199 Halloween † rose
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― 露蝶の店で ―
華が水の中で開くなんて、素敵ですね。 みなもで咲く華――…か。
[>>249用意された茶器を覗き込む。 赫い蕾と周囲を囲む緑は、水の中で息づく。
一見イミテーションにも見える其れは 露蝶の言葉を信じるのなら、 湯の浸透で芽吹く華、であるらしい]
……さぁ、どうでしょう。 言葉は時に真実になる
古来から呪文と呼ばれる「力ある言葉」もまた、 なんの力も無いと思うものには、嘘まやかしでしかない。
(260) motimoti 2014/11/03(Mon) 02時頃
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――譬えば、魔女と呼ばれる者は…、 元はただの、なんの力も無い、ニンゲンです。
己に「力」があると信じ、 強く願うことで魔女として覚醒する。
[嘗てグロリアから聞いた古い小話を告げながら、 そっと、両手を組み交わす。 小声で紡いだその言葉は、店主にも届くことはあったか。 愛しい人の顔を思い浮かべ、信じていても、それでも。 叶わぬ夢となった時を想像し、脅えから手を震わせ]
……ドナルド、ドナルド……――ドナルド、
[華が開いたその後も、男は眼を伏せていた。 もしも、開かなかったら恐ろしいから。 もしも永遠に、――蕾のままだったら。]
(261) motimoti 2014/11/03(Mon) 02時頃
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也是。 语言的威力……言葉には力あるヨ。
[その言葉>>260に、目を細めて頷く。 だからこそ。]
本当になて欲しいておにいさんが思たなら、その願いは叶うヨ。
[呪いを行う家の者として、言葉を投げた。]
このお茶、一緒に待てるくらい大事な人と飲むお茶ヨ。 今度はおにいさんの大事な人と一緒に来てネ。
[そう微笑み、両目を瞑るウィンクを投げる。
話しながら待つ。 黙ったまま待つ。 どちらであっても、花が咲くまでの間に気まずくなるような相手とは飲めないお茶だ。]
(262) okomekome 2014/11/03(Mon) 02時半頃
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[それを実行しようとする彼>>261から離れる。 彼が呟く名前は聞こえない。 ただ、その相手と飲めるようにと、土産に包んだお菓子の中にその茶葉も入れておいた。
カウンターの向こうからそっと眺めたその花の色は。]
(263) okomekome 2014/11/03(Mon) 02時半頃
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― 露蝶の店にて ―
[大事な人と共に飲むお茶。>>262 その言葉を閉ざした視界の中で反復し、そっと息を吐いた。 次はきっと、彼と二人で。]
(神様、どうか。 どうか、ずっと、彼と――)
[そう願えば自然と双眸は開き、茶器を見詰める。
緋色の華が硝子の中で咲いているのを目の当たりにし。>>263]
………あぁ、
[ゆるりと息を吐き、笑みを浮かべる。 その茶をありがたく頂きながら、「クキー」と合わせて賞味し。 おいしい、と風に消える声で呟いて。]
(264) motimoti 2014/11/03(Mon) 03時頃
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……華は枯れても、必ず種子は殘る。 必ず、もう一度仝じ華が咲く為の、種が。
[親指の先を噛み、空のティーカップへ下ろす。 血液は凝固し、ちいさな丸い緋色の宝玉が幾らか底へ落つ。
店主がその「種」に気づかぬうちに土産を預かり。 ご機嫌ようと挨拶を告げ、 厚い外套を着た男は立ち去るのだった*]
(265) motimoti 2014/11/03(Mon) 03時頃
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― 緋結晶公の城 ―
[夢見の悪さに、汗が顔に浮く。 眼を擦ると、其処には心地の良い闇があった。]
……はぁ、
[春の暖かさも、陽の光も入らぬ城の寝室。 眠りの浅さに呻き、上体を起こす。
サイドボードから、血液の満ちたワイングラスを取り、 飲み直してまた眠るのだった*]
(266) motimoti 2014/11/03(Mon) 03時頃
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− ずっとずっと先の話 −
[キリシマとは喧嘩もした。 ふざけあったりもした。 心配する事もあった。 笑いあったりもした。
……愛し合ったりもした。
どれも些細で特別な日常。
それは時を重ねても変わる事は無く。]
(267) pannda 2014/11/03(Mon) 03時頃
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なー、キリシマ。 お前もう少し客に愛想よくしてやれって。 お客さん、体調弱ってるんだから、 上辺だけでも優しくしてやれよ。
[俺が接客に入る様になって、 キリシマの薬屋は結構繁盛するようになった。 苦いお薬が嫌だと泣く子供達には、不思議な唄と お手玉で涙を拭いてやった。
何処に行っても俺が動きやすいように店内が作られていた事に 気付いたのは何時位か。 感謝の言葉の代わりに、小さな店内でダンスを誘ってみたりもした。 少しずつお金も貯まって、順調だと思っていたのに。]
(268) pannda 2014/11/03(Mon) 03時半頃
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本当に、俺がいないと店もまともに開けないんだから。 しっかりしろよ。
[いつもの様に呆れながら声を掛けた俺をキリシマは どんな目で見ただろうか。]
商売ッ気が無いのは良いんだけどさ。 たまには服とか新調しようぜ。 カッコいいキリシマも見たいし。 それに、お菓子も買っておかないと。
(269) pannda 2014/11/03(Mon) 03時半頃
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寝ちゃった……?
