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あぁ――幸いだ、神に感謝を捧げろよ。 クソ“ムカつく”神”の加護を祈れよ。
[ 銃を手におさめる。しっくり馴染む力加減で。 まだ引き金に指はかけない。握ったグリップを指の腹で撫で、一瞬だけホワイトから目を背けて自身の腿を見やった。血はじわじわ流れだし、命がすり減っていくのを感じる。 失血による不具合は目立ちはしないが、確実だ。
糖分が足りていない物足りなさと、血を流しすぎた体温の低さが混じりあって、それなりにひどい気分が続いている]
オレか?オレは……どうだろうな。 無意味な殺しをやるつもりはねえ――が オマエが“どちら側か”に、よって答えは変わる。
[ 答えはオマエしだいだ、と。 顔を上げ、ソファに座り直しながらホワイトを見る]
(57) 2016/04/13(Wed) 01時半頃
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[あのキャデラックがグリーンのものではない、ということについては、へえ、とだけ相槌を返し。>>54 盗難車かとあたりをつけると、それが賢明な判断か、強盗に使うんだからと納得する。
ただ、続いた言葉には目を丸くして、ポカンと数秒は口を開けて外からグリーンへと視線を移したか。]
は? そりゃありがてぇ話だが…、
[何を考えてるんだ此奴は。 鍵欲しさに動けないグリーンをズドンと俺がやらない保証はねぇだろう。 無駄にそんなことをするほど俺はサイコじゃねえし、タダでくれるってんなら貰うがよ。]
(58) 2016/04/13(Wed) 01時半頃
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[そこまで考えて、此奴は一人じゃ歩けねえ、ってことを今更思い当たる。
じゃあどうやって此処から逃げるんだ? イヌで仲間のお迎えが来るまでジッと待ってる? いや、だとしても俺に鍵のありかを話す意味がわからねぇ。
此奴を引きずって車までなら移動出来るか? ホワイトに手伝わせればそこまでの労力じゃあないが、彼奴がイヌじゃねえと信用出来るか?等 ひどく“らしくないこと”を考えて、ガリ、と頭を掻くと]
…騒ぎが収まったらな。
[とだけ、答えた。*]
(59) 2016/04/13(Wed) 01時半頃
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[グリーンの返答するのを黙って見つめる、男の右手はシャツの胸元をネクタイごとぐしゃりと掴み、左手は下ろされたまま――オレンジが訪れた時と同じように――上衣の裾、「それ」がある腰の付近にあって]
……私、は…… わ、私は、殺しません、よ。 殺さない……殺せるわけがない、です。殺さない…… そ……そんなの、そんな、のは……慎重でないから……
[改めて答える声は、およそ常のよう、掠れ、震え]
……い、意味が、なければ。 メリットが……ないなら、そんな事…… ない、です……ないのなら……
[足された語調も、同様に]
(60) 2016/04/13(Wed) 02時頃
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――……甘いなあ
[ オレンジが巡らせる思考のあらましを識るよしは無いが、車の鍵を奪いにかかるでもない様子に、快さげにじわりと滲むような笑みに目を細めた。
笑む目から伸びる眼差しは、揺るぎなくホワイトへと向けたまま。一呼吸吐き、無味の唾液をゆっくり飲み下した。そして喉が乾いている事に気付く。それなりの緊張を抱いているのだと、自らの状態を改めて実感した。“オレ”はじりじりと緊迫していて]
…………そうか。 テメェは、殺さない方か。
[ 言葉と裏腹に銃を探るようなホワイトの手を眺め、握った拳銃の引き金にやわらかく指をかけた。まだ我が手の銃は吠えない。しかし、いつでも牙を剝ける準備は整っている**]
(61) 2016/04/13(Wed) 02時頃
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甘いのはテメェの小便だか血だけで充分だろ。
[へ、と口元だけ歪めて笑うと、グリーンの機嫌良さ気に細めた目>>61から視線を外した後は、常のように眉間に皺を寄せて窓の外に視線を戻し、二人の問答は会話だけ聞いていた。
奥へ様子を見に行った時も、そして今も、ホワイトの垂らした手が腰にある銃の近くだということ>>60も気付かない程に間抜けな俺は、グリーンが緊張を持って銃を握っていることにも、二人の間に流れている空気にも気付かないままだ。
新たに響いた銃声>>49を耳に、それがどこに当たったのかを悪い視界の中で推測するのに意識がいっていて。
シガレットを銜えて火をつけると、 今日はよく晴れてんな、と煙を吐きかけた曇ったガラス越しの空を刹那、見上げて思った。**]
(62) 2016/04/13(Wed) 03時頃
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[新たに聞こえる銃声は、 何色が何色に向けるものか、 その色彩は此処からは到底見えない]
…… 貴方、は、 あ、貴方……も……い、いえ、あの、
わ、たしが、その……殺さない側……なら…… 貴方も……そうして、殺…… 殺さないで、いよう……と?
