8 DOREI品評会
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俺は……、そんな風にはなれなッ
[震える指先は、滑らかでいて仄かに薔薇が香る女の背から離れ、固く拳が握られた。ステージを、客席を見回しながら、僅かに薄笑いを浮かべようとしながら、何とか息を吐き出した。 首を横に振る。純粋さを保った者達には苛立ちと嗜虐心を感じる。だが、長い髪の少女を観客にみせている、堂々としたビッチの態度に、駄目だ──と自分に言い聞かせた。]
(24) 2010/04/06(Tue) 01時頃
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[衝動的にぐしゃぐしゃと乱した髪から指を離す。 顔を上げて、道化師を見た。]
へえ…道化師さん、そりゃどうも。 一点買いが続出しない方が、 ありがたいのかね。 ンだろうね。
商品から、顧客にリサーチ。 も、そりゃそうだ──嗚呼。
(25) 2010/04/06(Tue) 01時頃
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[くたりとなった身体に生気がよみがえったのはアナウンスを耳にしてからか]
有難う、ございます…。 次は、大丈夫ですから…。
[まだ、息も絶え絶えな声で礼を口にして、5の膝から、どうにか*立ち上がった*]
(26) 2010/04/06(Tue) 01時頃
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記者 イアンは、客席を──グロリアを複雑な表情で見詰めた。
2010/04/06(Tue) 01時頃
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[……と、そこで道化の男のアナウンスが聞こえた。 その内容に目を丸くさせ、]
あーら、やっぱりそういうことになるのねぇ。 最初からあの人はあの「3」のコしか見ていなかったのだもの。
『彼のお屋敷がナパームで黒焦げになるのは、何週間後かしらね?』
[片言のアラビア語で呟く。 かの王子様以外でも、聞こえるものがいたら、それはそれ。]
(27) 2010/04/06(Tue) 01時頃
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おわっ。
[下男達に檻から放り出されて、前屈みでひょこっと歩き出す。 ジャラと足と鉄球を繋ぐ鎖が鳴る。 靴の裏を使って鉄球をごろりと転がしながら歩きつつ]
あぶねーだろーが。 ったく…
[悪態をつきながら控室まで連行されていく。 客席が見える位置に差し掛かれば、金の瞳は鋭く睨むようにしていった。]
(28) 2010/04/06(Tue) 01時頃
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記者 イアンは、メモを貼った。
2010/04/06(Tue) 01時頃
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― 客席 ―
衣裳は、そのままで構わないが。 ――嗚呼、彼らの希望があるなら、それに添えてやってくれ。 凶器となりそうな物が付いて無ければ、問題ないよ。
[どうせ脱がすのだからなんでも良い、とは謂わず。 まるで優しい人のように、道化の言葉に告げる。
一旦、控室まで連行される青年が、その金の眼を此方に向ければ、灰青は細まり、優雅に笑んでさえ見せるのだった。]
(29) 2010/04/06(Tue) 01時頃
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―――… 何 考えてやがる、てめェ。
[部屋に来るように言われ視線を彼で止める。
抵抗はしても、連行されればそれまでだが 金の眼は、灰青を睨む事を暫く止めなかった。]
(30) 2010/04/06(Tue) 01時頃
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[めでたい?可愛がられる? どちらもそんなもの御免蒙る。 だから、ブルネットの女の言葉に返事なんかしなかった]
『買った?だからなんだ。 精々、俺に貢いで身を滅ぼせばいい』
[金の髪の男を睨む。床を踏む足は素足。 特に怪我をするようなものなんて落ちてもいないけれど、 たっぷりとした白い布の下、床を踏む足は少しだけ冷たさを感じた。 枷は、もうとっくに足から外されているのに、歩き出すまでが酷く重い]
(31) 2010/04/06(Tue) 01時頃
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[男はNo5の声に振り向いた]
別に、彼だけを見ていたわけじゃないよ。 御前とセットで飼えたらとも思ったんだけど ……残念ながら、彼を買うにはそれなりの対価が必要だったみたいだ。
[アラビア語がわからない男はそのまま背を向ける。 しかしNo3が長い時間此処に居続けられている時点で 彼の消息は幾ら辿っても男の下へたどり着くことは無いだろう]
(32) 2010/04/06(Tue) 01時頃
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残念ながら、この格好で館内をうろつくことが、 僕の商品価値が上がることにつながるとは とても思えないのだが?
