22 共犯者
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―夜の森―
[無理はしないで。 ふと、その言葉に逆なでられる何かがあった気がした。 目を細め、ヴェスパタインをちらりと睨みつける]
……無理、しないと。 ホリーは、無理するとかしないを通り越して死んでしまったんですから。 生きているうちは、無理でも何でもして。ミツカイサマを……
[何度も語る決意。 だが、それは焦燥と僅かな狂気じみた何かに彩られ始めている。 握った拳の先が、うっすらと赤く滲んだ。ぴりりとした痛みと共に]
(2) 2010/08/06(Fri) 00時頃
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[そして、ふいと顔を逸らす。 最後にもう一度、何も言えないヴェスパタインを睨みつけて――いい気味だな、とどこかで残酷に思う自分が居て――森の中に走り去った。
駄目だ。 駄目だ駄目だ駄目だ。
早く手をかけないと。 誰かを。 立ち止まっている暇なんかないんだ。手がかりは与えられず、ナイフだけがぎらぎらと輝いている。こんな状態は、いけない。戦わなくちゃいけないんだ。殺さなくちゃいけないんだ。
走る先に、影があった。 それは、闇の中に色濃くその姿を落としていて。堂々としたその姿は、頼りがいのあるその影は、まるで。
結論を求めてやまない思考が、告げた]
――ミツカイサマ。
(5) 2010/08/06(Fri) 00時半頃
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[返答なんか聞かない。 驚きの声をあげてもらったかもしれない。だけど、聞かない。
ただ、抜いたナイフに全ての体重をかける。
多分、奇跡みたいなものだったんだと思う。
肉の解体を生業とする、『大人』の彼が。 広場で自分を諭してくれた、あの彼が。
気がついたら足元に倒れていた]
……ごめんね、ニールさん。 でもね、僕ね。殺さなくちゃいけなかったの。
もしね、ニールさんがね、ミツカイサマじゃなかったらね、ごめんね。 だけどね、殺さなくちゃいけなかったんだ。ミツカイサマをね、皆をね、だからね――
[最早理由ではない。自身を正当化する言葉などない。 身の内の何処かで、箍の外れる音がした]
(6) 2010/08/06(Fri) 00時半頃
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あはははは!あは、あははっ!
[全身に返り血を浴びて、青年は大声で笑った。 それは存外晴れやかに森に響いたかもしれない。
これで、あの晩餐を、二度と口にする事が出来なくなってしまったのだ。 他ならぬ彼自身のせいで。 それが嫌だったから、ミツカイサマを殺そうとしたんじゃなかったっけ。そうだ。そんなこと、言った。ニールさんの前で、堂々と言い放って、そしてあの人は頭を撫でてくれて。
――ああ。 そんなこと、もう、どうでもいいや]
お祭り、終わりますように。 足りないなら、違うなら、まだ、殺せるから。
[言葉に感情は伴わない。 誰かが来るまで、新たな供物の傍らに立ち――そして今夜の柊の葉と共に、血に濡れたまま村へと帰還するのだろう。
問われれば、あっさりと答える。笑顔を浮かべて、答える。『自分がやったのだ』と**]
(7) 2010/08/06(Fri) 01時頃
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―夜の森― >>15 なんだ、テッドもやろうって思ってたの? でもごめんね。僕、殺さなくちゃいけなかったから。多分、テッドがやろうとしてても、僕がやったと思う。
[苦い呟きにどこかずれた返答を返した。 首を傾げて、あはと笑う。高笑いの残滓]
終わらなかったら、もう一人、また一人殺すだけだよ。 ――ねえ、テッドは、ミツカイサマじゃないんだよね?
[ミッシェルにそうだ、と知らされていなかったら、刃を向けていたかもしれなかった。 何でもない事のように、首を傾げて問いかける]
(32) 2010/08/06(Fri) 11時頃
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>>16 >>17 うん。葉っぱ取らないとね。 僕、自分じゃ運べないなって思ってた所なの。だから、正直助かったよ。
[血に濡れたナイフをぶらりと降ろして――しかし抜き身のまま。 柊の葉をむしり取り、祭壇に捧げた]
あ、そだね。僕もマーゴに、話聞こうって思ってたんだ。森を出られたら。 そしたら、誰がそうなのか分かるでしょ?ね?
