229 流水花争奪鳥競争村
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[黙って返事を聞いて。 広げた腕には首を振って、遅い足取りで傍に行く。]
ゆるしてほしくなかった。 怒ってくれてもいい事を、私は言ったわ…。
[再び岩に腰を落すラルフと、ご飯を挟んでシートにぺたりと座る。 あのリュックにこれだけ入ってたのかと驚きつつ、 美味しそうなサンドイッチに空腹のお腹は刺激される。]
……… これ ラルフが作ったの? しかも、ぜんぶ、わたしの 好きな具ばっかり。
(0) wallace 2015/07/08(Wed) 22時頃
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――― これはちょっと……きもいよ、ラルフ。
[気を使わせたのか、とか、作ってくれてありがとう、とか。 言えばいいのに言わない悪い女だと自分で思う。
言ってから、ふ、と眉を下げて笑う気配。]
(1) wallace 2015/07/08(Wed) 22時頃
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[温かい紅茶は花の香りと共にやってくる。 いただきます、と文句も言わず手を伸ばす。
紅茶は好きな方だった。 あの時の紅茶は美味しかったな、というのがいくつか思い出にはあって。 でもそれが誰が淹れてくれたかとか気にした事はなかったけど、]
……、……おいしい。
[冷ましながらゆっくりと飲めば、身体の内側がほかほかする。 隣に座って紅茶を飲むラルフの顔をこちらも見て、]
(2) wallace 2015/07/08(Wed) 22時頃
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え
[当って砕けろ、みたいなことを言われた。 死ぬほど背中を押された。 驚いて、瞬きを忘れるくらいだ。]
(3) wallace 2015/07/08(Wed) 22時頃
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……
[だけど。 誰に、と、―― 疑問を抱くより前に。 先に頭に浮かんだ顔があって。 それは死んだ弟の方じゃなくて、―――。]
〜〜〜 わたし、もしかしたら ただ、単に、男を見る目がないのかもしれない。
(4) wallace 2015/07/08(Wed) 22時頃
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なんで。 …なんで、――
[自分が理解できないのに。 どうして。と、問うも答えは出なくて。 会って、また、顔を見て話さないと答えはきっと出ないから。]
〜〜〜〜 っ
[膝を立てて座った状態で、紅茶は持ったまま 膝の上に額を乗せて顔を隠し、小さく唸る。]
(5) wallace 2015/07/08(Wed) 22時頃
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砕けたら、ほんとに ひろってくれる? ほんとに、それじゃ、保険にしか、ならないよ。
そんな風に思ってる女なんて、 私が男だったら……絶対、無理だよ。
[ぐちぐちぐだぐだ。 こんな時、ナナオと会いたくなる。 人に頼ってばっかりのダメな自分だと思う。]
(6) wallace 2015/07/08(Wed) 22時頃
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……
[でも。 逃げたくないと思ったし、 これでも考えてはいる。 だけど、それと自分の心の方向は、 うまくまだ噛み合ってない。]
ごはん、たべる。 食べて…それから、…行ってくる。
おなかすいてるし、 美味しそうすぎるもん。
(7) wallace 2015/07/08(Wed) 22時半頃
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……まだ、夜でもないし。
[見事なまでの太陽の日差し。 えい、とサンドイッチに手を伸ばして、もぐもぐと頬張る。]
(8) wallace 2015/07/08(Wed) 22時半頃
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アマルテアは、サンドイッチを8個たべた。
wallace 2015/07/08(Wed) 22時半頃
アマルテアは、好きだけど少し食べ過ぎたかもしれない。
wallace 2015/07/08(Wed) 22時半頃
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わたし、自分で料理がしたいの。 お菓子だけじゃなくって、 ごはんも自分で作れるようになりたいの。
[好きなサンドイッチの具をあらかた食べ終えれば 順番を無視して、果物に次は手を伸ばす。]
包丁は危ないとか、 揚げ物もダメとか、 …べっつに いいじゃん!って思う。
(9) wallace 2015/07/08(Wed) 22時半頃
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でも、…神殿のみんなは、私の事を心配してくれてるし ちゃんと元気に成長して欲しいって 思ってるのも解るから、 …、結局、できないまんま、今に至るなんだよね。
[ははは、とから笑いをしてから、紅茶を飲み干して手を合わせる。]
…ごちそうさま。 美味しかったよ、ラルフ。
(10) wallace 2015/07/08(Wed) 22時半頃
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…、あの夜、ラルフが持ってきてくれた サンドイッチと果物…、食べられなくてごめんね。
(11) wallace 2015/07/08(Wed) 22時半頃
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[そう言えば、膝を伸ばして立ち上がる。 ふわりと淡い空色のワンピースが風に揺れる。]
……、あの晩、あれから 何があったのか 誰も教えてくれなくて、 聞いちゃいけない事みたいな気がして、 ずっと気になっていたのに、
あの後、また遊ぶ機会はあったのに 聞けずにいた。
(12) wallace 2015/07/08(Wed) 22時半頃
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―――…… それなのに、 ラルフは私を好きでいてくれたんだね。
本当に驚いたけど、 嬉しかった。
[それでも、立ち止まる事はせず、 裸足のままシートから出て、紫陽花がちょんと乗ったサンダルを履く。 ちょっと泣きそうな顔だし口はへの字だから背中しか見せないで、]
ここまで、ありがと。 ちょっと、思いっきりぶつかってくる。**
(13) wallace 2015/07/08(Wed) 22時半頃
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[勢いだけで飛び出たが見事に獣道で、現在地を見失い迷う始末。 解る場所までラルフに送って貰ったけれど、まだ、陽が高い。
それから走ったけれどそんなに体力はないし、 あれだけ食べた後だからお腹の横が痛い。]
…、…
[あ、そういえば、と気付く。 試験の最後だからというのもあり、今日は侍女も衛兵もいない。]
(24) wallace 2015/07/09(Thu) 00時頃
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……これ ラルフ怒られるんじゃ。
[それは私の思う所ではない。 真っ直ぐ抜けた先はすぐに神殿だ。
門番に姿を確認されれば、侍女の姿も見える。]
ごめんなさい。 私だけ先に帰ってきたけれど、 私が決めた事だから彼を咎めないで。
(25) wallace 2015/07/09(Thu) 00時頃
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…それと、エフは中にいる?
