64 色取月の神隠し
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藤之助は、芙蓉が、この子、嫌いじゃないだろ――と、口にし 覗き込むようにされれば渋面を向けた。
2011/09/21(Wed) 01時半頃
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“そろそろ 青葉村の祭りも御仕舞い。 繋がっていられるのも、もう少し…なんだ”
[祭り囃子に、灯を滲ませる吊るし提燈。 面を付けた村人たち、手には林檎飴。 それらをそっと振り返る。]
“今度来るときは……皆、一緒がいいな”
[伸ばされた芙蓉の手が、柔らかく髪に触れた。 話をしよう。声を聞きたい。そんな言葉には、強く頷く。 何やら視線を逸らすひとにも、首を傾げながらくすりと笑んだ。]
(27) 2011/09/21(Wed) 01時半頃
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ありがと、藤。
なあに、あんたが可愛い子と二人で迷いそうになったりしたら、血相変えて探しにくるのがあっちにいるだろ。
[軽口を叩いてから、まっすぐ鵺を見つめる>>26]
ひなたをよろしく。 あたしも、すぐに後から行くよ。
(28) 2011/09/21(Wed) 01時半頃
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“それじゃあ 案内、お願いね。――藤之助さん。”
[どっち、と迷いながらも、 今は慣れた呼び名を口にすることにして。]
………
[一度腰を折って、傍に佇む古木の根元に、 買ったばかりの風車をそっと挿した。 いつかまた、迷わずに此処を目指せるように、迷わぬように。 後から来るという芙蓉に一礼し、行こ、と見上げた。]
(29) 2011/09/21(Wed) 01時半頃
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[ふと短い沈黙が訪れれば、祭り囃子が聞こえる。 楽しげに笑い、行き交う人々の声]
きっとまた、来ようね。
[柔らかな髪を撫でていると、首を傾げる動きが伝わってきた。>>27 つられるように笑んでから、少女を鵺の方へ促す。
道しるべのように残された風車を、しばし見つめて>>29]
さあ、先にいっておいで――
[やがて、ふたつの影が消え、 のこったひとつの影も消え、
賑わう夜を照らす提灯、ひとつ、ふたつとだんだん消えて、 今年の祭りは終わるのだ]
(30) 2011/09/21(Wed) 02時頃
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[風が吹き、山を撫で、木々の葉が色を変える。
色取月の神隠し、その行く先は――
未だ終わらぬ、あやかしたちの祭り**]
(31) 2011/09/21(Wed) 02時頃
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[くるり、くるり。
音無く回るは、籠目の紋の―――**]
(32) 2011/09/21(Wed) 02時頃
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薬売り 芙蓉は、メモを貼った。
2011/09/21(Wed) 02時頃
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藤之助、ね。
[適当に拵えた名なんだがなぁ、と思い けれど、鵺さん、と呼ばれるのも調子が狂うしな、と頷く]
……あぁ、先に行ってるよ。
[軽口を叩く芙蓉に軽く手を挙げてみせ 行こ、と男を見上げる日向に 道行を迷わぬよう、黙って手を差し伸べる]
――――……。
[やがて祭りが終わる頃には 村人達も、神隠しのあったことに気付くだろう。
けれど、隠された者たちが何処へ去ったかは 古木の根元に挿された、標たる風車の他に知るものはなかった――**]
(33) 2011/09/21(Wed) 02時頃
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子守り 日向は、メモを貼った。
2011/09/21(Wed) 02時半頃
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