人狼議事


215 【誰歓】エンドローグ

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視点: 人

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【人】 ろくでなし リー

 ― 玄関 ―

[ ――玄関口の扉は固く、閉まっていた。
 ああ、そう。男は試さなかったけれど、
 エミと名乗った少女がそう言った(>>0:129)のだから、
 きっと開かないのだろうと扉をひと押しすらしなかった。

 だから、眼前でまるで扉など最初から無かったかのように、
 音もせずに空間が空いたところ>>#0を目撃すれば、
 墨色の瞳を覆う瞼が自然と持ち上がったのだった。]

  ――こいつは、出られるってこと…か、ね。

[ 意見を求めて周りを見渡したけれど人影は無く。
 ただただ人のいる証の匂い(>>18)のみが漂っていた。
 扉の掻き消えた先の白い闇には、何も見えない。
 近くへ寄ってみても、一歩先の様子すら知れはしない。]

(32) rinaria 2015/02/09(Mon) 23時頃

【人】 ろくでなし リー

[ そして、"出られるかどうか"を試してみるのは、何となく憚られ。
 元々扉があったその付近まで近付きはしたけれど、
 他の誰かに知らせるという言い訳を急遽作り上げた男は、
 その場から身を翻したのだった。]

  …何でかねェ。

  ――どうにも俺は、この安頓とした世界が気に入っちまって、
                     ……まだ、出たくねェらしい。

[ その"まだ"が、何時までなのか男には分からなかったけれど、
 少なくとも、此処から出ることを拒否したのなら、
 ――もう、男の非日常の中の日常へは帰れないのだろう。
 …そんな予感がしていた。

 フラッシュバックを『第六感(>>2:69)』と位置付けるなら、
 新たに『第七感』とでも名付けられるかもしれない、勘。

 それまで男が持ち得ていなかったそれは、
 ――それでも外れる事を知らない。そんな気が、した。]

(33) rinaria 2015/02/09(Mon) 23時頃

【人】 ろくでなし リー

  こいつァ参った。菓子はとっくに品切れだってのに!

[ 誰もいないと知ってはいても、知らず身振りはオーバーに。
 過ぎた挙動で嘆きながらも、男はからりと笑う。

 どちらだって、構わないのだ。男は自分を囲んでいた環境が、
 日常の皮を被った非日常であったことを疾うに知っていた。
 それでも退屈凌ぎで死を待つだけの環境(>>1:116)。

 甘んじて受けてはいれど、そこに安息が存在する訳もなく。
 定職も持たずふらふらしてばかりと、
 冷たい目を浴びたことは既に数え切れない。

 …男の非日常と。この場の日常とは然程変わりはしない。
 ――それに、此処には何もない。

 硝子越しの"母親"の目(>>2:70)も世知辛い世間とやらも、
 臨也をどこまでもどこまでもどこまでも追い続ける過去も。
 ……何一つだって、此処には、無い。]

(34) rinaria 2015/02/09(Mon) 23時頃

【人】 ろくでなし リー

[ だから、例え此処が覚めない夢だったとしても構いやしない。

 男の殆どを形成していた水は、
 彼や彼女がいなくなったその瞬間に、溢れて消えてしまった。
 器から溢れた水は二度と戻らない。

 何も無いのなら、何処に居たところで同じことなのだから。

 ある時、誰かが思った(>>2:33)ように、
 例え此処の何もかもが臨也の作り出したものであったとしても
 それでもいいとすら思っていた。

 ――もし、誰かが此処を出ることを決めても。
 その時は背中を押しも下駄を鳴らすこともせず。
 ただ見送ることにしようと、男は密やかに決めたのだった。]

