7 百合心中
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[客人にはゆったりとしたソファをすすめて マルグリットはカーテンを開いた。 空は、とても青く澄んでいる。]
なにかあったら、謂ってね。
[笑みを向けた後、テーブルの上に焼き菓子を置いた。 携帯電話がなるのに気づくと、 やはり両手で持って、確かめる。
それからもう一度、窓の外へ眼を向けた。 思うのはヨーランダたちが無事であるように、 あのふたりが無事に逢えるように、 それから]
…――、猫さんも、だいじょうぶかしら。
[気紛れなこども―まだ年齢を誤解していた―のことも。]
(109) 2010/03/26(Fri) 11時頃
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―住宅街:マルグリット宅― [写真立てには、父の、母の写真がある。 携帯電話が震えた。 開いてその内容にほっとした表情を浮かべる。]
後輩のおともだちがね、 いなくなってたけど、見つかったって。
よかった。
[と、ケイトはじめ、客人が起きているなら そう伝えて。]
みんな、すてきなひとなのよ。 紹介できると、いいわ。
[日常をなぞる。少しだけ翳れどもその姿勢は変わらない。]
(130) 2010/03/26(Fri) 13時頃
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ちょっとだけ、庭を見てくるの。
そうだ。お花を飾りましょうか。 春ばらを育ててるの。 いいかおりなのよ。
[少し首を傾げてほほ笑んだ。]
(131) 2010/03/26(Fri) 13時頃
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長老の孫 マーゴは、受付 アイリスのことを、庭に咲いたアイリスを見て思う。会えたのかしら。会えるといいわ。
2010/03/26(Fri) 13時頃
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―住宅街:マルグリット宅― [大きな硝子戸を開けば 直接部屋から庭に降りることができる。 ばらの花を選びながら、腕に抱える ケイトの声を聞き、彼女の方を向いて>>132]
…うん、…そうね
[父は、研究して、対抗策を見つけられずに、死んだ。 対抗手段は、きっと、無くて]
…――研究所で…何か見つかれば、 ニュースでもしらせてくれる かしら ね。
[――少しずつ世界の機能が麻痺している。 気休めだ、とわかっていても口にして、微笑む]
ね、お花は何色がすき?
(135) 2010/03/26(Fri) 13時頃
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長老の孫 マーゴは、読書家 ケイトの方を見て、庭に佇んでいる。
2010/03/26(Fri) 13時頃
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―住宅街:マルグリット宅― [話し声は聞こえたろうか。 摘み取ったばらの花を抱えて 低い塀から少しだけ背伸びして顔を覗かせる。
小首を傾げる。
誰か、居るのだろうかと。 聞き覚えのある声だと思った。]
(148) 2010/03/26(Fri) 13時半頃
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―少し前のこと>>139― [タバサから差し出された名刺を見て]
店長さんなの、すごいわ。 おさけをのむところかしら。
[笑みを浮かべた。 名刺は大切に、鞄のなかにしまわれた。 過去にするのはかなしいから、 意味が無いなんて口にはせずに。]
ええ、よろしくおねがいするの。
[そう、謂ったのだった。]
(150) 2010/03/26(Fri) 13時半頃
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長老の孫 マーゴは、楽器職人 モニカの姿に、そしてヨーランダとグロリアに、笑み浮かべて小さく手を振った。
2010/03/26(Fri) 14時頃
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―住宅街:マルグリット宅― [呼び鈴を鳴らしに行く様子なら、 長いワンピースの裾を片手で持ち上げながら駆けて行く。]
ようこそ。
[笑み浮かべて腰の高さほどの木戸を開く。 片手には抱えたばら。 彼女らの会話の内容を、 マルグリットは知らないけれども。]
(163) 2010/03/26(Fri) 14時頃
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ヨーランダさん、グロリアさん、 コリーンさん。猫さんも。
無事でよかったの。 またあえて、うれしいのよ。
[笑みを浮かべる。 名前を知らないから、猫、とモニカのことを呼んだ。グロリアには頷いて>>165]
ええ、公園でおはなししたのよ。 そうなの…、 もちろん、いいのよ。 にぎやかなのも好きだもの。
[ね、と面々を見る。 ヨーランダの抱擁にはそっと背を撫ぜて]
(169) 2010/03/26(Fri) 14時半頃
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長老の孫 マーゴは、墓守 ヨーランダのことば、ちいさなことばに、心配そうな表情を浮かべ
2010/03/26(Fri) 14時半頃
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[グロリアが腕を引き、 ヨーランダが離れるのを見れば 見守るような笑みを浮かべて。]
ええ、猫さん。 歓迎するのよ。
[正面から抱きとめて、背中を撫ぜる。 ばらのとげが刺さらないように、 片腕だけで。]
