17 吸血鬼の城
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墓荒らし へクターは、奏者 セシルと、この廊下を並んで歩いた時のことを思い出しつつ。
2010/06/20(Sun) 16時頃
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[パイプオルガンの響きに足を止める。 ステンドグラスの、天上の青。 そして、鍵盤の上を舞う、しなやかな指を思い出し。]
今も、おまえは――
神が喜ぶ自己犠牲の精神を遂行しているのか…?
(278) 2010/06/20(Sun) 17時頃
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[壁に寄りかかってどうにか進んでくる、どう見ても具合の悪そうな黒衣のドレス姿に気づいて現実に引き戻される。]
…おい、手ぇ貸そうか。
[ベールの下からサイラスを呼ぶのは、まだ年若い娘の声と聞いた。]
変な薬を飲まされたとかいう話なら、代理で殴る役、引き受けてもいいぜ。
(280) 2010/06/20(Sun) 17時頃
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[腰掛けになりそうなチェストを勝手に動かしてマーゴの傍らに置き、サイラスの部屋のドアを拳で叩く。]
客だぜ、サイラス。 怪しい実験中じゃなきゃ開けろよ。
(282) 2010/06/20(Sun) 17時半頃
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あぁ、招かれた。 「あなたも」ってことはおまえさんもだろうな。 この城で、病死できたら、それはそれで珍事かもしれん。
[奇妙にゆったりとした金髪女の声に振り返る。 さっきトーニャに話しかけていた娘だな、と思い出す。]
どうしたって―― ミサ曲が聞こえたもんで、善行を積んでる最中。
(288) 2010/06/20(Sun) 17時半頃
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[バイルシュミット家のグロリア―― マーゴット・キャンベル――
ヴェールの下から聞こえた名に、わずかに息をつめる。]
(289) 2010/06/20(Sun) 18時頃
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あんた無神論者か。
[チラリとグロリアの左手に視線をやった。 “無垢な未亡人”の婚約指輪がまだそこにあるのか確かめるために。]
朝は四本。 昼は二本、夜は三本―――じゃあ、今は? …ってな。
それだけ飲んだら立派な「飲んだくれ」だろうよ。
(294) 2010/06/20(Sun) 18時頃
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おれは用は済んでるからいいや。 ちゃんと診てやれよ。
[背中で手を振って、割り当ての部屋へ*向かう*。]
(304) 2010/06/20(Sun) 18時半頃
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―― 自分たちの客室 ――
トーニャ、入るぞ。
[ノックして室内へ入るが、トーニャの姿はなく、手前のベッドは多少、乱れているのが見てとれる。]
(386) 2010/06/20(Sun) 22時半頃
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……。 ……。
…ジタバタしても仕方ねぇ。
[自分に云い聞かせるように言葉にして、荷物をサイドテーブルに置いた。]
(387) 2010/06/20(Sun) 22時半頃
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[洗面ボウルに水差しの水をあけ、サイラスから買ったレモングラスを浸す。
スキットルを取り出して中の酒を飲み干すと、中に入れた石がカラカラと鳴った。 蓋をあけたまま、スキットルも水に沈める。
レモングラスの爽やかさに、ほんの少しオーク樽の燻りの混じった香りが溶けてゆく。]
(390) 2010/06/20(Sun) 22時半頃
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[上衣を脱ぎ、鏡の前に後ろ向きに立って背中を映す。 まだ、紋様は上腕止まりで、背中にまでは黒い影を延ばしてはいなかった。
それを確かめると、乾いた布で、脱いだ上衣の革の汚れを拭い、ミンクオイルを擦り込んで馴染ませる。 同様に、ズボンとブーツも手入れした。]
(397) 2010/06/20(Sun) 23時頃
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よう。着替えに、ラフなコットンシャツとサバイパンツでももらおうか。
[影に要望し、自分はベッドに仰向けに転がる。
横になれば、伸びた身長分の差は掻き消え、あの頃と同じ視界になった。 天井のメダリオン、シャンデリア。
自分で希望した部屋とはいえ、心騒がすものがある。]
(401) 2010/06/20(Sun) 23時頃
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[拳を目の前にかざし、睨みつける。]
……。 ……。
今度、この城を出るときには――
(406) 2010/06/20(Sun) 23時頃
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