(35) rinaria 2015/02/09(Mon) 23時頃

【人】 ろくでなし リー

[ 一人でぼんやりと考え事をしていたからだったか。
 何時の間にやら耳には何処か人の声が聞こえたような。

 足を止めてみれば、そこはホール。

           ……その場に人気は無い。

 ――しかし、鼻を突く匂いは確かに強くなっていて、
 幾数人が居るかを知ることは出来ずとも、
 この近くに人は居るのだろうと男にそう、思わせた。

 勿論、ピエロの兄さんの危機(>>28)だとは知る由もなく。

 催促するかのようにもう一度腹部が鳴り。
 自らの一部であるそれにひそりと苦笑を漏らしたのだった。]

(36) rinaria 2015/02/09(Mon) 23時頃

【人】 ろくでなし リー

 ― いつのことだったか ―

[ まだ明日香と意思疎通が出来た頃。
 ――そして、まだ臨也が大学院に通っていた頃のこと。

 臨也はあまり食べるということに興味がない。
 …面倒くさいという感情が先に立つ。
 だから、親から与えられる生活費の殆どは、そのまま。
 手を付けずに口座に放り込むなんてしてたっけ。

 それでも、気紛れに院内の食堂に行くこともあって、
 偶々寄ったそこで、当時からバイト代わりの代役業、
 まァつまり、代役を頼まれた芝居のチラシを持っている
 男がカレーを食べていた。>>43

 幸い、顔は知らない相手。ならば宣伝してもよかろうと。
 臨也は食事中に悪ィなと思いつつも話しかけてみた。]

  「 ――それ、見に来るのかい? 」

(56) rinaria 2015/02/10(Tue) 05時頃

【人】 ろくでなし リー

[ 暫く間はあったけれど、返事が返って来たんだっけ。
 興味はあると、告げられたので臨也は更に続けた。]

  「 それ、俺も出てる。 」

[ ところで、当時。
 臨也はとある芸名を使って代役業をこなしていたので、
 厚い舞台化粧をしてしまえば知り合いに見られたところで
 悟られない自信があった。
 だから、自分の出る芝居を教えることには抵抗がなかった。

 そうして、驚いたように顔を上げた顔には――火傷の痕(>>44)。
 人の外見を気にしない臨也であったから、
 からからと笑っては、こう言った。]

  「 アンタには、合ってるんじゃないかねェ。 」

(57) rinaria 2015/02/10(Tue) 05時頃

【人】 ろくでなし リー

[ その時に男が演じる予定の役は、
 顔に醜い火傷を持つ孤独な怪人の役。

 一人の女性に恋慕し、愛したいと願ったけれど、
 その女性の心は別のところにあって。
 それでも女性が彼に愛情を示してくれたことで、
 女性への執着が氷解したのだったか。確か、そんな話。

 そうして、女性へ捧げる薔薇の為に慣れない手品なんてもの
 にも手を出したことを覚えている。

 眼前にした火傷を見て、怪人の生涯を思い起こした臨也は、
 気紛れにも勧誘をしてみたのだった。

 ――彼が来ようと来まいとどちらでも。
 興味があれば、という感じで一言告げて踵を返したんだった。]

(58) rinaria 2015/02/10(Tue) 05時頃

【人】 ろくでなし リー

[ さてはて、暫くして臨也は舞台の上。
 暗い客席に食堂で出会った彼が居たのかは分からなかった。

 それでも、指先ひとつ鳴らして紅の薔薇を手の中に咲かせ、
 愛した女性へ捧げる頃には、
 拍手の影に知った顔を見たような気がした。

 それが、少し前に珍しく勧誘を行った男であるかは、
 確信は持てなかったけれど。

 もし、彼がこの舞台を見たのなら、

  顔がどうであろうと人間、大事なのは中身なんだぜ。

 そう、肩でも叩いてやりたいところだった。
 食堂で出会った男は顔を気に病んでいるようだ(>>44)と、
 その挙動を見てそれとなく思ったから。]

(59) rinaria 2015/02/10(Tue) 05時頃

【人】 ろくでなし リー

[ それでも、その後臨也が院の食堂へ訪れることは無かった。
 明日香をテーマパークへ連れて行って(>>1:114)、
 その直後、暫くは行き続けていたけれど、
 結局のところ、男は大学院を辞めてしまったのだから。