[道化の衣装の提案を聞きながら、実は迷っていたりもする。 矜持を守るための男装と、今この際だからこそ自分を騙して着ることもできそうな華やかなドレス。 白いそれを引き裂かれたNo.3は随分と不服そうだが。]
…………べたべたして気持ちが悪いし。 このままでは風邪をひく。
[そして、ヴェスパタインからふいと逸らした瞳は、少しは優しそうに見えるグロリア婦人の方へ。]
(33) 2010/04/06(Tue) 01時頃
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[ぐるり、見回したところで、こちらを見るNo.8と目があった。僅か首を傾けて、そちらへと歩いていく]
どうかなさった? 貴方は状況を把握しているでしょうから、彼が買われていった事に何か思うところがあるのかもしれないけど。
買われるか買われないか。 貴方たちにとってはそれだけのことよ。 ここに来てしまった以上ね?
[扇子で隠した顔の下は今は笑みはない]
貴方のパフォーマンスを期待しているわ。
(34) 2010/04/06(Tue) 01時頃
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うん? 俺は貢いだわけじゃないし、3000点も全く痛くないんだよ。
[睨む翡翠に笑みをむけて 男の内情は彼には伝えない] お姫様、裾を踏んで転ばないようにね。 表にカボチャの馬車でも用意しておこうか
(35) 2010/04/06(Tue) 01時頃
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ふぅン。 じゃあボクはとりあえず、部屋に戻るよ。
[自分から、誰かに来るように指示はしない。 男はただ香の香りを後に引き、やっと椅子から背を剥がした。]
嗚呼、せっかくだからそこに置いてある衣装は好きにさせてあげて欲しいな。 自分の着たいものを着るといいよね。
あ、それと――客同士、連絡が取れるといいのだけれど。 部屋に居ても、やっぱりお互い伺いは立てておいたほうがいいことって在るじゃない? そのあたり、手配しといてよ。
[使用人に告げ、男はひらひらと布を閃かせて会場を後にする。 部屋を出る前、扉の所で一度振り返り横顔で長す視線は、品物達の上をねっとりと滑った*]
(36) 2010/04/06(Tue) 01時頃
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― →控室 ―
[優雅な笑みが気にくわない。 父親の仕事に連れて行かれ貴族との接点はあれど自身は工場や鉱山で労働していた時間の方が長い。
控室に放り込まれれば、また隅に座って膝を抱えた。 流石にその頃には、色々身体は落ち付いてきていた。]
(37) 2010/04/06(Tue) 01時頃
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他にはご希望はございませんかー?
……奴隷のミナサンからは 聞いてみるべきなんでしょうかね。 叶うか分かりませんが、 お宅訪問したいお客様がいるのかどうか。
(38) 2010/04/06(Tue) 01時頃
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― 客席 ―
さてね。君と彼女にとって良いことだといいね? 嗚呼、何か食べたいものがあれば、手配させるよ。 着替えが必要なら、着替えてから来なさい。
――…一先ずは、話をしよう。
[手負いの獣のような視線にも、灰青はひるまずに微笑む。 そして、耳に入ったアラビア語に、片方の眉をあげる。]
さて、彼がそれほど重要人物だとしたら。 彼を此処にいれた人の方が、まず問題になるのではないかな? 中東内部で、彼が原因となった争いや死人は聴いていないが。
[少し首を傾げて見せた。 念の為に、ジェレミーに声が届くならば、聴こえたアラビア語を伝えた。]
(39) 2010/04/06(Tue) 01時頃
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は、畏まりましてございます。
[ヴェスパタインにも、脱帽しての礼。 すぐに周囲の男たちが、客室へと走ることとなる。]
(40) 2010/04/06(Tue) 01時半頃
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>>32 あァら、お褒めに与り光栄ですわ。 その言葉があるだけで、私は十分。 それでは……「お幸せに」?
[不敵に笑い、紐男にひらひらと手を振った。]
(彼の居た地の神の信者は執念深いから、地の果てまでも王子様を追い掛けて来そうな気がするわぁ。
いつまでも平穏無事に暮らせるとは思えないけれど……ま、それもこれもアタシには一切関係ない話ね。新聞にも載らないでしょうし。)
(41) 2010/04/06(Tue) 01時半頃
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若者 テッドは、メモを貼った。
2010/04/06(Tue) 01時半頃
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[墨色の髪の男のねっとりとした視線は滑っただけなのに、絡みつく感じさえした。 それは、自分の裡からくるものがそうさせたのかもしれない。 ふるっと首を振って揺れるこげ茶の髪が見つめたのは、金色の髪の女性客。]
満足、できていますか?いませんか?
[意を決して尋ねる。求められたなら従い、 そうでなければ、清められに控え室に戻る]→控え室?
(42) 2010/04/06(Tue) 01時半頃
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[ルーカス>>39の声を聞いて男は哂う]
無いな。 この品評会にかけられた時点で 存在は世界から抹消されたようなものだろう?
