1 とある結社の手記:6
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─回想・集会場の自室にて─
………お迎えかい。
思ったより信用なかったみたいやね。
村人の面々はどうも余所者から排除したがるらしいのはようわかった。
別に抵抗なんざせんわ。案内してくれんか?
[調合途中だった薬品類はそのままに、心底うんざりした顔をしながらも立ち上がる。]
─結社員宿舎裏手、処刑場─
別に残す言葉もなけりゃ残すモンもないわ。
さっさとしたってくれ。
[何処までもふてぶてしい態度で椅子に座り眠そうに大欠伸をする。]
ま、処刑方法に関しての要望ならある。
クスリで殺られるのは勘弁や。ブラックジョークにもほどがあるしな。
[それっきり。処刑が終わるまで一言も口を開くことはなかった。**]
―回想・キャサリンの部屋―
[一緒に生きよう。その問いかけに、心が痛んだ。]
…ああ、そうだな。
[共に生きる事は無いと諦めていた――思い込んでいた。それがキャサリンを苦しめて居たのだとしたら…。]
ここから出たら、話し合おう…共に生きる為にな。。
[この問いかけに、彼女はどう答えただろうか。暫く抱き合っていると、少しだけ彼女の鼓動が速くなったように感じた。]
はい、今日はここまでだ。
[共に生きると決めたのだから、無理だけはさせたくない――自分の要求を押し付けるように、彼女の膝の後に手を通し、軽い体を抱え上げた。]
そしたら、また明日、な?
[ベッドに寝かせる。マーゴに叩かれた頬を撫でられた。その問いには。]
…痛かったさ。マーゴ、本気で殴りやがった。…明日にでも謝っておかないとな。
[今更ながら、マーゴも傷つけた事実を思い出した。]
あいつらにも謝らないとな。…はは、明日は謝罪行脚だ。
[今日、俺が処刑されなければの話だが――そう考えたが、キャサリンの手前言えなかった。]
…おやすみ。
[そう言ってこちらも頬を撫で、部屋を出た。]
―回想・一階廊下―
さてと…。
[ばたんと音を立てて扉を閉める。]
出しに行くか。
[出すタイミングの見つからなかった投票用紙は、ポケットの中に。書かれた名前は――]
サイラスさん、悪い。あんたの事疑ってるみたいだ。
[今日、彼が処刑される事は無いだろう。そう感じてはいたが、彼以外に疑わしいと思えた者は居なかった。]
――今日が俺の番でも、あいつが。
[ドナルドが、ベネットが…そして、ラルフがその芽を拾ってくれる。そう願いながら広間へと入り、投票を済ませた。]
―廊下→キャサリンの部屋―
[自室へと戻る途中、ふと何か予感めいたことが心にわき上がった。]
…いや、ちょっと待て。
[今日、伝えなければならない。そんな予感に囚われて、キャサリンの部屋に向かう。]
…鍵は。
[この扉を閉じたのは自分で、鍵をかけた覚えは無い。扉は当たり前の様に開き、暗がりに滑り込んだ。]
はは、何を言いたいんだか。
[小声で呟いたのは、キャサリンを起こさない為。かすかに聞こえる呼吸音は規則正しい。]
…キャサリン。
[部屋の鍵は、内側からなら閉められる。それに気付けただけでも、ここに来た甲斐はあった。]
――愛していた。ずっと。
[既に眠りに落ちた彼女には届かない言葉だろう。それでも目的を果たし、自室へと戻るために扉を開けた。]
――さよなら。
[閉める際、何の疑問もなくその言葉を呟いた。二、三度ノブを回して鍵がかかっている事を確かめ、自室へと向かった。――不吉な予感を感じながら。]
―回想・了―
………上出来だ。
[さて、その言葉は誰に向けられたものなのか。]
さて。
結社の連中はどの可能性を重くみているのやら。
[広間の壁にもたれかかるような格好で、話を聞く。]
まあサイモンが数を間違えたなんて本気にしちゃいないだろう、が。
…どうでもいいが、ヤニクは何故呼び捨てなんだろうな。
なんかしたか?あいつ。
[不思議そうに首を捻っている。**]
―自室・現在―
う…。
[目を覚ます。いつもより高く感じる天井に疑問を覚えて起き上がった。]
…床?