[男の瞳は、揺れる。揺れて、揺らいで、 だが外れず、グリーンの顔を、それ以上に手元を、捉え続ける。握られた銃、その様子と比例させるように、骨めいた指を微か蠢かせて]
(63) 2016/04/13(Wed) 03時半頃
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あな、あなた……の、意味が…… お、同じなら、いいのですけれど。 同じ……意味が、無意味が、同じなら…… 無論、いいのですけれど、……そ、そう、でしょうか。
そ……そうなら、それは……いいのですけれど…… そう、ですか? そ、そうですか、ね。
[瞳に重ねて、窺う言葉。 薄い瞼を、ぴくり、痙攣させつつ、 一歩、後退る**]
(64) 2016/04/13(Wed) 03時半頃
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[パープルに撃った弾はヤツのこめかみを掠めていった。 弾丸が脳を揺さぶり、ヤツの足元をフラつかせる。
当たらねえ事に小さく舌打ち、右手の重みを確かめる。 ――あと、十三。**]
(65) 2016/04/13(Wed) 16時半頃
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[ あらゆる音が遠ざかる。 外の騒ぎもラジオから流れる唄声も届かない、意識のすべてが見つめる相手にのみ集中する一時。ホワイトの不明瞭な言葉をひとつひとつ捉え、丁寧に吟味した。
オマエが殺さない側なら、“オレ”も殺さない側のままか オマエの有意義と、“オレ”の有意義は同義か オマエの無意味と、“オレ”の無意味は等しいか 答えは――]
……殺さない方、か。それなら、
[ ――Noだ ]
(66) 2016/04/13(Wed) 22時頃
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[ 晴れやかな空にかかった雲間から、ひときわ明るい陽が落ちる。薄汚れた窓をもろともせず射し込む陽光が伸ばす、外を注視するオレンジの影が、ソファに掛かった。
Mr.GREENは影の中に居る。 影の中からMr.WHITEを見据えている。
指に力を込めるきっかけは、ホワイトの後退。 身動ぐ気配に合わせての、一瞬。
定める狙いは、ホワイトの腹。 失血のせいでうまく扱えない今の体でどれ程の精度を保てていたかは知れないが、“オレ”は撃つ。殺さないと言った――ロクデナシどものサーカスに居ながら道化師にならない男を、撃つ。]
( 死んでくれ )
[ 声なく唇だけで形作る言葉を、光のクズめいた埃舞う空気に舞わせ。引き金をそっと弾く*]
(67) 2016/04/13(Wed) 22時頃
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[ 半分になった視界で捉えた彼>>46の顔は 怒りか憎悪か 男の見知った怯えや恐怖とは対極のもの。
どこか、嗤っている気さえした。 ]
………ああァああアア!!!!!!
[ 今迄の男の印象とはかけ離れているだろう咆哮が 血を帯びた刃の上に乗る。
一度思考を止めた脳が、弾けるように演算を再開すれば 此方を向いて口を開けている漆黒の正円が何であるかも 視界が足りない強烈な違和感にも理解が及び
現実が、現実として、男の身に降り注いだ。]
(68) 2016/04/13(Wed) 22時半頃
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[ けれど、地面を蹴る足に込めた力は減らない。
刃で銃に勝つには 刹那でも速く、1インチでも近く その懐の中に潜り込むしかないのだから
男に与えられた選択肢はひとつ。 刃の先を確実にリブの隙間に突き立てること。
…――此方を向いた銃口から炎が散る、前に。
男が見据えた先にある人差し指が動いたが 己の切っ先は未だ届いていない。
視界と共に隔たれた距離を呪った時、 響いた銃声>>49 揺れた足元>>65
その直後。 灰色の刃が、脇腹を捕らえた。 ]
(69) 2016/04/13(Wed) 22時半頃
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[
ずぐ、 と
肉にめり込む音。
柄の尻に添えた左手が、スーツの向こう側へ その刀身を全てをブチ込んでゆく。
スローモーションのような世界の中で 男の耳には今更、ピンクの放った銃声を聞きながら 埋め込んだナイフごと、パープルの上へ倒れこんだ。]
(70) 2016/04/13(Wed) 22時半頃
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……………っは、 っは、 は……
[ キャデラックの脇、横倒しになったふたつの影。
男は、己の視界が真っ黒な理由が パープルのスーツであることすらわからないまま 埋めたナイフを握り締め、荒い息をこぼしている。
正面を向かなくなった左目の脇を、 大粒の汗が何滴も転がり落ちて
黒いスーツに、更に黒い染みを作っている。 *]
(71) 2016/04/13(Wed) 22時半頃
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[ それなら、 そう零されたグリーンの声を聞いた、瞬間。 ぞわりと、冷たい、なまぬるさが、 「冷たい生温さ」が、首筋を撫でた]
っ、――!