ね、少しでもゆっくりしていってくれるとうれしいの。 タバサさんと、それと ケイトさんもいるのよ。
[手を家の中の方へさしのべる。]
(176) 2010/03/26(Fri) 14時半頃
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タバサさんとは公園で会ったのよ。 おさそいしたの。 ひとりは、さみしいもの。
[ね、とばらを花瓶に活けながら経緯を答える。]
お店、そう、 店長さんなのよね。 名刺、いただいたわ。 お若いのにすごいのよ。
[店の仔細は、わかっていないようだった。]
(181) 2010/03/26(Fri) 14時半頃
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長老の孫 マーゴは、水商売 タバサがおんなじように経緯を答えるのに、そうそう、というように相槌を打った。
2010/03/26(Fri) 14時半頃
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[モニカの言葉には、 小さく首を傾いでそうね、と謂う。]
いついてくれてもうれしいわ。 帰る場所 が できるまででもいいの。 そうね、ひとりは…さみしいわ。
[泣いていたケイト、 リンダとのやりとりで 耐えるようにも見えたタバサ、 イリスを探すリンダ、――それから。]
(190) 2010/03/26(Fri) 14時半頃
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[そっともういちどモニカの背を撫ぜて、 キッチンへ向かう。水はまだ生きていて、 日常の一場面をまだ描けそうだと思えば――笑みは、はかなく淡く。]
ね、お茶はいかが?
[皆に向けたのはいつもの笑顔。 程なくテーブルに全員分のティーカップに注がれた紅茶が並ぶだろう]
(191) 2010/03/26(Fri) 14時半頃
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お茶はね、アールグレイよ。 ベルガモットの香りはすきかしら?
[>>194モニカにはそう答える。 想う同士の語らいには、見守るように笑むだけ。 グロリアが小さく零したのには少し目を伏せて]
わたし、世界がどんなふうになっても わたしはわたしの日常を、過ごしていたいのよ。 それが、わたしのわがままなの。
(199) 2010/03/26(Fri) 15時頃
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ええ、昨日焼いた アップルパイがあるのよ。
[モニカに笑んで、 それぞれの皿にパイを取り分ける。 タバサとモニカが出かけるようなのには]
おでかけ?気をつけてね…?
車も、バイクも、ないの。 ごめんなさいね。
[申し訳なさそうに、そういったの*だった*]
(205) 2010/03/26(Fri) 15時半頃
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長老の孫 マーゴは、楽器職人 モニカがバイクのことを云うのに、まだ年齢を勘違いしているので小首を傾げたりも*した*
2010/03/26(Fri) 15時半頃
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ピンク。
ううん、こどもっぽくなんかないわ。 とっても綺麗な色よね。 よく似合うと思うの。
[ケイトに謂いながら、差し出したのは 淡いピンクの咲き初めのばら。]
はい、どうぞ。プレゼントなのよ。 タバサさんには真紅のばらがにあうかしら?
[そんなやりとりが、あった。 茶会の準備をケイトが手伝ってくれるなら、ありがとうと笑みを向けた。]
(210) 2010/03/26(Fri) 19時半頃
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[皆に似合う花を考えて、 これがいいかしら、などとそっと渡した。 自分にできる、祈り。 お守りのつもりでいた。 コリーンにも、見えなくとも、香りは届けられるだろうから。]
みんなで行くの?
[話が進む様子に、モニカと、ケイトと、それからタバサを見る。]
たべもの、は。 そうね、あると、うれしいけれども。
[うーん、と考えている。 探せば――持ち主を失った車が、道に停められているだろうが。]
(213) 2010/03/26(Fri) 21時頃
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長老の孫 マーゴは、歌い手 コリーンに、どうしたの?とたずねもしたか。
2010/03/26(Fri) 21時頃
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…みんなの、家…
[呟くと眼を伏せた。 わかっては、いるけれど。]
…この花は、春ばらよ。
淡いクリーム色なの。 よいかおりなのよ。
[コリーンには笑みながら説明をした。]
……うん。 ゆっくりしてくれて、 いいの。
(216) 2010/03/26(Fri) 21時半頃
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ふたりとも…
[胸の前で手を合わせ 不安げにしていたが そっと手を伸ばしてそれぞれの肩に触れた。]
ね、 どろぼうはたしかに、いけないけれど。 向こうまでいくのも、あぶないのね。
ね、食べ物を取りにいくなら わたし、いくのよ。
[それでどう?と首を傾ぐ]
(223) 2010/03/26(Fri) 22時頃
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猫さんは、モニカさんというのね。 大学生…?