 だから、何時か会った青年に会うことは無かった。

 ――明日香と行った夢の国で、
 ピエロの声に覚えがあると、何処か、そう思ったことも、
 似たような声の人間なんて幾らでも。と、
 記憶の中に埋もれさせてしまったから。

 けれど、気付いたらこの奇妙な場所に居て、
 初めて聞いたはずの声の中(>>0:195)に既視感を感じた。

 偶然の一致かも知れないけれど、
 もし、あの日、夢の国で会ったピエロであったなら、
 ――それがもし、何時ぞやの青年であるのならば、尚。
 礼のひとつくらいは言っておこうと思った。]

(60) rinaria 2015/02/10(Tue) 05時頃

【人】 ろくでなし リー

[ 丸一日に満たない僅かな間とはいえ、
 その日、明日香や臨也を夢の中に引き込んでくれた
 最大の立役者であったのだから。

 ピエロの兄さんが臨也を覚えていなかった(>>0:218)としても、
 次にその顔を見たなら声をかけることにしようと。
 男はそう決めたのだった。

  ――全くの別人だったら恥ずかしいなァ。

 そんな事もしっかり心の裡で考えながら。*]

(61) rinaria 2015/02/10(Tue) 05時頃

【人】 ろくでなし リー

 ― 鸚哥の記憶 ―

[ 匂いを辿る矢先、ふと思い出した昔のこと。
 そのついでのように、別の記憶が男の中へ蘇った。

 誰もいない静かな家の中。
 静かで、そして、一人には広すぎるそこに、
 鮮やかな羽の鸚哥が一匹、鳥籠の中で微睡んでいた。

 臨也が少年であった頃に鸚哥はここへやって来た。
 何時のことだか、もう覚えてはいない。

 長い間、この鸚哥は臨也の趣味(>>1:101)に付き合う
 相手であったけれど。最近はとんと返事もしなくなっていた。
 それは、鳥にしては長生きの年のせいであったかもしれないし、
 何か病を患っていたのかもしれない。]

(62) rinaria 2015/02/10(Tue) 06時頃

【人】 ろくでなし リー

[ しかし、生憎と臨也には鳥についての知識は無く。
 その時に偶々代役業の芸名を考えていたものだから、
 喋ることを止めた鸚哥の代わりに、「七色いんこ」なんて
 一風変わった名前の芸名にしたのだった。

 何時か、目にした漫画の影響もあったのだけれど。
 ――代役業を生業とする男の話。
 当時はそれがしっくりする環境であったものだから。

 そうして、臨也が代役業を務める劇のチラシの端。
 鸚哥の名前が印字されることになるのもすぐ後の話。*]

(63) rinaria 2015/02/10(Tue) 06時頃

【人】 ろくでなし リー

 ― 台所 ―

[ 幸い、ホールから台所まではそう離れてはおらず。
 昔のことをひとつふたつと思い返していれば、
 そう時間もかからずに辿り着く。

 そうして、未だ中へ入りはしないけれどちらりと覗けば、
 先に到着したばかりであろうか人影>>41>>53が見えた。

 その先には若者数人に詰め寄られるピエロの姿。>>42
 それに、他にも幾人も。…殆どここで見た全員に近い。

 そんな中のミズキの声>>55は男には助け舟にも近いもの。
 ――それでも、仮面を外すかは兄さん次第。

 そこへ玄関の扉の話を持ち込むワケにもいくまい。
 中へ足を踏み入れるか、どうしようかと、
 男にしては優柔不断なことに、台所の手前で立ち尽くし、
 ピエロの兄さんの返事が返るのを、待った。]

(64) rinaria 2015/02/10(Tue) 06時頃

【人】 ろくでなし リー

[ 室内を窺う最中、何時ぞや男が和室へ送り届けた少女(>>65)が
 やって来たんだったか。

 その際、少女へ貸したままであったパーカーを渡された。]

  ――おう。それで、具合はよくなったのかい?