[昨夜、自室に帰った後。自分は一体何をしていたのか?疑問が一瞬だけ浮き上がり、そして弾けた。]
――ッ!
[部屋を見渡すと、ベッドの上に、鏡越しでしか見られない筈の男の顔があった。目を閉じ、嘆息する。――昨日の予感というのは、こういうことだったのか、と。]
悪い、キャサリン…済まない。みんな、悪かった。
[致命傷に至った一撃よりも鋭い痛みが胸を苛む。]
―自室―
…それにしても。
[部屋を見渡す。]
死んだら何も無いと思っていたんだが…。
[それが、自分の生死観だったことを思い出した。――しかし、このように物を見、思考をすることが出来る。]
魂や死後の世界なんざ信じていなかったんだけどなあ。
[敬虔な信徒が聞いたなら何と思うだろうか?感覚を一つ一つ確かめていく。鉄格子の外は雪化粧。時計の針の音。――鉄錆の匂い。]
目は…見えてる。耳も…大丈夫。
[顔をしかめる。自分のものとはいえ、血の匂いなど嗅いで楽しいものではない。嗅覚を意識の外へと追いやり、手を握り、開く。それから足踏みをした。]
わからんもんだなあ。
[率直な感想を口に出し、ドアノブを握る――否、握ろうとした。]
うおっと!?
[手はドアノブをすり抜け、驚いて手を引き戻した。]
…参った。掴めないのか。
[暫く指で確かめた後、ドアに頭突きした――痛みはない。視界には無人の廊下。]
外にゃ出られるみたいだが…。
[無意識のうちに広間へと向かおうとしている自分に気付いた。]
…止めだ、止め。
[ベッドに寝かされた自分の死体を見る。床に倒れた筈だった――つまり、誰かが自分をベッドに動かしたという事で、皆既に自分の死を知っているのだろう。当然――。]
…キャサリン。
[彼女がこれを目にしなかった事を願うしかないが、それでも事実は伝わっているはずだ。その上彼女の眼は霊を映す。という事は――。]
…見られる訳にはいかないか。
[今姿を見せても悲しませるだけだ。そう結論付け、部屋へと戻る。そのまま椅子に腰掛けて項垂れた。]
は。
随分思われているみたいだなぁ、フィリップ。
[にやにやと笑う。チェシャ猫の如き笑み。]
それでいてキャサリンにはお前の魂、他のと見分けが付かないんだとさぁ!
とんだお笑い種だ。ははっ。
仲良しこよしの村人サン。
今宵は誰を吊り上げるのかなァ?
[広間の周りをぐるぐる歩き回って面々の顔を覗きこみながら、哂う。]
……………面白くない。
[広間の様子を見ながら、大変不機嫌そうな顔で呟いた。**]
―回想・自室―
[開け放たれた窓からの風で、部屋は氷の様に冷たい――どれだけの時間が経ったのだろうか。扉の軋む音と共に空気が動き、暖かい空気が混ざる。]
誰だ…?
[足音はなかった。――それができるのは、一人しか居ない。]
…キャサリン。
[ゆっくりと部屋に入ってくるキャサリンの表情を見る勇気はなく、ハンドリムを繰る彼女の手を見た。それは自分のそばを通過し、真っ直ぐ、壊れた体の方へと向かって行く。]
…っ。
[彼女が自分を呼ぶ声。罪悪感が膨らみ、やりきれなくなる。]
…ごめんな、ごめん。
[謝罪の声はきっと届かない。彼女が自分の体に触れるのを少し遠くで眺める――壊れてしまったのではないか。自分が壊してしまったのではないか。そう思わずには居られず、硬く手を握り強く歯を食いしばる。]
…。
[開け放たれた窓から自分の抜け殻とキャサリンが重なる。後悔と罪悪感から目を背けた。]
――あ。
[視界の端、舞い上がる羽と一枚の紙切れ。死を受け入れた自分が生前酷く悲しませてしまった大事な人に当てた、書置き。これを書いた自分は、今この様を想像していたのか?]
