249 Digital Devil Survivor
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─闇の中─
ぐぉぉおおおん。
[ 珍しく、咆哮がこだました。 鎖がぶるぶると震え、空気がガクガクと揺れた。]
鬼を喰らえば鬼になる〜。 だから鬼には勝てやせん〜。
[ 己のものとも、他のものともつかぬ声が歌う。]
神便鬼毒の呪が落ちる〜。
[ “鬼”は泣いていた。]
(19) 2016/06/18(Sat) 08時半頃
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─朝・市街地→商店街へ─
[ 彼女は独り、市街地を進んでいた。 スーパーマーケットで補給をし、割合に早く他の3人とは別れただろう。 眠れそうな場所を見つけて、身体を休める。マガタマも持っていない彼女は、“鬼”に襲われることもほとんどなかったろう。]
はてさて。 どこに行きましょか。
人の集まりそうな場所がようおすなあ。
[ 商店街に足を向ける。 次に会う相手は、矢を向ける相手ではないといいなと思いながら。*]
(20) 2016/06/18(Sat) 08時半頃
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町娘 小鈴は、メモを貼った。
2016/06/18(Sat) 08時半頃
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─商店街─
[ 商店街を歩いていた彼女は、念のためマガタマ売りのいた辺りを目指したが、しばらくするとニコラスに突き当たった。>>41 一昨日、少しだけ道行きを共にした、怪しげな男。否、怪しい男?]
あ……れ……? ニコラスさんやのうどすか。 ご無事で何よりどす。
[ ニコラスからは、“鬼”の気配がなかった。 そのため弓を構える暇もない。咄嗟のことで、何やら普通の挨拶をこぼしてしまった。 続けて態勢も整わぬまま問いかける。]
ちょいと妙なことを聞きますけど。 ニコラスさんからは、恐ろしい力を感じますんに、“鬼”の気配とちゃいますなあ。 “鬼”由来のような、そうでないような……性質的には、うちに近いんと、ちゃいますか?
[ 不躾な質問だったのは、会う人会う人、異能者ばかりで、感覚が麻痺していたからかもしれない。*]
(43) 2016/06/18(Sat) 14時半頃
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町娘 小鈴は、メモを貼った。
2016/06/18(Sat) 14時半頃
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[ ニコラスの使う言葉は、彼女にとって、どちらかと言えば分かりやすいものではなかった。表情もどこか演技じみているし、おおよそ信頼とは対極に位置する感情を、抱いてしまう。>>51]
“鬼”から遠い人ほど、安心かな思うたんどすけど……。 ニコラスさんは正直よう分かりませんえ。
[ だが、彼には下手に隠すより、すべてをぶつけたほうがいい。そう思った。出会った中で、何より“鬼”の気配の薄い存在だったから。]
一昨日にマガタマについて、何やら言うてはりましたが、マガタマ、集めてはるんどすか? それとも、今も調べてはるんどす?
[ 質問する理由として、ナツメやルイの話を半分以上受け売りで説明する。“鬼”はマガタマを狙っていること、マガタマには“鬼”の餌以外の役割があるかもしれないこと、そしてマガタマを壊さず集めている人がいることなどを。]
揺籃……さん……!?
[ 揺籃が商店街の通りを、こちらに向かってくるのに気付いたのは、ちょうどその頃だろう。説明を聞いたかもしれないし、間に合わなかったかもしれない。>>59 揺籃を見た彼女の表情が安堵というか、喜びに綻んだことは、誰の目にも明らかだだったろう。*]
(62) 2016/06/18(Sat) 20時頃
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町娘 小鈴は、メモを貼った。
2016/06/18(Sat) 20時頃
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[ ふんふん、と真面目な顔でニコラスの返答を聞いていた彼女だったが。>>86 次の瞬間。]
揺籃さーん!! やあん、めっちゃ嬉しおすわあ。 何でこないなところに来はったん?
[ 揺籃のほうに跳ねていき、飛びつくように手を掴んで喜んだだろう。 ぶんぶんと腕を振って再会を噛み締める。]
無事でよかったわあ。 えーとな、このお人は、ニコラス蛇の目さんゆいまして、うちも昨日……やなかった、一昨日会ったばかりの、その、戦士どす。
[ 何か上手い表現を言おうとして、失敗した彼女であった。戦士とは一体。それどころかニコラスの名前すら間違えていることに、彼女は興奮しすぎて気付かなかった。]
(89) 2016/06/18(Sat) 21時半頃
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[ がっしりと揺籃を捕まえたまま──そもそも彼女が避けていれば、手はすっかり引っ込んでいただろうが。]
今は、ニコラスさんが信頼に足るお人か、力を合わせはってくれそうか、聞いとるところだったんどす。
[ 気を取り直して、揺籃を間に入れつつニコラスと話を続ける。]
ええと、それで『“鬼”も気によらない?』とは何どすか? “鬼”にも悪ない“鬼”がおると? そりゃあ、使役されとる“鬼”は悪さもようできへんと思いますけんどなあ。
[ ニコラスの言いたいこととは、きっと少し外れた返答が返ってきただろう。 じっと見つられると、少し照れくさくなって、えへへと誤魔化し笑いしながら、続くニコラスの言葉を聞いた。]
調べてはるんなら、うちと同じどす。 出遅れちゃったゆうのは、どなたさんよりどすか?
