43 朱隠し
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[ふと、下を見下ろせば。 何時かの少年の姿が見えた。
どうやら酷く落ち込んだ様子で、怪我でもしたのか足を引きずる様が痛々しい]
おい、お前。
[思わず声を掛けてしまったのは、どうしてなのか。 アヤカシにも判らないけれど。 狐の面を被り直し、その背に声を掛けた]
(327) 2011/02/16(Wed) 00時半頃
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よ、寄るな……! だから何度も言っているだろう! 私は、貴様のことを……!
[じわり、と後退るが、後ろは井戸。 忽ち距離を縮められてしまい、しまいには井戸を背にしてその場にずるりとしゃがみ込み。
最後に浚いたい人間が居ると聞かされれば、先程までよりも更に険しい眼光を向け]
何故……それを何故私に問う!
その様な戯言を、私が聞き入れると思ったか!?
(328) 2011/02/16(Wed) 00時半頃
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― 篝火 ―
[冷える一方の外気に、集まる人も多かったか。 篝火の近くで、一平太とそこでしばらくの時間を過ごしただろう]
……なあ、一平太。 今晩は、お前の家に行ってみたい。
――…構わないか?
[ゆらめく焔に照らされて、橙色の貌が*問いかけた*]
(329) 2011/02/16(Wed) 00時半頃
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手妻師 華月斎は、メモを貼った。
2011/02/16(Wed) 00時半頃
懐刀 朧は、メモを貼った。
2011/02/16(Wed) 00時半頃
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[ 背中に声をかけられ、弱弱しく振り返る。 狐の面が見えた。]
ああ、アヤカシ……。 やっぱり、あなたも、人攫い、なんでしょう?
[ 定吉の話を思い出して昏い笑みを浮かべた。]
(330) 2011/02/16(Wed) 00時半頃
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飴師 定吉は、メモを貼った。
2011/02/16(Wed) 00時半頃
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[幼さを残す顔に似合わぬ暗い笑みに、僅かに首を傾ぐ]
人浚いと謂われれば、そうかも知れぬ。 だけど俺は、手を差し伸べるだけだ。
其れを取るかどうかは、人の子しだいよ。
[それよりも、と。 ごそごそと胸元を漁る。取り出したのは二つ重なり合った小さな貝殻]
これ、使え。 足、痛そうだ。
[軟膏を収めた貝殻を、ぽんと投げる]
(331) 2011/02/16(Wed) 00時半頃
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嫌っているのだろう?知っている。
[屈む朧へずいと顔を近づけすり抜けないギリギリの所で口だけ動かす
お 前 を 攫 う
ふふっと笑い声を上げて直ぐに顔を離す]
聞き入れられなくとももう決めてしまった。
(332) 2011/02/16(Wed) 01時頃
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手を、差し伸べる……。 定吉さん、は? こちらに帰ったという事は、手など必要としていなかったのではないでしょうか。
[ 見ていると、何かが放られる。]
……っと!
[ 慌てて受け取った。]
もの、は、触れるんだ……。
(333) 2011/02/16(Wed) 01時頃
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───!!
[ぞくりと、肌が粟立つ。 それが嫌悪からくるものではないことは、己が一番よく分かっている]
な、何を戯けたことを……! そんな真似をして、いったい、どうなるというのだ! 嬲るだけ嬲って、捨てるか? それとも、触れもせずただ閉じこめるか……?
