのは 視覚的なものがあるからだろう。]
(34) 2013/12/07(Sat) 02時頃
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[クラリッサの言>>33からは浮かぶ待たせるのが可哀想な相手は 何故かグロリア一人しか浮かばなかったけれど。 ゆると頷き同意を示し]
呪詛が再びなされる前に。
[ぽつと言いながらフィリップを見詰める。 酒が飲めぬ事でふてくされたいた景色がふと過ぎったが 柘榴は揺らぎ一つ見せぬままその景色を焼き付ける。**]
(37) 2013/12/07(Sat) 02時頃
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[戦うのであれば一対一。 そう考えていたから押さえておくなど考えもしなかった。 クラリッサがフィリップを押さえ サミュエルがだがー振るうのをただ黙って見ていた。
空を切る音に肉を裂く音が混じる。 一文字に振るわれた刃がフィリップの喉を裂いていた。
赤い飛沫が舞い、甘美なる血の香が漂う。 男はそれに微か眉を寄せて欲を押し殺した。
止めに断たれた部位が床に落ちる音はなく 灰となってゆくさめを見詰める。]
(61) 2013/12/07(Sat) 03時半頃
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[フィリップが死しても真実がどうかは知れない。 確認の術ないままに彼の最期を見届けた。 サミュエルと視線向けて]
お疲れさま。
[労いの言葉と共に今は彼の手元にあるダガーを示し]
それ、暫く預けたままの方が良いか?
[リビングにあるケースに武器があるを知らぬまま 必要か否かを問う。]
(62) 2013/12/07(Sat) 03時半頃
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[ジリヤの反応>>40は受けとってはいたものの 直ぐに言葉は返さず、何処か困ったような笑みを一瞬浮かべた。
一人分の気配が消えて。 それから漸く彼女に応えを向ける。]
――海に、還るか?
[玄関近くで望むかと尋ねたと同じように訊ねた。]
(63) 2013/12/07(Sat) 03時半頃
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シーシャは、サイラスとマドカはどうしているだろう、とふと思う。**
2013/12/07(Sat) 03時半頃
─どこか─
[背中が痛む。
覚えのある背中の痛みに、男の身体の重みを受けて身じろぎ出来ない自分の身体。
記憶の中の目覚めなのか、それとも二度目の最期の感触なのか判らないまま、自分に起きた事を思い返そうと霞の様に朧で、けれどもきちんと思い出せる記憶を手繰る**]
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―グロリアの部屋―
[灰となってしまったフィリップ。 殺意を向けた相手を弔えるほど厚顔でも偽善的でもない。 ただ一瞬、己の手で屠った女と産声をあげる事さえ許さなかった子の存在を重ねる。 死の淵から蘇り人の理を外れた罪深き吸血鬼がうみだしたダンピールという存在。 子も親を選べずうまれおちたその時から親の業を担うか。 天敵として屠るべき存在として認識しながらも割り切れぬ感情は確かに男の中にも在った。]
――フィリップ。 見舞ったグロリアには会えたか? 会えたなら、お前さんは何を話し何を思ったんだろうな。
[グロリアの見舞いに席を立ったのは二人。 その一人であるサミュエルは戻り彼女の状態を話した。 もう一人であるフィリップからそれは聞けなかった。 それが疑いを向けた要因となったもう一つでもあったのだが手探りで感覚の部分が強い事は無論自覚していた。]
(69) 2013/12/07(Sat) 14時半頃
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[室内の明かりを受けて散らばるガラス片が煌めく。 床に落ちるガラス片と灰を一瞥するも触れる事はない。 ジリヤの声>>68に顔を上げ]
終わりであって欲しいもんだ。
[そうでなければ面倒な事だと思う。 面倒だから退屈しない。 フィリップにそう言いはしたが 己の存在を掛けた遣り取りを楽しめる面倒事とは思っておらず]
――ジリヤ。 そうあるべき、と思う、根拠は。
[たずねるような囁きを瞼伏せた彼女に向けて 男はグロリアの部屋から退出した。]
(70) 2013/12/07(Sat) 15時頃
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―リビング―
[出た時は二つあった人影が 戻る頃には一つしか見当たらない。 入り口付近に置いたままの自らの荷を一瞥した後 男は残る一つの人影――サイラスへと歩み寄る。]
サイラス、マドカは何処に――…
[見当たらぬマドカの行方をたずねようと サイラスに問いかけた声が途中で止まった。 床に落ちる灰には見覚えがある。 グロリアの寝台にあった、あの色と同じ――。]
……なんで。
[疑問の言葉が戸惑うように開かれた口から漏れた。**]
(71) 2013/12/07(Sat) 15時頃
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― 現在・どこか ―
…………
[周囲の彼らの言葉を聞く限り、自分が彼らに殺された事に間違いはないと思うのだが。
やはり死の間際の光景は思い出せない。
サミュエルの奇行を咎めた自分の言葉。そこで記憶が途切れている。
自分の遺体――依然よく見えないが、多分――に向かうサミュエルの呟きに]
誰に理解されるとも思ってない、って言ったじゃん
それに――今の俺はもう感覚も思い出せないよ
[ダンピールを構成する要素が抜け落ちた今、その感情は恐らく彼らが感じたように不気味で業の深いものに思えた]
……?