(33) 2010/08/06(Fri) 11時頃
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―朝―
[――だが。 耳にするのは、マーゴの犠牲だろうか。 また今夜も、生贄は森へ行かねばならぬ。葉は減り続けている
未だ血のにおいをまき散らしながら、その知らせに笑い声を上げる。 全部の感情が、笑い声になって流れていく]
わかんないじゃん。 もう、わっかんなくなっちゃったじゃん?どーしよう、どうするの?
どうしようもこうしようも、ないか。 お祭終わるまで、やるしかないって事だよね。
[困ったなー。と天を仰ぎ呟いた。しかし、ふと、思い出したように]
――『マーゴの近くに居た人』……
[血濡れの身体は、その言葉を小さく響かせる*]
(34) 2010/08/06(Fri) 11時頃
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―アレクサンデル家―
[血濡れのまま家に帰還した。 慄く母と祖母を相手に薄く笑いかける]
ただいま。 着替え取ってっていいかな?
[そういえば、と祖母が思いだしたように語る。 今日から例の新聞記者が、家に訪れるかもしれぬと。ホリーが約束を取り付けて来たらしい。その言葉に、ぴたりと足を止めて]
それはよかったね。空き部屋、分けてあげればいいんじゃないの?
――……ねえ、ばあちゃん。 森を壊したら、ミツカイサマは居なくなるかな?
[絶句する空気を感じた。気分が良かった。 返答が飛ぶ前に、一度部屋に戻り着替える。 居間に戻った時、もう祖母の姿はなかった。どこぞの家にでも駆け込んで行ったか。嘲りの笑みを口に浮かべ、ソファに沈んで時が過ぎるのを待った]
(70) 2010/08/06(Fri) 22時半頃
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……僕ならこっちだけど?
[部屋の扉をノックする記者に、居間の方から顔を出す。 声は聞こえていた。せせら笑うような声をあげて、肩をすくめる]
書庫ならどうぞ。使って下さい。ホリーが好きだった本です。
[言いながら、視線は記者をねめつけている。 そして、唐突に口を開いた]
そうだ。記者さん、僕達の村のお祭りについて記事をお書きになっているんですよね? その記事、公開はするんですか?
――あ、公開するなって言ってる訳じゃないんですよ。むしろ僕はね、ある事無い事、ゴシップから人殺しの詳細まで、是非全部書いて、外に出してほしいなって思ってるんです。
[ゆっくり踏み出しながら、首を傾げて語る]
(78) 2010/08/06(Fri) 23時頃
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――ふうん。
[柔らかい笑みと共に放たれる言葉を、無感動に聞く。 腕を組んで、少々苛立った調子で言葉を紡いだ]
できれば、この村の祭りで……人がガンガン死んでいる事、赤裸々に暴いてほしいんですよね。 あなたは、外から来た人だ。 そして、外に発信する言葉を持っている人。 発表の機会だってある。あなたが記事を発表してくれれば、この村は外に向かって開かれる。外から人が来る。ひょっとしたら、国から調査が入るかもしれない。 そしたら……森はいつか拓かれる。 何年先になるか分からないけど、いつか村を包む檻は完全に無くなるんだ。
素敵でしょ? ミツカイサマも、森が無くなれば生きていけませんよね! 祭がミツカイサマの予定通りに終わったとしても、その先はミツカイサマの御心通りに事は運ばないんです!いい気味!最高!
