131 【飛入歓迎】すずなりの男子高校生村
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― 家庭科室からの廊下 ―
わっ、ライトが切れた。
もう、幾ら臨場感溢れると云っても、停電のままは不便ですね。
早く治らないかな……。
[隣で、懐中電灯と悪戦苦闘している薬師寺氏の様子に、懐中電灯が付くまで待つしかない、とその場で座り込んで。
そのまま懐中電灯より先に停電のほうが直ったと知るのは、後暫くの話]
― (家庭科室方面から)講堂へ向かう廊下 ―
…うおっ?
[スピーカーの近くを通った時に、耳に入った不気味な音。
それにはびくりと肩を揺らす。
誰かの仕込みだろうか、停電中に作動するなんて。
無意識に眉をハの字に下げたが。
戦闘を歩く薬師寺の懐中電灯が消えれば、流石に声を上げる。]
え…っ?2
[1.電池切れ? 2.霊的な何か?]
──講堂──
お、おお落ち着けオスカー。お化けとか、お化けとかそんな。
[心霊番組などは、ぎゃーぎゃー騒ぎながら楽しく観るタイプだが、
この状況で起こる不可思議な現象には、さすがに結構怖い。
しかし。]
…………オスカー?
[口調に違和感を覚え、空いてる左手を伸ばす。
触れた所を指先で撫でると何か濡れていて。]
泣いてんか?
……ほら、だーいじょうぶやって。
[ぎゅっと抱きしめて、小さい子にしてやるように背中をぽんぽん撫でてやろう。
しかし想像するに、凄い絵面だ。停電中で良かった。いや、停電してなきゃオスカー泣いてないか。]
[薄闇の中、絡んだ視線]
[かすかに浮かぶ先生の笑みに目を細める]
[よかった]
[そっと頬に触れて、顔色を確かめようと近寄る]
[そうして流れてきた汗を拭おうと、]
あ……。
[見上げていた視界の下部、ぽとりと落ちた]
[たぶんタバコ]
[どうしたのだろうと先生に視線を置いて]
[そうして、髪に先生の手を感じて、撫でられる?と思った、とき]
― 講堂へ向かう廊下 ―
[恐らく実らしき人物が現れたのと同時ぐらい。
上の方から、妙な音が聞こえてくる。]
[ピチャ...ピチャ....] 『うぅ...ぅぉぉ...』
[その音の正体は、恐らく実らしき人物が口にしたものだろう。
碇……あの野郎、こんな時にまでふざけやがって。
放送室に行って止めてくると言うその背に向け、]
あ、おい、実。
懐中電灯いらねーのか?
危ないぞ。
[と声をかけた。
ライターもあるし、渡した方がいい気がして。]
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