[歳を取っても変わらぬ文句。 慣れているのか、気付けばキリシマは眠りに落ちていた。 ピクリとも動かぬ様子はいつ見ても慣れる事は無い。 もしかしたらもう二度と目覚めないのではと不安に駆られて 伸ばした手は、魔物の彼の身体を擦り抜けた。]
なぁ、キリシマ……明日、ハロウィンだぞ。
[呼吸音さえ響かぬひんやりとした室内に差し込む月光。 けれど光は俺の影を生む事は無い。
幸せで幸せで、幸せすぎた俺の人生。
本来なら天国か地獄に行くべきだろうが、俺は違った。 最期に思い残す事があったから。 キリシマを1人にしたくない、その一心が俺をキリシマの 傍に留まらせる。]
(270) pannda 2014/11/03(Mon) 03時半頃
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俺の戻る場所はキリシマの傍なんだってば。
[天国でも地獄でも無い、お前の傍なのに。 もう抱きつく事も、殴られる事も、愛し合う事も出来ない。
そっと冷たい筈の手に俺の手を重ねても、その温度が伝わらない。 覚えているはずの感触を探しても、空を彷徨うばかりで。]
(271) pannda 2014/11/03(Mon) 03時半頃
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なぁ、もう一度……踊ってよ。
[重ならない手はもうワルツもタンゴも踊れない。 月光射す小さなダンスフロアは空っぽのまま。
彼を残してしまった事に涙した夜が最後だと思ったのに。 質量の無い涙が音も無く床に落ちた**]
(272) pannda 2014/11/03(Mon) 03時半頃
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ろくでなし リーは、メモを貼った。
pannda 2014/11/03(Mon) 03時半頃
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[閉じていた目を開き、ガラスの茶器の中で咲いた花を見た彼の笑みは、その花にも負けないくらい綺麗だった。]
良かたネ。 おにいさん、ずと仲良しで暮らせる良かたヨ。
[彼が信じるのなら、その「言い伝え」は真実になる。 クスクスと笑い、クッキーを食べる様子を眺めた。]
美味しいカ?良かたヨ。 今度はお店開いてる時来る良いヨ。 ワタシの飲茶も美味しいヨ。
[呟き>>264が聞こえれば微笑んで。
店を出て行く青年を見送る。 ちゃんと覚えたはず>>1:303の名前を呼ぶことはないまま。]
(273) okomekome 2014/11/03(Mon) 03時半頃
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[客が帰ってから片付けをして、そのガラスのカップの底にある緋色>>265に気付いた。]
アイヤー。綺麗ネ。
[その宝玉をころりと掌に転がし、まじまじと眺め。 にこりと笑えば、大事にポケットにしまった。*]
(274) okomekome 2014/11/03(Mon) 03時半頃
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名前……
[>>*19 鼓膜とは違う場所を震わせて、聞こえる、彼の声。 甘く囁くその声に、快楽は加速する]
シレークス……?