[反射的に左手を――男は本来左利きの、今は両利きであり、けれども「主要」にはやはり左手を使う人間である――動かし、それを、銃を、取り出しては、構えて、同時に引き金を引いた。 影の中、刹那逆光になった相手、当たりはしたか、少なくとも致命傷にはなり得なかっただろう、 影の中、刹那逆光になった相手、その弾は男の右脇腹を、貫きはせずも、抉るように通り過ぎて]
ぐっ、 あ、 ……っひ、
[漏れる吐息、呻き、揺らぐ痩躯。 からりと、瓶詰めの錠剤が、音を立てた]
(72) 2016/04/13(Wed) 22時半頃
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[外からの何度目かの銃声の後、 よろめいた影は誰だろうかと>>65 手でひさしを作り薄汚れた窓に張り付いて目を凝らす。
ホワイトが変わらない調子で何か言った後、>>64 二人の会話が一度途切れたように思えた。>>66
窓から差し込む光の中、俺の作った影の下で 静かに行われようとしていることも グリーンホワイトに向けて口の動きだけで伝えた殺意も>>67 その瞬間まで意識の外のまま。
外の様子がよく見えないのに苛立ち 窓を開けたほうが早いんじゃねえかと 窓枠に手をかけてみるが錆付いたそれは ギシ、と音を立てただけで。
舌打ちをして、少し力を入れようとした時だった。
間近から、耳を劈く様な発砲音がしたのは。>>67]
(73) 2016/04/13(Wed) 22時半頃
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[犬以上に獰猛な獣を思わせる、咆哮。 俺は目を見開き呼吸を一瞬止める。>>68
銃でなくナイフで戦うレッドの手元で、 陽光を反射して銀刃がぎらりと煌いた。 引き金を引く。 パープルの茶髪が陽炎の如く揺らめいて、 (肉に刃が食い込む音が、した気がした。) ――濃い血のニオイが辺りに満ちる。>>71]
――。
[この天と地の間には、想像もしねェコトがわんさとあるのさ。 たとえば、目の前、 キャデラックの脇で臥せている二つの影だとか。
レッドの”執念”と呼ぶに相応しい、獲物への食いつき方だとか。]
(74) 2016/04/13(Wed) 22時半頃
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[白いアイス、乾燥させた葉っぱ、甘いお薬の幾つか。 手から零し何人も転落させて、その度に嘲笑った。 踊り狂うピエロになる事を想像してもいなかった。 たった、今に至るまでは。
狐のように狡猾であれ
鼠のように臆病であれ
どうせ野良犬だ、忠義など尽くすな
狂犬めいてうすく嘲笑う、 指は、けして引き金から離れない。
確実に二歩分の距離をとりながら、 キャデラックの傍に倒れたレッドの近くへ寄る。]
(75) 2016/04/13(Wed) 22時半頃
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――さすがァ、名に違わねえ戦いっぷりだぜ、Mr,RED だけど――あんた、一個忘れてるよ。
ここにゃクズしかいねえって、な。
[その”右”肩に、背に、向けて 三回、引き金を引いた。*]
(76) 2016/04/13(Wed) 22時半頃
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―――な、っ…?!
[唇から火のついたタバコが零れ落ち 床に小さな火花と灰を散らして転がった。
阿呆みたいに呆けていた頭より先、 体が先に反応をして懐から銃を引き抜くと 音のした方向へと体を向ける。
続いてもう一発の破裂音。>>72]
(77) 2016/04/13(Wed) 22時半頃
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[ 銃声は、間抜けな“犬”の咆哮だ。
足に力が込められないせいで、反動でぐらついた上体を弾道が掠める。ブルーとブラウンを嗤ったはずが、早撃ちの決闘じみた撃ち合いに相成ったらしい。 ホワイトの反射的な反撃の一発は、Mr.GREENの左脇腹に穴を空けてソファにめり込んだ。幸い内臓に決定的な損傷はないが、影の中でどろどろ照った血は流れ出す]
――……っ ぐぁ、ッ……ぁ 撃ちやが、った――クソ、クソっ
なにが ころさね ェ、だ
[ 傷んだ腹を左手で強く押さえ、ホワイトの傾く体に向けた続けざまの発砲を――もう一発。がむしゃらな二撃目は精度を欠いたデタラメなもので、床に転がり落ちた薬瓶に当たって硝子を砕いた。破片はきらめき、光の粒に*]
(78) 2016/04/13(Wed) 22時半頃
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[誰が撃った?誰を? 落ち着けよ、 ここにいるのは俺とグリーンとホワイトだけ。
俺は、俺の体は無事だ。 無事だよな?
