197 獣ノ國
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[大学に登校すれば、顔なじみと軽い昼食を食べ、授業に備えただろう。イルカの王子や可愛らしい友人がいれば、共に昼食を食べただろうけれど、遭遇できただろうか。 講義室ではさして目立たない中程の席をとり、いつも通り授業を受けて。 いつもと違うのは、時折チョーカーの合わせの部分を指でなぞること。その表情は幸せそうな笑みを浮かべて。 講義が終われば、掲示板を確認してから教授にメールを打つだろう。]
―――――――――――――― 差出人:スージー 宛先:錠 ―――――――――――――― お疲れ様 20xx年 10月3日 ―――――――――――――― 家には寄ってきたから、この後用事はないけど どこかで合流する? ――――――――――――――
(267) 2014/10/08(Wed) 20時頃
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愛人 スージーは、メモを貼った。
2014/10/08(Wed) 20時頃
座敷守 亀吉は、メモを貼った。
2014/10/08(Wed) 20時頃
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―自宅―
[ガチャリ。扉のノブを捻りながら後ろを振り返る。 鍵はかけない。取られて困るものなど、元から何もない。
否、あるにはあるけれど その価値はきっと他人にはわからないだろうから。
そして、家に着く前に彼が洩らした言葉>>262を思い出し、静かに目を伏せる。]
他愛もないお喋りの場でした。 蜘蛛さんは物静かで、知的な感じを受けました。
あとは―――
(268) 2014/10/08(Wed) 20時頃
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[一旦言葉を切り靴を脱ぎ、廊下へと。 一人暮らしなのか。という問いかけには一瞬躊躇ったのち、曖昧に頷いて。
入ってすぐの服かけに白いケープは引っ掛けて、上着を脱ぐようならばそこに。とジャニスにも声をかける。
飛べない白い翼が自由になり、細かな羽毛を散らす。]
火の粉の一つでも舞ったなら。自分の巣が台無しだ―――と。 それと、『いつ燃えるかわからない屋根に怯えて暮らすなら、火の粉を消しに飛んだ方がマシ』と
[そう言っていました。と短く伝え階段へと誘う。
殺風景な家の中、階段の壁には段に合わせるように母と娘の写真が飾られていて、そこだけは彩を持っている。
首も座らぬ赤子と母、小学に満たない年齢の幼児と母。 そして十歳程の子供と赤いカナリアと―――母。
写真はそこでふつりと途切れている。]
(269) 2014/10/08(Wed) 20時頃
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ですから。蜘蛛さんが火の粉を気にしていたのだとしたら。 あなたと話すのも、人目につかない、場所がいいと思ったのです。
[掲示板から姿を消す前に蜘蛛が書いた言葉を思い出し、ふるりと体を震わせて。]
私が知っているのはそれだけ―――です。 これは話を聞ける仲間なら。皆が知っている事。 実際に蜘蛛さんと知り合いだったあなたの方が 知っていることは多いと思います。
[翼から羽根を一本引き抜いて軸を持ち、指先でくるくると回す。 鳥が遊んでいるような行動を取りながら、深く息を吐いて。]
私が探しているのは。 通信でもお話したとおり、べネットさん。 ―――本屋さんです。
(270) 2014/10/08(Wed) 20時半頃
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―昼頃・本屋前―
[結局辿り着いた時刻は昼を回っていた。
いざ着いたものの、辺りを見回せどその姿を見つけることは出来ずに肩を落とす。
その時に枝葉を震わす微かな囀り>>228 誰のものであるか気付いた男は目元を和らげて指を動かす。]
(271) 2014/10/08(Wed) 20時半頃
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―――――――――――――― 差出人:ヤニク 宛先:カリュクス ――――――――――――――
20xx年 10月3日 ―――――――――――――― 意外…かい? 後はワインも好きだけれど 鳥だから、か 確かにらしいかもしれないね ならアップルパイ、なんてどうだろう? 今ちょうど友達に強請ってきたところさ。
そうだ、明日にでも食べに行かないかい? 本屋近くにいるんだけれど、ベネットは見つからないんだ もしかしたら彼も忙しいのかも
だから英気を得てもう一度探すのさ シャーロックのように鮮やかに軽やかにね
そのためには君の聴力を借りて、夜ならば僕の目を使えば探し物はきっと見つかる 僕はそう思っているよ
(272) 2014/10/08(Wed) 20時半頃
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話が飛んだね! そうそう、疲れている時には甘く感じる、だろう? その違いが僕を楽しませるのさ 退屈は好きじゃあない いつでも冒険がしたいんだ
僕は好きなものしか選ばない 味が混ざってしまっても気にしないよ それでおかしな味になるのも一興 欲張りに生きたいのさ
そう、僕の大切な宝物 君の翼に隠しておいてくれよ 囀るのはまた今度 君の秘密かい? …何だか楽しくなってきたよ!