[ 何でも知ってそうな顔のニコラスが、出遅れたなどというのは、単純に不思議だった。*]
(90) 2016/06/18(Sat) 21時半頃
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[ニコラスの質問にも、特に隠し事なく答える。>>88]
マガタマを集めてはったのは、顔にけったいなガーゼを貼ってはる、何や微妙な話し方する、男の人どす。 名前は、サムエ・ルイさんとかゆうてはりましたなあ。聞き覚えあります?
えっと、犬? 狼? みたいな獣の臭いがずいぶんと強う“鬼”が憑いてはっとるお人どしたえ。
[寒江累という名は、誰かの心当たりにあったろうか。*]
(91) 2016/06/18(Sat) 22時頃
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町娘 小鈴は、メモを貼った。
2016/06/18(Sat) 22時頃
町娘 小鈴は、メモを貼った。
2016/06/18(Sat) 22時頃
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[ ニコラスの取り出したマガタマは、無言で見つめる。何か反応を待たれているようで、困ったのだ。 『ご友人かな?』という問いには勢い込んで。>>96]
そやそや、友達の、揺籃さん。 知り合ったんは最近やけど、めっちゃ良い人なんどすえ!
[ 揺籃の固まる様子も見えていたが、彼女はそんなことは気にしなかった。>>101]
えっ、ニコラスさんとうち、友達になったん……? ほんなら、友達ってことで、よろしおす。
[ ニコラスの言い出したことには驚きつつ、おずおずと応えたが。>>103]
(105) 2016/06/18(Sat) 22時半頃
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─前夜・スーパーマーケット─
[ ナツメ、ハルカ、ルイの三人と、無人のスーパーマーケットに入る。 食糧を物色しながらハルカの質問を考える。>>57、>>60]
うーん、そないな問題とちゃう気が、うちはしますけどなあ。 白いもんも黒いもんもようようは黒くならはるんどすから、まとめて潰してしまえばええどす。悪いもんと決まったなら、どすけんど。
[ 『悪いものと決まったら』と、一応壊す条件を付け加える彼女であった。 ハルカの前に現れた新しい悪魔を目にすることも>>72、ルイの問いかけを耳にすることもなく>>45。 彼女はスーパーマーケットを後にしただろう。*]
(165) 2016/06/19(Sun) 11時頃
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─現在・商店街─
[ ニコラスと揺籃の会話に耳を傾けつつ、ニコラスに釘を刺す。>>131]
友達、ゆうても、揺籃さんとうちはちゃあんとした友達どすけど、ニコラスさんとうちは、『友達になったばっか』ゆう感じどすから。そこは違いますえ。 この騒ぎが終わって、お互い無事やったら、それはもう友達というか……立派な戦友どすけどなあ。
[ 果たして終わるのか、その終わりの形はどのようなものなのか、彼女にはいまだ想像できない。]
(166) 2016/06/19(Sun) 11時半頃
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[ 容疑者の話になると。>>143]
御渡神社の? 確か、先代が早うに亡くならはって、ずいぶん若い神主はんがおらはるって聞きました。 会うたことはのうどすけど。 ……揺籃さんは、知り合いどすかいな?
[ 最後の揺籃への言葉は、ほとんど口の中だけのつぶやきだったので、聞こえなかっただろう。]
そいで、情報も整理できてきたとこで、これからおふたりはどないします? その神主さんに会うて問い質しはったりはしませんえ?