体を見下ろす。痛くもねえ。血も出てねえ。
ホワイトの体が揺らぐのを見、 脚に加え、腹に穴の増えたグリーンを見る。>>78
どうした?なんて聞きやしねえさ。
俺もこいつらも外のクズどもも、 ただ見てるだけの見世物小屋の観客じゃあねえ、ってことはわかりきってる。
どちらに照準を向けるべきか迷うように 突き出した腕は落ち着きなく左右に振られ――…]
(79) 2016/04/13(Wed) 23時頃
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……っは、…はぁ……
[荒い息が漏れる。動悸がする。冷えた汗が流れる。 常用の精神安定剤を余程飲みたいと思ったけれど、 それは転がり落ちてしまって、残った胃薬では気休めに過ぎる]
……っわ、わたし、は、
[薬瓶が割れる。硝子が砕ける。 どこかきらびやかな、しゃらしゃらとした音]
い、意味が……あ、あぁ、あるなら、 あ……メリット、が、あ……ある、あるなら、 あぁ、……
[揺れる、揺れて、溶け消えそうな声。 抉るに収まった一撃はけれどもけして些少でもなく、 血管を破り滲み広がる赤、元より白い掌でそれを押さえた。 銃口は、下ろさないまま]
(80) 2016/04/13(Wed) 23時頃
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[二人は撃ち合いのていになっているが いつこっちに弾が飛んでくるとも限らない。
ホワイトのメリットって言葉がやけに耳に響く。>>80
メリット。今更この状況でメリットがあることなんて何かあるのか?
くれるって言われた車の鍵のこと 思いのほかつまらねえものでもなかったおしゃべり 石を回収したのを見ていたかもしれねえホワイト 何を考えているか掴めない不気味さ
冷静なんだかそうでないんだかわからねえ ―多分冷静じゃあないだろうよ―頭で グルグルと俺の"メリット"を考えて。 それはメリットも理屈もないただの野良犬の本能的なものだったのかもしれない。
グリーンに比べて軽傷なホワイトの、 未だ下ろされないホワイトの銃を握った手に向かい 定まらなかった照準を合わせると引き金を引いた。*]
(81) 2016/04/13(Wed) 23時半頃
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意味 ……――意味、って……はッ テメェ、の、意味ってのは――、 言ってみろよ……なぁ おい、クソがッ
[ 散った光の粒が、荒々しいささめきの間に降る。 赤く汚れるホワイトの白い手を見る目がわずかに霞む。吐く息がいちいち熱く、脇腹から軋む身体がいちいち痛む。それでもまだ“オレ”は生きている。
いまだ上がったままのホワイトの銃口とは違い、“オレ”は力の入らない手から拳銃を落とした。ゴトリと銃床が足元を打ち、鈍い音を立てる。
空いた両手で腹から溢れる血を塞ぎ。 背後から響く銃声(>>81)を聞き]
――、……はっ
[ 大きく吐いた息が、笑うように泣くように震えた]
(82) 2016/04/13(Wed) 23時半頃
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[殺しというのは、それを専門にする者でもなければ、 大概は、ハイリスクローリターンなものだ。 それは必ずしも避けるべきものではなく、 けれども、叶う限りは、避けるべきものである。
それが男の認識だった。
だから、この計画が破綻した後も。 ヨアヒムが呪詛を吐いて死んでも、 男は進んで他を殺そうなんて思っていなかったのだ。
損失よりそれを追っての更なる、 致命的な、損失こそ、 終わりこそ、恐るるべきだと、わかっていたから。
だから、男の理由は、殺されるなら、それであり、 男のメリットは、生き延びられるなら、それだった]
(83) 2016/04/13(Wed) 23時半頃
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ぅ、 は…… っ、
[ 今更ながら、右目にはしる激痛に口元を歪め 背後からかかった声>>76に、ナイフを抜く。
ゆらり、と 起こした上体 声の方角へ首をひねった筈が その主の姿は、喪った視界の闇の中。
手元から溢れる暖かな血が手元を汚しているが 気にする様子もなく、男は自身の額に手を当て、 「穴」があいていない事を確かめながら ]
忘れては、いないはず …ですけれど、
(84) 2016/04/13(Wed) 23時半頃
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[ ……――っは、 と、笑みが漏れた。 ]
(85) 2016/04/13(Wed) 23時半頃
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[ 彼の姿がある筈の場所へ、 射るように愛器を放つのと同時に 銃声>>76と 硬質な金属音が響いて
何億分かの確立でかち合った銃弾とナイフ。
血を吸い込んだばかりの灰色のそれは 蒼穹へと”おちて”いって 再び地面へと吐き出された。 ]
……っが、 ぁ………
[ 伸ばした腕が跳ね、肩が踊る。
続いた2発の銃弾は、男の掌と腕を貫いて 貫通したそれがキャデラックにめり込んだ。]
(86) 2016/04/13(Wed) 23時半頃
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