秘密というよりは、お願い、かな 君の好きな歌を教えてくれよ 僕はその、あまり歌が得意ではないんだ だから …これじゃあ僕の秘密だね! やっぱり、そうだ どうして、君は冬の空を望んだんだい?
(273) 2014/10/08(Wed) 20時半頃
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夢の中の恋人、か その中でも彼は幸せだったのかな 彼の自己満足だとしても、さ 君は、彼が幸せだったと思う? 君が彼の立場なら、どう思う?
…その発想はなかった 失われたというよりは、きっと永遠にその物語だけに刻まれたものなんだろうね
そうだね 本は良い だからこれからも君の話を聞きたい
ふふ、そうするよ でもカリュクス 君も僕の友達なのだから、おいでよ 君との話はとても楽しいよ
追伸:確かそう言っていたよ だから何かわかるといいのだけど… また君さえよければ結果を教えておくれ ――――――――――――――
(274) 2014/10/08(Wed) 20時半頃
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[綴り終わったそれの長さに我ながら男は口元を引き攣らせる。 小鳥との唄はつい、男の口を滑らせる。
流暢に、つらつらと並べる言葉の羅列は少しのウソと本当に収められており、確かに空気を吸うようにいとも簡単に選ぶことが出来るのだ。]
――だからこそ、面と向かって話す方がきっと。何かを偽らずに済む…なんて。
役者でもないのに、そう偽るのは、きっと。
――…やっと、少し分かった気がするよ。
[人を欺く理由。幾つでも選べるそれらを全て切り捨てて、男は、深く息を腹に溜めては、吐き出す。
そして、行き着いた理由に、本音に、同族嫌悪のようなものが背筋を襲う前に、捨ててしまうのだ。]
――自分のためさ。**
(275) 2014/10/08(Wed) 20時半頃
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私の翼は、風切羽を切られているので飛べません。 本物の鳥ならばいつかは羽根が伸びるのですが。 与えられた翼では、それも叶うかどうか。
それならば、自分の足で居場所を探そうと。 そう思って、雇ってもらおうとした矢先でした。
[力を込め自分の手を握る。 爪が食い込むほどに強く、強く。 もとから血色の悪い肌は、より一層白くなった。]
気の所為ならばいいと思っています。 でも……。不在の店先を見ると。
一人になった子供の時のことを 思い出さずにはいられないのです。
(276) 2014/10/08(Wed) 20時半頃
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[一気に話し終え、呼吸を落ち着かせようと、深呼吸を繰り返す。 ふと、目尻に涙が溜まっていることに気がつき、慌てて顔を背ける。 気がつかれないことを祈りながら。]
飲み物と果物を持ってきますね。 ジャニスさんは、休んでいてください。
[自分の部屋の扉を開け、右手奥にあるソファーを示し
自らは止められなければキッチンへ。と けれども、もし止められれば、ソファーか床にでも座って、話を続けるだろう。]
(277) 2014/10/08(Wed) 20時半頃
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ヤニクは、カリュクスにあてるメールの件名に悩んだ挙句打ち忘れていたことに気付いた。*
2014/10/08(Wed) 20時半頃
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―回想・朝の商店街―
[商店街の入り口にバイクを置いて、昨日不在票を置いた本屋へと爪先を向けた。
手には、無色透明な雨傘。 此方の端末の番号だけ渡して、いつ出会うか分からないのだから。
遠目からはどうやら本屋は開店していないように見える。この時間はいつも開いていた筈なのだけれど、まるで時計の家と共に動きを止めてしまったようだ。