[目を爛々と輝かせて、イアンに迫る。真摯な瞳で「村を変える」と言った面影は、もう見当たらないかもしれない]
ほんとはね。 森、燃やしてやろうかなって思ったんですよ。――ちょっとね。
(84) 2010/08/06(Fri) 23時半頃
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ええ、おっしゃる通り。 この村には、木を伐採して生活している人がいます。友人のテッドも、それに携わっている。森に息づく生き物達の事も知っています。 ですけど、農地は貧しいんですよ。 ノックスは、何かをやっていたみたいですね。――彼が死んでしまった今、それが何だったかを確認する事は、難しいかもしれませんが。
[地下の入口はこちらですよ、とイアンを案内しながら告げる]
農業に必要なのは、やっぱり広い土地です。木々が鬱蒼と茂っていたら、作物は育たない。食べ物が無ければ、村は立ち行かない。……うん、まあね。僕は、僕なりに「それ」を正当化する理由を持ってるんです。考えの足りない未熟な理由ですけど。
それに、僕はもう犯罪者ですよ。外の世界では、殺人は立派な犯罪でしょう。 僕は、ニールさんをこの手で殺しました。
[地下書庫の扉を、音を立てて開けた]
イアンさんは、この村の森がお好きなんですね? 僕は、大っ嫌いです。森は、ミツカイサマは、ホリーを殺したから。ホリーを、連れて行っちゃったから。
[遠く語る瞳は、酷く寂しそうに揺れた]
(91) 2010/08/06(Fri) 23時半頃
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……意外でした。 外から来たあなただからこそ、「それは犯罪だ」って、僕を裁いてくれると思ったのに。理由が在ろうとなかろうと、僕は人を殺した。 理由が在ろうとなかろうと、ミツカイサマもまた人を殺す。それって、――大変な事じゃないんですか?違うの?森の前では、人の命なんてどうでもいいの?
[埃臭い気配が記者を包むだろうか。自分は、書庫の中に入る事はなく]
ホリーが哀しむ? 記者さん。ホリーはね、悲しんだりしないの。もう、悲しんだりできないんだよ。 分からない。ひょっとしたら、死後の世界みたいなものがあって、そこから僕達を見守ってくれてて、とか、そんなのがあるのかもしれないけど。 そっちの様子なんて、僕が死ぬまで分からないんだからさ。
[地下書庫の戸口に佇む。 姉について語る口調は――抑えられないように語る口調は、とても子供じみていた]
仇を討てないなら。 ……連れてってくれないのかな。
[それは、心からぽろりと漏れた呟き。 多分、自分でも気が付いていないくらいの]
(102) 2010/08/07(Sat) 00時頃
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……あれ。 ミッシェルさん、どしたの?
ひょっとして、鍵開いてました?
[現れた知る女性の影に、僅かに驚いて目を見開いた>>104]
(109) 2010/08/07(Sat) 00時半頃
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>>110 そっか。 あのね、今記者さんが来てるの。うちの資料読みたいって言うからさ、地下書庫に案内して…… ミッシェルさんも、本読みます?今なら、煩いばあさんも居ないし、読み放題ですよ? 小難しい本ばかりみたいですけど。
[閉めた方が良かったのかなと後悔したけど、泥棒なんて些細なものだと思ってしまう自分が居て、それもまたちょっと悲しかった]
(112) 2010/08/07(Sat) 00時半頃
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……学者って、大変なんですね。 あなたは、この村の人じゃないのに。 なんだか、ずっと村に住んでいる人みたい。
[無意味な事だ、と言われて。 目を伏せて呟く。 腕を伸ばした先に、光が見えない。見えた筈の光はすぐに掻き消えてしまう。 そんなものか――と。虚ろに、諦めたように笑った]
……そうです。 仇、討ちたい。ううん、討てなくてもいい。返り討ちにされてもいい。わかんない。わかんないけど……
僕は、ミツカイサマに会いたい。 会って、……僕の大切な人たちを、もう、殺さないでって、僕は……僕は失うものなんてもう無いから。僕が、僕自身を生贄に捧げる覚悟は、もう出来てます。そのための道具もある。
……村には、古い家は沢山あります。元々、僕が生きて帰ってくるなんて、誰も信じてないでしょうし。現実問題としての次の村役の相談は、長老達がやっているでしょう。
ごめんなさい。イアンさんに話したって、どうにかなるものでもないのにね。ミツカイサマが誰なのかも、よく分かんないし。
[語るだけ語って、目を伏せた]
(121) 2010/08/07(Sat) 00時半頃
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どうぞ。 僕以外の家の人は、お祭りや長老会議で忙しそうだから……多分、何冊か持ってってもばれないと思うよ。
[すっと身を壁に寄せて、ミッシェルが書庫の中へと入れるように]
変な本とかもあるみたいだから。 うちのばあさん、記録だけは大事にするんだよね。自分じゃ見ないのにさ。
(123) 2010/08/07(Sat) 01時頃
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双生児 オスカーは、びくりと顔を上げた。ミッシェルを睨むような勢いで見つめるだろう。
2010/08/07(Sat) 01時頃
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誰なの!? 教えて、お願い! 会わなくちゃいけないの、会わなくちゃ――
[叫びださんとする勢いでミッシェルに縋ろうと]
(127) 2010/08/07(Sat) 01時頃
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うん、聞いた。 だから、もう無理かなって……でも、知ってるなら教えて。 会いたいの。 会って……とにかく、会いたい。
[ミッシェルをまっすぐに見つめる。 お願い、と唇が言葉を形作った]
(130) 2010/08/07(Sat) 01時頃
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――!