…いや。
[あの時は彼女の気持ちに感付いていたが、応えてはいけないと思っていた。だからこそ自分の気持ちをひた隠し、踏みにじり、独りで静かに消えることが正しいと信じ…彼女から逃げようと必死だった。]
俺もあいつも…手遅れだったんだ。
[自分が鳥使いの道を歩むと決めたあの時から、彼女への想いは諦めるようずっと言い聞かせてきた。だが彼女の激情と自分の熱が、それを内外から焼き尽くした。――止められなかった。愛しい人が、己の書き遺した物を胸に慟哭する様を。ならば。]
ああ、傍に居る。お前がどうなろうと…必要とされている限り…しばらくは遠くに行かない。
[彼女の心の傷が癒えるまで、ささやかな幸せに戻るその日まで、手助けは出来なくとも、せめて見守ろう。そう決意し、彼女の後に立ち、グリップを握る。]
俺はここに居るからな。
[彼女が振り返ることは無くても――気付く事はなくても、こうしていたいと心から願った。]
―回想・了―
―広間―
[キャサリンと共に広間に入る。――見えないとは分かっていても、罪悪感からか心細くなる。]
…ん?
[ただ一つ、確かに視線を感じた。そちらへと、顔を動かす。]
…サイラスさん。
[まだ、信頼する人がこの男を人狼だったと断じた事は知らない。]
[サイラスの言葉に思うことはあった。]
気付かないなら気付かないでいいんすよ。…さくっと忘れてしまえたならこいつも楽になるでしょうし。
[村人の顔を覗き込んで回る姿を見て、きっとサイラスが偽物なんだろうと思い、コルクボードを確認する。]
…ああ、やっぱそうなのか。
[ただ、俺を殺したのはヤニクではない。サイラスでもない。ということは…。]
なあ、サイラスさん。あんた、最初から人狼だったのか?それとも人狼になったのか?
[問いかけてみた。]
[キャサリンの言葉に考え込む。]
カルヴィンとメアリー…どっちも疑いたくないな。
ただ――。
[襲われた時の事を思い出す。]
多分、子供だ。俺を殺したのは…ったく。ドナルドの言ったとおりだ。…あいつ、運が良かったんだな。
[苦笑した。]
―キッチン―
[共にキッチンに入ると、視界に入ったのは酔いつぶれて寝こけるウェーズリーだった。]
ウェーズリーさん、何やってるんすか、こんな時間から。
[呆れたように声をかけるも、聞こえる筈も無い。]
ったく…。キャサリン、風邪引か無いように何か――。
[言おうとしたその時、傍らの少女は膝のストールを手に取り、酔いつぶれた男にかけた。]
…はは。
[少しだけ嬉しくなり、また寄り添う。]
…教えてやらん。
教える必要が何処にある…?
[にやりと。鮫のように笑った。**]
[薬を飲み終えたキャサリンが、包丁を膝の上に置く。]
料理か?
[そう思うのもつかの間、車椅子はキッチンの出口へと向かう。]
おいおい…?
[一瞬、黒い不安が湧き上りるが、頭を振って打ち消す。]
[の返答に首を振った。]
まあ、必要はないっすね。まあ、会話の取っ掛かりみたいなもんです。
でも、仮にサイラスさんが人狼になったんなら――。
[確か、あの女が言った言葉は――。思い出した。]
はは、やっぱりそれは無いっすね――いや、ほら。人狼になった途端処刑されるとか…なんだ、『人狼は狡猾だ』と言ってたあの女の言葉を忘れてましたよ。
―キャサリンの部屋―
[窓の明かりで林檎を剥くキャサリンを見て、胸を撫で下ろす。]
…うまいな。
[手際に感心する。自分も一人で生きていた為、包丁は日常的に扱っていたのだが、こうはいかなかった。彼女が林檎が好物だというのを打ち明ければ。]
そうだった…いや、アーチに林檎の味を覚えさせたのはお前だった筈だぞ?
[林檎を慎ましやかに齧る音を聞きながら、窓の外を見る。]
ほら、好物はここだ…早く来ないと食っちまうぞ。
[極彩色の相棒を探した。]
―キャサリンの部屋―
[林檎を齧る音が静かな寝息に変わってどのくらい経ったか。]
風邪引くぞ…馬鹿。
[窓を閉めることも毛布をかけてやることもできない。苛立ち頭を掻く。]
――ん?
[ばさりと、聞き馴染んだ音。]
――ああ。
[生きていてくれたか。極彩色の姿は窓に降り立つと、キョロキョロと部屋の中を確認する。]
お前にゃもう見えないんだよな。
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