[声が震える。 藤之助から、目が離せない]
(334) 2011/02/16(Wed) 01時頃
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[ 合わせ目を離すと、軟膏だと分かる。 掬って、膝に脛に塗りながら、春松は鼻を啜った。]
どうしてやさしくするんですか。 僕から、にいさんを、しあわせを、せかいを、奪っておいて。 足が治れば、恨みが消えるとでもお思いですか。 返しては、くれない癖に……。
[ 言っても詮無い事だとは、藤之助の言葉から、知ってはいたけれど、言わずにはいられなくて。]
(335) 2011/02/16(Wed) 01時頃
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定吉……? あいつは……。
[一度は彼も手を取ったのだ。 だけどそれ以上に彼には大事なものが有ったのだろう。
家に帰りたいと泣く子供を無理に引きとめる事も出来ず、 手放した時の事を思い出す]
人は心変わりをする。 大切なものほど、失ってから気づく。そう謂う事だろう。
[狐の面をしているため、その表情は判らない。 だけど、声は僅かに沈んだ色を含んでいた]
触れられるさ。 そんな事はどうでも良い。塗っておけ。 一刻もあれば其の程度の傷なら治る。
(336) 2011/02/16(Wed) 01時頃
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[ 声色の変化に、微かに首を傾げるも、面に隠された表情は見えず。]
僕は、失う前からにいさんが大切で、 それはこれからも変わらない自信がありますけどね。
[ 負け惜しみのように、子どもは反発の声を漏らし。 それでも貝の中の薬を塗り終えると、また合わせてウトの近くの地に置いた。]
……ありがとう、ございました。
(337) 2011/02/16(Wed) 01時頃
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なら、それでいい。 お前の中の兄を大事にせよ。
[にぃ、と。面の下で笑う。 其の負け惜しみにも似た威勢の良さが、心地よく。 また愛らしかった]
なに、握り飯の礼だ。気にするな。 ……美味かったからな。
(338) 2011/02/16(Wed) 01時頃
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― 遠回りをしていた。 ― [から、と下駄の歯が枯れ落ちた葉を踏む。 ごく自然に。 無意識に。 回り道をしていた。] [まるで、そこへ至るのが当然とでも謂う様に、]
(339) 2011/02/16(Wed) 01時頃
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[――なにもない場所を、横切った。]
(340) 2011/02/16(Wed) 01時半頃
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浪人 慶三郎は、メモを貼った。
2011/02/16(Wed) 01時半頃
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……言われなくても。
[ む、と唇を引き結んだ後]
礼? 握り飯の?
……山の神も、案外律儀だ。
たかだか一握りの、塩も振ってない麦飯が美味いとは。
[ 大きな目を何度も瞬かせ、ぷっと噴き出した。]
(341) 2011/02/16(Wed) 01時半頃
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俺は貰った恩は必ず返す。 それにあの握り飯は美味かった。
……味よりもなにもよりも想いが籠っていたからな。
[ぷっと笑いだすのを見れば、きょとんと首を傾いで]
……なぜ笑うのだ? 俺、可笑しな事を謂ったか?
(342) 2011/02/16(Wed) 01時半頃
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―祭り会場:飴屋の屋台―
[しばらく春松を背後から見守った後。 今は何を言っても届かない気がして、踵を返し、社の裏手側から下りていた。だから、春松がウトに出会ったのは気づかず]
はーーーーー。
[とりあえず屋台に戻ってきたものの、溜息をつくばかり。「定吉、どこ行ってた、どうしたー」と隣りの屋台から声をかけられるも、「何でもないで」と生返事。]
(343) 2011/02/16(Wed) 01時半頃
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[手水舎での一件の後。 神社の片隅で、明之進は冷えきった手を篝火にかざし暖めていた。 やがて手近な所に腰掛けると、じっと自分の手を見つめ、開いて閉じてを繰り返す。]
……願う、べきだったか?
いや……。やはり、違う。それは、違う……。
[ぎゅっと手の平を握る。兄様からの目出度い報せの手紙を、無意識の内に破いていた自分の手の平を強く強く握る。]
……気味悪い。自分が、とても。
相手の幸せを願えぬような者に……そんな資格、有りはしない。だから、願わなくて…良かったのだ。
[自分に言い聞かせるかのように呟いた。]
(344) 2011/02/16(Wed) 01時半頃
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落胤 明之進は、メモを貼った。
2011/02/16(Wed) 01時半頃
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[冷たい風が吹きぬけ、日も傾いて、帰る人もちらほらと。
飴の屋台の先につけられた風車がからからと回る。
少し凹んだ跡のある、赤い、風車]
(345) 2011/02/16(Wed) 01時半頃
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明之進は、いつの間にか辺りがかなり暗くなって来ている事に気付いた。
2011/02/16(Wed) 01時半頃
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喜んだ、か?