[ 貸したものが返るついでにとそう問い掛け。
 返事が返る前に、少女へ新たな声がかけられたから(>>66)
 少女の体調の善し悪しを知ることは暫く、お預け。]

  俺は元気さ。この上ねェほどにな。
  …後はたまに鳴るこの腹を満たせるものがありゃ完璧だ。

[ 次いで男にも食事のお誘い(>>68)がかかった。
 それに返す間に先に歩き出す誰かさんがいたもんだから、
 (>>69>>70)男も少しは歩を進めはしたけれど。

 誰が用意した(>>76)のだか暫くして目にした机上には
 人数分の皿と中身が置かれていて。]

(80) rinaria 2015/02/11(Wed) 01時半頃

【人】 ろくでなし リー

[ その光景が男には何やらとても新鮮で、勝手に足は止まり、
 ぱちくりと半眼を瞬いて、…ヘェ。なんて勝手に声が漏れた。

 置かれた椅子はそれなりに埋まっていた(>>30>>54>>71>>77)
 けれど、壁際へ佇む少女の姿>>46もあった。

 ――それと、少年少女の合間、黙々と食べ進める人影>>@4も。
 ちらりと目の端を鮮やかな黄色が掠めた気がしたから、
 視界に収まりきらずとも、男の知っている少女なのだろう。

 そうして、立ち止まっていれば、
 妙な前置きと合わせてピエロの兄さんの顔が見えた。>>73
 ……男は小さく小さく息を飲む。

 同じく聞こえた誰かの短い息(>>75)とは違う。
 見えたその顔に、――火傷の痕に覚えがあった為に。]

(81) rinaria 2015/02/11(Wed) 01時半頃

【人】 ろくでなし リー

[ だから壁際の少女から話が振られたのであろう>>79その時に、
 必要以上にひくりと口の端を吊り上げた。
 続く同意を求めるかのような声には何とか。]

  ――ぁ……あー…、そうだなァ…。
     悪くないんじゃあねェの?

                   ……人ってのはさァ。

[ そうして、思い出したのは随分と昔のようにも思える記憶。
 二の句を継ぐ前に一度だけ、息を吸った。]

  顔がどうであろうと人間、大事なのは中身なんだぜ。

[ 何時かの昔(>>59)には言えなかった文句。
 ――男の意図するところがピエロの彼に通じるかどうか。
 それは分からなかったけれど。

 …ただ、それでもその言葉を口にすれば、
 男の表層へ浮かび上がった微かな動揺は収まったのだった。]

(82) rinaria 2015/02/11(Wed) 01時半頃

【人】 ろくでなし リー

[ 少女から受け取ったパーカーをばさりと羽織り。
 男の腹の虫の機嫌は悪かったけれど、
 一先ず流れていく話を聞くことにして。
 先客>>46とは別側の壁へとよりかかった。

 硬い感触が背中へ伝わった時だったか。
 振り向いた顔は――矢張り覚えのあるもの。
 俯きがちに礼を告げるその声と下げられた頭の理由は
 男には分からなかったけれど。
 あの時を何時かのこと(>>57)と考えて言葉を紡いだ。]

  ――…どういたしまして。

            ……此方こそ、

[ ありがとなァ、
 と薄く唇を開きかけ、口にしかけた言葉を飲み込んだ。
 ――礼を言ったところで男の頭の中を過る思考が
               ピエロに伝わりはすまい。そう思って。*]

(99) rinaria 2015/02/12(Thu) 00時半頃

【人】 ろくでなし リー

[ そうしているうち、坊ちゃんから声が出た。>>88
 ――ああ、そういえばと男は思い出す。

 まだ玄関の扉が開いたことを誰にも言っていないこと。

 続いた幾つかの声の中(>>96>>97>>@7)
 男しか知らないはずのその情報を口にした少女。

 その言葉が終わったのなら後に続けるように、一言。]

  ホールの扉なら、暫く前に開いたなァ。

      ……外は真っ白闇。なぁんにも見えやしなかった、が。

[ "帰れる"と続いた声には
 ヘェ、なんて間抜けた相槌を打ったのだった。]

(100) rinaria 2015/02/12(Thu) 00時半頃

【人】 ろくでなし リー

[ そうして、更なる言葉。>>@8
 その後に駆け出す小さな足音がぱたぱたと。]

  ――おい!