[問えば、なにやら待合室を抜けて城下に出たと聞く。 は?という顔を一瞬だけした。一瞬だけ!]
(26) wallace 2015/07/09(Thu) 00時頃
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……、私も少し次までの時間、外にいたいわ。 誰かお願い。
[と、近衛を2人連れていく流れにする。 神殿の前の大通り。見渡せば、見つかるかも。 結構甘い考えできょろっきょろしながら足早に歩くと、]
っぶ。
[あまりの意外性の組み合わせに噴出した。>>23]
(27) wallace 2015/07/09(Thu) 00時頃
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似合わない。
[はっきりと言って、それからエフの正面に立つ。 背後には近衛が二人。首を後ろに向けて、]
行って。 …もうエフがいるからいいでしょ?
[近衛に、勝手に今から次の試験の開始を通達する。 はっ、と短い返事と共に近衛は神殿の方へと戻っていった。]
(28) wallace 2015/07/09(Thu) 00時頃
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これって…ダイアモンド・リリーじゃない。 誰かに聞いたの?
[フランクと花の話をしたかは覚えてないけど、 薄紫色をしたそれを受け取って 視線を落とせば、ふ、と笑む顔が添えられる。]
ありがと。
…、… ああ。 うん、まあ、そんなとこ。
―――、ほら!さっさと全員終わらせたいじゃない?
(33) wallace 2015/07/09(Thu) 00時頃
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なるほどねぇ。 [リッサか。納得の相手だった。 花屋から、と聞けば視線をそちらへ向ける。 >>34元気な声に、淡い笑みを返して花を抱いたまま頭を下げる。]
どうもありがとう。
[巫女、完璧です。]
(37) wallace 2015/07/09(Thu) 00時半頃
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うん。
[薄紫の花を抱えたまま、エフの横に並ぶ。 目的地を示されれば、ぱく、と無意識のうちに口が開く。]
え、行けるんだ、あそこ。
(38) wallace 2015/07/09(Thu) 00時半頃
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けどちょっと遠いね。 歩きながら少し話そうよ。
[サンダルで、ぺたぺたと歩きながら、 白いダイアモンド・リリーではなくて、 毒の色を薄くしたみたいな、薄紫の方が好きだった。]
(39) wallace 2015/07/09(Thu) 00時半頃
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アマルテアは、ぺたぺたと最初は無言で歩いていたけれど、
wallace 2015/07/09(Thu) 00時半頃
アマルテアは、暫くして突然、口を開いて―――
wallace 2015/07/09(Thu) 00時半頃
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彼氏と別れた日に、 雨が降ると自分のせいかなって思ってた。
(40) wallace 2015/07/09(Thu) 00時半頃
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濁流に飲まれて死んだ人は、 私が殺したんじゃないかって思える。
滝に遊びで飛び込んで死んじゃった子供の名前を 未だに忘れられない。
(41) wallace 2015/07/09(Thu) 00時半頃
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汚染された水の中に入って、 浄化された水をみるたびに、 私が穢れを吸い込んだんだって思えていた。
(42) wallace 2015/07/09(Thu) 00時半頃
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[自分と、勝手に花を重ねていたのだと気付いたのは遅れてから。 最初は単純に綺麗だなと思っていたのに。
心もきっと、影響を受けたんだと思った。]
(43) wallace 2015/07/09(Thu) 00時半頃
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アマルテアは、一瞬だけ、手に持った花束に視線を落した。
wallace 2015/07/09(Thu) 00時半頃
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―――… 汚いものを、全部私が背負っているんだって ―――… そうすれば、世界は…平和になるんだって
ずっと思いながら生きてきてきた って言ったら……どう思う?
(44) wallace 2015/07/09(Thu) 00時半頃
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最初、水道管理局なんて巫女の冒涜だと思った。 巫女の力が本当に確かなものとして証明できるなら、 あんな局ぶっ潰してやろうとすら思った。
[だいぶ声に本気の色は乗っていた。 けれど、ふ、と糸が切れたみたいに肩を落とし、]
(45) wallace 2015/07/09(Thu) 00時半頃
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でも、…実際に、全ての大気も、 水も浄化なんて無理だもの。 エフが言う通りだわ。>>0:248 わかってる。
そんなの解ってるけど、… なんかむかつくじゃない。
悔しいじゃない!
[緩く下唇を噛むのは癖のひとつ。 辛い表情を隠さずのまま、 花束を掴む手に力を込める。]
(46) wallace 2015/07/09(Thu) 00時半頃
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