[同意を求めるのは 館の主へ。また来るよと最後に礼は欠かさない。 またヨアヒムも自信ありげに頷いた。 これだけの金が長く動き続けている場所、そのあたりはぬかりが無い] >>41 ああ、有難う そういう時は末永くお幸せに、だね。
[男は声だけをかけた]
(43) 2010/04/06(Tue) 01時半頃
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―― 舞台の隅 ――
……着方が分からない。
[リボンだけを纏った少女が、並べられた衣装の前で立ち往生している。 可愛らしいドレスに心は動きそうになる、が、理性を試すように普段着慣れているような三つ揃えのスーツ、クラシックなデザインのジャケット等もあった。]
…………っくしゅ。
(44) 2010/04/06(Tue) 01時半頃
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[帰ってきた返答に、苛立ちを隠さないまま歩き出す。 裾を踏むなんてヘマはしない。 流石にドレスでの振る舞いに慣れているわけではなかったが]
『必要ない』
[だったら馬でも寄越されたほうがよっぽど気が紛れる。 自邸で買っていた馬は今頃どうしているだろう。 そんな事を思うと、少しだけ睫毛が影を作ったけれど]
(45) 2010/04/06(Tue) 01時半頃
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>>39 あら。私は一介のメイド兼子守ですわ。 ちょっと中東方面に縁があっただけの。 残念ながら、「私もそれ以上のことは存じ上げませんのよ」。
[翡翠色のマフラーをひらひらと弄び、笑う。 その手の作戦、或いはお家騒動を外に漏らすほど、「彼ら」も間抜けではないとは思うのだが、まあそれはそれ。道楽だけが生き甲斐の、一介の貴族なぞに教えてやる筋合いも特に無かった。]
(46) 2010/04/06(Tue) 01時半頃
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― 舞台上 ―
[檻の鍵が開けられて、金目の青年が連れて行かれる。 手荒ではあるが、危害を加える様子でない事に一先ずは安堵した。]
…、…え?
[そして、灰青の男の部屋へ呼ばれた事に、瞬きをする。 募るのは警戒心。
漸く身体の震えがマシになった頃、同じように私も舞台から連れ出された。 その際に希望の衣装はと聞かれたが、ふるふると首を振って不要だと告げる。 だが、ふと思い出して、許されるなら身体についたものを拭うタオルと、替えの下着が欲しいと頼んだ。 それが用意されたかどうかは、さて。]
(47) 2010/04/06(Tue) 01時半頃
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― 少し前 舞台 ―>>39
てめぇにとっての良いことが こっちの良いこととは限らないだろうがな。
[買われた男を思う。買った男を思う。 そして、再度―――自分の立場を 認識する事となる。
だから、その後一度言葉は止まってから]
…いらねぇ。
[食事も着替えも自分には不要だ。 他に必要な人が明らかにいるはずだ。]
話、ね…。
[嫌だと断っても、連行されるのが解っていることだ。]
(48) 2010/04/06(Tue) 01時半頃
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[夫は亡くしたと言う夫人が望むものは? 傷付ける事は望まないと言う。楽しいステージ? 金髪の紳士然として、薄笑みを崩さない男も見る。グロリアと髪色が良く似ているが、ただ似ているだけかもしれない。引き上げて行く黒髪の客を見る。 視線は扇で口元を隠したグロリアに戻り、]
あんた。 本物の女王様に見えて来た ぜ。
[彼女が笑っていない事など知らない。拘束がないのだから、だから──と。縋るように手を伸ばす。否、抱き寄せようとするように、手を伸ばす。]
──くッ
[頭が真っ白になる。最初に扇を持った手の甲に触れたときのように触れられる気がしない。下男達に止められるのかもしれない。殴って控え室へしょっぴかれるのかもしれないが。]
(49) 2010/04/06(Tue) 01時半頃
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ああ、私も一度部屋に戻るわ。冷えたデザートを用意してくださる?
後飲み物も、それに合うワインを頂戴な。
[ネイサンへと声をかけた。
リボンを纏った少女がこちらを見たのに気づく。 くしゃみが聞こえて、くすりと笑った]
(50) 2010/04/06(Tue) 01時半頃
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ま、カボチャは用意できないんで 普通に車で移動することになるよ。
こっちだ。
[翡翠に少し影が見えたが、男には関係の無いこと。 手招くようにして舞台から姿を消した*]
(51) 2010/04/06(Tue) 01時半頃
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>>43 ええ、それでは。 「末永くお幸せに」?
(せいぜい窓の戸締まりには気をつけてね。憐れな貴族様。 「ここ」が安全なのは、貴方にとってもアタシにとっても幸運だわぁ。)
[ひらりと身を翻し、次に着る服を選びに移った。]
(52) 2010/04/06(Tue) 01時半頃
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[グロリアの頬笑みと目が合った時。 その手にしていたのは、瞳と同じ深いボルドーを基調としたワンピースの袖、だった。]
(53) 2010/04/06(Tue) 01時半頃
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