…………。 ……………そう、なん、だ。
[納得は、行くような気がした。今更ミッシェルが嘘をついてるとも思わないけど。 パピヨンが撃ち殺された時に、何とかしておくべきだったのかもしれない。 ――じゃあ、ヘクターがホリーを殺したのだろうか。 ホリーの事を心配してくれていたようだし、彼女が死んだ後も、何かと自分の事を気にしていてくれたような気もするし。
納得するしかない。今更ミッシェルが嘘をつく筈がない]
ニールさん、ごめんなさい……
[謝罪の言葉を漏らした後で、脱兎のごとく階段を駆け上がっていく]
(132) 2010/08/07(Sat) 01時半頃
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[祖母は家に居ない。 つまり、地下書庫と同じで家主の部屋もがらあきだった。 脇目も振らずに駆け込んで、机の引き出しを開ける。
黒塗りの拳銃。 年代物。弾は――数発しかないな、と中身を開けて数えた。 でも、数発はある。
二ールの言葉が蘇る。拳銃なんぞで勝てる相手でも無いだろうと。 勝てないなら、それでいい。撃ち抜く対象が、彼の頭から自分の頭に変わるだけだ]
終わりにするんだ。 今晩で、終わりにするんだ――
[ミツカイサマが、「まだ」居る、なんて。青年は知る由もない。 祈るように呟いた]
(134) 2010/08/07(Sat) 01時半頃
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[再び地下へ続く階段に顔を出す。 さっぱりとした表情を浮かべていたかもしれない]
地下の書庫は、ご自由にお使い下さい。 家の鍵は……えっと、ゼルダですね。祖母に言ってもらえれば、手配できると思いますので。今は……多分、他の長老の方の所に居ると思います。
僕は――先に森に行ってます。 誰だか分かっても、簡単に会えるとは限らないですからね。
[それだけ告げて、家を去る。 大きく息を吸って、昼の陽光きらめく森へと向かった**]
(136) 2010/08/07(Sat) 01時半頃
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―昼の森・泉―
[知っている道をたどれば自然に開けた場所に出た。 例の泉だ。 水を口に含んで、昨日と同じようにその脇に座りこむ。こうしていると、時間を忘れられた]
記者さんは、本当に面白い人だよね…… 僕なんかよりも、ずっとミツカイサマについて、祭について、分かってるみたいだった。 外の人なのに。 学者って、そんなものなのかな。
[独りぼやく。 懐に手をやり、その感触を確かめる。昨日までよりも厚く、昨日までよりも重く、昨日までよりも冷たい]
(163) 2010/08/07(Sat) 09時頃
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[日差しが心地良い。 近くの樹の根元に座りこんで、うとうとと眠り始める。 疲れの蓄積だろうか、すぐにそれは深い眠りへと変わり、目が覚めるのは――儀式が始まる黄昏ごろになるだろう**]
(164) 2010/08/07(Sat) 10時頃
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−巡礼の夜・広場−
[森の淵から、広場を睨みつけていた。 ヘクターと目が合えば、静かに笑ってみせただろう]
・・・・・・鉛の弾って、効くんですか? 効かないんなら、それでいいんですけど。
(196) 2010/08/07(Sat) 16時頃
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双生児 オスカーは、墓荒らし へクターの姿を横目で捉えながら、森の中を。
2010/08/07(Sat) 16時頃
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下品なモノ、だってさ。 下品な殺しをしてるのは、お互い様じゃないか・・・・・・
[銃身を懐から抜き取り、額に当てて目を閉じる。 それはこの森の神に向けての懺悔にも似て。だが、懺悔ではない。決して]
ミツカイサマ。 僕は、あんた達を恐れ敬うには・・・・・・すこし、癇癪を持ちすぎてしまったみたい。
[気掛かりなのは、同じく殺気立っていたテッドの事。彼もまた気づいたのか。 だが、今更確かめる気も起こらなかった。ただヘクターを捉え、機会を伺っていた]
(199) 2010/08/07(Sat) 16時半頃
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[蹴り込んできたその姿に、口元を吊り上げた]
・・・・・・もう見つけてるよ。 あんた、なんでしょ?