行き来する人混みに混ざって、本屋の前にあった端末を操作する白>>88>>89と黒>>105の人影の前を通りすぎる。対照的な二つの色をチラリと見やると、双方とも鳶色の目を持っていた。 もしかしたら、金髪の少年が言っていた「最近出会った人」というのは、彼らのうちの何方かかもしれない、と想像する。 後でメールだけでも入れてみようか。 "貴方の友人"が本屋前で待っていると。]
(278) 2014/10/08(Wed) 20時半頃
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[昨日、本屋に向かった彼>>218は目的は遂げられただろうか。 周囲を見渡しても赤いフードは見当たらない。そもそも赤い目印どころか、小石の一つも無かったっけ。
全て私が拾ってしまったせいで。 昨日の小石>>162>>163の行く先に待っているのは、お菓子の家か別の何かかは分からないまま。]
綴った文字の一つ一つは簡単に嘘が吐けるけれど
「それで何が伝わるの?そんなの私は知らないわ。 相手が感じた事が、伝わったことなんでしょう。 手紙で伝わるのは人の気持ちじゃない。」
……だから、嘘でも楽しめた方がいいんじゃないの?
[思い出すのはスプーンでくり抜かれた心臓の穴>>0:348。 うん、でも。]
最低っていうところだけは、同感よ。
[道端の小石を、軽く蹴った。]
(279) 2014/10/08(Wed) 20時半頃
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[ああ、またも花屋はお留守らしい。 これで仕事は終わってしまった。
帰りし、公園で「手紙」でも書こう。まだ彼に頼まれたカナリアへのメールすらしたためていないのだから。*]
(280) 2014/10/08(Wed) 20時半頃
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― 回想 シメオンくん宅 ―
ん、…っ、
[片手が縫い留められるのを、視界の端に認めつつ。学生は上げられるインナーに>>252擦れる胸先に嬌声にも似たくぐもり声を上げました。耳に届く吐息>>253には眉を寄せ若干顔を逸らしながら、然し下も求められたなら>>251、ともう片手をぎこちなくスカートのホックへ遣わし、また備え付けられたチャックを下げ。]
じゃあ、…っ脱がしてよ、…シメオンくん、
[掴まった手頸に力を入れ、其れでも彼の手が外れないなら。学生はそう言葉を添えたことでしょう。 外れたなら、一つ足を立て、熱の篭り硬くなった下部を隠していた下着を片足のみ抜き、淫らに誘うように間に割り行った彼の体に幾度か擦り付けます。まるで焦らしに耐え切れないとでも云うように、然し謙虚に腰を動かし、自慰じみたその行為に温い吐息を漏らすのです。]
(281) 2014/10/08(Wed) 21時頃
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ね、…っ、…すき、だよ。…好き、
[熱にのぼり切った頭では歯止めも効かずに、ただ口先から漏れるのは繰り返される好意。舌足らずに紡がれるそれに、はたして彼はどう反応を見せたのだったでしょうか。 学生は許されたのなら、体に這う彼の片手に手を重ね、強請るように力を込めました。足りない、と。透明な言の葉は形に成らずに吐息だけか空気に溶けます。]
もっと、…――さわって。
[言葉は掠れていました。雨音は最早鼓膜に届かず、感覚を占めるのは熱と、互いの吐息と。学生は睫毛を震わせ、また自分も欲の込めた瞳を彼に向けるのでした。『…それとも、私が触ってあげようか』なんて、挑発じみた言葉も飾りに手向け、彼の体に腿を二三擦り付けることだって。**]
(282) 2014/10/08(Wed) 21時頃
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―カリュクス宅―
[躊躇いがちに肯く姿に、不味い事を聞いただろうかと眉を下げる。せめてもとそれ以上を追求する事はしなかった。追求せずとも、この年頃の女の子が、一軒家に一人で住んでいる理由なんて、そうあるものでもない。
ケープを脱ぐ天使を見ながら、ジャニスは小さく首を振る。長居するつもりはないのだと、そう示す様に。 ふわりと舞った羽毛を視線で追いながら、露になった翼に目を細める。――美しいとは、思うのだけれど。けれどそれ以上に、人にそれが付いている不自然さに眉を寄せた]