[心に浮かぶ名を囁く。 契約の完成。秘密を分かち合うように紡ぐ、互いのたったひとつの真名。 途端に胸が熱くなり、理性の箍が、外れて]
(@60) heinrich 2014/11/03(Mon) 03時半頃
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—— 或る国で ——
[電車を乗り継ぎ、辿り着いたのは異国であった。 今まで使用していた言語は通じ難く、春を迎えるまでに少しだけ学んだ挨拶や単語で、街行く人々に尋ねる。]
『この国の綺麗、 場所 静か 山奥』
[できるだけ丁寧に頭を下げて尋ねても、強面であるだけで避けられる。 目指している場所も、曖昧で首を振られるばかり。
しかしその中で、学んだ単語を拾った。 “吸血鬼”、と。 吸血鬼にでも会いにいくのか。通常なら冗談としか取れぬそれに、男は刹那動きを止める。
緋色の二つの目。彼は、ニコラエは。ヴァンパイア。]
(275) oranje 2014/11/03(Mon) 04時頃
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[未だ伝記の残る、ヴァンパイアの住むと云われた城。 尋ねれば気味悪がられ、さらに避けられた。 それでも地図を買い、拙い言葉で尋ねては歩いた。
途中、かつて城下街として栄えた地に立ち寄ると 街行く女性は赤と白のより紐のついた小さな花を身につけて、どこか浮かれたように行き交っている。 異国のその光景は、懐かしいハロウィンを連想させた。]
……、そうだ
[だから、男も立ち寄った店でより紐を買う。 開いた荷の中のガラスの靴に括り付けて、彼と再び会えるようにと、願いを込めて。]
(276) oranje 2014/11/03(Mon) 04時頃
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[城下町を抜け、別の街へと向かうべきか、地図を確かめていれば森林を奥へと伸びる狭い道がある。 しかしその道は地図では断たれ、先の存在は無い。]
……獣道か、
[しばらく悩むも、通りへ引き返そうと踵を返せば、
——からり、
と布袋の中でガラスの擦れる音が小さく鳴った。 まるで、引き止めるかのように。 結うた紐が、結びつけるように。
それを呼ぶ声と、判断するのは些か都合が良すぎるか。 それを彼の音だと、想うのはあまりに安易か。]
……ニコラエ、
[それでも。]
(277) oranje 2014/11/03(Mon) 04時頃
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—— ——
[闇雲に走り、細い道を駆け抜ける。 それはやがて道ですらなく、高い草木が行く手を阻み。 やはり違うかと何度引き返そうかと考えたが、どうしても先程の音が頭を離れない。
ガラスの靴を持って迎えに行くと、約束した言葉は。 その願いは、誓いは。魔法となって彼の元へ導いてくれないか。]
……はっ、 ……はあッ!
[息はあがり、草木で皮膚が細かく破れても。 高かった陽が落ち、やがては夜が訪れようとしていても。 導かれるように只管に前を向き、走り続けて]
(278) oranje 2014/11/03(Mon) 04時頃
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——あ ッ!
[足元に這っていた蔦に爪先を取られ、勢いよく躓く。 拍子に背負った布袋が飛んで、中身が勢い良く散蒔かれた。
ガラスの靴が、最後の夕陽に煌めいて、緋色を散しながら低い草の上を滑って行く。 身体を横たえたまま、視線を向けたその先にあったのは。 闇に覆われる寸前の、荘厳で大きな影。 求めていた、いにしえの城に似た。]
(279) oranje 2014/11/03(Mon) 04時頃
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——……ニコラエ! 迎えに来たぞ!