[ぱちり、と瞬きを一度。]
いってたより、ずうっと 大きかったのね。
[悪戯にひっかかってしまっていたのにも気付き。 もう、と困ったように首を傾ぐ]
(232) 2010/03/26(Fri) 22時頃
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ここには、 遠慮しないでいてくれていいのよ。 ゆっくりしていってくれると、うれしいの。
[泣きそうな顔のケイトの髪を撫で、 それからコリーンのほうをみて]
コリーンさん、 ピアノもあるのよ。 よかったら……また、聞かせてほしいわ。
[窓の外、秘密の花園と呟かれたように、花が風に揺れていた。]
(233) 2010/03/26(Fri) 22時頃
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ヨーランダさんの車、 借りられるならそれがいいかしら。
モニカさん、
[コリーンの側に歩み寄って]
コリーンさんは、目が見えないの。
[振る手は、とまったろうか。 コリーンの手に手を添えた。]
(237) 2010/03/26(Fri) 22時半頃
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[>>244モニカにええ、と頷く。]
そうなの。 ピアノの先生。 こどもたちにおしえてるのよ。
[コリーンに声をかけるケイトに、柔らかく笑んで]
ピアノね。
ピアノは、こっちの部屋。 そうそう、寝室は二階なの。 眠たくなったら、つかってくれていいの。
…うん、わたしの弾く曲も、 きいてもらえたら、うれしいのよ。
(253) 2010/03/26(Fri) 23時半頃
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―住宅地:自宅―
ええ、 きっと、聞いてね。
[ピアノの部屋から、音楽が聞こえてくる。 耳を澄まして。少しの間眼を閉じた。]
…ヨーランダさん、 車、かしてくれる?
ごはん、つくらないといけないもの、ね。
[首を小さく傾いで、笑みを浮かべた。]
(257) 2010/03/27(Sat) 00時半頃
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長老の孫 マーゴは、墓守 ヨーランダにゆったりと頷いた。
2010/03/27(Sat) 01時半頃
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―住宅街:マルグリット宅― [太陽と月のふたりが出て行く。 すぐに戻ってくるだろうから、と けれど、何か予感のようなものはあって、 それでも待っていた。]
……――
[窓際で、ずっと、外を見ながら。 花が揺れていた。花が。 不安げに、眉を寄せて]
(341) 2010/03/27(Sat) 07時頃
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あ…
[――不意に、携帯電話が鳴った。 両の手で持って開く、 液晶に映ったメールの内容は―――]
(342) 2010/03/27(Sat) 07時頃
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…――!!
[大きく眸が揺れて、 携帯電話を胸に抱いたまま、 玄関先へ走り、飛び出した。 花の香りのする風が吹く。
駆けて、駆けたさきは、駐車場。
目立つ車の横に、 示された車。
其処にはもう、誰の影も、ない。]
(343) 2010/03/27(Sat) 07時頃
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[――二人だけの場所に向かいます]
…、あ、……、
[――私達の事は探さないで下さい。]
……、――いって
しまう のね…
[メールの内容が胸を刺す。
ふたりでいて、ふたりでいくこと。 ふたりは、 それを、選んだのだ。]
(344) 2010/03/27(Sat) 07時半頃
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…―― … …… しあわせ 。
きっと とても しあわせ ね
[聞く人もいない問いかけ。 しあわせなのだ。あいするひとといられるなら。 でも、別れは つらいもので]
――っ、…、…ぅ、
[口元を押さえる。 涙。それから、小さく嗚咽が漏れた。 長い黒髪が風に遊ばれる。
戻るまでには、泣きやまないとと、 そうは、思いながら。――思いながら。]
(345) 2010/03/27(Sat) 07時半頃
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[誰かが来ても。誰も来なくとも。 家に戻り、少しだけかなしげな笑みを浮かべ 皆にこう告げる。]
……ヨーランダさんと、 グロリアさんは…… いくところがあるのですって。 大切な場所に……。 だから、いまは、さがさないであげて。 …だいじょうぶって、云ってたから。
車、かしてくれたのよ。 これが、鍵なの。
[――ポストから取り出したそれを、手のひらに置いて示す。]
ね、タバサさんのお店に 食べ物、とりにいきましょうか。
[そうして、微笑んで―――]
(347) 2010/03/27(Sat) 09時頃
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[それから。 小さくこう続けた。]
…ね。
たいせつなばしょができたらね、 …そこへ、いってね。 後悔しないように。
ここには、いつでも… きてくれて、かまわないから。
ね。
[最後はどうか願う場所へ、と ささやくように。 商業地区へ向かうなら、付き添うつもりで*]
(348) 2010/03/27(Sat) 09時半頃
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