……火の粉、ね。
[ぽつりぽつり、会話を交わしながら。誘われるがまま天使に続く。ふるりと揺れる翼から、彩られた壁>>269に視線を移し。恐らく彼女だろう子供と、その母と。それらの写真を、無感情な瞳で眺め見る。――ふつりと途切れた写真には、痛ましげに顔を歪めるくらいは、したかもしれないけれど。
……カナリア。ちらりと天使の翼を見ながら、そういえば彼女はカナリアだったと思い出す。この写真に映るカナリアと、何か関係があるのだろうか]
(283) 2014/10/08(Wed) 21時半頃
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……とは言っても、アタシ彼に会ったのは一昨日なのよ。 その火の粉っていうのも、何を指しているのか全然分からないわ。
["火の粉"……一体どういう意味だろうか。何か、"彼"の身に危険が及んでいるとでもいうのだろうか。 ざわりと戦慄く心を抑え込み、自らの羽根を遊ばせる少女を見る。
強く握られ真っ白になった手>>276を、そっと取る。そうしてそれが叶ったなら、爪の食い込むてのひらを半ば無理矢理にでも開かせ、手袋の無い赤い指先で撫でる様に触れただろう]
……アタシは、そのベネットっていう人が何処にいるかも分からないから、何にも言えないけれど。 得たかもしれない居場所を失うのが嫌なら……その人に会いたいのなら。自分で、探してみたらどうかしら。
[顔が背けられる直前、彼女の目尻に浮かんだ光には気付いていたけれど、何も言う事はしなかった。
もし彼女が目の前で涙を流したのならば、それを慰める事はしただろうけれど。隠そうとするのなら、それを暴いてまで彼女を慰め様とは思えない。――きっと、彼女もそんな事は望んでいないだろうから]
(284) 2014/10/08(Wed) 21時半頃
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長居するつもりはないから、良いわ。 ……そんな事より、お話しましょ。
[示されたソファ>>277に腰掛け、隅に寄れば自分の隣をぽんぽんと叩いて、彼女に座る様に促してみせる。 果たして彼女がそれに従ってくれたかは分からないけれど、もし床に座ろうとしたのなら、ソファから立ち上がって無理に座らせるくらいはしたかもしれない]
そのベネットって人は、獣人なの?それとも、人かしら。
[手を伸ばし、その白髪に触れる事は許されるだろうか。艶やかな髪を梳き、まるで慈しむ様に、その頭を撫でる事は、出来るだろうか。 ――一人だとなく少女の心を、ほんの少しでも慰める事は、出来るだろうか]
どちらにせよ、その人が大切だと思うのなら。きっと、待ってるだけじゃ駄目なのよ。
[アタシなら、自分で探すわ。 呟く様に言葉を贈り、薄く笑みを浮かべてみせる。随分とまあ、お節介をやいてしまっているものだ。 けれど目の前の少女が、どうにも自分と重なってしまうものだから。……だから、慰めずにはいられない。自分を慰める、だなんて。酷く滑稽な行為だと、分かってはいたけれど]
(285) 2014/10/08(Wed) 21時半頃
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抜荷 錠は、メモを貼った。
2014/10/08(Wed) 22時頃
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[果物を持ってこようと動きかけ『長居するつもりはない』と、ぽんぽんとソファーを叩く様子>>285に、動くのを止めた。
そのまま示されるままに隣に腰をかけ、彼の言葉に耳を傾ける。]
べネットさんは人―――だと そう思います。 姿は見えない通信での会話ですが。 それらしい方はいなかったので。
[柔らかく髪に触れられれば母親に甘える子供のように体の力を抜き。優しく慈愛を込めて頭を撫でられれば、くすぐったそうに目を細める。
そして思うのは、こうして頭を撫でてくれた人々のこと。 大学の教授、仲間の声を聞くことのない狼、すぐ隣に座る白いコートの彼、そして―――本屋の。