[銃を構えながら、だが、まだ引き金は引かない。常識では考えられない異様な姿に、怯む暇はなかった]
聞いていいかな、ミツカイサマ。
どうして殺すの? どうして殺させるの?
(201) 2010/08/07(Sat) 16時半頃
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双生児 オスカーは、粟立つものを感じながらも、ヘクターの瞳を睨み続けている。
2010/08/07(Sat) 16時半頃
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教えてもらってたなら、ごめん。 じゃあ、納得出来てないんだね。僕。
あんたがどんなに崇高で、偉いのだとしても。 僕にとってのあんたは、ただの、姉の仇だ!
[叫ぶと同時に、引き金を一度引く。 銃声が、高らかに、鳴った*]
(204) 2010/08/07(Sat) 16時半頃
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ー夜の森でー
[雄叫びをあげるミツカイサマの姿に、心の底からイイキミだと思った。 口元を吊り上げながら、もう一発−−]
……っ!
[肩が痛い。 見ると、そこは血を流していた。首を狙われた時に、かすったのか!]
まだだっ!
[力尽きるまで。 僅かよろめきつつ、鉄の筒を構えた]
(226) 2010/08/07(Sat) 21時半頃
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―少し前・広場―
……トニー。
[向けられた無邪気な視線に首を傾げる。 そして破顔した。せせら笑うような声になってしまったかもしれない]
大丈夫さ。 多分、今日で終わるだけだから。
(253) 2010/08/07(Sat) 22時半頃
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双生児 オスカーは、若者 テッドの気配に目を見開いたが、銃口はヘクターに向けたまま。
2010/08/07(Sat) 23時半頃
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姉弟そろって!? ホリーが……姉さんがどうしたっていうんだ!
[避けようとして――肩の痛みが邪魔をした。 爪が身体を引き裂くのだろうか。 だが、組み合う形になってくれれば都合は良かった。仇を討てばいい、ここでこのミツカイサマを殺せば、終わる。
至近距離に銃口を合わせ、引き金に指をかける]
姉さんの仇。 森のカミのミツカイサマに、鉄と鉛の制裁を!
(283) 2010/08/07(Sat) 23時半頃
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テッド、お前は逃げろ! お前だって殺されちゃ駄目なんだ!
[腹の底から声を絞り出す。 残る銃弾はもう少ない。あって一つか。
テッドに跳びかかるヘクターの足に掴みかかろうと手を伸ばす]
殺すなら、僕を殺せ―― これ以上、僕の大切な人を、誰も……
[それは半ば懇願であった。 呪詛であり、威嚇であり、ミツカイサマへの懇願であった]
(294) 2010/08/07(Sat) 23時半頃
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愛し、育む?
今の僕には、あなたがたのしている事は――ただの、略奪にしか思えない! 本当に僕を愛しているというのなら、何故僕からあなたは家族を奪った!
[半狂乱で叫ぶ。 語っている『ミツカイサマ』――ああ、そうさ。『ミツカイサマ』って名前の化け物にしか思えないのさ――そいつに、最後の一発を撃ってやった]
(306) 2010/08/08(Sun) 00時頃
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畜生ッ!
[大声で悪態を吐く。 逃げてしまう。奴が逃げてしまう]
……。 ――待て、お願い、待って! 逝ってしまうなら、独りで逝かないで、勝手に逝かないで!
僕も連れて行って、お願い……!
[そう叫んで。 地面に座り込み、嗚咽を漏らすだろう。
駄目だ。仇を討つ機会は永遠に失われてしまった――]
(308) 2010/08/08(Sun) 00時頃
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双生児 オスカーは、肩から流れる血と興奮の残滓に、意識を朦朧とさせている。
2010/08/08(Sun) 00時頃
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