[ 咄嗟に止めようと試みるも少女を捕まえるには及ばず。
 飛び出したその後ろ姿を見失わないうちにと、追う。

 彼女の行き先は男には知るべくもないけれど、
 果たしてその姿を視界に捉え続けていられたかどうか。]

(101) rinaria 2015/02/12(Thu) 00時半頃

【人】 ろくでなし リー

[ 少女が立ち止まった瞬間。>>@9
 すわ、急ブレーキか、と足を止めかけた男の視界が、
 ぐらり、と揺れる。

 ゆっくりと傾き始める足元。
 そういえばこの辺りには以前にも引っかかった縁(>>0:156)が
 あったなァと走馬灯のように思い出す。

 その際、脇を抜けた影>>102を気にする余裕は男にはなく。

 スコーンだかカポーンだか
 まるで風呂の中で洗面器を転がしたような音がして。


 男は強かに壁に額をぶつけて、その視界に星が散った。]

(105) rinaria 2015/02/12(Thu) 01時頃

【人】 ろくでなし リー

[ 脳が揺れるかの如き衝撃が男を襲い、
 ちかちかと視界が点滅し、足が止まる。

 転倒するのは何とか避けられはしたけれど、
 その間に少女の姿と素早い影>>102は見えなくなっていたか。
 それにわらわらと続く人の姿>>103も、また。]

  ――あー……、

                  やっぱり、


         走るには、向いちゃねェなァ。

[ ぐらぐらりと揺れる頭を振って立ち、下駄を見下げて。
 手のひらで支えた額はぼんやりと熱かった。

 暫くして痛みが落ち着けば、少女の後を追おうと。]

(106) rinaria 2015/02/12(Thu) 01時頃

【人】 ろくでなし リー

[ 足を踏み出した(>>106)――ところで。
 目前に細っこい手が伸べられて。>>112]

  ……ここを出たら…、

                   ――出たら…か。

[ 自身へ向けるようにその言葉を反芻し、
 少女へと向けた両目を細める。

 ――この少女も矢張り、出ることを選ぶのか、と。]

(117) rinaria 2015/02/12(Thu) 13時頃

【人】 ろくでなし リー

            ――――はァ?

[ 感慨深く少女の言葉の続きを聞いた男は頓狂な声を上げた。

 ――おじさん。
 いや、その発言に関しては何も言うまい。
 男も学生の折には十も年が離れていれば
 オジサンオバサンと表現したであろう口。

 …それよりも、"娘"だの、"嫁"だのと、
 マユミの悩み事(>>1:21>>1:22)を知らない男は、
 意味の取れぬその語群を少女自身のことだと解した。

 そして、

     …孫なんて年に見えるのかよ

 やや傷心し、ため息をついたのだった。]

(118) rinaria 2015/02/12(Thu) 13時頃

【人】 ろくでなし リー

[ …だがしかし、冗談か真剣な話>>114かは分からなくとも、
 返事をしなくてはなるまい。

 ――何故なら、男に此処を出るつもりは無いのだから。]

  ――――……。

              すまねェな、嬢ちゃん。

  ……俺は、此処から出ねェ。――…それに、

[ 二の句を継ごうとして、迷う。
 出ないと告げても尚、その理由にまで踏み込もうとすれば、
 じくりと胸の奥が疼くような気がして。]