欲しいもの。求めてやまないものの欠片。 それは、自分で探さなくてはならないのだ。と、頷く代わりにゆっくりと瞬き一つ。]
(286) 2014/10/08(Wed) 22時頃
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待ってるだけでは―――― ですよね。 止まる枝は、自分で探さなくては。 好みの木が生えてくるまで待つのは いつになるかわからないですし。
[呟くように言われた言葉と薄い笑みには、くすりと声に出して笑い。 『確かに』と、小さく付け加える。
傍の彼と蜘蛛との関係はわからないが、それでもなぜだか自分と似ているような気がして。]
火の粉の意味は私もわかりません。 けれども、いなくなる前に もし蜘蛛さんに何かがあって、それで身を隠しているならば ジャニスさんは彼が戻ってくるのを待ちますか? それとも――――
(287) 2014/10/08(Wed) 22時頃
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[探しに行きますか。 とは、言わずにまっすぐに視線を注ぐ。
『火の粉』が何を指しているのかわからないといった彼>>284 けれども、その火の粉がどんなものであっても、彼を探しに行くのでは――と、そんな気がして。
それと同時に心に決めたのは一つ。
自分がここに居たいと望んだ居場所。 それを探しに、行こう。
心の中ではっきりと、そう決めた。]
(288) 2014/10/08(Wed) 22時頃
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― ???:→本屋前 ―
[――シメオンと別れたのは、一体いつの事だったか。ともあれ、遅くなる前に、なるべく早く、と走り。細い道を抜けて行った。
そうして、本日二回目。本屋の前へと辿り着けば、肩で息を吐きつつ、店先へと近づき。カウベルのあるであろう辺りに視線を飛ばしては、一段と大きな息を地へ吐くのだった。]
――…、 …、 ……あ …れ?
[ふ、と顔を上げては、目を瞬かせる。 店内は妙に、暗かった。マフラーの層を下へとずらしつつ、怪訝そうに首を傾げては、窓から中を窺う。
――薄っすらと雲間から零れる陽光が窓辺に差し込む他に、店内を横切るものは、ない。]
[履歴書を持って来る――というのは今日の話だった筈。
ふと、ポケットから機器を取り出し、光を灯しては、そこに表示される時間を見遣る。営業時間と照らし合わせてみても、時間に問題はなさそうだった。 なら、と困惑したように唇が緩く曲がり、浅い息が鼻から抜ける。]
(289) 2014/10/08(Wed) 22時頃
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[腕を組みつつその場で考え込む事、一間。はっ、と唇から短い息を零しながら、瞳を瞬かせた。]
――――そう、だ。 店の、電話番号とか、……
[――こんな事になるなら、昨日聞いておけばよかったか。 店先に書いていないか、暫く扉、窓、看板と視線を走らせる。だが、それらしき物が少年の目に留まる事はなかった。
…流石にお手上げだ、と。じんわりと疲労で痺れる足首を、くるりくるりと回しつつ。 もう一度、静けさを保つ店内を窓越しに覗いては、肩を丸めながら踵を返し、のろのろと歩きだす。
――運悪く、配達か何かと被ってしまったのかもしれない。何せ、一人か二人かで営業している本屋だ。
ぼんやりと店についての記憶を辿りながら、また一つ、疲労の滲んだ息を落とし。ぼんやりと再度手に取った機器に表示される新着を、惰性のままに開き見た。*]
(290) 2014/10/08(Wed) 22時半頃
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――午前・本屋前――
[僅かに俯くように彼が顎を引けば、一層鳶色はかかる前髪に陰を落とす。鹿角がこちらへ傾くのを、緩く視界の端に映しつつ。先端から根元までを追い、――自分には無いそれに、微かに目を細めて。
相手の胸中へ落ちた声>>254は聞く事もなければ、ただ落とされる問い(>>204)には問いを重ねた。 伏せられた鳶色から溢れるものを見れば、やはり目元が緩むのは堪え切れないまま*]