[今一度顔を近づけ、じぃと瞳を覗き込み]
どうなるだろう?それは、向こうでのお楽しみだな。 どうしたい。俺はそうだな……
(346) 2011/02/16(Wed) 01時半頃
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― 屋台 ― ――はて。 [そうして、着いてみてからふと、気づく。 こんなに、遠かっただろうか。] おう。飴屋。 もう、店は仕舞いか? [老い耄れのくせに、目当ての屋台はめ敏く見つける。]
(347) 2011/02/16(Wed) 01時半頃
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[ わらいの意味を問う相手に、ますます相好が崩れる。]
おかしいですとも。 人の都合構わず理不尽に連れ去るアヤカシが、握り飯の礼に人にやさしくする。 人に嫌われたいのか好かれたいのかわからない。
……想いの味もわかるのですか。神はすごいんですね。
[ もう同じ味は作れない。 知る前と同じ気持ちでは握れないのだから。]
(348) 2011/02/16(Wed) 01時半頃
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そやね、そろそろおしまいにしよか……
[かけられた声に気がついて、顔をあげれば。>>347 そのまましばし固まった。相手が、華月斎や藤之助と一緒にいた人物だということに気がついたからだ]
おっ、おっちゃんで最後かな!?
[声が上擦った]
(349) 2011/02/16(Wed) 01時半頃
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だ、誰が喜びなど……!
[瞳を覗き込まれれば、心中を見透かされそうで。 しかし、かといって目を逸らすこともできず]
だから私は、貴様のそういうところが憎いのだ……! ……愛おしいから、こそ……!
(350) 2011/02/16(Wed) 01時半頃
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[落ち着け落ち着け。
さっきは華月斎や藤之助と、普通に会話していたではないか。それに、相手が何者であろうとも、お客様は神様だ。
そう自分に言い聞かせ、深呼吸してから、両手で頬をぱちんと叩いて、気合を入れる]
よっしゃ!何にしましょ? 飴細工と飴湯と、両方あるで?
(351) 2011/02/16(Wed) 01時半頃
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丁稚 春松は、メモを貼った。
2011/02/16(Wed) 02時頃
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俺がそうしたいから、そうしているだけだ。 お前たち人の子には、それが奇異にみえるのかも知れぬが。
好んで嫌われたいと思うもの等おらぬよ。 それは人の子も、同じだろう?
[相好を崩す人の子に、くすりと笑う]
俺は凄いアヤカシだからな。 想いの質ぐらいは、喰らえばわかる。
[えへんと胸を張る。 その姿は、どうにも本人のいう凄いとはかけ離れていたけれど]
(352) 2011/02/16(Wed) 02時頃
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なんぞ。 [眉を顰め、片耳の孔を手で塞ぐ。] 気味の悪い声を出しよるの。 [しかし口許に浮かぶのは、意地の悪い笑み。] 細工を寄越せ。 いつつ。 [五本の指を立たせて見せた。]
(353) 2011/02/16(Wed) 02時頃
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[「俺は明之進には、幸せになって貰いたい」 そう、ご先祖様──いや、藤之助が言うのを聞いて、僅かに期待のようなものをした。 そんな自分も、嫌になる。]
まるで節操無しだな……? 必要としてくれるなら、誰でも良いと?
[そんなはずはないと思いたい。 だが──今の自分は、もし必要だと言われれば、相手が何者であろうと付いて行きかねないと。そのような自覚はあった。]
余程…俺は、寂しいのだなあ……。
[右足の膝を抱えて顔を伏せ、しばしの間そうしていた。]
(354) 2011/02/16(Wed) 02時頃
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あの夜はあんなに素直だったのに、今はそれも隠してしまうとは器用だな。
[このまま覗いていればその心が見えるだろうか 誰よりも綺麗に輝くその光に、手を伸ばし抱きしめられたらどれほど幸せか]
ずっとずっと憎めばいい、そうすれば朧の頭は俺で一杯だ。
(355) 2011/02/16(Wed) 02時頃
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[『お客様は神様』って文字通りやないかい! と自分に内心でツッコミを入れるくらいには余裕を取り戻し]
五つ?多いね、土産かな。形はどんなん?
[見本のように、色々な形の飴が屋台の先に並べてあった]
(356) 2011/02/16(Wed) 02時頃
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