84 戀文村
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[辿り着いたのは3人がそれぞれの想いを眠らせた宿。 ヤニクは寝ていただろうか。 気付かれない様に裏から入る]
ダーラ……あんた達は何一つ悪くない。
[ダーラの姿を見れば、許されるなら彼女をきつく抱きしめただろう]
(18) 2012/03/28(Wed) 01時頃
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…違うだろ。悪いのは戦争だ…。
[抱きしめた女の声はカウンター越しで聴くものとは違う、 溶け消えそうな雪の様に儚いものだった]
男は馬鹿って決まってんだよ。 女は甘える特権があるんだ。今だけ、甘えとけ。
[大切な者同士なのに…見送らなければいけなかった女の 想いはどれ程か。 残して逝くセレストの想いは如何ばかりか。 自分が口を開けば薄っぺらなものになりそうで、静かに 女の髪を撫でるしか出来なかった]
(22) 2012/03/28(Wed) 01時頃
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優しい奴が人殺しのお仕事なんかしねえよ。
[互いに顔を見る事無く軽口を交わす。 自分より余程気丈で、繊細な彼女の心は何処まで持つのだろう。 彼女も同じ場所で眠らせてやるべきなのかと心は揺れる。 だが腕の温もりを喪うのは耐えがたく。 だからこそ女がどんな想いでセレストとヨーランダと 晩餐を過ごしたのかと顔を歪めた]
…じゃ今度あんたの驕りな。
[歪んだ顔のまま口を開くと出て来るのは軽口]
(26) 2012/03/28(Wed) 01時半頃
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[どれだけ女を抱きしめ言葉を交わしたか。 セレストとヨーランダが眠る部屋>>2:344を覗く]
おやすみ。 よい夢を。
[恐らくそれが2人に掛けた最後の言葉]
(28) 2012/03/28(Wed) 01時半頃
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あんたの口移しならどんな毒だって媚薬に変わるぜ。
[だからキスで宜しく。 とやっと笑った女に無理に作った笑みを向けた]
(31) 2012/03/28(Wed) 02時頃
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ああ、楽しみにしてる。
[笑いながら、零れた涙を指で拭い、身体を離そうとする。 けれど女が掴むなら暫くそのままで。 止めぬなら、眠る2人を見て、宿舎へと戻るだろう]
(37) 2012/03/28(Wed) 02時頃
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− 朝 −
[ヨーランダの死はどうやって村に知れ渡っただろうか。 当然セレストも知っていただろうが、自分の目には彼女は 動じることなく真っ直ぐな目で、自分の末を見ている様に映った]
………。
[一言も発する事無く、セレストを敬礼で見送る。 彼女の最期を知らせる紙が届くのはそう遠く無い事を まだ知らない。
そして入れ替わる様に、エリアスに招集が掛かった事を 何処からか知る事になるだろう**]
(38) 2012/03/28(Wed) 02時頃
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− 隊舎 −
[そこで聞いたのはエリアスに届いた赤紙の事。 本当になんて残酷な采配だろうと顔を歪めた]
はっ……本当に……兵士に見えない奴から呼び付けやがって。
[ふざけやがって…とは口にはしなかったが。 握った拳の内側でまた血が滲んだ]
エリアス…お前は……。
[答えを聞きたくて村へと足を向ける。 自分の手で叶えられる事なら叶えてやりたい。 だが、彼はそれを望まないだろうと判っていても……。 エリアスの本音を聞きたかった]
(112) 2012/03/28(Wed) 23時頃
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− 広場 −
[広場にいたエリアスを見つけたのか、見つかったのか。 至って普段通りに見える彼と話>>76を]
よう、届いたんだって?
[掛けた声はいつも通り陽気なもの。 だが表情は真剣そのもので、じっとエリアスの言葉を聞く]
それが…エリアス、お前の本音か? 誰かの心配をするとかそうじゃなくて、 俺はお前の本心が聞きたい。 それを聞いてどうする、と言われたらそれまでだけど。 吐き出して欲しい。
(127) 2012/03/28(Wed) 23時頃
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[どんな言葉を聞きたいのか自分でも判らなかった。 ただ溜めているなら吐き出して欲しかった。 だがエリアスは言わないだろうとも判っていた。 身体こそ病弱だが、 その心は誰よりしなやかな鋼の様だと思っていた。 だから彼は春のご馳走の約束の話をするのだろう]
はっ。 エリアスらしいな。そんな細かい心配して。 いいよ。どうも山菜尽くしになりそうなのは確定だから。 俺もそう遠くない先に逝くから。 その時は、そうだな。酒の呑み方でも教えてやるよ。
[やれやれと呆れたように笑って、いつもの様に髪を乱す。 一瞬だけ流れる偽りの日常が彼の望みならば。 皆が生きている事が望みなら。 それ以上は何も言わず暫く髪を掻き回して]
(129) 2012/03/28(Wed) 23時頃
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運が良ければ、戦地で逢おうな。
[それすらも叶わないと知りつつ、彼を見送る]
(130) 2012/03/28(Wed) 23時頃
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あの様子じゃ……いや、エリアスの姉なら…生きる事を選ぶよな。
[ほんの一瞬、ミッシェルの顔が浮かんだが、 その幻想を苦笑で掻き消す。 村の人間全てを愛しく想い、村の中で眠らせたいと願う者がいる。 その心も痛いほど判る。叶うなら手伝ってやりたいと思う。 けれど自らの意志で出ていく事決めた者もいる。 眠る事を良しとしないと言う者がいるのも判る。 ……誰の想いを汲みたいのか。自分は何をしているのか]
ただの自己満足の殺人者…か……。
[望むなら叶えたい。だが、自分の望みは……。 エリアスに本心を聞きたいと言いながら、 自分の本心の在処も判らなくなっていた]
(141) 2012/03/28(Wed) 23時半頃
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[手袋をしているのに、赤く染まった掌が浮かんで見えて]
………迷ってる暇なんてないんだよな。
[迷う間にも人は死ぬ。 遠い苛烈な地で形も残さず消えるより、知った地で眠る方が 幸せだと……それは勝手な思い込みだとも理解している]
それでも、俺は……あんな惨い場所で あんた達には死んで欲しくない。
[それが身勝手な本心。 故郷で無くとも。 愛着の生まれた地で眠れるなら……戦地より余程マシだと 思わず漏らす]
(160) 2012/03/29(Thu) 00時頃
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これは俺の我儘だ。
[決して交わらない願いが重なった時は どちらを優先させればいいのだろう。 自分1人なら許されない事だとブレーキが働くだろう。
けれど、ずっと前から……逝かないで欲しいと心で 叫び続けた声を知っているから]
…俺は悪魔でいい。
[赤いその手を強く握りしめて顔をあげた]
(162) 2012/03/29(Thu) 00時頃
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[この村から招集出来る人間がいなくなれば 自分達を前線に出さないわけにはいかないだろう]
悪い…。
[罪無き村人には安らぎの眠りをこの地で。 血に染まった自分は…戻らぬ戦地を]
春になる前に還って来いよ。
[エリアスを見送る事はしなかった。 すぐに…彼の魂はこの村に還って来ると信じていたから。 叶うならそれまでに戦争が終わっていれば…良いのにと]
(168) 2012/03/29(Thu) 00時半頃
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