――、へえ。
[ “分からない”、と返されたのには緩い視界を更に、傾げた。覚えを含んだ目の前の友人に、見慣れない両角に。添えるようなそれを手向ければ、手頸を掴んだままのそこへ目を移す。
次いだ、途切れては矯正を繰り返す言葉には眉を寄せながら。 ――腕に微かに力が篭ったのには、丁度手を放した相手には気付かれていただろうか。これ以上は、と冷めた声が遠くで嘯いては、蚕が首を擡げる。
下ろされるままになれば、それは友人の頬へと一度向けられ、――やがて静かに落ちかけて。]
(291) 2014/10/08(Wed) 22時半頃
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……――、なら、なってよ。友達。 …友達って、何するのか知ってる? オズ。
[ 逃がされた鳶色を歪めた暗灰色で追いながら。汚れを払ったキャスケットを手渡せばそのまま、その手首を掴んだ。 “ともだち”と、殆ど拙いまでのその声色>>256に、今度は微かに、――薄く上げた口角を震わせながら。]
……今日は良いよ、課題。また“今度”で。
[ それでもすぐにいつもの軽薄さを取り戻して、マフラーに鼻先を埋めた友人へ再度、緩く暗灰色を傾けた。]
(292) 2014/10/08(Wed) 22時半頃
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― 昼・自宅 ―
判った。 まあ、居眠りしないようにな はは物騒でもない。 そんなことにはならんよう注意するよ 轢かれた鼠ほど無殘なものは無い。
[年齢の差への想いや願望を見透かせることは無く>>265 玄関の手前で彼女を見送ろうとし。
不意打ちの接吻には目を丸めさせ、大きく開き。 駆けていく背を見送りながら、口元に扇子を置く]
……心臓がいくつあっても足らんなあ
[開け放たれたままの玄関口。 表を彷徨う白い野良猫がにゃぁ、と鳴いた。*]
(293) 2014/10/08(Wed) 22時半頃
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― 回想・書殿>>266 ―
あまり耳馴染みの無いものだったからね。 ところで、「便利屋」は何処まで「便利」なのかな。
[首を傾げる様子に、扇子を掌でぽん、と打つ。 作業の合間に返る言葉を受ければ、 閉じた唇の前に畳んだ扇子を添え]、 迷惑、ふむ迷惑か…。割の良いバイトではあると思うがね。 小金稼ぎに困っている友人が居れば、是非呼んでくれたまえ。
旧い本ほど大事で貴重なもの。 状態が悪化するまえに、猫の手でも借りたいからな
[恐らくはこれ以上従事させても効率が悪いと判断し、 作業の切り上げと、昼食の用意はあると告げ、 本日の賃金と共に彼を開放する運びとなったか*]
(294) 2014/10/08(Wed) 22時半頃
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― 夕刻/大學での講義を終えて・研究室 ―
[その日は講堂に於いて葬送儀礼と先祖祭祀に纏わる講義を。、 レポートの提出期限の発表で、締めくくる。
毎度、講義の後は喉が渇く。 インスタントの珈琲を啜り、新聞を捲っていたが。 取り分けて「獣人」に纏わるニュースも流れている訳ではなく 安堵の息を珈琲の湯気に混ぜるのだった。
その後夕刻まで研究室で明日の分の用意をこなしていたが、 一報>>267を受ければ表情を綻ばせた。]
(295) 2014/10/08(Wed) 23時頃
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――――――――――――――――――――――――――― FROM:錠 TO:スージー>>267
本文: お疲れ様。 それなら車で迎えに行こう。
商店街からは少し離れるのでね 公園前の辺りでどうかな? ―――――――――――――――――――――――――――
(296) 2014/10/08(Wed) 23時頃
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