  ――悪ィが、生涯に愛する女は一人だけ、と決めてるんでね。

[ それでも続けた言葉の端は掠れていたけれど。
 浮かぶ顔を心の奥へと沈めて少女を見詰め。
 その時ばかりは真面目極まりない声で告げた。]

(119) rinaria 2015/02/12(Thu) 13時頃

【人】 ろくでなし リー

[ 何処か落胆したようにも見える少女。>>122
 けれど、提案が本気であったのであったとしても、
 此処へ身を止める事にした男には無理な相談。

   それに――、愛する女はひとりきり。

 もうずっと昔にそう決めてしまったのだから。
 話が終われば男も歩みを再開することにした。]

(155) rinaria 2015/02/13(Fri) 14時頃

【人】 ろくでなし リー

[ そうして、先に駆けていった後ろ姿たちが見えると、
 丁度、アオイの"帰れるよ">>@13という声が聞こえた。

 ――嗚呼、矢張りこの少女に帰るつもりは無かったのだ。
 何時だったか、薄らと分かっていた。

 アオイとエミ。扉のすぐ近くへ立つ二人の前には、
 男も目にした真っ白い闇。

 男は、そちらへと足を向けることはせず。
 静かに壁際へ背を傾けた。

 そのまま、何人かの"帰る">>127>>131声を聞いた。
 それに、湿り気を帯びた声で"残る"と口した少女の声>>133も。
 それに対する声高な坊ちゃんの辛辣な声>>134>>135も。

 それでも男は、帰るとも残るとも言わないまま。]

(156) rinaria 2015/02/13(Fri) 14時頃

【人】 ろくでなし リー

[ ピエロの兄さん――相変わらず年齢は知らなかったけれど、
 から漏れた声>>141を聞いても男の考えは変わらなかった。]

  ――――…生憎と後悔するようなものは、
             向こうには残ってなくてなァ。

[ 大袈裟に肩を竦めて下駄をからりと鳴らす。
 今度は転ばぬよう、注意を払いながら。
 そうして、誰に向けるでもなく、
 マユリへ言った事と同じことを繰り返すのだ。]

  俺は帰らねェよ。
  見送りくらいは――…まァ、してやるさ。

(157) rinaria 2015/02/13(Fri) 14時半頃

【人】 ろくでなし リー

[ ――ああ、彼は。>>160
 ようやっと決断した男になんてことを言うのだろう。
 …芝居しか無かった。
 好きだった女と先輩を失くした男には、それしか。

 …それは、つまり芝居に関してはまだ。]

  ――そうかい。……でもな、

   ――俺は、地獄の業火に焼かれながら
            それでも天国に憧れる。

[ ピエロの兄さん――寧斗へ向けて、言葉を紡ぐ。
 男には芝居だけしか、無かったから。
 だから、見送る言葉も件の仮面の怪人のもの。

 男にしては日常もこちら側も地獄であるのには変わりなく。
 それでも男はここが天国であると信じたかった。
 そんな思いを込めて、口にした。]

(181) rinaria 2015/02/13(Fri) 23時半頃

【人】 ろくでなし リー

[ そして、男へ背を向けたピエロへからころと寄り。
 彼の見据えた扉の先――男には、もう無用の世界。
 …けれど、眩しいその白い闇を見詰め。]

  ――ピエロの兄さんよ。
     一つだけ、頼みごとを聞いちゃあくれねェか。

[ 横のピエロに向けてかけたのはそんな言葉。
 半眼に薄く張る水の膜が溢れてしまわなよう、
 幾度か瞬きをして。]

  向こうに戻ったら、
   …とある場所に、こいつを。
      置いてやっちゃあくれねェか。

       ――だぁれも来なくなっちゃ、寂しいだろうから。

[ そうして、手渡す…というより押し付けたのは、
 自身の携帯電話。――それと。
 鳴らした指と共に右手に赤い薔薇を一輪咲かせて。]

(182) rinaria 2015/02/13(Fri) 23時半頃

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