[もし、これが全て夢で。都合のいい演出だとしても。 彼がその城の影から、闇を纏いて出てこなかったとしても。 今目を閉じればきっと、彼の腕の中に包まれる幻想を視ることができる。
せめて、——神に誓ったのだから。 それくらいの我侭は許してほしい。
だから男は、その名を呼んで、 色の違わぬ二つの瞳を、閉じた*]
(280) oranje 2014/11/03(Mon) 04時頃
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[あれから暫く経って。 街は様々の人がやってきて、様々な人が去っていった。 しかし店は変わらず其処に在る。 魔女の屋敷も時計台も広場も、何も変わらない。
ただ。 其処に居るべき者はなく、居るはずのない者が其処にいた。]
(281) okomekome 2014/11/03(Mon) 04時頃
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[街の片隅にある、小さな喫茶店。 店内のカウンターに置かれた手紙。 リターンアドレスのないその手紙>>174の上にあるのは。]
「 」
[たった一文字書かれた箋。 届けられることのない言葉と共に、ただ。
其処に在るだけ。*]
(282) okomekome 2014/11/03(Mon) 04時頃
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― 城を包む森の中で ―
[露蝶の店で土産とし貰い受けた包み。 菓子は空飛ぶ店の中でありがたく頂き、 そして茶の葉は未だ使わず冷暗し。
夕陽の沈んだばかりの森中をのんびり歩いていると、 ギオチェルが土から顔を出し、咲いているのを見つけた。 白いその花の茎を手折り、共に連れて城への帰路につく]
春が……もう来たのか。
[うらあたたかい季節だというのにも関わらず。 男は厚手のコートを纏い、寒さを凌いでいた。 此の國では、春告鳥の代わりともされている白い花。 「慰め」の意味を持つ花は、可憐ではあるが何処か物寂しく 春の暖かさも、城下の賑わう空気も、纏う玲雪を溶かさない ―――あの体温が傍らになければ、凍てつくように寒い。]
(283) motimoti 2014/11/03(Mon) 04時半頃
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[抱いて眠れば、少しは慰めになるのだろうか。 彼の居ない空白を埋める助けに為ってくれるのか。 城門を潜り、中に入ろうとして。 ふと足を止めたのは、何者かの訪れる気配。]
………。
[ここ二百年余りの間は、ハンターの姿も見ない。 それでも警戒は解かずに、来訪者の影を緋色の双眸で追う。 だが、響いた声に眼を見開いた。>>280 鼓膜が彼の声を記憶している。 どくりと跳ねる心臓は、彼の事を記録している。
緋色は揺れ、険しく固めていた表情は微笑みに緩む。]
(284) motimoti 2014/11/03(Mon) 04時半頃
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ドナ………ル、ド ?
[花を掴んだまま、声のする方へ。
満月を上空に飾る城を背に、その姿を見つけて。 幻ではないと確かめるべく、彼の身を抱きしめる。
どれだけ力を込めようと、霧のように消えずして。 どれだけ己の身が冷たかろうと、彼は暖かく。]
ドナルド……、ドナルド………! あぁ、君なのだね、夢ではないのだね、……――、
[その手を取ると、傷>>278が皮膚に浮いている。 その頬にも、似たような怪我があった。]
(285) motimoti 2014/11/03(Mon) 04時半頃
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……会いたかった、 ずっと、君を待っていた ―――…
[傷を癒すように、零れ落ちる血を味わうように。 唇を寄せ、舌でなぞる。
あぁ、あまい 愛しさで、たった数滴の、命の欠片すらこんなに。]
会いたかった、ふ…ぅ ぁ、 いたか、ぁ……どな、ぅ……
[想いを告げたその時と同じく、 緋色からはぽろぽろと涙が溢れ、硝子の種子を落とす。
それは、物語の始まりが、繰り返される合図**]
(286) motimoti 2014/11/03(Mon) 04時半頃
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許婚 ニコラスは、メモを貼った。
motimoti 2014/11/03(Mon) 05時頃
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― ある日 ― >>281>>282 [唐突にその男は喫茶店の扉を開ける。 昔とは違う様相。その身なりは、ごく普通の旅人。 何気ない街の訪問者として、店に入るとテーブルにかけた。
注文をとりにくる者には、その顔を見上げ、食事をと頼む。]
――……
[そこにいるのは誰だっただろう。 金色の狼は、その眉をあげて、店主の顔をじっとみた。*]
(287) nostal-GB 2014/11/03(Mon) 05時頃
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[青年が帰ってから、店は静けさを取り戻した。
繰り返された時間の中で、出会ったあの青年のことは覚えていた。
ニコラエは彼の大事な友人で、幸せを願われている友人。 友人のドナルドの、おそらく大事な人。 だから、幸せであって欲しいと思う。
けれど忘れたことにした。 出会いは嬉しかった。 約束通り、店を訪ねてくれたことは嬉しかった。 また来て欲しいと願うのも事実だ。 けれど、忘れたことにした。
彼を、忘れたかったから。 さよならと告げてから感じていた胸の痛みを忘れる為に。 あの繰り返しはなかったことにするのだ。]
(288) okomekome 2014/11/03(Mon) 13時頃
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