うちは揺籃さんには会えたし、もうひとりだけ無事を確認したい友達──普通のお人とはちゃう友達がおるんやけど、まったくどこをほっつき歩いてはるやら見当もつかへんから、どないしよかなあと思うてるとこどす。
[ 彼女が思い浮かべたのは、白衣の変人。彼は果たしていったいどこにいるのか。*]
(167) 2016/06/19(Sun) 11時半頃
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町娘 小鈴は、メモを貼った。
2016/06/19(Sun) 11時半頃
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[ ニコラスの彼女への言葉も、ニコラスと揺籃の会話も、彼女は真剣な眼差しを向けながらしっかりと聞いていた。しかし、半分も理解できていないというのが正直なところであった。 彼女は自分が馬鹿なのかもしれないと、ほんのり憂鬱になる。 これからどうするかという質問へのニコラスの答えは、彼女にとっては少し残念なものだったが、それならそうと決めた自分の行動をすぐに実行に移す。元より、頭より体が動くタイプだ。>>200]
そうどすかあ。 うちは、誰かと一緒に動いたほうが良いかと思うてましたけんど、バラバラに動きはるゆうんなら、それも仕方のうどすな。
うちが探しとるんは、いっつも白衣ひらひらさせて怪しげな笑顔振りまいとる、チアキゆう人どす。ちょいと苗字はど忘れしてしまいましたけんど……。
それじゃ、また無事に再会できることを祈うて、お別れしましょか。
[ 割合あっさりと、彼女は別れを告げると、チアキを探して当てもなく歩き出した。ふたりはチアキのことを知っていて情報をくれただろうか。揺籃はこれからどうするだろうか。*]
(216) 2016/06/19(Sun) 20時頃
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─別れる前・商店街─
[ 連絡先を教えられたり、聞かれたりするものの。 彼女は困ったような顔でしおらしく宣った。]
あー、うち、そういうの一切持ってへんのや……。 連絡は、気合いで、とか、叫び、とか、そないなので、どうにか……! 心配やったら、こっそりついて来はってもよろしおすえ。
[ 冗談めかして、言う。 商店街を出た彼女の足は、まったくの偶然にも御渡神社のほう──チアキと、神社の神主が戦うその場へと、向かっていた。 そないな偶然があるかいな! 知っていれば、彼女はそう運命に抗議しただろう。]
(246) 2016/06/19(Sun) 21時半頃
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町娘 小鈴は、メモを貼った。
2016/06/19(Sun) 21時半頃
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─御渡神社付近─
[ ふたりの男が、対峙していた。 ひとりは見知った顔、ひとりは見知らぬ顔だが、まだそれを視認できる距離ではない。 それぞれに“鬼”を使役し、戦わせ合っているようだった。]
…………。
[ “鬼”のうちのひとつは、かつて知ったる気配。チアキの連れる『ポルターガイスト』のもの。いつも適当で気の昂りさえ感じなかったその“鬼”が、今や鬼気迫る勢いで戦っている。 それほどの相手なのか、それほどの戦いなのか。
“鬼ノ気”を抑えたまま、静かに弓を構える。 まだ矢は現さない。チアキが危機に陥る瞬間、あるいは彼の敵が隙を見せる瞬間があれば、全力の一矢を、真っ直ぐに飛ばすだろう。*]
(263) 2016/06/19(Sun) 22時頃
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町娘 小鈴は、メモを貼った。
2016/06/19(Sun) 22時頃
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[ 憂鬱そうに呻く。何を隠そう、彼女が『人を直接射った』のは初めてである。もしかしたら、そのために狙いが逸れたのかもしれない。 “鬼”に憑かれ正気を失った者や、人型の“鬼”を討ったことはあるが、意志を持った人間、しかも自分より若い者を、手にかける。その行為は、彼女に苦悩と逡巡をもたらしていた。 男の怒気にも、心が震える。>>271
チアキが、何かをしようとしているのが目に入った。彼を、放っておくわけにはいかない。躊躇した末。>>287]
……こっち、行っとこか。
[ 狙いを“鬼”へと定める。 存在が露見した以上、隠す必要もない。 光が収縮し、矢が具象化される。それも、先程より大きな矢を、時間をかけて作り出す。]
(290) 2016/06/19(Sun) 23時頃
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鎮西八郎為朝の御霊、お借りし給う。
[ 流れは違えど清和源氏のご先祖様。天下一の弓取りと名高い源為朝に肖って。蛇の“鬼”に向けて一矢を放った。]
(291) 2016/06/19(Sun) 23時頃
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町娘 小鈴は、メモを貼った。
2016/06/19(Sun) 23時頃
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[ チアキが、落ちてくのが、見えた。]
チアキ!?
[ しかし、到底“鬼ノ手”の届かないその距離には、彼女は手が出せない。]
うああああ!!
[ 番えては放ち、番えては放ち。 矢を具象化して射るゆえ、普通に弓を使うよりも遥かに早い連射。相手が人だとか、そうでないとか、それを考える余裕すらなかった。 ひたすらに射続けられた矢は、いったい何を射抜いたか。]
えっ、きゃあっ!
[ 突然、見えない力で吹っ飛ばされるように後方に跳んでいき、地面を転がった。 珍しく女の子らしい悲鳴もこぼれる。
目の前で電撃が走ったのを見て、“鬼ノ手”の彼女は仕業だと気付く。 しかし完全にはかわしきれていなかったようで、弓を持つ左手に大きな痺れが走った。]
(326) 2016/06/20(Mon) 00時頃
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町娘 小鈴は、メモを貼った。
2016/06/20(Mon) 00時頃
小鈴は、リツに話の続きを促した。
2016/06/20(Mon) 00時頃
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[ 彼女は、チアキの落ちたと思しき場所に向かって、走っていた。 左手は痛みより痺れで動かない。役に立たない弓は背負ってしまっている。]
何でなん? 何で、チアキが……!?
[ 彼がヤタガラスの一員だと知っている彼女は、おそらくその使命を果たそうとしたのだろうと予想はしている。だが、予想できたからといって、納得できるはずはなかった。]
…………何も、あらへん……。
[ 彼女がようやくたどり着いたとき、そこには、何もなかった。*]
(346) 2016/06/20(Mon) 00時半頃
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