[ふと声が聞こえた気がして、振り返った。
リビングの方向。確かに同類である彼の声だと思ったのだが、そこに彼の姿はない。
同じ方向にある彼の気配と、吸血鬼の気配。
それの一つが失せた。
それと同時に、願うような彼の声も聞こえる]
幸せ、に……?
[その方向には二人分の気配しかない。
そもそも、この島にいる面子はあの二人を除いて全て此処に揃っている。
ならば、彼が幸せを祈った先にいるのは。
――驚いた。
其処に至るまでにどんな道があったのか知らないが、彼は殺される側の為に殺していたのか。
ただ自分の為に灰の山を作り上げたフィリップとは異なる価値観。
同種の生き物であっても、個体ごとに考え方は異なる。
そんな当たり前の事を、フィリップは死んでしまってから知ったのだ]
[羨ましかった。
彼に――というか、誰かに幸福を祈られながら死んだマドカが。
自分がこんな結末を辿ったのはどう考えても自業自得だと、痛いほど理解していても。
続くサイラスの言葉には、届く筈もない返答を]
……ほんとにね
アンタともっと話しておけば良かったよ
誰が殺してたっていいさ、サイラスさんが生きていくのには関係のない事だよ
……俺もよく覚えてないし
[今更会話を重ねたところで何の意味もないのだが。
他にする事もないし、一人遊びを続ける事に――
したのだが、続く言葉はあまりに衝撃的で。
孤独の色と安堵に混じった『お前』は、自分を指す言葉なのかと狼狽えた。
他の思い出深き存在の事かもしれないが、聞き返そうにも声が届かない]
……そりゃ、俺たちが行き着く先は同じだろうけどさ
アンタはまだこっち、来なくていいよ
この身体動きにくくてしょうがねェや
[人の身であったなら、まだ涙も零せただろうに]
[死んだ場所に、自分の魂はあった。
ならばあの世話焼きの、少女のような女性が目覚めるならあちらか。
重い足を動かす。言葉を交わせる存在に会いたかった**]
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―回想/グロリアの部屋―
[瞬くサミュエルが返した声>>72に男は軽く肩を竦める。]
親切? 体力温存の助けをしてもらったんだ。 労いの言葉くらい掛けるのが礼儀だろ?
[身につけている得物はもう一本ある。 対の一つを手にしたままのサミュエルに]
――分かった。 それ、お気に入りだから無くしてくれるなよ。
[くつりと笑い、繊細な装飾の施された鞘を手渡し預けた。]
(81) 2013/12/07(Sat) 20時半頃
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―リビング―
[グロリアが判じたこと>>80を男は知らない。 フィリップの正体確かめようもないままに 再び呪詛を受けたと思しき、灰を目にしている。 グロリアの時と同様に マドカが身につけていた衣服が残るを見れば 灰となった者が誰であるかは知れよう。]
――――。
[フィリップがダンピールであったとしても 態々マドカに呪詛を齎すとは思えなかった。 グロリアの部屋に居たものを狙うのが自然に思えて]
……っ。
[これで終わりかと紡いだジリヤの声>>68が過る。 終わりであって欲しいと望んだ男は 終わっていないであろう事を、悟った。]
(82) 2013/12/07(Sat) 20時半頃
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